Il développe par exemple, dans **L’Expérience de la liberté** (Galilée, 1988), l’argument selon lequel notre liberté n’est pas un absolu que viendrait limiter l’existence d’autrui. C’est au contraire l’existence d’autrui, et notre « être-avec », qui serait la condition de toute liberté.
["La mort de Jean-Luc Nancy, philosophe de la fragilité de l’existence", le 26 août 2021, lemonde.fr ]
フランスの哲学者、ジャン=リュック・ナンシーが少し前に亡くなりました。
そのルモンドの追悼記事の抜粋からです。
◆ 分かち訳
Il développe 彼は(~を)展開している par exemple たとえば, dans **L’Expérience de la liberté** (Galilée, 1988) 『自由の経験』(ガリレー, 1988)において, l’argument 議論を(展開している) selon lequel それ(その議論)によれば notre liberté n’est pas un absolu 私たちの自由は或る絶対的なものではない que viendrait limiter l’existence d’autrui 他者の実存が制限しに来るだろうような(絶対的なもの).
C’est au contraire 反対に l’existence d’autrui 他者の実存(と), et notre « être-avec » そして私たちの「ともに存在すること」なのである, qui serait la condition de toute liberté あらゆる自由の条件となるだろうものは.
・ selon lequel の lequel は関係代名詞で、先行詞は l'arugument。
◆ 試訳
『自由の経験』(ガリレー, 1988)において、ジャン=リュック・ナンシーは、以下のような議論を展開している。私たちの自由は、他者の実存によって限界づけられてしまうような絶対的な何かなのではない。反対に、他者の実存や、私たちが「共に存在すること」こそが、あらゆる自由の条件となっているのだ、と。
[「実存の脆さ(もろさ)についての哲学者、ジャン=リュック・ナンシーの死」, ルモンド, 2021.8.26 ]
(ここまで)