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2012-02-29

愚かさと過ちと罪と吝嗇が(1)

[フランス語中級]

La sottise, l'erreur, le péché, la lésine,
Occupent nos esprits et travaillent nos corps,
Et nous alimentons nos aimables remords,
Comme les mendiants nourrissent leur vermine.
[Baudelaire, "Les Fleurs du mal", 1861]

ボードレールというフランスの詩人の『悪の華(はな)』という詩集の冒頭 Au lecteur 「読者へ」 の出だしです。

今回は前半の2行を見てみます。

【発音】

La sottise, l'erreur, le péché, la lésine,
ラ ソティーズ レルール ル ペシェ ラ レズィーヌ

Occupent nos esprits et travaillent nos corps,
オキュプ ノゼスプリ エ トラヴァーユ ノ コール

Baudelaire, "Les Fleurs du mal"
ボドレール レ フレール デュ マル

Au lecteur
オ レクトゥール

【語句】

sottise [ソティーズ] (女性名詞) 愚かさ
erreur [エルール] (女性名詞) 過ち、誤り
péché [ペシェ] (男性名詞) (宗教上の)罪 
lésine [レズィーヌ] (女性名詞) 吝嗇(りんしょく)

occuper [オキュペ] (動詞) を占領する、を占める
esprit [エスプリ] (男性名詞) 精神、心
travailler [トゥラヴァイエ] (自動詞) 働く、(他動詞) に働きかける、を悩ませる・苦しめる
corps [コール] (男性名詞) 体、身体、肉体 * 単数でも最後に -s がつきます。

Charles Baudelaire [シャルル ボドレール] 1821-1867。フランスの詩人、批評家。
fleur [フルール] (女性名詞) 花
mal [マル] (男性名詞) 悪、痛み
lecteur : (男性名詞) 読者

【文の構成】

*  「La sottise, l'erreur, le péché, la lésine,」がこの文の主語、述語動詞は occupent と travaillent 。主語が三人称複数なのでそれに合わせて occuper が occupent に、travailler が travaillent になっています。

La sottise, l'erreur, le péché, la lésine,
愚かさと過ちと罪と吝嗇が

Occupent nos esprits
私たちの精神を占め

et travaillent nos corps,
そして私たちの肉体を悩ませる。

【和訳】

_ 愚かさ、過ち、罪、吝嗇が私たちの精神を占領し、私たちの肉体に働きかける。
_ 愚かさと過ちと罪と吝嗇が、われらの心を占拠しわれらの身体を苦しめる。

【関連情報】

(翻訳)
→ 「読者へ」 (壺齋閑話)
→ 「読者へ」 (ボードレール研究サイト)
→ 『悪の華』  (安藤元雄 訳 / 集英社文庫)
→ 『悪の華』 (鈴木信太郎 訳 / 岩波文庫)

(原文)
→ Les Fleurs du mal/1857/Au lecteur (Wikisource)

【豆知識】

芥川龍之介という明治時代の小説家が 「人生は一行のボオドレエルにも若かない。」 と言っています。 ( 「若かない」 は 「しかない」 と読みます。)

或阿呆の一生』 という作品の冒頭です。



上級仏単語: écureuil

【発音】
écureuil
エキュルーユ

【品詞】
男性名詞

【意味】
りす


2012-02-28

上級仏単語: intrinsèque


【発音】
intrinsèque
アントランセーク

【品詞】
形容詞

【意味】
内在的な、固有の、本質的な


2012-02-19

私は苦しんだ。

[フランス語初級]

J'ai souffert.
( Georges Bataille, "L'Impossible", Ed. de Minuit, 1981, p.66 )


【発音】

J'ai
ジェ
souffert.
スフェール

Georges Bataille
ジョルジュ バターュ
L'Impossible
ランポッシーブル

Ed. de Minuit
エディション ドゥ ミニュィ
(Ed. は Edition の略)


【語句】

souffert : 動詞 souffrir の過去分詞。
souffrir : 「苦しむ」。

Georges Bataille : 1897-1962。フランスの作家・思想家。
impossilbe : 形容詞。「不可能な、無理な」。
* impossible から im- を取ると possible (ポッシブル)となり、いみは 「可能な、ありうる」 となります。

édition : 女性名詞 ( -tion で終わる名詞は女性名詞)。「出版、出版社」。
minuit : 男性名詞。「夜12時、真夜中」。
Edition de Minuit : フランスの出版社の名前。


【文法】

● < ai souffert > は、「avoirの直説法現在形 + 動詞の過去分詞」、つまり 「複合過去形」 になっています。

● < l'impossible > は形容詞に定冠詞 le がついた形です。形容詞に定冠詞がつくと 「~なもの」というかんじの名詞になります。< l'impossible > だと「不可能なもの」っていうかんじです。 < le beau >  だと 「美しいもの」。


【訳】

「私は苦しんだのだ。」
(ジョルジュ・バタイユ 『不可能なもの』)

【関連投稿】

・ 「ああ、俺は苦しいんだ。」 (2012/2/19)


【翻訳】

→ 『不可能なもの』 (生田耕作 訳 / 二見書房)



ああ、俺は苦しいんだ。

[フランス語初級]

Ah ! je souffre, je crie. Je souffre vraiment.

(Arthur Rimbaud, "Une saison en enfer", 1873)


【発音】

Ah !

je souffre,
ジュ スーフル
je crie.
ジュ クリ
Je souffre vraiment.
ジュ スーフル ヴレモン

【語句】

ah : ああ (感嘆の表現)
souffre : souffrir の直説法現在形・一人称単数。
souffrir : [スフリール] (動詞) 苦しむ
crie : crier より。
crier : 叫ぶ、泣きわめく (英語の cry)。
vraiment : (副詞) 本当に。形容詞は vrai (本当の、本物の)。

【訳】

Ah ! je souffre, je crie. Je souffre vraiment.

ああ、私は苦しい、私は叫ぶ。私は本当に苦しいです。
ああ苦しい、叫びます。ほんとに苦しいんです。

【解説】

souffrir は語末が -ir で終わっているけれど、choisir や réussir、finir などのいわゆる 「第2群規則動詞」 とは活用が違います。

souffrir と同じ活用する動詞にはほかに ouvrir、couvrir、découvrir、offrir  などがあります。

[choisir の直説法現在形の活用]
je choisis
ジュ ショワズィ
tu chosis
テュ ショワズィ
il choisit
イル ショワズィ
nous choisissons
ヌ ショワズィソン
vous choisissez
ヴ ショワズィセ
ils choisissent
イル ショワズィッス

[souffrir の直説法現在形の活用]
je souffre
ジュ スーフル
tu souffres
テュ スーフル
il souffre
イル スーフル
nous souffrons
ヌ スフロン
vous souffrez
ヴ スフレ
ils souffrent
イル スーフル


【関連記事】

* Arthur Rimbaud, "Une saison en enfer" については以下を参照

・ 海の風が俺の胸を [フランス語初級] (2012/02/05)
・ 地獄の道連れの告白を聞こう [フランス語中級] (2011/11/21)



2012-02-18

上級仏単語: pesticide


【発音】
pesticide
ペスティシィッド

【品詞】
男性名詞

【意味】
殺虫剤

【語源】
pest- は英語で「害虫」という意味があり、 -cide は「殺すもの・こと・人」という意味。

たとえば、 suicide [スュイシッド] は 「自殺」(男性名詞) です。
sui- には「自分の」という意味があるようです。


2012-02-10

上級仏単語: arborer

【発音】
arborer
アルボレ

【品詞】
動詞

【意味】
(旗)を掲げる
これ見よがしに身につける


2012-02-06

上級仏単語: échantillon

échantillon  


【発音】
échantillon  
エシャンティヨン
Forvoで確認


【品詞】
男性名詞


【意味】
(商品の)見本

(統計の)サンプル, 標本

2012-02-05

海の風が俺の胸を

[フランス語初級]

L'air marin brûlera mes poumons.

(Arthur Rimbaud, "Une saison en enfer", 1873)

【発音】

L'air marin brûlera mes poumons.
レール マラン ブリュルラ メ プモン

L'air : レール
marin : マラン
brûlera : ブリュルラ
mes poumons : メ プモン

Arthur Rimbaud : アルチュール・ランボー
Une saison en enfer : ユヌ セゾン オナンフェール

【語句】

air : [男性名詞] 空気、風
marin : [形容詞] 海の
brûlera : 動詞 brûler の直説法単純未来形
brûler : 燃やす、焼く
poumon : [男性名詞] 肺

【解説】

* poumon が複数形なのは肺が二つだから。

【訳】

L'air marin brûlera mes poumons.

「海の空気が私の肺を焼くでしょう。」
「海の風にぼくの胸は焼かれることだろう。」
「海の風が俺の胸を焼くだろう。」

(アルチュール・ランボー 『地獄の季節』)

→ 翻訳書1 (小林秀雄 訳)
→ 翻訳書2 (篠沢秀夫 訳)

【関連投稿】

→ 「地獄の道連れの告白を聞こう」 (2011/11/21)