La pluie tombait de nouveau mais elle était si fine qu'elle mouillait à peine les cheveux.
[Modiano, "Une Jeunesse"]
Patrick Modiano(パトリック・モディアノ)というフランスの作家(1945年生 / ノーベル文学賞受賞)の小説『ある青春』の一文です。
※ Gallimard版(2020)の 23ページにあります。
【発音】
La pluie tombait de nouveau
ラプリュイ トンベ ドゥヌヴォ
mais elle était si fine
メ エレテ シィフィヌ
qu'elle mouillait à peine les cheveux
ケルムイエ アペヌ レシュヴゥ
La pluie tombait 雨が降っていた de nouveau ふたたび
mais でも elle était si fine それ(その雨)はとても細かったので]
qu'elle mouillait それ(その雨)は濡らしていた à peine ほとんど...ない
les cheveux 髪を
【語句】
この文の動詞(述語動詞)は tombait, était, mouillait の3つ。
それぞれ不定詞は tomber(落ちる), être(~である), mouiller(濡らす)。
いずれも直説法半過去形で、主語は la pluie とそれを表してい人称代名詞の elle、つまり主語は3人称単数。
elle était si fine qu'elle mouillait ... は〈si ~ que ...〉、「とても~なので...だ」のパターン。
fine は形容詞 fin 「細かい, 細い」の女性形。
elle mouillait à peine les cheveux は à peine(ほとんど...ない) があるので「その雨は髪をほとんど濡らさなかった」
【日本語訳】
La pluie tombait de nouveau mais elle était si fine qu'elle mouillait à peine les cheveux.
雨が再び降っていた、しかしその雨はとしても細かったので、その雨は髪をほとんど濡らされなかった。
↓
また雨が降りだしていたが、とても細かな雨だったので、髪が濡れることはなかった。
(ここまで)