( Victor Hugo: "Notre Dame de Paris" より)
[フランス語上級]
19世紀フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの『ノートルダム・ドゥ・パリ』から。
【発音】
Et ne craignez-vous pas
エ ヌ クレニェヴ パ
qu'un saumon de plus
カン ソモン ドゥ プリュス
ne fasse chavirer
ヌ ファス シャヴィレ
votre bateau ?
ヴォートゥル バトぉ
【語句】
craignez : craindre (恐れる:クランドゥル) の直説法現在形。 vous に対応した形。
ne craignez-vous pas que ... : あなたは...ということを恐れないのか、...ということが恐くないのか。(craindre que ... の、...の箇所は接続法を使うことになっています。)
saumon : (男性名詞) サーモン、鮭
de plus : さらに...だけ
un saumon de plus : さらに一匹のサーモンが (fasse chavirer の主語)
fasse : faire の接続法現在。 il などの三人称単数形の主語に対応した形。
chavirer : 転覆させる、ひっくり返す
faire + 不定詞(動詞の原形) : 「~させる」という “使役” の意味になります。
fasse chavirer votre bateau : あなたの船を転覆させる
ne fasse chavirer ... の 「ne」 : この ne は “虚辞のne” といって、とくに否定の意味はもっていません。特定の表現のときに形式的につけます。この場合は 「craindre que ...」となっていますが、craindre のあとの que の中では否定じゃなくても ne をつけることになっています(つけない場合もあります)。
【直訳】
Et / ne craignez-vous pas / qu'un saumon de plus / ne fasse chavirer votre bateau ?
そして / あなたは恐れないのか / さらに一匹の鮭が / あなたの船を転覆させることを ?
【試訳】
それにあなたは怖くはないのですか。あと一匹鮭が多ければあなたの船が転覆してしまうかもしれないのですよ。
『ノートルダム・ド・パリ』の翻訳は岩波文庫版などがありますが...、長く、そして読みにくい!
オススメはこれ!