フランスのニュースサイト、l'express の記事の見出しからです (4/7付)。
※ Les prud'hommes de Paris estiment que "PD" n'est pas une insulte homophobe - L'Express
Les prud'hommes de Paris estiment
レ プリュドム ドゥ パリ エスティム
que "PD" n'est pas une insulte homophobe
ク ペデ ネ パズュナンスュルト ホモフォーブ
という感じ。
最初に出てくる、 prud'homme ってなんでしょう。
仏和辞典を見ると、たとえば、『ロワイヤル仏和辞典』 には、
(労使間の紛争を調停する)労働委員
と出ています (男性名詞)。
そうすると、 estiment は動詞 estimer (評価する ・ 判断する) ですから、
Les prud'hommes de Paris estiment que ...
で、
パリの労働委員は ... と判断する ・ 評価する
となります。
この que ... のところには 〈主語+動詞〉 のセットが来るでしょうから、見てみると、
"PD" n'est pas une insulte homophobe
となっているので、 "PD" が 〈主語〉 で、est が 〈動詞〉 です。
PD ってなんでしょうか。
PD は、
pédé
ペデ
のことです。
PD と pédé とは発音が同じです。
そして pédé は、
pédéraste
ペデラスト
の略で、
男色家、ホモ
です (男性名詞)。
そうすると、 insulte は 「侮辱」、 homophobe は 「同性愛者嫌い」 という形容詞なので、
"PD" n'est pas une insulte homophobe
は、
PD は同性愛者を嫌った侮蔑ではない
↓
PDという言い方は、同性愛者を侮辱するものではない
という感じになります。
全体では、
Les prud'hommes de Paris estiment que "PD" n'est pas une insulte homophobe
パリの労働委員は、PD という言い方は同性愛者を侮辱するものではないと判断
となります。 (見出しっぽく訳してみました。)
記事によると、
パリの美容室の店員が上司に PDという言い方をされて解雇された。 その店員が労働委員会に訴えた。 労働委員会は、美容室では同性愛者を雇うことが多いので、そのコンテクストにおいては PD という言い方が必ずしも同性愛者を侮蔑するものとはならない、という判断を下した
というようなことらしいです。