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2024-05-26

ヘルダーリンという存在のきらめきは

René Char の "La Conversation souveraine" から。


Le scintillement de l’être Hölderlin finit par aspirer le spectre pourtant admirable du romantisme allemand. Nerval et Baudelaire ordonnent le romantisme français entrouvert par Vigny et gonflé par Hugo. Rimbaud règne, Lautréamont lègue. Le fleuret infaillible du très bienveillant Mallarmé traverse en se jouant le corps couvert de trop de bijoux du symbolisme. Verlaine s’émonde de toutes ses chenilles : ses rares fruits alors se savourent.


◇ むずかしいけど訳してみました。

ヘルダーリンという存在のきらめきは、最後に、ドイツ・ロマン主義の亡霊 ― とはいえ感嘆すべき亡霊 ― を吸い込む。ネルヴァルとボードレールは、ヴィニーによって開かれ、ユゴーが膨らませたフランスのロマン主義を整える。ランボーは君臨し、ロートレアモンは遺贈する。好意に満ちたマラルメの無謬の剣は、象徴主義の宝飾で過剰に覆われた身体を、軽々と貫く。ヴェルレーヌは自分の身体から、象徴主義の青虫を一匹残らず剥ぎ取る。だから彼の見事な果実はゆっくり味わって食べられる。


◇ ここに出てきた人たちの生没年です。

.. Hölderlin : 1770-1843

.. Nerval : 1808-1855

.. Baudelaire : 1821-1867

.. Vigny : 1797-1863

.. Hugo : 1802-1885

.. Rimbaud : 1854-1891

.. Lautréamont : 1846-1870

.. Mallarmé : 1842-1898

.. Verlaine : 1844-1896


◇ 同じ箇所の以下の訳文が、中嶋美貴「ルネ・シャール、〈基底〉への形式上の反抗」(WASEDA RILAS JOURNAL NO.2 (2014.10))にあります。参考にさせていただきました。

「へルダーリンの存在のきらめきは、ドイツロマン主義のそれでもやはり素晴らしい効力範囲をついに吸い込むに至る。ヴィニーによって開かれ、ユゴーによって膨らまされたフランスロマン主義をネルヴァルとボードレールは整える。ランボーは支配し、ロートレアモンは次世代に伝える。マラルメのとても好意的な不謬の剣は、象徴主義のあまりに多くの宝石で覆われた身体を演じながら通過する。ヴェルレーヌは芋虫たちを自らそぎ落とす、つまりそれゆえ、そのとき彼の稀少な果実は風味豊かなものとなる。」


(2024.05.26)