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2015-08-12

私の心に涙降る 1 (ヴェルレーヌ)

Il pleure dans mon coeur
Comme il pleut sur la ville ;
Quelle est cette langueur
Qui pénètre mon coeur ?


※ ヴェルレーヌと同時代の画家、ギュスターヴ・カイユボット ( Gustave Caillebotte ) の作品、「パリの通り、雨」 ( Rue de Paris, temps de pluie ), 1877年。


ポール・ヴェルレーヌ (Paul Verlaine) という19世紀後半の詩人がいます。

以前何度か扱った アルチュール・ランボー (Arthur Rimbaud) の友だちです。

 
    Paul Verlaine (1844-1896)


堀口大學 (ほりぐちだいがく 1892-1981 ) という詩人でフランス文学者が訳した、

    巷(ちまた)に雨の降るごとく
    わが心にも涙ふる。

という詩で有名です。


その詩の原文の最初は、

    Il pleure dans mon coeur
    Comme il pleut sur la ville ;
    Quelle est cette langueur
    Qui pénètre mon coeur ?

です。

今回は、ちょっとこれを見てみましょう。


発音は、

    Il pleure dans mon coeur
    イル プルール ドン モン クール

    Comme il pleut sur la ville ;
    コム イル プル シュル ラ ヴィル

    Quelle est cette langueur

    ケレ セット ラングール

    Qui pénètre mon coeur ?
    キ ペネートル モン クール

という感じです。

YouTube で聞いてみましょう。




もう一つ。




二つの読み方、かなり雰囲気が違います。


さて、この詩の一行目、

    Il pleure dans mon coeur

ですが、pleure は動詞 pleurer の直説法現在三人称単数形です。

pleurer は

    泣く

という意味なので、

    Il pleure ...

で、

    彼は泣く

でしょうか。


続きは、

    Il pleure dans mon coeur

で、 mon は 「私の」、coeur は 「心、心臓」 (男性名詞) なので、

   私の心の中で彼は泣く (泣いている)

ということでしょうか。


じつは、次の行、

    Comme il pleut sur la ville

がポイントです。
    

(続く)