(フランス語初級)
フランスのニュース週刊誌 L'Express のニュース (2015/6/22)見出し より。
2020年の東京オリンピックで、ボウリングが正式な競技として採用されるのだろうか、という記事です。
この文のおおまかな発音は、
Le bowling a-t-il sa place aux Jeux olympiques?
ル ボリング アティル サ プラァス オ ジュゾランピーク
となります。
意味を前から見ていきましょう。
Le bowling ... ?
ボーリングは ... だろうか。
最後が ? (ポワン ダンテロガシォン point d'interrogation : 疑問符) で終わっているので、この文は疑問文です。
つぎに、
Le bowling a-t-il ... ?
は、
ボーリングは ... を持っているだろうか。
です。
a は avoir の直説法現在 三人称単数形 (つまり il や elle に対する形)です。
フランス語の疑問文の作り方はいくつかありますが、その一つが、主語と動詞を倒置させる (主語と動詞の位置を入れ替える) やり方です。
ただし、今回の例のように主語が代名詞以外の時 (今回の主語は le bowling) は、その主語の代名詞 (今回は il ) を使って主語・動詞を倒置させます。
Le bowling a sa place ...
↓
Le bowling a-t-il sa place ... ?
また、a と il の間に t が入っているのは a-il としてしまうと、発音が「ア イル」 となって母音が続いてしまい発音しにくくなるので、その調整として t を入れることになっているからです。
※ この説明はあいまいですねぇ。 「北鎌フランス語教室」 さんのページにきちんとした説明があります。
つぎに、動詞 avoir の目的語 sa place が来ています。
ボーリングはその (自らの) 場を持っているだろうか。
sa は 所有形容詞 son の女性形で、「彼の、彼女の、それの」 という意味です。
なぜ女性形になっているかというと、sa が修飾している名詞 (place) が女性名詞だからです。
※ つまり、所有形容詞は 「形容詞」 なので、それが修飾する名詞に性数一致する、ということになります。
最後に、文全体だと、
Le bowling a-t-il sa place aux Jeux olympiques?
ボーリングはオリンピックゲームにその (自らの) 場を持っているだろうか。
→ オリンピックにはボーリングの場所はあるのか?
→ オリンピックにボーリングが入る余地はあるのか?
という感じです。
「オリンピック (オリンピック・ゲーム)」は、
les Jeux Olympiques
レ ジュゾランピーク
といいます。
※ Jeux Olympiques の O は大文字で書くのが普通です。
jeux は jeu (遊び、競技、ゲーム : 男性名詞) の複数形ですね。
olympique は 「オリンピックの」 という形容詞です。
Jeux Olympiques のように、名詞の複数形の後ろに形容詞(の複数形) がつく場合、リエゾン(つなげて読む)できる場合はリエゾンして読むことができます (リエゾンしなくてもいいです)。
※ 「単数名詞+形容詞」 の場合はリエゾンしてはいけません。
現在のオリンピックを最初に企画した人は フランス人の Pierre de Coubertin (ピエール・ド・クーベルタン: 1863-1937)。
彼は 「近代オリンピックの父」 と呼ばれています。
そのためか、国際オリンピック委員会やオリンピック競技ではフランス語が英語よりも重視されています。
そういえば、東京オリンピックの誘致活動のスピーチでは、滝川クリステルさんも、高円宮(たかまどのみや)久子さんもフランス語を使っていました!