( Alain-Fournier, "Le grand Meaulnes" )
Le grand Meaulnes 表紙 (Wikipediaより)
アラン=フルニエ (1886‐1914) というフランスの小説家の作品 Le grand Meaulnes(1913)の冒頭の文です。
Meaulnes は「モーヌ」と読みます。
日本語では 『モーヌの大将』 というタイトルで翻訳が出ています。
では、おおまかな発音を確認しましょう。
Il arriva chez nous
イラリヴァ シェヌゥ
un dimanche
アン ディモンシュ
de novembre 189...
ドゥ ノヴァンブル ミルユィサン カトルヴァンディ...
最初の
Il arriva
の arriva は動詞 arriver が活用したものですが、時制は何でしょうか?
...。
そうです、直説法単純過去形です。
ちょっと活用を確認しておきましょう。
j'arrivai
tu arrivas
il arriva
nous arrivâmes
vous arrivâtes
ils arrivèrent
発音は、
ジャリヴェ
テュ アリヴァ
イラリヴァ
ヌザリヴァーム
ヴザリヴァート
イルザリヴェール
Il arriva の意味は、
彼は来た
という感じですが、この「彼」が誰なのかは ― この文は小説冒頭なので ― まだわかりません。
続いて、
Il arriva chez nous
chez は「~の家で/に」なので、
彼は私たちの家にやってきた
となります。
※ 私が昔よく通っていた喫茶店が「シェヌー」という名前でした。
次に、un dimanche と続きます。
Il arriva chez nous un dimanche
dimanche は「日曜日」なので、un dimanche で「或る日曜日に」という感じでしょう。
彼は或る日曜日に私たちの家にやってきた。
さらに、月の名前が付いています。
Il arriva chez nous un dimanche de novembre
novembre は「11月」。
彼は11月の或る日曜日に私たちの家にやってきた。
そして最後に西暦が続きます。
Il arriva chez nous un dimanche de novembre 189...
彼は189x年の11月の或る日曜日に私たちの家にやってきた。
彼が私たちのところにやって来たのは、189x年11月の或る日曜のことだった。
◆ 翻訳
天沢退二郎 訳 『グラン・モーヌ (岩波文庫) 』