Le Point の 2018.4.13 の記事見出しです。
シリアが化学兵器を使ったことにたいする欧米首脳(マクロン、トランプ、テリーザ・メイ)の反応を述べた記事。
見出しは、
Syrie : frapper ou ne pas frapper, telle est la question
シリ フラペ ウヌパフペ テレラケスチオォン
です。
frapper は「打つ」「叩く」「打撃を与える」という動詞の不定詞(原形)。
ne pas frapper の ne ... pas は否定ですが、不定詞を否定する場合はこのように〈ne pas 不定詞〉となります。
ここで、frapper が意味しているのは、シリアに対して攻撃を加える(かどうか)ということです。
ここまでで、
叩くのか、叩かないのか、
叩く、あるいは叩かない
とかです。
telle est la question の tel は形容詞(女性形 telle )で「そのような」という意味がありますが、今回のように動詞が être で、tel が文頭にくると、主語と倒置されて
tel est 主語...
となって、「以上が...だ」みたいな形になります。
つまり、 telle est la question は「以上が問題だ」。
frapper ou ne pas frapper, telle est la question で、「叩くか、叩かないか、それが問題だ」。
ここで思い出すのはシェイクスピア(1564-1616)の「ハムレット」(Hamlet)の台詞(せりふ)、
To be or not to be, that is the question.
です。
今回の見出しは、これをもじっているわけです。
元のシェイクスピアの文は、
「世に在る、在らぬ、それが疑問じゃ」(坪内逍遥、1909年)
「生か、死か、それが疑問だ」(福田恆存、1955年)
「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」(小田島雄志、1972年)
「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」(河合祥一郎、2003年)
とかいろいろに訳されているみたいです。
※ 参考にしたページ : To be or not to be, that is the question. | おもしろき こともなき世を おもしろく - 楽天ブログ
とにかく、frapper ou ne pas frapper, telle est la question は、
叩くか叩かないか、それが問題だ
ということでしょう。
シリアが化学兵器を使ったけども、それに対して攻撃をすべきかどうか迷っている欧米の指導者たちのことを言っているわけです。
まとめ:
Syrie : frapper ou ne pas frapper, telle est la question
シリア: 叩くべきか叩かざるべきか、そこが思案のしどころだ