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2021-09-14

他者の実存は私たちの自由の条件(ジャン=リュック・ナンシー)

Il développe par exemple, dans **L’Expérience de la liberté** (Galilée, 1988), l’argument selon lequel notre liberté n’est pas un absolu que viendrait limiter l’existence d’autrui. C’est au contraire l’existence d’autrui, et notre « être-avec », qui serait la condition de toute liberté.

["La mort de Jean-Luc Nancy, philosophe de la fragilité de l’existence",  le 26 août 2021, lemonde.fr ] 


フランスの哲学者、ジャン=リュック・ナンシーが少し前に亡くなりました。

そのルモンドの追悼記事の抜粋からです。


◆ 分かち訳

Il développe 彼は(~を)展開している par exemple たとえば, dans **L’Expérience de la liberté** (Galilée, 1988) 『自由の経験』(ガリレー, 1988)において, l’argument 議論を(展開している) selon lequel それ(その議論)によれば notre liberté n’est pas un absolu 私たちの自由は或る絶対的なものではない que viendrait limiter l’existence d’autrui 他者の実存が制限しに来るだろうような(絶対的なもの). 

C’est au contraire 反対に l’existence d’autrui 他者の実存(と), et notre « être-avec » そして私たちの「ともに存在すること」なのである, qui serait la condition de toute liberté あらゆる自由の条件となるだろうものは.


・ selon lequel の lequel は関係代名詞で、先行詞は l'arugument。


・ un absolu que viendrait limiter l’existence d’autrui の que も関係代名詞。先行詞は un absolu。viendrait limiter の主語は l’existence d’autrui。「他者の実存が制限しに来るだろうような絶対的なもの」。

◆ 試訳

『自由の経験』(ガリレー, 1988)において、ジャン=リュック・ナンシーは、以下のような議論を展開している。私たちの自由は、他者の実存によって限界づけられてしまうような絶対的な何かなのではない。反対に、他者の実存や、私たちが「共に存在すること」こそが、あらゆる自由の条件となっているのだ、と。

[「実存の脆さ(もろさ)についての哲学者、ジャン=リュック・ナンシーの死」, ルモンド, 2021.8.26 ]


(ここまで)


2021-09-12

ホテル「空」

先日、車に乗っていたら「空」という名前のホテルがあった。

ホテル ciel

秋の青い空とホテル「Ciel」。

ciel(シィェル)は「空」(男性名詞)。

ふつうは定冠詞 le をつけて使う。

たとえば、

Le ciel est pur, la lune brille.

空は済み、月は輝く。

この文の解説は:

空は澄み、月は輝く 1 (2015.10.27)

でやってます。

(ここまで)





2021-09-09

カトリック教会は21世紀の後にも生き残る?

Le catholicisme peut-il survivre au XXIe siècle ?

フランスの新聞「ル・モンド」の 2021.8.29 の記事のタイトルからです。


◆ ざっくり発音

Le catholicisme peut-il survivre au XXIe siècle ?

ル カトリシスム プティル シュルヴィーヴル オ ヴァンテユニエーム スィエークル


◆ 語句

catholicisme は「カトリック教」「カトリック教会」のこと。

語尾の -isme は、〈「制度・体系・主義・主張・職業・特性」の意を表す男性名詞語尾〉と『ロワイヤル仏和中辞典』に出ています。

なので catholicisme も男性名詞です。

ほかには、marxisme (マルクシスム)で「マルクス主義」とか。

(発音は英語と違って「イズム」じゃなくて「イスム」。)

XXIe は「21番目の」ことで、綴りで書くと vingt et unième(ヴァンテユニエーム)。

survivre は英語の survive と同じで「生き残る」。

survivre à ~ で〈~よりも後に生き残る〉。


◆ 文意

Le catholicisme カトリック教会は peut-il できるのだろうか survivre au XXIe siècle 21世紀の後に生き残ることが ?

→ カトリック教会は21世紀の後にも生き残ることができるのだろうか。

(ここまで)