Pendant que le Prologue parlait, les personnages sont sortis un à un.
劇作家 ジャン・アヌイ (Jean Anouilh / 1910-1987) の 作品 『アンチゴーヌ』 (Antigone / 1942) の一文。
この作品は、古代ギリシャの劇作家のソフォクレスという人が書いた悲劇「アンティゴネー」 が元になっています。
まずは発音をざっくり確認。
Pendant que le Prologue parlait,
パンダン ク ル プロローグ パルレ
les personnages sont sortis un à un.
レ ペルソナージュ ソン ソルティ アンナアン
文頭にある pendant que ですが、この後ろには主語と述語動詞からなる文(節)が続き、「~する間(に)」 といった意味になります。
では、pendant que の後ろの主語と述語動詞を探しに行きましょう。
すぐに見つかります。
主語は le Prologue で、述語動詞は parlait です。
ですので、
Pendant que le Prologue parlait,
で、
プロローグが話している(話していた)間に
となります。
le Prologue というのは人の名前としてはちょっと変な感じがしますが、一応この劇の登場人物です。
parlait は parler の直説法半過去です。
では、「プロローグが語っている間に」何が起こったのか。
les personnages sont sortis un à un
personnage は男性名詞で、「人物」という意味のほか、「登場人物」という意味もあります。
この文の前後の文脈がわからないので判断しづらいですが、ここでは劇中でプロローグという人がしゃべっていて、その間に他の登場人物たちが何かするという感じになります。
他の登場人物たちが何をするのか(あるいはしたのか)というと、 sont sortis とあるので「出ていった」ということになります。
sont sortis は sortir の複合過去形です。 sortir は partir や entrer などと同じく、複合過去形作るときは助動詞に avoir ではなく être を使うのでした。
そして être を使う複合過去形は、動詞の過去分詞が主語に性数一致するのでした。
今回の文では主語は les personnages で男性名詞の複数形です。
そこで sortir の過去分詞 sorti の語末に s が付いています。
ここまでをまとめると、
les personnages sont sortis
で、
登場人物たちは出ていった
となります。
最後の
un à un
ですが、これは形がヘンなので(面白いので)熟語の可能性があると予想して辞書を引きましょう。
すると、
一つずつ、一人ずつ
といった意味が見つかります。
※ 女性形は une à une となります。
そうすると全体では、
Pendant que le Prologue parlait, les personnages sont sortis un à un.
プロローグが語っている間に、登場人物たちは一人またひとりと出て行った。
という感じでしょう。
【練習】
次の日本語をフランス語に訳せ。
プロローグが語っている間に、登場人物たちは一人またひとりと出て行った。