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2023-06-05

また雨が降っていた

La pluie tombait de nouveau mais elle était si fine qu'elle mouillait à peine les cheveux.

[Modiano, "Une Jeunesse"]


Patrick Modiano(パトリック・モディアノ)というフランスの作家(1945年生 / ノーベル文学賞受賞)の小説『ある青春』の一文です。

※ Gallimard版(2020)の 23ページにあります。


【発音】

La pluie tombait de nouveau 
ラプリュイ トンベ ドゥヌヴォ

mais elle était si fine 
メ エレテ シィフィヌ

qu'elle mouillait à peine les cheveux
ケルムイエ アペヌ レシュヴゥ


【分かち訳】

La pluie tombait 雨が降っていた de nouveau ふたたび

mais でも elle était si fine それ(その雨)はとても細かったので] 

qu'elle mouillait それ(その雨)は濡らしていた à peine ほとんど...ない

les cheveux 髪を


【語句】

この文の動詞(述語動詞)は tombait, était, mouillait の3つ。

それぞれ不定詞は tomber(落ちる), être(~である), mouiller(濡らす)。

いずれも直説法半過去形で、主語は la pluie とそれを表してい人称代名詞の elle、つまり主語は3人称単数。

elle était si fine qu'elle mouillait ... は〈si ~ que ...〉、「とても~なので...だ」のパターン。

fine は形容詞 fin 「細かい, 細い」の女性形。

elle mouillait à peine les cheveux は à peine(ほとんど...ない) があるので「その雨は髪をほとんど濡らさなかった」


【日本語訳】

La pluie tombait de nouveau mais elle était si fine qu'elle mouillait à peine les cheveux.

雨が再び降っていた、しかしその雨はとしても細かったので、その雨は髪をほとんど濡らされなかった。

  ↓

また雨が降りだしていたが、とても細かな雨だったので、髪が濡れることはなかった。


(ここまで)