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2016-04-21

巷のフランス語: 医者に行くよりパン屋に行ったほうがいい

Il vaut mieux aller au boulanger qu'au médecin.


先日、電車を待っているときに隣の人の持っているバッグにフランス語が書いてありました。



    Il vaut mieux aller au boulanger qu'au médecin.

    イル ヴォ ミウ アレ オ ブランジェ コ メドゥサン

と書いてあります。

〈 il vaut mieux + 不定詞 ... que ~〉 は、 「~より ... したほうがよい」 という表現です。

    ※ vaut の不定詞は valoir です。

aller au boulanger は 「パン屋に行く」。

médecin は「医者」 です。

なので、

    Il vaut mieux aller au boulanger qu'au médecin.

    医者に行くよりパン屋に行くほうがいい。

となります。


何を言いたいのか?

じつはこれはフランスの諺 (ことわざ) になります。

「がまんして病気になるより、パンを買いに行け」 、つまり、「健康のためにはバランスの取れた生活をしなさい」、みたいな意味 (なはず) です!


2016-04-17

上級仏単語: NDLR

今日は、

    NDLR

という語句、というか略語です。

これは、

    note de la rédaction

の頭文字をとったものです。

note は 「注釈」 (女性名詞)、 rédaction は 「編集(部)」 (女性名詞)。

なので、NDLR は

    編集部注

となります。

NDLRという略記は、引用文やインタビューの発言の中に編集者(編集部)が入れた注 (注釈) につけたりします。



2016-04-14

PD はホモセクシャルを侮蔑する言い方ではない (?)

Les prud'hommes de Paris estiment que "PD" n'est pas une insulte homophobe


フランスのニュースサイト、l'express の記事の見出しからです (4/7付)。


Les prud'hommes de Paris estiment que "PD" n'est pas une insulte homophobe

 ※ Les prud'hommes de Paris estiment que "PD" n'est pas une insulte homophobe - L'Express


発音は、

    Les prud'hommes de Paris estiment

    レ プリュドム ドゥ パリ エスティム

    que "PD" n'est pas une insulte homophobe

    ク ペデ ネ パズュナンスュルト ホモフォーブ

という感じ。


最初に出てくる、 prud'homme ってなんでしょう。

仏和辞典を見ると、たとえば、『ロワイヤル仏和辞典』 には、

    (労使間の紛争を調停する)労働委員

と出ています (男性名詞)。


そうすると、 estiment は動詞 estimer (評価する ・ 判断する) ですから、

    Les prud'hommes de Paris estiment que ...

で、

    パリの労働委員は ... と判断する ・ 評価する

となります。

この que ... のところには 〈主語+動詞〉 のセットが来るでしょうから、見てみると、

    "PD" n'est pas une insulte homophobe

となっているので、 "PD" が 〈主語〉 で、est が 〈動詞〉 です。


PD ってなんでしょうか。

PD は、

    pédé

    ペデ

のことです。

PD と pédé とは発音が同じです。


そして pédé は、

    pédéraste

    ペデラスト

の略で、

    男色家、ホモ

です (男性名詞)。


そうすると、 insulte は 「侮辱」、 homophobe は 「同性愛者嫌い」 という形容詞なので、

    "PD" n'est pas une insulte homophobe

は、

    PD は同性愛者を嫌った侮蔑ではない

        ↓

    PDという言い方は、同性愛者を侮辱するものではない

という感じになります。


全体では、

    Les prud'hommes de Paris estiment que "PD" n'est pas une insulte homophobe

    パリの労働委員は、PD という言い方は同性愛者を侮辱するものではないと判断

となります。 (見出しっぽく訳してみました。)


記事によると、

    パリの美容室の店員が上司に PDという言い方をされて解雇された。 その店員が労働委員会に訴えた。 労働委員会は、美容室では同性愛者を雇うことが多いので、そのコンテクストにおいては PD という言い方が必ずしも同性愛者を侮蔑するものとはならない、という判断を下した

というようなことらしいです。



2016-04-13

上級仏単語: remords

上級仏単語、今日の単語は、

    remords

    ルモール

です。
後悔


いろんな外国語の言葉の発音を、現地の人の発音で確認できる便利な Forvo で発音を聞いてみましょう。

    → remords (Forvo)


remords の意味は、

    後悔、悔恨(かいこん)、良心の呵責(かしゃく)

です!


2016-04-12

上級仏単語: périple

周遊

きょうの上級仏単語は、

    périple

    ペリープル

です。

périple は、男性名詞で、意味は、

    周遊, 大航海

などです。



2016-04-11

良識はこの世でもっとも公平に分配されている (3)

Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée ; car chacun pense en être si bien pourvu, que ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose n’ont point coutume d’en désirer plus qu’ils en ont.

(René Descartes, "Discours de la méthode", 1637)

デカルトの 『方法序説』 第一章冒頭の3回目です。

    → 1回目: 良識はこの世でもっとも公平に分配されている (1)
    → 2回目: 良識はこの世でもっとも公平に分配されている (2)

前回までで、

    Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée ; car chacun pense en être si bien pourvu, que ...

    良識はこの世で最も良く分配されている。 というのも、だれもがそれをじゅうぶん持っていると思っているので、その結果 ... だからだ

という感じでした。


さて、その続きのうち、

    que ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose

までを見てみたいと思います。

発音は、

    que ceux même qui sont les plus difficiles

    ク ス メーム キ ソン レ プリュ ディフィスィル

    à contenter en toute autre chose

    ア コンタンテ アン トゥット オートル ショーズ

となります。


さいしょの que ですが、これは前回やった、

    si bien ... que ~

    とても ... なのでその結果~だ

の que (接続詞) で、この que のあとには、〈主語 + 動詞〉 がセットされることになります。

ですので、その主語と動詞を見つけようと思って読んでいきます。

と、最初に ceux même qui sont ... となっているので、

    ceux = 〈主語 + 動詞〉 の主語

    sont = 〈主語 + 動詞〉 の動詞

なのか、と思ってはいけません。


sont の前には qui があります。

これは関係代名詞の qui ですね。

関係代名詞の部分 (関係代名詞節) は、直前の名詞 (この場合は ceux ) を修飾します。

sont の主語は qui です。

ですので、sont は先ほどの que の後の 〈主語 + 動詞〉 の 〈動詞〉 の役割はできません。


では、〈主語 + 動詞〉 の 〈動詞〉 はどこにあるのか。

もう少し読んでいくと、

    que ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose n’ont point coutume ...

となっていて、n'ont point に動詞 avoir があります。

なので、

    ceux même [ qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose ] n’ont point coutume

と考えて、que の後の 〈主語 + 動詞〉 の 〈主語〉 は ceux、 〈動詞〉 は ont ではないかと予想をつけます。


それはそうとして、qui 以下の部分 (関係代名詞節) の意味を考えておきましょう。

    qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose

qui は主語になる関係代名詞 (主格の関係代名詞) で、それに対応する動詞が sont です。

qui 以下が修飾している語は、ceux です。

ceux は代名詞 celui の男性複数形です。

代名詞なので、ふつうは前に出た名詞を受けます。

で、ceux より前の部分で、男性の複数名詞がないか探してみると、

    Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée ; car chacun pense en être si bien pourvu, que ceux qui sont les plus difficiles ...

...ない、ですね。 複数名詞は。


この ceux ですが、後ろに関係代名詞 (qui や que) が続くときは

    ~な人々

という意味になることがあります。


今回の場合は、

    ceux ... qui sont les plus difficiles à contenter ...

となっています。

〈 difficile à 不定詞 〉 で 「~するのがむずかしい」 です。

ここでは、les plus difficiles なので比較の最上級です。

ですので、

    ~するのがもっともむずかしい人々

になります。

で、「~する」 の部分は contenter 「満足させる」 なので、

    満足させるのがもっともむずかしい人々

です。

    ※ contenter は 「満足させる」 です。 「満足する」 ではありません。


さらに、

    ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose

の、en toute autre chose ですが、

    en toute autre chose

    すべての他の事柄において

となるので、

    ほかのあらゆる事柄においては満足させるのがもっともむずかしい人々

となりますが、最後に、

    ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose

の même が残っています。

même は、名詞の前に来る時は

    同じ

といういみで、

名詞(代名詞)の後ろにくるときは、

    ~でさえ

とか、

    まさにその~

とかになります。


ここでは、代名詞 ceux の後ろに来ているので、

    ~でさえ

といういみにとっておきましょう。

    ※ あとで修正するかもしれません。

すると、

    ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose

    ほかのあらゆる事柄においては満足させるのがもっともむずかしい人々でさえ

となります。

この、「ほかのあらゆる事柄においては満足させるのがもっともむずかしい人々でさえ」 が、 n'ont point の主語 (主部) になります。


まとめ、

    Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée ; car chacun pense en être si bien pourvu, que ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose ...

    良識はこの世で最も良く分配されている。 というのも、だれもがそれをじゅうぶん持っていると思っているので、その結果、ほかのあらゆる事柄においては満足させるのがもっともむずかしい人々でさえ ... だからだ。



 Discours de la méthode

2016-04-03

上級仏単語: remédier

上級仏単語: remédier


発音は、「ルメディエ」。

意味は、

    remédier à ~



    ~を改善する、直す

です。


この動詞 remédier の名詞形は、

    remède

    ルメード

で、

    薬(くすり)、解決策

などの意味があります (男性名詞)。

    ※ 英語の remedy (レメディ) がだいたい同じいみの単語です。


2016-04-02

上級仏単語: sine qua non

今日の上級仏単語は、

    sine qua non

    スィネ クア ノン

です。


qua はフランス語的な発音だと 「カ」 ですが、ここでは 「クワ」 です。

また、最後の non は鼻母音の「ノン」 ではなく、最後の 「ン」 もちゃんと発音する 「ノン」 です。

なんでこんな発音かというと、この表現はもともとラテン語 (昔のローマ人たちの言葉) だから、ラテン語風に発音するのです。


そして、意味は、

    必要不可欠の、必須の

となります。

なので、全体で形容詞的に使われます。

たとえば、

    condition sine qua non

で、

    必要不可欠な条件、必須条件

です。


形容詞的に使われますが、関係する名詞と性数一致して変化したりしません。

さっきの例の場合、condition は女性名詞ですが、だからといって

    × condition sine qua none

みたいに e がついたりしません。