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2015-04-01

ミラボー橋の下

Sous le pont Mirabeau coule la Seine

[フランス語初級]


今日は有名な詩の一節 (冒頭) です。

発音ですが、マルク・ラヴォワーヌ (Marc Lavoine) という歌手が歌っていますので聞いてみてください (リンク先はYouTubeのビデオです)。 ビデオの13秒あたりからです。


カタカナで書くと、

    Sous le pont Mirabeau

    スゥ ル ポン ミラボォ

    coule la Seine

    クゥル ラ セェヌ

という感じです。


さて、最初の sous ですが、これは英語で言えば under に当たる前置詞です。

意味は 「~の下に/で」 です。


何の下かといういうと、

   le pont Mirabeau

つまり、

    ミラボー橋

の下です。

pont は男性名詞で 「橋」 です。


ミラボー橋は、パリのセーヌ川にかかっている橋で、セーヌ川をエッフェル塔よりちょっとだけ下ったところにあります。


さて、

    Sous le pont Mirabeau

で、

    ミラボー橋の下で(に)

となるので、また文の主語がありません。


次に来るのは、

    coule

という語ですが、これは couler という動詞です。

couler の意味は、

    流れる

です。


※ couler の直説法現在形の活用を確認しておくと、

    je coule                ジュ クゥル
    tu coules              テュ クゥル
    il coule                 イル クゥル
    nous coulons         ヌゥ クゥロン
    vous coulez           ヴゥ クゥレ
    ils coulent             イル クゥル

です。


動詞 coule の主語はその後ろに来ています。

    Sous le pont Mirabeau coule la Seine

この la Seine (セーヌ川) が、coule の主語になります。


したがって、この文の意味は、

    ミラボー橋の下をセーヌ川が流れている

    ミラボー橋の下、セーヌが流れる

となります。


疑問文じゃない普通の文 (肯定文) なのに、なぜ主語と動詞の語順が逆な の(倒置されているの) か。

「詩」 だからでしょうか?...


あと、文章の最後にピリオド (ポワン point ) はありません。

この詩の全文はググるといろいろ見つかります。

たとえば、

    Le Pont Mirabeau, poème de Guillaume Apollinaire - poetica.fr

などにあります。


■ 作者

この詩の作者は、Guillaume Apollinaire (ギョーム・アポリネール / 1880-1918 ) という詩人です。

    → このブログのアポリネールの記事


こんな見栄えの人です。





■ 翻訳

この詩の翻訳は、「「ミラボー橋」アポリネール 堀口大学訳 他多数の訳 - とおいひのうた いまというひのうた」 というページにいくつか紹介されています。


書籍では、新潮文庫の 『アポリネール詩集 (新潮文庫)』 (堀口大學 訳) などがあります。