ニュース雑誌 Le Point のニュースから(2018.6.1)。
この記事のタイトルは
Yvette Horner, mort de la reine du bal
イヴェット オルネル モール ドゥ ラ レヌ デュ バル
です。
Yvette Horner (イヴェット・ホーナー)は、フランスのアコーディオン奏者。
mort はここでは名詞(女性名詞)で「死」。
※ mort という形はほかに、動詞 mourir の過去分詞も同じ形です。
reine は「女王」(女性名詞)、bal は「舞踏会」「ダンスパーティー」
なので、
Yvette Horner, mort de la reine du bal
は、
イヴェット・ホーナー、舞踏会の女王の死
とか、
イヴェット・ホーナー、ダンスパーティーのクイーンの死
とかになります。
さて、
L'accordéoniste aux cheveux de feu s'est éteinte.
ラコルデオニスト オ シュヴ ドゥ フ セテタント
はこの記事本文の最初の一文です。
accordéoniste は「アコーディオン奏者」。 男性も女性も同じ形です。
cheveux は男性名詞 cheveu 「髪の毛」の複数形。
feu は「火」「炎」、男性名詞。
aux は 〈前置詞 à + 定冠詞 les〉 です。
l'accordéoniste aux cheveux de feu で「炎の髪のアコーディオン奏者」っていう感じです。
この記事の写真を見ても髪の毛が真っ赤に燃えています!
aux cheveux de feu の前置詞 à はどういう役割なのか。
たとえば、
chambre à deux lits : ツインルーム
シャンブル ア ドゥ リ
café au lait : カフェオレ
で使われている à と同じで、「~を持った」「~の入った」という用法です。
動詞部分の s'est éteinte は、直説法複合過去になっています。
éteinte は動詞 éteindre(エタンドル)「消す」の過去分詞 éteint に e がついたもの。
éteindre は代名動詞 s'éteindre になると「消える」という意味になります。
また、主語が人とかだと「息絶える」、つまり「亡くなる」ということになります。
代名動詞の複合過去形では être が使われます。
「彼は息絶えた」だと、
Il s'est éteint.
となります。
主語が女性だと今回の例文のように、
Elle s'est éteinte.
となり、éteint に e が付きます。
つまり、過去分詞 éteint は主語に性数一致します。
全体で、
L'accordéoniste aux cheveux de feu s'est éteinte.
炎の髪のアコーディオン奏者、息を引き取る
です。
◆ 代名動詞の複合過去における過去分詞の性数一致
代名動詞の複合過去だと、過去分詞がいつでもその主語に性数一致する、というわけではありません。
その代名動詞の性格(構成)によって異なります。
代名動詞で使う代名詞 (s'éteindre の se とか)を「再帰代名詞」といいます。
「再帰」というのは、代名詞が「自分を~する」「自分に~する」というような意味になっているからです。
s'éteindre だと、「自分(se)を消す」→「消える」→「息を引き取る」とういうかんじです。
代名動詞 se laver だと、「自分を洗う」→「体を洗う」。
se lever だと「自分を起こす」→「起きる」。
se laver les mains だと「自分に手を洗う」→「手を洗う」。
そして、これらを主語を elle にして複合過去にすると、
Elle s'est lavée.
Elle s'est levée.
Elle s'est lavé les mains.
となり、Elle s'est lavé les mains. の場合だけ、lavé に e がつきません。
なぜか。
代名動詞の再帰代名詞が動詞の「直接目的語」になるときだけ、主語に性数一致します。
se laver les mains の場合だけ、動詞 laver の直接目的語は se ではなく les mains になっています。
う~ん...。
もっと詳しい説明が、
→ 【フランス語文法】代名動詞の用法と作り方を解説(性数一致や4つの用法・命令法・複合時制) | フラ勉-フランス語を勉強するサイト
→ 北鎌フランス語講座 - 文法編「助動詞」 - 北鎌フランス語講座 - 文法編
このブログ(「フランス語を学ぶ人」)だと、
→ これは失敬、どうも髪の毛が (2013.02.09)
に少しあります!