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2014-03-31

上級仏単語: ingérence

ingérence は、発音 アンジェランス。

女性名詞。

意味は、「不当な干渉, 介入」 などです。


2014-03-27

上級仏単語: austérité

きょうの上級仏単語は、

    austérité

    オステリテ

です。

女性名詞で意味は、

    1. 厳しさ
    2. 簡素

などですが、ニュースなどでよく出てくるのは、

    politique d'austérité

という用語で、

    緊縮財政

などの意味になります。


2014-03-21

上級仏単語: jeûne

jeune (ジュゥヌ) は 「若い」 という形容詞ですが、

今日の上級仏単語は jeûne です。

発音は jeune とだいたい同じですが少し伸ばして 「ジュゥーヌ」 という感じみたいです。

いつもの Forvo でフランス人の発音を聞いてみてください。

どちらも同じユーザー (録音者) の発音を聴くことができるので違いがわかります。
(ありがたい!)

  → jeune

  → jeûne


jeune の意味は 「絶食」、「(宗教上の)断食」、男性名詞です。


2014-03-19

おぉ! なんと甘美なことか! 03

On doit laisser pousser ses ongles pendant quinze jours. Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure, et, avec les yeux très ouverts, de faire semblant de passer suavement la main sur son front, en inclinant en arrière ses beaux cheveux!

"Les Chants de Maldoror" 続き、その3です。

"Chants de Maldoror" 初版, 1968, Wikipedia より


前回は、

    Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant ...
    おぉ! 男の子をベッドから乱暴に引き出すのはなんと気持ち良いことか!

まで。

今回は un enfant の後に qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure と続くところまでやりたいと思います。


とりあえず、だいたいの発音を、
    qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure

    キナリヤン アンコール シュル ラ レーヴル シュペリウール


qui で始まっていますが、qui は「誰が」 など意味のの疑問詞か、関係代名詞かのどちからです。

今回の場合は、 un enfant qui n'a rien ... と続いているので関係代名詞の qui でしょう。


※ なぜ疑問詞の qui じゃなくて関係代名詞の qui と判断するかといえば、疑問詞の場合は文頭に来て、

    Qui me cherche? (私を探しているのはだれ?)

となるか、文中に組み込まれる場合は、
    Je me demande qui me cherche. (私を探しているというのはだれなんだろう。)

みたいになります。

今回は、 qui の前(左)に、qui の先行詞(=関係代名詞節が修飾する名詞)になりそうな un enfant (名詞)があるので、この qui は関係代名詞なんじゃないかと推測するわけです。


さて、関係代名詞の箇所 (=関係代名詞節) はその直前(左)にある名詞(=先行詞) を修飾するのが役割です。

図式化すると、

    un enfant ← qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure

です。

つまり、「qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure」 な 「子供 un enfant 」 です。


関係代名詞の qui は関係代名詞節の中で主語の役割をします。

なので qui のすぐあとに動詞がきて

    qui n'a rien encore ...

となっています。

a は avoir で「持っている」。

ne ... rienで「何も ... ない」。

encore は「まだ」。

なので

    qui n'a rien encore ...

    まだ何も持っていない...

となるので、

    un enfant qui n'a rien encore

で、

    まだ何も持っていない子供

となります。


続いて、
    sur la lèvre supérieure

lèvre は 「くちびる」、女性名詞。

supérieure は supérieur の女性形、いみは 「上の」。

つまり、 la lèvre supérieure で 「上のくちびる」 → 「上唇 (うわくちびる) 」 です。

前置詞 sur は、「(接触して)上に」 なので、

    sur la lèvre supérieure

    上唇(の上のところ)に

となります。

ですので、

    qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure

は、

    上唇にまだ何も持っていない

です。


そうすると、

    un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure
は、

    上唇にまだ何も持っていない子供(男の子)

つまり、

    上唇にまだ何も生えていない男の子

となるでしょう。


まとめると、

    Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure

    おぉ! まだくちびるの上に何も生えていない(くらいの年の)男の子をベッドから乱暴に引き出すのはなんと気持ち良いことか!


2014-03-16

おぉ! なんと甘美なことか! 02

On doit laisser pousser ses ongles pendant quinze jours. Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure, et, avec les yeux très ouverts, de faire semblant de passer suavement la main sur son front, en inclinant en arrière ses beaux cheveux!

ロートレアモン伯爵 (Comte de Lautréamont) の 「マルドロールの歌」 ("les Chants de Maldoror") の続き。

"Chants de Maldoror" 初版, 1968, Wikipedia より


前回は、

    Comme il est doux d'arracher ...

    引っこ抜くのはなんて心地いいんだろう!

    引き離すのはなんと甘美なことだろうか!

まででした。

arracher (引き抜く、引き離す) と言っているのですが、「何を」 引き抜くのでしょうか。

続きを見てみます。


    Comme il est doux d'arracher brutalement ...

brutalement (ブリュタルモン) は、「乱暴に、荒々しく」、あるいは 「不意に」 という副詞。


※ brutalement という形の元になっている形容詞形は brutal (ブリュタル) 「乱暴な」 「不意の」。

このように、形容詞の女性形 (brutal => brutale ) に -ment をつけると副詞になる語句は多いです。


ちょっとだけ例を見てみましょう。

形容詞女性形副詞
strict
ストゥリクトゥ
厳密な
stricte
ストゥリクトゥ
strictement
ストゥリクトゥモン
厳密に
actuel
アクチュエッル
現在の
actuelle
アクチュエッル
actuellement
アクチュエルモン
現在、目下
heureux
ウル
幸せな
heureuse
ウルーズ
heureusement
アクチュエルモン
幸せに


例文に戻ります。 arracher brutalement (乱暴に・不意に引っこ抜く) と言ってますが、まだ「何を」引っこ抜くかが出てきません。

なのでその次を見てみます。

    Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit ,,,


de son lit の発音は、「 ドゥ ソン リ 」。

lit はベッド (男性名詞) ですね。

でも 「ベッドを引っこ抜く」 と言っているわけではありません。

なぜなら son lit (彼の、彼女のベッド) の前に 前置詞の de があるからです。

前置詞のついている名詞は、動詞の直接の目的語 (直接目的語: その動詞の動作が及ぶ対象) にはなりません。

この場合でいえば、arracher の後に前置詞なしで名詞が来れば、その名詞がarracher の目的語になります。


そこで、arracher de son lit の場合の前置詞 de は 「~から」 ととって、「彼(彼女)のベッドから(...を)引き抜く、引き離す、引っぱりだす」 となるでしょう。

じつは辞書を見てみたら、

    arracher 人 de son lit

という表現は項目として載っていました。

意味は、

    ...をベッドから引っぱり出す (ロワイヤル仏和中辞典)

となっています。


では、「何を」 引き抜く・引き離すのか、といえば、すぐ後に un enfant とあるので、

    arracher brutalement de son lit un enfant

    子供をそのベッドから乱暴に引っこ抜く

    子供をそのベッドから不意に引き離す

みたいになります。


enfant は男性・女性とも同じ形の名詞ですが、un enfant と男性の不定冠詞 un がついているので、男子ということになります。

ここまでで、

    On doit laisser pousser ses ongles pendant quinze jours. Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant ...!

    2週間爪を伸ばしておけ。 おぉ!男の子をベットから不意に引っぱり出すのはなんと甘美なことだろうか!

となりますが、まだ意味不明な感じです...。

(続く...)

上級仏単語: révolu

本日の上級フランス語単語は、

révolu

発音は 「レヴォリュ」。

発音を耳で聞きたい方は、いつもの FORVO で。

「(時間が)過ぎ去った、経過した」 という意味の形容詞です。


2014-03-15

おぉ! なんと甘美なことか! 01

Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure, et, avec les yeux très ouverts, de faire semblant de passer suavement la main sur son front, en inclinant en arrière ses beaux cheveux!


- On doit laisser pousser ses ongles pendant quinze jours.

   二週間爪を伸ばしたままにしておかねばならぬ。

これ ↑ は以前扱った、ロートレアモン伯爵 (Comte de Lautréamont) の 「マルドロールの歌」 ("les Chants de Maldoror") からの一節。

"Chants de Maldoror" 初版, 1968, Wikipedia より


きょうはこの続きを見てみましょう。

On doit laisser pousser ses ongles pendant quinze jours. Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure, et, avec les yeux très ouverts, de faire semblant de passer suavement la main sur son front, en inclinant en arrière ses beaux cheveux!

続く一文が長いです...。


_ Oh! [オォ!]

「おっ!」 です。 発音するときに英語っぽく 「おぅっ!」 とならないように、あくまでも口の形は「オ」のままです。


_ Comme [コンム]

comme は、ファッションブランドの COMME des GARÇONS のように、comme の後に名詞が続くときは、「~として」 あるいは 「~のように」 という意味の前置詞です。

また、comme のあとに 「主語+述語」 の形式、つまり “文” がくるときは 「接続詞」 で、いみは、「…が~するとき」 「…が~するので」 など。

この場合は、「 Comme 主語1+述語1, 主語2+述語2 」 という形式になり、 「…1が~1するとき、…2は~2する」、「…1が~1するので、…2は~2する」 などとなります。

つまり、「 Comme 主語1+述語1 」 は「従属節」 になります。

それにたいして、「主語2+述語2」 のほうは「主節」 となります。

例を挙げると、

    Comme il pleut aujourd'hui, je ne sors pas.

    今日は雨なので、外には出ません。

で、Comme il pleut aujourd'hui が従属節、 je ne sors pas が主節になります。


さらに三つ目の comme の用法として、

    Comme 主語+述語...!

の形で、「なんて…は~なんだろう!」 という感嘆文になります。


さて、今回の文の場合、Comme からずっとたどっていくと、最後が ses beaux cheveux! となって文末に 「 ! 」 (Point d'exclamation ポワンデクスクラマシオン) があるので、感嘆文の用法じゃないあかなと予想がつきます。


_ Comme il est doux ...!

  [コム イレドゥ]

doux は 「甘い、心地よい」 などの意味の形容詞。 英語の sweet 。

そうすると、感嘆文だとして 「なんて心地よいのか!」 となります。

ところで il es doux の il が指しているのは何でしょうか?


_ Comme il est doux d'arracher ... !

  [コム イレドゥ ダラシェ]

arracher は「引き抜く、はぎ取る」 とかいう意味の動詞です。

そうすると il est doux d'arracher の il は非人称主語ととれます。


   「引っこ抜くのはなんて心地いいんだろう!」


何を「引き抜く」 と 「心地いい」んでしょうか?

続く...

2014-03-13

肉体は悲しい、あぁ! それに本は全部読んでしまった。

[フランス語初級]

La chair est triste, hélas ! et j’ai lu tous les livres.

( Stéphane Mallarmé, "Brise Marine")


マラルメの詩、Brise Marine の二回目。

詩のタイトルの brise (ブリーズ) は 「微風、そよ風」 (女性名詞)。

marine (マリーン) は形容詞 marin (マラン)の女性形。

marin は「海の」。

なので、brise marine で 「海風」。


では、今日の分、まず発音から。

    et j’ai lu tous les livres.

    エ ジェリュ トゥレリーヴル

et はとりあえず 「そして」。

j'ai lu の lu は動詞 lire (リール) 「読む」 の過去分詞ですので、j'ai lu は複合過去形、「私は読んだ、読み終えた」。

tous les livres 、「すべての本を」。

    et j’ai lu tous les livres.

   そして私はすべての本を読んだ。


全体では、

    La chair est triste, hélas ! et j’ai lu tous les livres.

    肉体は悲しい、あぁ! それに本は全部読んでしまった。

あるいは、

    肉体なんてつまらない、ちぇっ! 本にしたってみんな読んじゃったし。

っていう感じでしょうか。



◆ マラルメの詩の翻訳は手に入りにくいようです。

いちおう岩波文庫版 とかがあります。




2014-03-12

上級仏単語: incarner

今日の上級仏単語は incarner (アンカルネ)。


-er で終わっているので動詞です。

* -er で終わっていても動詞じゃないこともあります。


意味は、「体現する、具現する」 です。



2014-03-11

肉は悲し

[フランス語初級]

今日は次の文の前半を見てみましょう。

La chair est triste, hélas ! et j’ai lu tous les livres.

( Stéphane Mallarmé, "Brise Marine")


ステファヌ・マラルメという19世紀の有名な詩人の有名な詩の冒頭の一節です。

とりあえず、だいたいの発音を。

    La chair est triste,

    ラ シェール エ トゥリスト

    hélas !

    エラァス

    et j’ai lu tous les livres.

    エジェリュ トゥレリーヴル


chair は「肉」(女性名詞)[英語だと chair で「椅子」ですが]、triste は形容詞で 「悲しい」なので、

    La chair est triste

は、

    肉は悲しい

となりますが、「肉」が「悲しい」とはどういうことなのか、「悲しい肉」とはどんな肉か?


もう一度 chair を辞書で引くと「肉体」とも出ているので、

    肉体は悲しい

と訳すとさっきよりはなんか分かったような気になります。

「悲しい肉体」というのはありそうです。


さらにもっとよく辞書を見ると、chair の訳語として

    肉欲

と出てました。

    肉欲は悲しい

ならよくわかります。


次の hélas は 「 ああ 」という悲しみ、嘆き、ため息を表す「間投詞」です。

なので、

    La chair est triste, hélas !

までで、

    肉(肉体、肉欲)は悲しい、ああ!

となります。




2014-03-08

この本が明らかにしているのは 5

[フランス語中級]

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde, pour la distribution et la redistribution des colonies, des "zones d'influence" du capital financier, etc.

[ Lénine, Préface de "L'impérialisme, stade suprême du capitalisme" ]

1925年 フランス語版 表紙 (Wikipedia)


この本が明らかにしているのは 4」 の続き、やっと終わります。

前回はこの文の最後の固まり、 des "zones d'influence" du capital financier, etc の前までやりました。

  Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde, pour la distribution et la redistribution des colonies

  この本が明らかにするのは、1914-1918年の戦争がどちらの陣営から見ても帝国主義戦争であり ( つまり征服と略奪と強奪の戦争であり ) 、世界の分割のための戦争、 植民地の分配と再分配のための戦争だったということである。


ではこの文の最後の、 des "zones d'influence" du capital financier, etc を見ていきましょう。


発音:

    des "zones d'influence"

    デゾーヌ ダンフリュアンス

    du capital financier,

    デュ カピタール フィナンシエ

    etc

    エトセテラ


des "zones d'influence" の des ですが、des には二つの可能性があります。

ひとつは不定冠詞の複数形の des。

もうひとつは、前置詞の de と定冠詞の複数形 les が合体したもの(縮約形)。


des "zones d'influence" の des はどちらでしょうか。

直前に la redistribution des colonies があるので、この des colonies と同じ資格(同格)だと考えてはどうでしょう。

つまり、

    pour la distribution et la redistribution
        des colonies,
        des "zones d'influence" du capital financier, etc.

という関係です。

前回確認したように、 des colonies の des は前置詞 de と定冠詞 les なので、 des "zones d'influence" の des も同じように考えます。


単語の意味を確認しておくと、

    zone  地帯、地域 (女性名詞)
    influence  影響、勢力 (女性名詞)
    capital  資本、財産 (男性名詞)
    financier  財政の、金融の (形容詞)
    etc.  その他、等々


私の持っている古い 『クラウン仏和辞典』 を引いたら influence の項目に、「 zone d'influence des États-Unis 米国の勢力範囲」 というぴったしの用例が載っていました。

ですので、zone d'influence は 「勢力範囲」

capital financier は 「金融資本」 でよいでしょう。 英語だと finance capital (ファイナンス キャピタル) となるようです。

ですので、les "zones d'influence" du capital financier で、「金融資本の 『勢力範囲』」 です。

内容的にいって、この、「金融資本の 『勢力範囲』」 ( "zones d'influence" du capital financier ) は、直前の 「植民地」 ( colonies ) を言い換えている、colonies の説明をしていると考えられます。


そこで、

    pour la distribution et la redistribution
        des colonies,
        des "zones d'influence" du capital financier, etc.

を、

    植民地 ― すなわち金融資本等の「勢力範囲」 ― の分配と再分配のための

と解釈しましょう。


全文を挙げてまとめます。

  Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde, pour la distribution et la redistribution des colonies, des "zones d'influence" du capital financier, etc.

  この書が明らかにするのは、1914-1918年の戦争がどちらの陣営から見ても帝国主義戦争であり ( つまり征服と略奪と強奪の戦争であり ) 、世界の分割のための戦争、 植民地 ― すなわち金融資本等の「勢力範囲」 ― の分配と再分配のための戦争だったということである。


◆ 書名: Lénine, Préface de "L'impérialisme, stade suprême du capitalisme"

ここまで見てきたのは、ロシアの革命家レーニン (1870-1924) の本 『帝国主義論』 のフランス語訳の序文です。

préface (プレファッス) は女性名詞で 「序文、前書き」 です。

impérialisme (アンペリアリスム) は 「帝国主義」。

-isme で終わる名詞は男性名詞で、「~主義」 という意味になります。

たとえば、「マルクス主義」 は marxisme (マルクシスム) です。

stade (スタァッド) は 「段階」、男性名詞。 「競技場」 という意味もあります。

suprême (シュプレーム) は形容詞、「最高の、最後の」。

capitalisme (キャピタリスム) は -isme で終わっているので男性名詞、「資本主義」 ですね。


ですので、この書名 "L'impérialisme, stade suprême du capitalisme" は、

    『資本主義の最終段階としての帝国主義』

みたいな感じです。

stade suprême du capitalisme は直前の L'impérialisme の言い換え (説明、同格) です。

stade には冠詞がついてないですね。

このように、同格に置かれる名詞は冠詞が省かれることがあります。


2014-03-06

上級仏単語: velléité


やる気はあるけど結局やらないみたいなことはよくあります。

「勉強する気はあるんだけどさ...」 みたいなやつ。

そんな中途半場なやる気、実際の行動まではいかない気持ち、「~しようという気持ち」 を表すのが今回の

    velléité

という単語です。

発音は 「ヴェレイテ」、 女性名詞です。


* このブログ(「フランス語を学ぶ人」) も毎日更新する ヴェレイテ はあるのですが...。


2014-03-04

巷のフランス語: プランタン銀座と四季の呼び名

(巷のフランス語 / フランス語初級)

巷(ちまた)のフランス語、港(みなと)のフランス語ではありません。


東京の銀座三丁目に、プランタン銀座というデパートがあります。

 プランタン銀座
※ プランタン銀座 (Wikipediaより


調べてみると1984年4月の開業です。

私の学生時代まっただ中で、当時はおしゃれの代名詞にもなってたと思います。

おしゃれに憧れてたけど、決しておしゃれじゃなかった(おしゃれになれなかった)学生でした。


このデパートの元になっているのが、フランスのパリにある老舗(しにせ)デパート Printemps (プランタン) です。

printemps は 「春」(男性名詞) なので、デパートの Printemps は 「春屋百貨店」 でしょうか。

printemps の後半の temps は 「時」 という単語ですね。

前半の prin- はもともと 「最初の」 という意味の言葉から来ているらしいです。

ですので、 prin-temps で 「最初の時」。

その年の最初の頃が 「春」 ということでしょう。


ついでに、夏、秋、冬も確認しておきましょう。

夏は?

    été (エテ / 男性名詞)

été は、基本動詞 être の過去分詞と同じ綴りです。


秋。 英語の autumn (オータム) と綴りが似てるけど違うのでややこしい。

    automne (オトンヌ / 男性名詞)

綴りに入っている -m- は発音しません。


そして、冬は?

    hiver (イヴェール / 男性名詞)。

※ h は「無音のh」です。


それぞれ、「春に」 「夏に」 「秋に」 「冬に」 というときは、

    au printemps   (オ プランタン)
 
    en été            (オンネテ)

    en automne     (オンノトンヌ)

    en hiver          (オニヴェール)

でした。


あの娘はぼくの両目のまぶたに立っている




Elle est debout sur mes paupières

[ Paul Éluard, "L'amoureuse" ]



(フランス語初級 )

20世紀前半の詩人、ポール・エリュアールの "L'amoureuse" (ラムルーズ / 愛する女[ひと])という詩の冒頭の一節です。

発音は、

    Elle est debout  エレ ドゥブ

    sur mes paupières  シュル メ ポピエール

というかんじです。


debout は 「立った状態で、立って」 という副詞 です。

ですので、 Elle est debout で、「彼女は立っている」 です。


この 「彼女 Elle 」 は、この詩のタイトルの L'amoureuse でしょう。

amoureuse は amoureux の女性形です。

amoureux は 「恋をしている」 という形容詞ですが、名詞として使われると 「恋人」 となります。

この詩のタイトルは L'amoureuse なので女性です。

なのでタイトルを 「ぼくの恋人」 とするとどうでしょうか。訳し過ぎかな。


さて、Elle est debout の後に sur mes paupières と続きます。

sur は 「~の上に、~に接して」 のいみの前置詞。

mes は所有形容詞 mon (私の) の複数形。

   ※ 所有形容詞については 「不幸が俺の神だった」 で少し書いています。


paupière は 「まぶた」 (女性名詞)。

sur mes paupières と paupière が複数形になっているので 「ぼくの(両)まぶたの上に」 という感じ。


そうすると、

    Elle est debout sur mes paupières.

    彼女はぼくの両まぶたの上に立っている。

となりますが、どんなイメージなんでしょう。


両目を閉じてゆっくり考えてみましょう。


原文は 「Eluard, Elle est debout sur mes paupières」 などで検索すると見つかります。

翻訳は書店では手に入らないと思うので、図書館へ行きましょう。


2014-03-03

上級仏単語: incarcérer

今日の単語: incarcérer

発音は、「アンカルセレ」。

意味は、「投獄する」。


2014-03-02

参考書 『フランス語ライブ教室』

フランス語の参考書は英語みたいにむちゃくちゃたくさんあるわけではないですが、それでもかなりの数が出ています。

今日はじっくり読める読み物としての文法参考書を紹介します。

フランス語ライブ教室―「発信」できるフランス文法参考書』 (宇田川博 / 駿河台出版社 / 2,625円) です。

 フランス語ライブ教室


出版されたのは 1996年ですが、フランス語の文法はこの20年間基本的にというか全然変わっていないので内容は古臭くありません。

というより、教室で上質の講義を聞いているような、かんで含めるような解説が新鮮に感じられると思います。


たとえば、疑問文の三つの形式、

   Tu es content?
   Est-ce que tu es content?
   Es-tu content?

を紹介する場合も、たんに三つの形式だけを紹介するのではなく、それらの細かなニュアンスの違いが述べられていたり (本書 63ページ)、

(このブログの前の記事 「それで、きみは満足かね?」 でも、ちょうど疑問文の三つの形式を形式だけで紹介していますが...。)


また、はじめて半過去形を習ったときに、 「半分の過去ってどういうこと?」 と思った人も多いと思いますが(私もその一人です)、半過去の 「半」 ってどういう意味なのかちゃんと書いてあります (本書 222ページ以降)!


この参考書で、じっくり考えながら文法を学びましょう。

まったくのフランス語初心者ではなく、少し文法がわかってきた(わからなくなってきた) 初級終了段階の人におすすめします。

また、中級の方も読めば目からウロコ(が落ちる)です!

私も今でも時々読み返しては「なるほどぉ~」 と関心しています。


彼は彼女が言うことを聞いていない

[フランス語初級]

Il ne l'écoute pas ; ne la voit plus.

[ Mauriac, "Thérèse Desqueyroux" ]


フランソワ・モーリヤックの『テレーズ・デスケルー』 からの引用第二弾です。

一回目


まずは発音の確認をしましょう。

    Il ne                 イルヌ
    l'écoute pas ;     レクトゥパ
    ne la voit plus.   ヌラヴォワ プリュ


écoute は動詞 écouter の、voit は動詞 voir の「直説法現在 三人称単数形」です。

「三人称」 とは何かというと、この世のもののうち「私(たち)」(je, nous)が一人称、私の目の前にいる「あなた(たち)」(tu, vous)が二人称、それ以外が三人称となります。

il (ils) や elle (elles) も三人称です。


さて、最初の Il ne l'écoute pas ですが、 l'écoute の l' は le なのか、la なのか知る必要があります。

答えは次の ne la voit plus で予想できます。

Il ne l'écoute pas ; ne la voit plus. と続いているので、 l'écoute の l' と、la voit の la は同じもの (同じ人称代名詞) だと予想してよいでしょう。

そうすると Il ne l'écoute pas で「彼は彼女の言うことを聞いていない」 となります。


引用箇所の前後を読むとわかりますが、 ここでの「彼女」は主人公のテレーズで、「彼」はテレーズの父親です。 ( → 原文


次の ne la voit plus ですが、ne ... plus は「もはや〜ない」という否定の表現なので、

    (彼は)もはや彼女を見ていない

となります。

全体では、

    Il ne l'écoute pas ; ne la voit plus.

    彼は彼女の話を聞いていない、もはや彼女を見てもいない。

とか、

   父はテレーズの話を聞いてはいないし、もう彼女のほうを見てさえいない。

となるでしょう。


◆ écouter と voir の活用

écouter と voir は基本中の基本単語です。

それぞれの現在形 (直説法現在形) の活用を確認しておきましょう。

    j'écoute         ジェクットゥ
    tu écoutes     テュ エクットゥ
    il écoute        イレクットゥ
    nous écoutons    ヌゼクトン
    vous écoutez     ヴゼクテ
    ils écoutent       イルゼクットゥ

    je vois             ジュ ヴォワ
    tu vois            テュ ヴォア
    il voit              イル ヴァア
    nous voyons     ヌヴァイヨン
    vous voyez      ヴヴォィエ
    ils voient         イルヴォワ


2014-03-01

上級仏単語 : rêne

上級仏単語


今日の単語は: rêne  [レーヌ]

品詞は: 女性名詞

意味は: 手綱 (たづな)

です。