[フランス語初級]
Mme Arnoux regardait au loin d'une manière vague.
フロベール( Flaubert ) 、『感情教育 ( L'Education Sentimentale ) 』 の一節。
最初の文の発音から。
Mme Arnoux regardait
マダム アルヌー ルガルデ
au loin
オ ロワン
d'une manière vague
デュヌ マニエール ヴァーグ
です。
まず、
Mme Arnoux regardait
で、
アルヌー夫人は見つめていた
という意味になります。
※ アルヌー夫人は、「二人の目が出会った (1)」 で、主人公の青年フレデリックに、帽子を拾ってもらった人です。
regardait は動詞 regarder の半過去形。
活用させてみましょう。
まず活用語幹ですが、直説法半過去形の活用語幹は直説法現在形の nous の活用語幹と同じでした。
regarder は parler や aimer と同じ第一群規則活用動詞なので、現在形の活用はシンプルです。
[直説法現在形]
je regarde ジュ ルガルド
tu regardes テュ ルガルド
il regarde イル ルガルド
nous regardons ヌ ルガルドン
vous regardez ヴ ルガルデ
ils regardent イル ルガルド
nous のときは nous regardons なので、半過去形の活用語幹は regard- になります。
では半過去形に活用させましょう。
[直説法半過去形]
je regardais ジュ ルガルデ
tu regardais テュ ルガルデ
il regardait イル ルガルデ
nous regardions ヌ ルガルディオン
vous regardiez ヴ ルガルディエ
ils regardaient イル ルガルデ
です。
続きを見ましょう。
Mme Arnoux regardait au loin
loin は「遠くに」という意味の副詞ですが、ここでは定冠詞の le が付いているので男性名詞になります。
辞書を見ると意味は「遠方」などとなっていますが、
au loin
で、
遠くに、遠くへ
という表現です。
ですので、
Mme Arnoux regardait au loin
は、
アルヌー夫人は遠くに見つめていた。
→ アルヌー夫人は遠くを見つめていた。
という感じです。
続いて、
d'une manière vague
です。
manière は「やり方」「様式」というような意味の女性名詞ですが、
d'une manière + 形容詞
で、
〜な仕方で、やり方で
となります。
vague
は
漠然とした、曖昧(あいまい)な、ぼんやりした
という意味の形容詞なので、
d'une manière vague
で、
曖昧な仕方で、漠然と、ぼんやりと
となるので、
Mme Arnoux regardait au loin d'une manière vague.
アルヌー夫人はぼんやりと遠くを見つめていた。
という感じです!
※ vague には女性名詞として、
波
という意味もありますね。