Mme Arnoux regardait au loin d'une manière vague. Quand la musique s'arrêta, elle remua les paupières plusieurs fois, comme si elle sortait d'un songe.
(フランス語中級)
フロベール 『感情教育』 ( Flaubert, "L'Education Sentimentale" ) の一節の続き。
最初の文、
Mme Arnoux regardait au loin d'une manière vague.
については、
→ 遠くをぼんやりと
を見てください。
今日はそれに続く二文目(の途中まで)の、
Quand la musique s'arrêta, elle remua les paupières plusieurs fois
を見ていきます。
発音は、
Quand la musique
カン ラ ミュズィーク
s'arrêta,
サレタ
elle remua
エル ルミュア
les paupières
レ ポピエール
plusieurs fois
プリュズィウール フォワ
です。
まず、最初の箇所、
Quand la musique s'arrêta
は、
音楽が止まった時、
となります。
s'arrêta は s'arrêter の直説法単純過去形。
arrêter は
止(と)める、止(や)める
です。
ここでは s'arrêter と代名動詞になっています。
代名動詞の用法の一つに
自分を〜する
というのがあります。
いわゆる再帰的用法です。
s'arrêter の場合は、
自分を止める → 止める, 止まる
みたいな感じになります。
なので
Quand la musique s'arrêta
で、
音楽が止まった時
となります。
続きは、
elle remua les paupières plusieurs fois
で、前から見ていくと、
彼女は動かした / 瞼を / 何度も
です。
paupière は「瞼(まぶた)」、女性名詞。
瞼は両眼それぞれの上下にある(つまり四つある)ので複数形になってます。
remua は動詞 remuer の直説法単純過去形。
remuer は
動かす
という意味です。
つぎの、
plusieurs fois
ですが、 plusieurs は
いくつかの、若干の
という意味の形容詞で、英語の several です。
fois は男性名詞で、何回目とか何度目とかいう場合の「回」や「度」です。
fois は単数形でも最後に s が付きます。
結局、
plusieurs fois
で、
何度も、何回も
となります。
ここまでをまとめると、
Quand la musique s'arrêta, elle remua les paupières plusieurs fois
音楽が止まったとき、彼女は瞼を何度も動かした。
となります。
s'arrêter と remuer の直説法単純過去形の活用を確認しておきましょう。
je m'arrêtai ジュ マレテ
tu t'arrêtas テュ タレタ
il s'arrêta イル サレタ
nous nous arrêtâmes ヌ ヌザレターム
vous vous arrêtâtes ヴ ヴザレタート
ils s'arrêtèrent イル サレテール
je remuai ジュ ルミュエ
tu remuas テュ ルミュア
il remua イル ルミュア
nous remuâmes ヌ ルミュアーム
vous remuâtes ヴ ルミュアート
ils remuèrent イル ルミュエール
です。
続きます。