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2015-04-08

留保の必要がある

[フランス語中級]

Cependant, il est indispensable de faire, sur ce point, une réserve.

(Léon Trotsky, "Ma Vie")


現在のロシアが、ソビエト社会主義共和国連邦という国になる前のロシアで、レーニンと一緒にロシア革命の中心人物となったトロツキーという人の自伝 『わが生涯』 のフランス語訳よりの引用です。

トロツキー 18才
トロツキー 18才 (Wikipedia)


発音は、

    Cependant,
    スパンダン

    il est indispensable
    イレタンディスパンサァブル

    de faire, sur ce point,
    ドゥ フェール シュル ス プワン

    une réserve
    ユヌ レゼルブ

という感じです。


文頭の Cependant は、

    しかしながら

という意味の接続詞(副詞)です。
続く文全体は、

    il est 〜 de 不定詞…

    …するのは〜だ

という構文になっています。

indispensable は

    不可欠な、ぜひ必要な

という意味なので、

    il est indispensable de …

で、

    …することが必要だ(不可欠だ)
    …する必要がある

となります。


de に続くのは faire という動詞です。

    il est indispensable de faire …

faire は「〜をする」 という動詞で、 「〜を」に当たる語句(名詞)が faire の後に来ます。

そのさいに faire と 「〜を」に当たる語句との間に前置詞が入ることはありません。

このように前置詞を介さずに動詞の対象となる語( 「〜を」に当たる語 )を 「直接目的語」 といいます。

直接目的語は名詞(または名詞相当語句)です。


では今回の faire の直接目的語は何でしょうか。

文を見てみると、faire の後には前置詞 sur があります。

    de faire, sur ce point, une réserve

先ほど言ったように、 直接目的語には前置詞が付きません。

逆に言うと、前置詞が付いた語句は直接目的語ではありません。

つまり、surで始まる箇所は faire の目的語(直接目的語)ではありません。


では faire の直接目的語はどこにあるのでしょうか。

もう一度該当箇所を見てみると、

    de faire, sur ce point, une réserve

というように、surという前置詞で始まる箇所は、ヴィルギュル( , )で囲まれています。

ちょっとここで、この ヴィルギュル( , )に囲まれた箇所を取っ払ってみましょう。

すると、

    de faire une réserve

となります。

faireの後に

    une réserve

という名詞が前置詞を介さずに、直接続く形になりました。

réserve(レゼルヴ)は une が付いているので女性名詞だとわかります。

意味は、

    蓄え、備蓄

の他、

    保留、留保

などがあります。

ここでは faire une réserve で、

    留保する
ととっておきます。


最後に、
    sur ce point

ですが、

    この点に関して
としましょう。

※ 前置詞 sur には

    ~について、~に関して

という意味があります。


全体では、

    Cependant, il est indispensable de faire, sur ce point, une réserve.

    しかしながら、この点に関しては、留保する必要がある。

という感じになりそうです。


□ 翻訳

岩波文庫から 『 トロツキーわが生涯』 という上下二巻本が出ていますが現在は品切れのようです。



トロツキーという名前がタイトルに入ったマンガに、『 虹色のトロツキー』 がありますね (中公文庫)。



今のところ 1巻だけ読みましたがトロツキーはほとんど出てきません...。