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2016-12-08

カストロには信仰心があったのか

Castro avait-il la foi?

11月25日に亡くなった、革命家でキューバの元最高指導者、フィデル・カストロについての L'Express の記事からです。


フィデル・カストロ: 神とマルクスとのあいだに

Fidel Castro, entre Dieu et Marx - L'Express


この記事のタイトルは、

    Fidel Castro, entre Dieu et Marx

    フィデル カストロ アントル ディウ エ マルクス

となっていて、

    entre A et B

は、

    AとBの間に(で)

という表現なので、

    フィデル・カストロ、神とマルクスの間で

という感じになります。


マルクスは19世紀のイギリスで活動した、経済学者で思想家。

ロシアの前のソ連という国とか、現在の中国とか、各国の共産党や社会主義政党とかの思想の元になっている 「共産主義」 という思想の元になっている人です。


カストロも共産主義者でした。

なぜここで、マルクスと神が並んでいるかというと、共産主義では 「神」 というか宗教の 「信仰」 を基本的に認めない、とみなされているからです。

マルクスは 「宗教は民衆のアヘンだ」 と言っています。(『ヘーゲル法哲学批判序説』)
そして、カストロはほんとうに信仰(キリスト教の)を持っていなかったのか、というのがこの記事のテーマになっています。


この記事の本文中に、

    Castro avait-il la foi?

    カストロ アヴェティル ラ フワ?

という小見出しがあります。

    foi

は、女性名詞で 「信仰」 という意味があります。

avait は avoir の直説法半過去形で、それが疑問文として倒置されています。


肯定文で書いてみると、

    Castro avait la foi.

    カストロは信仰心を持っていた。

        ↓

    カストロには信仰心があった。

となります。


「文の主語が je とか il とか elle とかのいわゆる人称代名詞ではない場合は、主語と動詞をひっくり返して (倒置させて) 疑問文を作るとき、 その主語の人称代名詞を使って倒置させる」 のでした。

    → 同じパターンの倒置疑問文を扱った記事


なので、

    Castro avait la foi.

は、

    Castro avait-il la foi?

となります


意味は、

    カストロには信仰心があったのか。

です。