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2009-12-24

下唇を上唇より前に伸ばして、彼女はちょっと不満な顔をした。

Allongeant sa lèvre inférieure au delà de la lèvre supérieure, elle fit une petite moue.

(Hugo, "Notre Dame de Paris", 1832)

[フランス語中級]

ヴィクトル・ユゴー (Vitor Hugo) の 『パリのノートルダム』 より。




ユゴー直筆の草稿1ページ目(Wikipediaより)


【発音】
Allongeant sa lèvre inférieure
アロンジョン サ レーヴル アンフェリウール

au delà de la lèvre supérieure,
オドゥラ ドゥ ラ レーヴル シュペリウール

elle fit une petite moue.
エル フィ ユヌ プティット ム

【語句】
allongeant : [アロンジョン] 動詞 allonger の現在分詞。"allongant" という綴りにははならない。"allongant" という綴りだと [アロンガン] という発音になってしまう。

allonger : [アロンジェ](動詞) …を伸ばす
lèvre : [レーヴル]
inférieure : [アンフェリウール] 下の, 低い
delà : [ドゥラ] m. 向こう, あちら
au delà de : [オドゥラドゥ] …を超えて, の向こうに
supérieure : [シュペリウール] 上の, 上部の
fit : [フィ] faire の直説法単純過去、三人称単数形。
moue : [ム] f. 仏頂面, 口をとがらすこと

【直訳】
Allongeant sa lèvre inférieure
彼女の(自分の)下唇を伸ばして

au delà de la lèvre supérieure,
上唇より向こうに(上唇を超えたところに)

elle fit une petite moue.
彼女は小さな仏頂面をした。

【試訳】
下唇を上唇より前に伸ばして、彼女はちょっと不満な顔をした。
下唇を突き出して、彼女はちょっとふくれ面をした。

【翻訳】
『ノートル=ダム・ド・パリ (ヴィクトル・ユゴー文学館)』(潮出版社, 5670円)