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2016-12-25

無原罪の宿り

Immaculée Conception


きょうはクリスマスです。

クリスマスは、フランス語では、

    Noël

    ノエル

です (男性名詞) 。

サンタクロースは、

    Père Noël

ですね。


クリスマスはキリストの生誕を祝う日。

キリストのお母さんは、マリア。

マリアは、英語では Mary (メアリー)、フランス語では、

    Marie

    マリ

です。


そのマリがキリストを妊娠 (懐胎) したことを、

    Immaculée Conception

    イマキュレ コンセプション

といいます。

    → Forvo で Immaculée Conception の発音を確認





Immaculée Conception の conception が、

    妊娠、受胎

という意味です (女性名詞)。

ほかに conception には、

    着想、構想、観念

などの意味もあります。

心に抱いたものが 「観念」で、 肉体に抱くと 「妊娠」 ということなのでしょう。


前半の immaculé が形容詞で、

    汚れのない、無垢な、純潔な

という意味になります。

    ciel immaculé

は、

    雲一つない空

っていう感じです。


けっきょく、

    Immaculée Conception

は、

    純潔な妊娠

ということですが、一般には、

    無原罪の宿り

などと訳されています。


これは、いわゆる処女のまま妊娠したということではなく、

無原罪の御宿りの教義は、「マリアはイエスを宿した時に原罪が潔められた」という意味ではなく、「マリアはその存在の最初(母アンナの胎内に宿った時)から原罪を免れていた」とするものである。 (→ ウィキペディア
ということらしいです。


ちょっとむずかしい...。


immaculé という語ですが、辞書を見ると

    macule

という単語が、

    (太陽の)黒点

    インクの汚れ

などと出ています (女性名詞)。

im- は否定的な意味になる接頭辞なので、immaculé は、

   汚れのない

という意味になるのですね。


2016-12-11

ロボットに課税したい

Benoît Hamon veut taxer les robots pour financer un revenu universel.

L'express の 12/8 の記事の見出しです。


Benoît Hamon veut taxer les robots pour financer un revenu universel.



    Benoît Hamon veut taxer les robots 

    ブノワ アモン ヴ タクセ レ ロボ

    pour financer un revenu universel.

    プール フィナンセ アン ルヴニュ ユニヴェルセル


Benoît Hamon (ブノワ・アモン) はフランスの社会党の政治家で、前の教育大臣。

現在の大統領フランソワ・オランド (François Hollande、 社会党) が次期大統領選への出馬を断念しましたが、その社会党から立候補を表明しているうちの一人です。


taxer は 「課税する」 です。

何に課税するかというと、 les robots、 つまり 「ロボット」 に課税したい、と言っています。

    Benoît Hamon veut taxer les robots 

    ブノワ・アモンはロボットに課税したい


「ロボット」 と言っても人間型ロボットではなく、工場などで使われている産業用ロボットで、それらのロボットが人間の単純労働を奪って (担って) 生産性を上げているのでそこに課税しよう、ということみたいです。


で、その徴収した分の税金は何に使うか、というと、

    pour financer un revenu universel.

「pour + 不定詞(動詞の原形)」 で 〈目的〉 を表します。 つまり  「~するために」。 

financer は 「出資する」 「資金を提供する」 です。


出資先は revenu universel です。

revenu は 「収入、所得」 (男性名詞)、 universel は形容詞で 「普遍的な」 とか 「全体の」 ですが、

    suffrage universel  (スュフラージュ ユニヴェルセル) 

だと、

    普通選挙

になります。 ( suffrage は 「投票、選挙 (男性名詞)」 。 ) 

つまり、この場合の universel は 「すべての人に適用される」 といういみです。

で、この revenu universel は英語で basic income (ベーシック インカム) と言われている  「最低限所得保障」 のことになります。


ですので、

    Benoît Hamon veut taxer les robots pour financer un revenu universel.

    ブノワ・アモンはロボットに課税したい / 最低限所得保障に出資するために

となるので、

    ブノワ・アモンはロボットに課税して、最低限所得保障制度の財源にしようと考えている

という感じになります。


2016-12-08

カストロには信仰心があったのか

Castro avait-il la foi?

11月25日に亡くなった、革命家でキューバの元最高指導者、フィデル・カストロについての L'Express の記事からです。


フィデル・カストロ: 神とマルクスとのあいだに

Fidel Castro, entre Dieu et Marx - L'Express


この記事のタイトルは、

    Fidel Castro, entre Dieu et Marx

    フィデル カストロ アントル ディウ エ マルクス

となっていて、

    entre A et B

は、

    AとBの間に(で)

という表現なので、

    フィデル・カストロ、神とマルクスの間で

という感じになります。


マルクスは19世紀のイギリスで活動した、経済学者で思想家。

ロシアの前のソ連という国とか、現在の中国とか、各国の共産党や社会主義政党とかの思想の元になっている 「共産主義」 という思想の元になっている人です。


カストロも共産主義者でした。

なぜここで、マルクスと神が並んでいるかというと、共産主義では 「神」 というか宗教の 「信仰」 を基本的に認めない、とみなされているからです。

マルクスは 「宗教は民衆のアヘンだ」 と言っています。(『ヘーゲル法哲学批判序説』)
そして、カストロはほんとうに信仰(キリスト教の)を持っていなかったのか、というのがこの記事のテーマになっています。


この記事の本文中に、

    Castro avait-il la foi?

    カストロ アヴェティル ラ フワ?

という小見出しがあります。

    foi

は、女性名詞で 「信仰」 という意味があります。

avait は avoir の直説法半過去形で、それが疑問文として倒置されています。


肯定文で書いてみると、

    Castro avait la foi.

    カストロは信仰心を持っていた。

        ↓

    カストロには信仰心があった。

となります。


「文の主語が je とか il とか elle とかのいわゆる人称代名詞ではない場合は、主語と動詞をひっくり返して (倒置させて) 疑問文を作るとき、 その主語の人称代名詞を使って倒置させる」 のでした。

    → 同じパターンの倒置疑問文を扱った記事


なので、

    Castro avait la foi.

は、

    Castro avait-il la foi?

となります


意味は、

    カストロには信仰心があったのか。

です。


2016-12-05

上級仏単語: usurper

上級仏単語は、ふだんは目にしないけど新聞のサイトとかでたまに目にする言葉、を集めています。

今日は、

    usurper

    ユズュルペ

    → Forvoで発音を確認

です。


usurper 横取りする



意味は、

    横取りする、簒奪(さんだつ)する、不当に手に入れる

です。


ちなみに、「簒奪する」 の 「簒」 は、

 

と書くみたいです。