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2013-02-14

そこで私は本を書くことに

[フランス語初級]

Je me décidai alors à écrire un livre.

(Léon Trotsky, "Ma Vie")

トロツキーの自伝、『わが生涯』のフランス語訳より。

トロツキーは今から 100年前に起きたロシア革命の中心人物の一人です。

トロツキー 18才
トロツキー 18才 (Wikipedia)


○ 発音

Je me décidai
ジュムデシデ
alors
アロール
à écrire
ア エクリール
un livre.
アン リーヴル


○ 語句

décidai : 動詞 décider の単純過去形
décider : 決める
se décider :  決心する
se décider à 不定詞 :  〜する決心をする
alors :  それで(そこで)


○  直訳

Je me décidai alors à écrire un livre.

そこで alors 私は je 本を書くことを à écrire un livre 決心した me décidai 。


○ 分かち訳

Je (私は) me décidai (決心した) alors (そこで) à écrire un livre (本を書くことを) .


○ 単純過去形

単純過去形は、過去の事実や出来事を淡々と・客観的に述べるさいに使われる時制です。

* 単純過去形は話し言葉では使われません。

se décider の場合、以下のように活用します。

je me décidai
tu te décidas
il se décida
nous nous décidâmes (デシダーム)
vous vous décidâtes (デシダート)
ils se décidèrent (デシデール)


この活用パターンは、不定詞の語尾が -er で終わる動詞に共通です。

たとえば donner だと、

je donnai
tu donnas
il donna
nous donnâmes
vous donnâtes
ils donnèrent

となりますね。

活用語尾を取り出すと、

je -ai
tu -as
il -a
nous -âmes
vous -âtes
ils -èrent

です。

-er 以外の動詞はまたちょっと違った形で活用します!


○ 試訳

Je me décidai alors à écrire un livre.

そこで私は本を書くことにした。

○ リンク

フランス語訳
翻訳 (岩波文庫)


2013-02-11

でも大丈夫、簡単に手でこうやって

Pardon, il me semblait que mes cheveux s'étaient dressés sur ma tête; mais, ce n'est rien, car, avec ma main, je suis parvenu facilement à les remettre dans leur première position.

ロートレアモン伯爵 『マルドロールの歌』 の一節。

"Chants de Maldoror" 初版, 1968, Wikipedia より


今日はこの文章の後半を見ていきます。

○ 発音

mais,

ce n'est rien,
スネリャン
car,
カル
avec ma main,
アヴェック ママン
je suis parvenu
ジュスュイ パルヴニュ
facilement
ファシッルモン
à les remettre
アレ ルメートゥル
dans leur première position.
ダン ルール プルミエール ポジシオン


○ 語句

ce n'est rien : なんでもない、たいしたことない
parvenu : 動詞 parvenir の過去分詞
parvenir : 到達する
parvenir à + 不定詞 : やっと〜できる,〜することに成功する
facilement 容易に, 簡単に
remettre 元の場所に置く


○ 逐語訳

しかし mais, なんでもありません ce n'est rien, というのも car, 私の手で avec ma main, それらの最初の位置に dans leur première position 簡単に facilement それらを戻すことが à les remettre 私はできました je suis parvenu (から)。


○ 分かち訳

mais (しかし), ce n'est rien (なんてことありません) , car (だって) , avec ma main (私の手を使って) , je suis parvenu facilement (簡単に〜できました[から]) à les remettre (それらを元に戻すことが) dans leur première position (それらの最初の位置に) .


○ parvenir の複合過去

je suis parvenu の箇所は parvenir の複合過去形です。

複合過去形は、[ avoir または être の直説法現在形]と[動詞の過去分詞]をつなげて作ります。

avoir と être のどちらを使うかは 動詞によって決まっていました。

→ 参考: 「どこに行ってたの?」 (フランス語を学ぶ人)


* être を使うのは、なんらかの「移動」の意味をもった自動詞です。

parvenir は venir などと同様に être を使うことになっています。

なので j'ai parvenu ではなく je suis parvenu になります。


○ je suis parvenu の je は男?それとも女?

je suis parvenu の場合の主語の je が男性か女性かを見分けることはできるのでしょうか。

じつは複合過去(や大過去などの複合形時制)で être を使う場合、過去分詞は主語に性数一致します!

Je suis venu.

なら je は男性、

Je suis venue.

なら je は女性。

主語が nous で全員女性なら、

Nous sommes venues.

となります。

なので、je suis parvenu の je は男性です。


○ 試訳

mais, ce n'est rien, car, avec ma main, je suis parvenu facilement à les remettre dans leur première position.

でも大丈夫、簡単にこうやって手でもとに戻すことができましたから。


○ 関連リンク

→ 「これは失敬、どうも髪の毛が」 (フランス語を学ぶ人)


2013-02-09

これは失敬、どうも髪の毛が


Pardon, il me semblait que mes cheveux s'étaient dressés sur ma tête; mais, ce n'est rien, car, avec ma main, je suis parvenu facilement à les remettre dans leur première position.

( Comte de Lautréamont, "les Chants de Maldoror" )


ロートレアモン伯爵 『マルドロールの歌』 の一節です。

"Chants de Maldoror" 初版, 1968, Wikipedia より


ロートレアモンは 1846年から1870年まで生きた (短命です!)、フランスの詩人です。

今回はこの文章の前半を見ていきましょう。


○ 発音

Pardon,
パルドン
il me semblait
イル ム サンブレ
que mes cheveux
ク メ シュヴ
s'étaient dressés
セテ ドゥレセ
sur ma tête
シュル マ テートゥ

Comte de Lautréamont
コントゥ ドゥ ロトレアモン
Les Chants de Maldoror
レ シャン ドゥ マルドロール


○ 語句

pardon : 失礼、すみません
sembler : 〜のように見える・思われる

il me semble que ... で、「私には...のように見える」という表現。que の後には、主語と述語動詞からなる文が来る。
今回は mes cheveux が主語で、 s'étaient dressés が述語動詞。

cheveu : [男性名詞] 髪の毛。複数形は cheveux と、最後に x がつきます。
dresser : まっすぐ立てる
se dresser : [代名動詞] まっすぐに立つ
tête : [女子名詞] 頭


○ 逐語訳

失敬 pardon 、私の髪が mes cheveux 私の頭上で sur ma tête まっすぐ立っていた s'étaient dressés ように que 私には思われました il me semblait 。


○ 分かち訳

Pardon (失礼), il me semblait (私には思えた) que (...と) mes cheveux (私の髪が) s'étaient dressés (立ち上がっていた) sur ma tête (私の頭の上で);


○ 大過去の用法

文中の semblait は(直説法)半過去ですが、 s'étaient dressés は (直説法) 大過去になっています。

大過去の形は、[ avoir または être の半過去形 ]  + [ 動詞の過去分詞 ] です。

s'étaient dressés の場合は、 être の半過去形と se dresser の過去分詞 dressé との組み合わせになっています。

  * dresser の過去分詞 dressé の最後に -s がついてるのはなんでかな~?


avoir とくっつくか、être とくっつくかは動詞によって決まっています。

複合過去形の場合と同じなので、複合過去形の説明をしたとこを参考にしてください。

さらに、代名動詞の場合はすべて être と結びつくことになっています。

なので、ここで 代名動詞 se dresser は être と結びついています。

大過去の用法ですが、英文法で言うところの「過去完了形」のようなものです。
つまり、或る過去の時点までに起こった出来事をいい表します。

この文の場合、 il me semblait (私には~と思えた) の semblait の半過去形で表されるのが 「或る過去の時点」 で、 「髪の毛が立っていた」 のは、「と思えた semblait 」 その時点よりさらに前 (過去) ということになります。

「私の髪の毛が立っていた」 ことを、それより後になって、「と思えた」 と言っているわけです。

この説明で大丈夫でしょうか...。


○ dressés の最後の s

代名動詞の大過去や複合過去では、その人称代名詞 (se とか) に過去分詞 (dressé とか) が性数一致する場合としない場合があります。

性数一致するかしないかは、代名動詞の作り(構造)によります。

性数一致するのは、代名動詞の代名詞(人称代名詞)が、その動詞の直接目的語(〜を)になっている場合です。

dresser は「〜をまっすぐ立てる」という動詞で、「〜」には直接目的語の名詞(や代名詞が)入ります。

これが se dresser という代名動詞になると、代名動詞の人称代名詞 se は「自分自身」(=主語を指す代名詞)を表すので、

    se dresser
    自分をまっすぐ立てる
         ↓
    まっすぐ立つ

みたいになります。

けっきょく、代名動詞 se dresser の人称代名詞 se は動詞 dresser の直接目的語です!

なので se dresser の場合は、se に dresser の過去分詞は性数一致します。

mes cheveux s'étaient dressés の se は主語の mes cheveux (男性名詞複数)を受けているので、dresser の過去分詞の最後に s が付いています!

説明がくどいっ?


○ 訳例

Pardon, il me semblait que mes cheveux s'étaient dressés sur ma tête;

これは失敬、どうも髪の毛が逆立っていたように見えたので。


○ リンク

→ 原文: Wikisource
→ 翻訳: 集英社文庫ちくま文庫


2013-02-05

上級仏単語: altercation

altercation 口論


altercation

_ 発音

アルテルカシォン

_ 品詞

女性名詞

* -tion で終わる名詞は女性名詞。

_ 意味

口論、けんか


2013-02-03

少しは黙ったらどうなんだ

フランス語初級


Vous ne voulez pas vous taire?

( Zola, "L'Assommoir")

ゾラの 『居酒屋』 から。 朝帰りした夫ランティエにうるさく詰め寄るジェルヴェーズに、ランティエが発した一言。


○発音

疑問文なので上がり調子に読みましょう。

Vous ne voulez pas
ヴヌ ヴレパ
vous taire?
ヴ テール


○ 語句

se taire [代名動詞] 黙る

vouloir の直説法現在形の活用を確認しておきましょう。綴りをよく見て特徴を覚えよう。

je veux ジュヴ
tu veux チュヴ
il veut イルヴ
nous voulons ヌヴロン
vous voulez ヴヴレ
ils veulent イルヴッル


○ 逐語訳

あなたは vous 黙ることを se taire 欲しない ne voulez pas のか ?


○ 分かち訳

Vous ne voulez pas あなたは欲しない
vous taire 黙ることを
? のか?


○ 疑問文の作り方

フランス語で疑問文を作るには三つのやり方があります。

その一つが、肯定文(疑問文じゃない普通の文)の語順のまま、最後に(ピリオドの代わりに)クエスチョンマークを付けるやり方です。


* フランス語では「ピリオド」を「プワン ( point ) 」、「 クエスチョンマーク 」を「プワン ダンテロガシオン ( point d'interrogation ) 」と言います。


このやり方だと、

Vous ne voulez pas vous taire.
あなたは黙ることを欲しない。

という文(肯定文)を疑問文にすると、

Vous ne voulez pas vous taire?

となります。簡単です!


○ 試訳

少しは黙ったらどうなんだ。



2013-02-02

どこに行ってたの?



フランス語初級

Où es-tu allé? où as-tu passé la nuit?

( Zola, "L'Assommoir")

物語の冒頭で、朝帰りした夫のランティエを、ジェルヴェーズが問い詰めようとする場面です。


○発音

Où es-tu allé?
ウ エチュ アレ

où as-tu passé la nuit?
ウ アチュ パセ ラ ニュイ


○語句

où どこに、どこで
allé 動詞 aller の過去分詞
passé 動詞 passer の過去分詞
passer (時間を)過ごす
nuit [女性名詞] 夜


○逐語訳

どこに où あなたは tu 行った es allé の ?
どこで où あなたは tu 夜を la nuit 過ごした passé の ?


○試訳

Où es-tu allé? où as-tu passé la nuit?

どこに行ってたの? どこで夜を明かしたの?


○ 疑問文の作り方

この二つの文は両方とも「疑問文」です。疑問文は、「〜です」ではなく、「〜ですか」という文です。

*「〜です」のほうは 「肯定文」(こうていぶん)などといいます。

フランス語で疑問文を作るには三つのやり方があります。

そのうちの一つが、主語と動詞の倒置(並び順をひっくり返すこと)です。

この場合だと

tu es alllé
tu as passé

という肯定文の語順がそれぞれ

es-tu allé
as-tu passé

となります。倒置された動詞と主語(の代名詞)はハイフン( - )でつなぎます。


○ 複合過去

過去の出来事を言い表すための過去形の形はいくつかあります。

たとえば、半過去、複合過去、単純過去などです。

単純過去は単純な出来事を、複合過去は錯綜した出来事を言い表す、なんてことはありません。

今回の文では複合過去が使われています。

複合過去は最も普通に過去の出来事を、「〜した」と言い表すときに使います。

複合過去は、avoir か être の現在形(直説法現在形)の後に動詞の過去分詞を付けて作ります。

たとえば、

tu vas (おまえは行く)
tu passes (おまえは過ごす)

はそれぞれ、

tu es alllé (おまえは行った)
tu as passé (おまえは過ごした)

となります。

avoir と être の使い分けはきちんと決まっていて、ほとんどの動詞は avoir を使います。

être を使うのは、主に次のような動詞です。(カッコ内は過去分詞)

aller ( allé )
venir ( venu )
partir ( parti )
arriver  ( arrivé )
naître ( né )
mourir ( mort )
monter ( monté )
descendre ( descendu )
sortir ( sorti )
entrer ( entré )
tomber ( tombé)
rester ( resté )
devenir ( devenu )

これらはすべて自動詞(目的語を取らない動詞)で、どの動詞にも「移動」の意味が含まれています。

大学一年のときのフランス語の授業でこれらの動詞を暗記するための呪文を教えてもらいました。

おうらいはっちゃくせいししょうこうしゅつにゅうらくりゅうじょう

これはさきほどの動詞の意味を漢字一字で表して並べて、それを音読みしたものです。

往来発着生死昇降出入落留成

行く(往く)aller ( allé )
来る venir ( venu )
出発する partir ( parti )
着く arriver  ( arrivé )
生まれる naître ( né )
死ぬ mourir ( mort )
登る, 昇る monter ( monté )
降りる descendre ( descendu )
出る sortir ( sorti )
入る entrer ( entré )
落ちる tomber ( tombé)
留まる rester ( resté )
成る devenir ( devenu )

覚えやすい!!