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2016-03-08

どうやったら夢を記憶できるのか

Comment se souvenir de ses rêves ?

フランスのニュース週刊誌 L'EXPRESS のWebサイトの記事からです。


 Comment se souvenir de ses rêves ?



以下、記事の見出しとリード文を紹介します。

Comment se souvenir de ses rêves?

L'étude des rêves est un extraordinaire outil de connaissance de soi. Toutefois, pour explorer ce territoire inconnu, encore faut-il se souvenir de ses songes. Il existe pour cela plusieurs méthodes de mémorisation.


見出しの文、

    Comment se souvenir de ses rêves?

    コマン ス スヴニール ドゥ セ レーヴ

は、

    どのように ( comment )/ 思い出すのか ( se souvenir )/ 自分の夢を ( de ses rêves )

です。

この文は、いわゆる 〈主語 + 動詞〉 のかたちになっていません。

comment はこのように 動詞の不定詞(原形)を伴って疑問のかたちになるときがあります。

たとえば、

    Comment dire ?

    なんと言えばいいのか

など。


つぎに、リード文の一文目を見てみましょう。

    L'étude des rêves est un extraordinaire outil de connaissance de soi.

    レチュド デ レーヴ エタン エクストラオルディネールティ ドゥ コネサンス ドゥ ソワ

を前から見ていくと、

    夢の研究は ( L'étude des rêves )

    並外れた道具である ( est un extraordinaire outil )

    自己認識の ( de connaissance de soi )

となるので、

    夢の研究は自己を認識するための並外れた道具である。

といった感じです。


次の文、

    Toutefois, pour explorer ce territoire inconnu,

    トゥットゥフォワ, プール エクスプロレ ス テリトワール アンコニュ

    encore faut-il se souvenir de ses songes.

    アンコール フォティル ス スヴニール ドゥ セ ソンジュ

の前半は、

    しかしながら ( toutefois )

    この未知の領域を探求するためには ( pour explorer ce territoire inconnu )

ですね。


つづく、

    encore faut-il se souvenir de ses songes.

で、il faut が倒置されているのはなぜでしょうか。

文末に〈 ? 〉 ( point d'interrogation ) がないので疑問文ではなさそうです。


辞書で encore を引いてみると、

    ただ,とはいえ,しかし (*多くは文頭に置かれ,主語と動詞が倒置される)

という説明がありました。 ( 『クラウン仏和辞典』 )

なので、この encore は 「もう一度」 といった意味ではありません。


    とはいえ ( encore )

    記憶しなければならない ( faut-il se souvenir )

    自分の夢を ( de ses songes )


「夢」 という語にたいして、見出しでは rêve 、リード文は songe が使われていますね。 どちらも男性名詞です。


二文目をまとめると、

   Toutefois, pour explorer ce territoire inconnu, encore faut-il se souvenir de ses songes.

   しかしながら、この未知の領域を探求するためには、自分の夢を記憶しておかなければならない。

という感じです。 ( この訳文では、 toutefois と encore をいっしょにして 「しかしながら」 としてみました。)


では、三文目。

    Il existe pour cela 

    イレグズィスト プール スラ

    plusieurs méthodes de mémorisation

    プリュズィゥール メトッド ドゥ メモリザスィオン


il exsite の il はいわゆる 「非人称主語」 です。


    ※ 同じような非人称構文については以下の記事も参考にしてください。

        → まだポルノにタブーはあるのか。 (2015.7.2)
        → 彼女は立ち上がって、コーヒーが残っているかを (2012.4.15)


ここで exister (存在する ・ 現存する) している内容は、

    plusieurs méthodes de mémorisation

    記憶化のいくつもの方法

になります。

したがって、

    Il existe pour cela plusieurs méthodes de mémorisation.

は、

    そのためには、記憶化のいくつもの方法が存在している

というような意味です。


全体をふりかえりましょう。


Comment se souvenir de ses rêves?

L'étude des rêves est un extraordinaire outil de connaissance de soi. Toutefois, pour explorer ce territoire inconnu, encore faut-il se souvenir de ses songes. Il existe pour cela plusieurs méthodes de mémorisation.


自分の夢をどうやって覚えておくか

夢を研究することは自分を知るための強力な手段だ。 とはいえこの未知の領域を探求するには、自分が夢に見たことを記憶しておく必要がある。 そのためにはいくつもの記憶方法が存在している。