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2014-06-29

上級仏単語: camouflet

きょうの上級のフランス語単語は、

    カムフレ

です。


綴りは、

    camouflet

男性名詞です。


意味は、

    侮辱、屈辱

となります。



2014-06-28

上級仏単語: chahuter

今日は

    chahuter

という単語です。

発音は

    シャユテ

です。ちょっと発音しづらいかも。


分けて書くと

    cha・hu・ter
    シャ・ユ・テ

です。


動詞で、意味は、

    騒ぐ、野次る

です。


この動詞の名詞形は

    chahut

    シャユ

で、男性名詞。

意味は、

    騒ぎ、野次

になります。


2014-06-26

チャンは...だろうか? その3

Tchen tenterait-il de lever la moustiquaire ? Frapperait-il au travers ? L’angoisse lui tordait l’estomac.
アンドレ・マルロー『人間の条件』 (André Malraux, "La Condition humaine") の出だしの3回目。

2回目

きょうは2文目です。

Frapperait-il au travers ?

発音は、

Frapperait-il
フラプレティル

au travers ?
オ トゥラヴェール

です。


frapperait は、前回みたように、動詞 frapper の条件法現在形ですね。

活用させてみましょう。

je frapperais (ジュ フラプレ)
tu frapperais (テュ フラプレ)
il frapperait (イル フラプレ)
nous frapperions (ヌ フラプリオン)
vous frapperiez (ヴ フラプリエ)
ils frapperaient (イル フラプレ)


frapper には、

打つ, たたく, 殴る; (武器で) 刺す

などの意味があります。

そうすると、

Frapperait-il ... ?

は、

彼(チャン)は...たたくのだろうか?

みたいになりますが、何を「たたく」あるいは「打つ」のでしょうか?


つぎに

au travers

とあります。

au travers は、

横切って、貫いて

という表現なので、

Frapperait-il au travers ?

は、

彼は貫いてたたくのだろうか?

みたいになりますが、これではよくわかりません。


一番最初の文から続けて読むと、

Tchen tenterait-il de lever la moustiquaire ? Frapperait-il au travers ?

でしたので、


チャンは蚊帳をめくり上げようとするのだろうか? 横断して(貫いて)たたくのだろうか? (?)

と訳してみましたが...。

「蚊帳を横断して(貫いて)たたく」 とは?

そこで、frapper の 「(武器で)突く」 という意味を採用して、

チャンは蚊帳をめくり上げようとするのだろうか? 貫いて突くのだろうか?

だと、なんか意味が通じる感じもします。


蚊帳の向こうに人か獲物か何かわからないけど何かがいて(何かがあって)、それをチャンは武器(ナイフ?)で突こうとしているんだけど、薄い蚊帳を持ち上げてから直接その対象を突こうというのか、それとも蚊帳もろともに貫いて刺すのか?

チャンは暗殺者?

ちょっと想像しすぎ?

この二文だけではまだ決められませんね。

ということで、続きます...。


André Malraux, "La Condition humaine"
→ André Malraux, "La Condition humaine" (amazon)


2014-06-22

チャンは...だろうか? その2

Tchen tenterait-il de lever la moustiquaire ?
アンドレ・マルロー『人間の条件』 (André Malraux, "La Condition humaine") の出だしの続きです。

    → 1回目

何の話をしていたかというと、直説法半過去形と条件法現在形の活用が似ているということでした。

前回は直説法半過去形の活用を確認したので今日は条件法現在形の活用です。

すでに見たとおり条件法現在形の活用語尾は、直説法半過去の活用語尾が、

je -ais
tu -ais
il -ait
nous -ions
vous -iez
ils -aient

なので、それに r をつけた形で、
je -rais
tu -rais
il -rait
nous -rions
vous -riez
ils -raient

となるということでした。

では条件法現在形の活用語幹はどうなるのか。

一言でいうと「直説法単純未来形の活用語幹と同じ」となります。

うーむぅ。

では、 「 直説法単純未来形の活用語幹」はどんなだったか。

おおざっぱに言うと、「動詞の不定詞の語末の -r( -r以降 )を取っ払ったもの(ただし例外たくさん)」です。

例えば、

chanter >> chante-
trahir >> trahi-
prendre >> prend-

です。

tenter の場合は、

tenter >> tente-

です。

それぞれ条件法現在形に活用させてみると、

je chanterais (ジュ シャントゥレ)
tu chanterais (テュ シャントゥレ)
il chanterait (イル シャントゥレ)
nous chanterions (ヌ シャントゥリオン)
vous chanteriez (ヴ シャントゥリエ)
ils chanteraient (イル シャントゥレ)

je trahirais (ジュ トゥライレ)
tu trahirais (テュ トゥライレ)
il trahirait (イル トゥライレ)
nous trahirions (ヌ トゥライリオン)
vous trahiriez (ヴ トゥライリエ)
ils trahiraient (イル トゥライレ)

je prendrais (ジュ プランドゥレ)
tu prendrais (テュ プランドゥレ)
il prendrait (イル プランドゥレ)
nous prendrions (ヌ プランドゥリオン)
vous prendriez (ヴ プランドゥリエ)
ils prendraient (イル プランドゥレ)

je tenterais (ジュ タントゥレ)
tu tenterais (テュ タントゥレ)
il tenterait (イル タントゥレ)
nous tenterions (ヌ タントゥリオン)
vous tenteriez (ヴ タントゥリエ)
ils tenteraient (イル タントゥレ)

となります。


さて、

Tchen tenterait-il de lever la moustiquaire ?

の tenterait が直説法半過去形なのか条件法現在形なのかはこれでやっとわかりました。

条件法現在形です!

で、tenter は「試みる」「やってみる」という意味で、「tenter de 不定詞」で「〜しようと試みる」となります。

ですので、

Tchen tenterait-il de ... ?

で、

チャンは…しようとするのだろうか?

となります。


条件法の意味には、断定しないで言う、というのがあるので、「~だろうか」 と訳してみました。

で、チャンは何をしようとしているかというと、

lever la moustiquaire

しようとしています。

lever は「持ち上げる」「上げる」「起こす」です。
moustiquaire は女性名詞で「蚊帳(かや)」です。

「蚊帳」が何かわからない人がいるかもしれません。

広辞苑という有名な分厚い辞書で調べると、

「蚊を防ぐために吊り下げて寝床をおおうもの。麻布・絽・木綿などで作る。かちょう。」

とあります。

寝床(ねどこ)をおおうということはベッドや布団の上に麻布とかを掛けるのでしょうか。ベッドカバーみたいにして。

その中に頭ごともぐるのか。

でも「吊り下げて」とあるので天井からテントみたいにして布団やベッドを覆って、虫が入らないようにするのか。

その場合、夏は暑くて困らないのか。

他の辞書も見てみましょう。

「夏の夜、蚊や害虫を防ぐため、四隅をつって寝床を覆う道具。麻・木綿などで粗く織って作る。かちょう。」 (デジタル大辞泉)

「四隅をつって」とあるのでやはりテントのように寝床やベッドをすっぽり覆うらしいです。

そして「 麻・木綿などで粗く織って作る」ので風通しはあるのでしょう。

※ そういえば、フランス語で「蚊」は、
moustique

でした。 (男性名詞、発音は「ムスティーク」。)


でその蚊帳をチャンは lever しようとしている。

ベッドや布団の四方に吊ってある蚊帳の布の一部をめくり上げるということでしょう。

なので、
Tchen tenterait-il de lever la moustiquaire ?

は、

チャンは蚊帳をめくり上げようとするのだろうか?

みたいになります。

めくり上げて何するのかはまだわかりません。

蚊帳をめくってベッド(布団)に入るのか、それともベッド(布団)から起き上がって蚊帳の外に出ようとしているのか。


André Malraux, "La Condition humaine"
→ André Malraux, "La Condition humaine" (amazon)


(続く)

2014-06-19

上級仏単語: engrenage

今日の上級仏単語は、

    engrenage

です。

発音は、

   オングルナージュ

で、男性名詞です。

※ -age で終わる名詞は男性名詞です。


もともと、

    歯車, ギア

という意味で、そこから歯車にはまり込んだ

  抜差しならない状況, 悪循環

などを意味します。


最近のフランス語のニュースだと、世界の地域紛争などの状況を表すのに使われていました。


検索してみたら、比較的易しいフランス語で 「歯車」の動きを解説しているビデオが見つかりました。

  → Engrenages - 1ère leçon (cours élémentaire)




2014-06-17

巷のフランス語: エピレ

夏が近づいています。

夏と言えば、“脱毛”。

なんてこともないですが、「エピレ」 という名前の脱毛サロンがあります。



エピレは、フランス語の

    épiler (エピレ)

という動詞からとった名前でしょう。


意味は、

    毛を抜く、脱毛する

というそのまんまないみです。


ちなみに、脱毛クリームは、

    crème à épiler  (クレーム ア エピレ)

というようです。

※ crème は女性名詞。


ついでに「シュークリーム」は、

    chou à la crème  (シュー ア ラ クレーム)

です。

chou は男性名詞で「キャベツ」っていう意味ですね。

シュークリームはキャベツに形が似ているから?


チャンは...だろうか? その1

Tchen tenterait-il de lever la moustiquaire ? Frapperait-il au travers ? L’angoisse lui tordait l’estomac ;
- André Malraux, "La Condition humaine", 1934

アンドレ・マルロー (1901-1976)の代表作『人間の条件』(1934)の出だしです。

André Malraux, "La Condition humaine"
→ André Malraux, "La Condition humaine" (amazon)


まず最初の文の発音です。

Tchen tenterait-il
チャン タントゥレティル
de lever la moustiquaire ?
ドゥ ルヴェ ラ ムスティケール

    Tchen ... ?

    チャンは...か?

Tchen は「チャン」で、人の名前でしょう。フランス人の名前じゃなく、東洋人っぽい名前です。

この引用文は小説の冒頭の一文目なので、 Tchen という名前がいきなり出てくると、小説の舞台は東南アジアなのかな、それともこのチャンというアジア人らしき人物が主人公なのかななど、いろいろ思わせられます。


ついで、

    Tchen tenterait-il ...?

と続きます。


tenterait は動詞 tenter の直説法半過去形でしょうか、それとも条件法現在形でしょうか?

直説法半過去形と条件法現在形は活用の語尾が似ているので、慣れていないと迷います。


いまそれぞれの活用の活用語尾だけを抜き出してみます。

※ ハイフン(フランス語ではトレデュニオン trait d'uion)は活用語幹を表しています。

○ 直説法半過去

    je -ais
    tu -ais
    il  -ait
    nous -ions
    vous -iez
    ils     -aient


○ 条件法現在

    je -rais
    tu -rais
    il  -rait
    nous -rions
    vous -riez
    ils     -raient


じっと見ると分かりますが、条件法現在形の活用は、直説法半過去形の活用語尾の前に r を付ければよいです。

つまり直説法半過去形の活用を覚えれば条件法現在形の活用はらくちんです。


さて、それぞれの活用語尾はわかりましたが、活用語幹はどうなるのでしょうか。

まず、 直説法半過去形の活用語幹は、直説法現在形の一人称複数形、つまり nous に対する活用の語幹と同じになります。

つまり tenter という動詞だと、直説法現在形で nous の場合は、

    nous tentons

となりますから、この tentons から最後の -ons を取り去った、

    tent-

が tenter の直説法半過去形の活用語幹です。


活用してみましょう。

    je tentais (ジュ タンテ)
    tu tentais (テュ タンテ)
    il tentait  (イル タンテ)
    nous tentions (ヌゥ タンティオン)
    vous tentiez  (ヴゥ タンティエ)
    ils tentaient   (イル タンテ)


話は戻って、そんな面倒なこと言わなくても、動詞の原形(不定詞)から -er を取ったのが直説法半過去形の活用語幹だと言えばいいのでは?

たしかに tenter や aimer など -er で終わる動詞(いわゆる第一群規則活用動詞)はそう言えるかもしれません。

が、たとえば finir だとそうはいきません。

finir の最後の -ir を取り去った fin- は直説法半過去形の活用語幹にはならないのです。

finir の直説法現在形の活用は、

    je finis  (ジュ フィニ)
    tu finis (テュ フィニ)
    il finit   (イル フィニ)
    nous finissons (ヌ フィニソン)
    vous finissez   (ヴ フィニセ)
    ils finissent     (イル フィニッス)

となるので、 nous finissons の finissons から最後の -ons を取り除いた、finiss- が直説法半過去形の活用語幹になります。


ですので finir の直説法半過去形の活用は、

    je finissais   (ジュ フィニセ)
    tu finissais   (テュ フィニセ)
    il finissait    (イル フィニセ)
    nous finissions  (ヌ フィニスィオン)
    vous finissiez   (ヴ フィニスィエ)
    ils finissaient    (イル フィニセ)

となります。

(続く)


◇ 翻訳

『人間の条件』の翻訳は新潮文庫から出ていたようですが、今は手に入らないようです。

Amazon.co.jp のマーケットプレイスでは数千円で出てたりします。