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2014-02-06

心で見ないとちゃんと見えない

On ne voit bien qu'avec le coeur. L'essentiel est invisible pour les yeux.

[ Antoine de Saint-Exupéry, "Le petit prince" ]


今回は、アントワーヌ・ドゥ・サン=テグジュペリの 『ちっちゃな王子』 ( 『星の王子さま』 ) の有名な一節。



   ※ Le Petit Prince de Saint Exupéry


だいたいの発音は、

    On ne voit bien

    オンヌヴォワビャン

    qu'avec le coeur.

    カヴェク ル クール

です。


この最初の文には ne ... que という表現が使われています。

この ne ... que を取り去ると、

    On voit bien avec le coeur.

となります。

意味は、

    On voit bien    人はちゃんと見える

    avec le coeur  心で

となり、「心でもってちゃんと見える」、「心で見ればちゃんと見える」みたいな感じになります。


この場合の前置詞の avec は〈手段〉を表します。つまり「〜を使って」「〜を手段として」といういみです。

avec le coeur で「心を使って」「心を手段として」、です。

voir は「見える、目に入る」(英語の see )ですが、「何が」見えるのか(つまり動詞 voir の目的語)は記述されていません。

    ※ ここでちょっと voir の現在形(直説法現在形)の活用を確認しておきましょう。

      je vois ジュ ヴォワ
      tu voit テュ ヴォワ
      il voit イル ヴォワ
      nous voyons ヌ ヴォワィヨン
      vous voyez ヴ ヴォワィエ
      ils voient イル ヴォワ


さて ne ... que ですが、これは「〜しか...ない」という〈限定〉の表現ですね。

何を 〈限定〉するかというと、que の直後にある語句を限定します。

    On ne voit bien qu'avec le coeur.

この文の場合は、 qu'avec le coeur なので、「心でしか...しない」となるわけです。

    ※ que は次に母音で始まる語がくると 〈エリジオン〉 します。つまり 〈 qu' 〉 という形になって次の語とくっつきます。


まとめると、

    On ne voit bien     人はよく見えない

    qu'avec le coeur.   心を手段としてしか


となって、つまり、この文の意味は、

    人は心でのみちゃんと見える。

    心で見ないとちゃんと見えないんだよ。

という感じです。


◆ リンク


→ 翻訳はいっぱいあります、たとえば 『ちいさな王子 (光文社古典新訳文庫) 』。