フランス語初級
Où es-tu allé? où as-tu passé la nuit?
( Zola, "L'Assommoir")
物語の冒頭で、朝帰りした夫のランティエを、ジェルヴェーズが問い詰めようとする場面です。
○発音
Où es-tu allé?
ウ エチュ アレ
où as-tu passé la nuit?
ウ アチュ パセ ラ ニュイ
○語句
où どこに、どこで
allé 動詞 aller の過去分詞
passé 動詞 passer の過去分詞
passer (時間を)過ごす
nuit [女性名詞] 夜
○逐語訳
どこに où あなたは tu 行った es allé の ?
どこで où あなたは tu 夜を la nuit 過ごした passé の ?
○試訳
Où es-tu allé? où as-tu passé la nuit?
どこに行ってたの? どこで夜を明かしたの?
○ 疑問文の作り方
この二つの文は両方とも「疑問文」です。疑問文は、「〜です」ではなく、「〜ですか」という文です。
*「〜です」のほうは 「肯定文」(こうていぶん)などといいます。
フランス語で疑問文を作るには三つのやり方があります。
そのうちの一つが、主語と動詞の倒置(並び順をひっくり返すこと)です。
この場合だと
tu es alllé
tu as passé
という肯定文の語順がそれぞれ
es-tu allé
as-tu passé
となります。倒置された動詞と主語(の代名詞)はハイフン( - )でつなぎます。
○ 複合過去
過去の出来事を言い表すための過去形の形はいくつかあります。
たとえば、半過去、複合過去、単純過去などです。
単純過去は単純な出来事を、複合過去は錯綜した出来事を言い表す、なんてことはありません。
今回の文では複合過去が使われています。
複合過去は最も普通に過去の出来事を、「〜した」と言い表すときに使います。
複合過去は、avoir か être の現在形(直説法現在形)の後に動詞の過去分詞を付けて作ります。
たとえば、
tu vas (おまえは行く)
tu passes (おまえは過ごす)
はそれぞれ、
tu es alllé (おまえは行った)
tu as passé (おまえは過ごした)
となります。
avoir と être の使い分けはきちんと決まっていて、ほとんどの動詞は avoir を使います。
être を使うのは、主に次のような動詞です。(カッコ内は過去分詞)
aller ( allé )
venir ( venu )
partir ( parti )
arriver ( arrivé )
naître ( né )
mourir ( mort )
monter ( monté )
descendre ( descendu )
sortir ( sorti )
entrer ( entré )
tomber ( tombé)
rester ( resté )
devenir ( devenu )
これらはすべて自動詞(目的語を取らない動詞)で、どの動詞にも「移動」の意味が含まれています。
大学一年のときのフランス語の授業でこれらの動詞を暗記するための呪文を教えてもらいました。
おうらいはっちゃくせいししょうこうしゅつにゅうらくりゅうじょう
これはさきほどの動詞の意味を漢字一字で表して並べて、それを音読みしたものです。
往来発着生死昇降出入落留成
行く(往く)aller ( allé )
来る venir ( venu )
出発する partir ( parti )
着く arriver ( arrivé )
生まれる naître ( né )
死ぬ mourir ( mort )
登る, 昇る monter ( monté )
降りる descendre ( descendu )
出る sortir ( sorti )
入る entrer ( entré )
落ちる tomber ( tombé)
留まる rester ( resté )
成る devenir ( devenu )
覚えやすい!!