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2015-04-27

上級仏単語: éruption

きょうの上級フランス単語は、

    éruption

です。


発音は、

    エリュプシオン

で、単語の最後が -tion で終わっているので、

    女性名詞

です。l


意味は、

     (火山の)噴火、(溶岩などの)噴出

です。


先日の南米チリの火山の大噴火のニュースでも使われていました。




なんと時は過ぎ行くのか!

[フランス語初級]

Comme le temps passe! Nous avons été bien heureux. C'est fini.

( Victor Hugo, "Les misérables")


2013年春に映画が公開されて話題を呼んだ、ヴィクトル・ユゴーの 『レ・ミゼラブル』 の最後の場面からの引用です。 

原作はフランス語、2013年の映画は英語です。





↑コゼット( cosette ) が庭掃除をさせられている場面のイラスト


発音:

Comme le temps passe!

コム ル タン パァス

Nous avons été bien heureux.

ヌゥザヴォン エテ ビャンヌゥルゥ

C'est fini.

セ フィニ


では最初の文を見ましょう。

Comme le temps passe!

comme にはいろんな用法がありますが、ここでは何でしょうか。

文の最後に ! があります。

※ ! はプワンデクスクラマシォン ( point d'exclamation )といいます。


! があるということは、この文は感嘆文でしょう。

そうすると、この文の comme は、

なんと~なんだろう

という感嘆文を作る用法になります。


この「 なんと~なんだろう 」の「〜」の箇所は、

le temps passe

時が過ぎ去る

となっていますので、

Comme le temps passe!

は、

なんと時は過ぎ去るのだろうか。

となります。

これは、

時はなんと速く過ぎ去ることか。

ということです。


◇  どんな場面?

老いて死期の近づいた孤独なジャン・バルジャンのもとに、最愛の娘であるコゼットと、その夫マリウスが駆けつけます。

そこでジャン・バルジャンは、コゼットと暮らしたかつての幸せな日々を思い起こします。


◇  翻訳

翻訳はたとえば、『 レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)』  などがあります。




また、青空文庫で豊島与志雄(とよしま よしお)氏の翻訳が全文公開されています!

ただし、とても長くて 「うんちく」 みたいのも多いので読むのがたいへんかもしれません。

講談社青い鳥文庫」 など、児童用に短く翻案されたものもいくつか出ています。


◇ レ・ミゼラブル ブルーレイ [Blu-ray] (英語)







2015-04-23

上級仏単語: obsèques

今日の単語は、

    obsèques

です。

発音は、

    オプセーク

で、品詞は女性名詞、

意味は、

    葬式, 葬儀

で、ふつうは複数形で使います。

同じ「葬儀、葬式」という意味で、

    funérailles

    フュネラーユ

というのもあります。

こちらもやはり女性名詞で、複数形で使われます。


funérailles は一般用語として、obsèques のほうは公用語(公式用語)として使われます。



2015-04-19

上級仏単語: quinquennat

今日の上級フランス語単語は、

    quinquennat

です。

発音は、

    カンケナ

品詞は、

    男性名詞

意味は、

    5か年計画、(5か年計画の)5年間

のほかに、

   (フランス大統領の)5年の任期

などがあります。


フランス大統領の任期は、2000年までは7年でしたが、2000年に国民投票が行われ、任期が5年に短縮されました。

現在のフランス大統領は、社会党の、

    François Hollande

    フランソワ・オランド

    François Hollande (Journées de Nantes 2012)
  ( 出典: ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) )

です (2012年5月~)。


2015-04-17

上級仏単語: embargo

アメリカとキューバが接近したことで、アメリカからキューバへの制裁であった embargo (オンバルゴ) が解除されようとしています。


embargo は、

    男性名詞

で、意味は、

   (船舶の)出港禁止、輸出禁止

などです。


発音は、

  ・ ラルース社のオンライン辞書のページ



  ・ Forvo

で確認できます。


2015-04-11

上級仏単語: réconciliation

本日の上級仏単語: réconciliation

発音: レコンシリアシォン

品詞: 女性名詞

意味: 和解、仲直り


用例:

現在、長い間敵対関係にあった、アメリカとキューバが レコンシリアシォン に向かっています。

以下の三つの単語をコピーして、Googleなどで検索するといろんなページで使われているのがわかります。

    Etats-Unis   Cuba   réconciliation


2015-04-10

上級仏単語: assener

きょうの上級仏単語は、

    assener

です。

    asséner

とアクサン付きで書くこともあります。


発音は、

    アセネ

品詞は、

    動詞

意味は、

    [打撃などを]与える(加える)

です。


2015-04-08

留保の必要がある

[フランス語中級]

Cependant, il est indispensable de faire, sur ce point, une réserve.

(Léon Trotsky, "Ma Vie")


現在のロシアが、ソビエト社会主義共和国連邦という国になる前のロシアで、レーニンと一緒にロシア革命の中心人物となったトロツキーという人の自伝 『わが生涯』 のフランス語訳よりの引用です。

トロツキー 18才
トロツキー 18才 (Wikipedia)


発音は、

    Cependant,
    スパンダン

    il est indispensable
    イレタンディスパンサァブル

    de faire, sur ce point,
    ドゥ フェール シュル ス プワン

    une réserve
    ユヌ レゼルブ

という感じです。


文頭の Cependant は、

    しかしながら

という意味の接続詞(副詞)です。
続く文全体は、

    il est 〜 de 不定詞…

    …するのは〜だ

という構文になっています。

indispensable は

    不可欠な、ぜひ必要な

という意味なので、

    il est indispensable de …

で、

    …することが必要だ(不可欠だ)
    …する必要がある

となります。


de に続くのは faire という動詞です。

    il est indispensable de faire …

faire は「〜をする」 という動詞で、 「〜を」に当たる語句(名詞)が faire の後に来ます。

そのさいに faire と 「〜を」に当たる語句との間に前置詞が入ることはありません。

このように前置詞を介さずに動詞の対象となる語( 「〜を」に当たる語 )を 「直接目的語」 といいます。

直接目的語は名詞(または名詞相当語句)です。


では今回の faire の直接目的語は何でしょうか。

文を見てみると、faire の後には前置詞 sur があります。

    de faire, sur ce point, une réserve

先ほど言ったように、 直接目的語には前置詞が付きません。

逆に言うと、前置詞が付いた語句は直接目的語ではありません。

つまり、surで始まる箇所は faire の目的語(直接目的語)ではありません。


では faire の直接目的語はどこにあるのでしょうか。

もう一度該当箇所を見てみると、

    de faire, sur ce point, une réserve

というように、surという前置詞で始まる箇所は、ヴィルギュル( , )で囲まれています。

ちょっとここで、この ヴィルギュル( , )に囲まれた箇所を取っ払ってみましょう。

すると、

    de faire une réserve

となります。

faireの後に

    une réserve

という名詞が前置詞を介さずに、直接続く形になりました。

réserve(レゼルヴ)は une が付いているので女性名詞だとわかります。

意味は、

    蓄え、備蓄

の他、

    保留、留保

などがあります。

ここでは faire une réserve で、

    留保する
ととっておきます。


最後に、
    sur ce point

ですが、

    この点に関して
としましょう。

※ 前置詞 sur には

    ~について、~に関して

という意味があります。


全体では、

    Cependant, il est indispensable de faire, sur ce point, une réserve.

    しかしながら、この点に関しては、留保する必要がある。

という感じになりそうです。


□ 翻訳

岩波文庫から 『 トロツキーわが生涯』 という上下二巻本が出ていますが現在は品切れのようです。



トロツキーという名前がタイトルに入ったマンガに、『 虹色のトロツキー』 がありますね (中公文庫)。



今のところ 1巻だけ読みましたがトロツキーはほとんど出てきません...。

2015-04-06

上級仏単語: hébétude

上級仏単語です。

今日の単語は、

hébétude

発音は、

エベチュッド

で、語頭の h (アッシュ)は、

無音の h

です。

品詞は、

女性名詞

で、意味は、

もうろう(朦朧)状態、茫然自失

です。



2015-04-04

上級仏単語: octroyer

上級フランス語単語です。

「上級」 というのは、フランス語の基本単語集などに載っていない単語で、新聞や雑誌の記事などでよく見かける語、といった意味です。


今日の上級仏単語は、

    octroyer

です。


発音は、

    オクトロワイェ

で、動詞です。


意味:

    (恩恵として)与える, 授与する, 授ける

です。


1844年10月の午後3時ころ 3

[フランス語中級]

Balzac, "Le cousin Pons 冒頭の第三回目です。

Vers trois heures de l'après-midi, dans le mois d'octobre de l'année 1844, un homme âgé d'une soixantaine d'années, mais à qui tout le monde eût donné plus que cet âge, allait le long du boulevard des Italiens, le nez à la piste, les lèvres papelardes, comme un négociant qui vient de conclure une excellente affaire, ou comme un garçon content de lui-même au sortir d'un boudoir.


    → 第一回目
    → 第二回目


前回までで、


    Vers trois heures de l'après-midi, dans le mois d'octobre de l'année 1844, un homme âgé d'une soixantaine d'années, mais à qui

までやりました。

だいたいの意味は、

    時は午後三時ころのこと、1844年の10月の月、60かそこらの男が...

という感じでした。


さて、関係代名詞 à qui はとりあえず、

    その男に....

という意味にとっておきましょう。


à qui のあとに続くのは、

    mais à qui tout le monde eût donné plus que cet âge,

    メ ア キ トゥルモンド イ ドネ プリュ ク セッタァジュ


※ eût の発音をカタカナで 「イ」 と書きましたが、発音記号だと [y] です。

    アルファベットの u の発音と同じで、唇を突き出して「イ」 を発音するつもりで音をだすと、[y] の音が出ます。



à qui は関係代名詞で 「その人に(とって)(対して)...」 となるので (=前置詞があるので) 、関係代名詞に続く文 (関係代名詞節) では主語になりません。

ということは à qui の後には主語になる語が来るのではないかと予想されます。


つまり、続く

    tout le monde

は、主語になると考えて、

    みんなは(が)....

としておきます。


問題は、その次の

    eût donné

です。

donné は donner の過去分詞でいいとして、eût は何でしょうか?


動詞 avoir の直説法単純過去形ではないかと思った人がいるかもしれません。

確認してみましょう。 avoir の直説法単純過去形の活用は、

    j'eus
    tu eus
    il eut
    nous eûmes
    vous eûtes
    ils eurent

です。

※ カタカナでの発音は、

    ジィ
    テュ イ
    イリィ
    ヌゥズィム
    ヴゥズィット
    イルズィール

となります。


いま主語は tout le monde (すべての人、皆)で、tout le monde が主語のときは動詞は三人称単数になります。

そうすると avoir の直説法単純過去の場合は、

    il eut

となっているので、今回の、

    tout le monde eût donné  

の eût とは微妙に違います。


では、この

    eût

は、何でしょうか?

avoir の活用じゃないのかもしれないですが、avoir の直説法単純過去の il eut の eut とほぼ同じなのでやっぱり、avoir が活用したもののような気がします。


辞書で調べてましょう。

今回は、オンラインの辞書で、辞書で有名な Larousse(ラルース) 社のサイトを利用してみます。


まず、Dictionnaire français - Dictionnaires Larousse français monolingue et bilingues en ligne にアクセスします。

    → http://www.larousse.fr/dictionnaires/francais


こんな感じのページです。




ページ上部の入力欄に eût を入力して検索します。



※ eût の真ん中の û がうまく入力できないという人は、今見ているこのページからコピペしてください。


検索結果は、avoir のページが表示されました。



ということは、やはり eût は avoir の活用形のようです。

何の活用なのでしょうか (法と時制は何なのでしょうか)。

右の方にある 「活用」 (CONJUGAISON)ボタンを押してみます。


※ conjugaison は 「動詞の活用」 のことです。 (発音は コンジュゲゾン)。


最初に直説法の活用が一覧表示されました。

直説法は indicatif (アンディカティフ) です。





直説法の活用の一覧を見てみても eût は見当たりませんでした。



次に、indicatif の隣の subjonctif をクリックしてみます。



subjonctif (シュブジョンクティフ) は 「接続法」 です。


普段あまり目にしない活用もあります。



が、よく見ると eût があります!



ここは imparfait (アンパルフェ) とあるので 「半過去」 です。

といっても直説法半過去ではなく、接続法半過去です。


やっと eût が avoir の接続法半過去だということがわかりました。


接続法半過去ってどういうときに使うのでしょうか。


とりあえず文に戻ってみると、

    tout le monde eût donné  

となっていました。


形としては、

    avoirの接続法半過去形 + 動詞の過去分詞

となっています。

この形は、

    接続法大過去

と呼ばれます。

接続法大過去とは何か。

なぜここで接続法大過去が使われているのか。


続きます....。

上級仏単語: lacune

今日の上級仏単語は、

    lacune

です。

発音は、

    ラキュヌ

で、品詞は、

    女性名詞

意味は、

    欠落、欠如、不備

です。


2015-04-03

上級仏単語: martial

軍事政権下のタイで、昨年5月から続いていた戒厳令が解除されました。


戒厳令はフランス語で、

    loi martiale

といいます。


martial (マルシアル)は形容詞で、

    軍の、戦争の

という意味があります。


英語では戒厳令は、

    martial law (マーシャル ロー)

といい、フランス語も英語も martial という形容詞を使っています。


この martial という語は、ローマの軍神、

    Mars (マルス、英語読みでは マーズ)

から由来しています。


太陽系の惑星の火星がやはりフランス語・英語ともに

    Mars

ですが、これも同じ語源からです。



2015-04-01

上級仏単語: fraude

本日の単語は、

    fraude

です。

発音は、

    フロォド

女性名詞です。


意味は、

   詐欺、不正行為

です。


たとえば、

    選挙違反

は、

    fraude électorale

    フロォド エレクトラァル

脱税は、

    fraude fiscale

    フロォド フィスカァル

となります。


ミラボー橋の下

Sous le pont Mirabeau coule la Seine

[フランス語初級]


今日は有名な詩の一節 (冒頭) です。

発音ですが、マルク・ラヴォワーヌ (Marc Lavoine) という歌手が歌っていますので聞いてみてください (リンク先はYouTubeのビデオです)。 ビデオの13秒あたりからです。


カタカナで書くと、

    Sous le pont Mirabeau

    スゥ ル ポン ミラボォ

    coule la Seine

    クゥル ラ セェヌ

という感じです。


さて、最初の sous ですが、これは英語で言えば under に当たる前置詞です。

意味は 「~の下に/で」 です。


何の下かといういうと、

   le pont Mirabeau

つまり、

    ミラボー橋

の下です。

pont は男性名詞で 「橋」 です。


ミラボー橋は、パリのセーヌ川にかかっている橋で、セーヌ川をエッフェル塔よりちょっとだけ下ったところにあります。


さて、

    Sous le pont Mirabeau

で、

    ミラボー橋の下で(に)

となるので、また文の主語がありません。


次に来るのは、

    coule

という語ですが、これは couler という動詞です。

couler の意味は、

    流れる

です。


※ couler の直説法現在形の活用を確認しておくと、

    je coule                ジュ クゥル
    tu coules              テュ クゥル
    il coule                 イル クゥル
    nous coulons         ヌゥ クゥロン
    vous coulez           ヴゥ クゥレ
    ils coulent             イル クゥル

です。


動詞 coule の主語はその後ろに来ています。

    Sous le pont Mirabeau coule la Seine

この la Seine (セーヌ川) が、coule の主語になります。


したがって、この文の意味は、

    ミラボー橋の下をセーヌ川が流れている

    ミラボー橋の下、セーヌが流れる

となります。


疑問文じゃない普通の文 (肯定文) なのに、なぜ主語と動詞の語順が逆な の(倒置されているの) か。

「詩」 だからでしょうか?...


あと、文章の最後にピリオド (ポワン point ) はありません。

この詩の全文はググるといろいろ見つかります。

たとえば、

    Le Pont Mirabeau, poème de Guillaume Apollinaire - poetica.fr

などにあります。


■ 作者

この詩の作者は、Guillaume Apollinaire (ギョーム・アポリネール / 1880-1918 ) という詩人です。

    → このブログのアポリネールの記事


こんな見栄えの人です。





■ 翻訳

この詩の翻訳は、「「ミラボー橋」アポリネール 堀口大学訳 他多数の訳 - とおいひのうた いまというひのうた」 というページにいくつか紹介されています。


書籍では、新潮文庫の 『アポリネール詩集 (新潮文庫)』 (堀口大學 訳) などがあります。