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2023-02-27

彼がしてくれたことはもうだれにもできないだろう

 «Ce qu'il a fait pour nous, plus personne ne le fera»: des milliers de Brésiliens font leurs adieux à Pelé

サッカーの王様、ペレが昨年(2022年)12月末に亡くなりました。

ペレを悼むブラジルの人たちを伝える、フランスのニュースサイト RFI の 2023年1月2日の記事のタイトルです。

«Ce qu'il a fait pour nous, plus personne ne le fera»: des milliers de Brésiliens font leurs adieux à Pelé


【発音の確認】

Ce qu'il a fait pour nous
スキラフェプールヌ

plus personne ne le fera
プリュペルソヌ ヌルフラ

des milliers de Brésiliens 
デミリェドゥブレズィリァン

font leurs adieux à Pelé
フォンレールザディウアプレ


【文の意味】

01) Ce qu'il a fait

〈ce que S+V…〉で「SがVすること・もの」。英語だと〈what S+V…〉。

Ce qu'il a fait で「彼がやったこと」。

a fait は動詞 faire(する・やる)の複合過去。 fait は faire の過去分詞。


02) Ce qu'il a fait pour nous 

「彼が私たちのためのやったこと・してくれたこと」。


03) plus personne ne le fera

fera は動詞 faire の単純未来形。

活用を確認しておきましょう。

  je ferai (ジュフレ)
  tu feras (テュフラ)
  il fera (イルフラ)
  nous ferons (ヌフロン)
  vous ferez (ヴフレ)
  ils feront (イルフロン)


plus personne ne le fera の 最初の plus は ne ... plus(もはや...ない)の plus が前に出たもの。plus (もう、もはや)が強調されている感じでしょう。

personne は ne と組み合わさって「だれも...ない」

le fera の le は直前の ce qu'il a fait pour nous「あの人が俺たちのためにしてくれたこと」を受ける代名詞の le です。

ですので、plus personne ne le fera は「もうだれもそんなことをしてくれないだろう」。


04) Ce qu'il a fait pour nous, plus personne ne le fera

「彼が私たちのためにしてくれたこと、もうだれもそれをやってくれないだろう」。

「あいつが俺たちにしてくれたことはもうだれにもできないだろう」。


04) des milliers de Brésiliens 

「何千もの(多数の)ブラジル人たちが」。

millier は「千くらい」(男性名詞)。

この箇所は次の font (< faire)の主語ですね。


05) des milliers de Brésiliens font leurs adieux à Pelé

「何千ものブラジル人たちがペレに別れを告げています」。

adieu は「別れの言葉」(男性名詞)、複数形 adieux 。

〈à + Dieu〉つまり、「神のところで(また会いましょう)」が語源だと思うので、adieu は、相手ともう会わないときに使います。

スペイン語の adiós も同じように使うみたいです。

ずっと昔フランスで友達になったポーランド人の女性(フランス語話者)から、私が日本に帰るとき ” Adieu ! ” って言われて、あ~、adieu ってこういうときに使うのか、もう会わないつもりなんだな、ってちょっと悲しくしっくり来たのを思い出します。その女性の青い目が深かったです...。

faire ses adieux à ... で「...に別れの挨拶をする」。

06) «Ce qu'il a fait pour nous, plus personne ne le fera»: des milliers de Brésiliens font leurs adieux à Pelé

「彼が私たちにしてくれたこと、それと同じことをやれる人はもうだれもいないだろう」と、何千ものブラジル人たちがペレに別れを告げています。


(ここまで)

2018-05-02

ロボットが人間を殺傷するなんて考えられない

Il n'y a pas de raison de croire qu'on se fera détruire par nos robots

ドアを空けて仲間を通してやる四足歩行のロボット(開発: ボストン・ダイナミクス社Boston Dynamics)に関連したインタビュー記事(RFI, 2018/02/16)。

その記事の見出しです。


[発音]

    Il n'y a pas de raison de croire
    イルニァパドゥレゾンドゥクロワール

    qu'on se fera détruire par nos robots
    コンスフラデトリュィール パルノロボ

[文の意味]

il n'y a pas は il y a の否定なので「~がない」となります。

raison がないと言っていますが、この場合は raison (女性名詞)の持つ次のような意味のうちのどれに当たるでしょうか。

   ・理由
   ・理性
   ・理屈
   ・比率

あと、raison の前の de は何でしょうか。

前置詞の de ?

de には、

    「直接目的語につく不定冠詞(un, une, des)や部分冠詞(du, dela)は否定文で de になる」

という文法規則の de (冠詞の de)もあります。

たとえば、
    → 名詞・冠詞 - 北鎌フランス語講座 - 文法編
さんや、
    → フランス語 文法 否定のde:カード
さんがきちんと解説してくれています。

つづいて、Il n'y a pas de raison de croire までで、

    ...と思う(信じる)理由はない

という感じでしょう。

croire (信じる・思う)の内容は、

   qu'on se fera détruire par nos robots

で示されています。

この場合の que は、つぎに〈主語+動詞...〉からなる「節」がくる印です。

    ※ 節…文の中に組み込まれた〈主語+動詞...〉からなる部分。

この節の単語は、

    on : 人は
    se fera ... : ~されるだろう
    détruire : 破壊する・絶滅させる
    par : ~によって
    nos robots : われわれのロボット

となります。

fera は faire の直説法単純未来形ですね。

活用を確認しておきましょう。

    je ferai            ジュフレ
    tu feras           テュフラ
    il fera              イルフラ
    nous ferons     ヌフロン
    vous ferez       ヴフレ
    ils feront         イルフロン

    ※ ferai を「フェレ]と読まないように注意!

    → 単純未来形が出てくる記事

そして 〈se faire + 不定詞(動詞の原形)〉で「~される」という受け身の意味になります。


[訳文例]

Il n'y a pas de raison de croire qu'on se fera détruire par nos robots.

われわれのロボットによって人が絶滅させられると信じる理由はない。
    ↓
われわれの作るロボットが人間を殺傷してしまうなんてことは考えられない。


2015-06-19

パリにカジノはできないでしょう。

Il n’y aura pas de casinos à Paris.

(フランス語初級)


フランスの新聞 Le Monde (ル モンド) の 2015.6.11 の記事からの一文です。




とりあえず発音は、


    Il n’y aura pas de casinos à Paris.

    イルニ オラ パ ドゥ カズィノ ア パリ

という感じです。

この文の動詞はどれかというと、

  aura

ですね。

aura の不定詞 (原形) は avoir で、

aura は avoir の未来形 (単純未来形) の活用です。


確認しておくと、

    j'aurai                         ジョレ
    tu auras                     テュ オラ
    il aura                         イロラ
    nous aurons              ヌゾロン
    vous aurez                ヴゾレ
    ils auront                   イルゾロン


です。



ちょっと、aura を現在形の a にして書き換えてみます。

    Il n’y a pas de casinos à Paris.

il y a ~ は、「~がある (在る)」 という構文だったので、この文全体の意味は、

    パリにはカジノがない。

となります。

※ casino は男性名詞で、意味は 「カジノ」 です。


この文は ne (n') と pas があるので否定文です。

ここでさらにこの ne と pas を取り去ってみましょう。

すると、

    Il y a des casinos à Paris.

となるでしょう。

否定の文と普通の文(肯定文)を並べると、


    Il n’y a pas de casinos à Paris.

    Il y a des casinos à Paris.

となり、casinos の前が、

    否定文では、 de

    肯定文では、 des

となっています。



des は不定冠詞の複数形でした。

なぜ、否定文で不定冠詞複数形の des が de になっているかというとと、

    否定文中では、目的語(直接目的語)につく不定冠詞 ( un, une, des ) や
    部分冠詞 (du, de la ) は de になる。

という規則があるからです。

※ 初級文法の急所の一つです...。


いま、des casinos は il y a の目的語(直接目的語) になっているのです。

ですので、規則にしたがって否定文中で des が de になっています。

...。


元の未来形 (単純未来形) の文、

    Il n’y aura pas de casinos à Paris.

は、結局、

    パリにはカジノができないでしょう。

みたいな感じになります。

どうも、パリの議会でとりあえずパリにカジノは作らないということが決まったらしいです。

東京にはできるんでしょうか。



2012-02-05

海の風が俺の胸を

[フランス語初級]

L'air marin brûlera mes poumons.

(Arthur Rimbaud, "Une saison en enfer", 1873)

【発音】

L'air marin brûlera mes poumons.
レール マラン ブリュルラ メ プモン

L'air : レール
marin : マラン
brûlera : ブリュルラ
mes poumons : メ プモン

Arthur Rimbaud : アルチュール・ランボー
Une saison en enfer : ユヌ セゾン オナンフェール

【語句】

air : [男性名詞] 空気、風
marin : [形容詞] 海の
brûlera : 動詞 brûler の直説法単純未来形
brûler : 燃やす、焼く
poumon : [男性名詞] 肺

【解説】

* poumon が複数形なのは肺が二つだから。

【訳】

L'air marin brûlera mes poumons.

「海の空気が私の肺を焼くでしょう。」
「海の風にぼくの胸は焼かれることだろう。」
「海の風が俺の胸を焼くだろう。」

(アルチュール・ランボー 『地獄の季節』)

→ 翻訳書1 (小林秀雄 訳)
→ 翻訳書2 (篠沢秀夫 訳)

【関連投稿】

→ 「地獄の道連れの告白を聞こう」 (2011/11/21)