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2011-12-29

一つの概念を検討してみたい

フランス語中級

Je me propose d'analyser avec vous une idée, claire en apparence, mais qui prête aux plus dangereux malentendus.

[ Renan, "Qu'est-ce qu'une nation ?" ]

【発音】

Je me propose
ジュ ム プロポーズ

d'analyser avec vous
ダナリゼ アヴェク ヴ

une idée,
ユニデ

claire en apparence,
クレール オナパランス

mais qui prête
メ キ プレートゥ

aux plus dangereux malentendus.
オ プリュ ダンジュル マランタンデュ

Renan
ルナン

Qu'est-ce qu'une nation ?
ケス キュン ナシオン

【語句】

proposer : 提案する, 申し出る
se proposer de + 不定詞 : ~するつもりだ
analyser : 分析する, 検討する

_ je me propose d'analyser ... : 私は...を検討するつもりだ

idée : [女性名詞] 考え、概念、観念
claire : 明るい、明解な
apparence : [女性名詞] 概観、見た目
en apparence : うわべは、見かけは


_ Je me propose d'analyser avec vous une idée, claire en apparence
見た目は明解な、或る一つの考えを、あなた方といっしょに検討するつもりです

qui : ここでは関係代名詞
qui prête aux plus dangereux malentendus : une idée を修飾する関係代名詞節。

prêter à : ~の事態を招く, ~の要因となる
dangereux : 危険な、恐るべき
malentendu : [男性名詞] 誤解

aux : 前置詞 à と定冠詞 les の縮約

les plus dangereux ... : [定冠詞 + plus + 形容詞] で最上級
_ les plus dangereux malentendus
もっとも恐るべき(危険な)誤解

_ une idée qui prête aux plus dangereux malentendus
もっとも有害な誤解を招く観念

Renan : Ernest Renan、フランスの思想家、1823-1892。

qu'est-ce que : 何(疑問)
nation : [女性名詞] 国民、国家

【直訳】

Je me propose d'analyser avec vous une idée, claire en apparence, mais qui prête aux plus dangereux malentendus.

私はあなたがたと共に、或る概念 ― 見かけははっきりしているが、最も恐るべき誤解を招く概念 ― を検討してみるつもりです。

【構文】

この文の骨格だけを取り出すと、

Je me propose d'analyser une idée, claire en apparence, mais qui prête aux malentendus.
(私は、一見明解だが誤解を招きやすい或る概念を検討してみようと思う。)

みたいなかんじになります。

つまり、claire en apparence と、qui prête aux plus dangereux malentendus との両者が、mais という接続詞で並んでいて、両方ともに une idée という名詞を説明している(修飾)ことになります。

【試訳】

私はこれからみなさんと一緒に、或る一つの観念を検討してみたいと思います。それは、一見したところは明確な観念なのですが、同時に、最も恐るべき誤解を招きやすい観念なのです。

【翻訳】

→ 『国民とは何か』 (インスクリプト)



ジェルヴェーズはランティエを待っていた。

フランス語中級

Gervaise avait attendu Lantier jusqu'à deux heures du matin.

[ Zola, "L'Assommoir" ]

【発音】

Gervaise avait attendu Lantier
ジェルヴェーズ アヴェタタンデュ ランティエ

jusqu'à
ジュスカ

deux heures
ドゥゼール

du matin.
デュ マタン

Zola
ゾラ

L'Assommoir
ラソモワール

【語句】

Gervaise : ジェルヴェーズ(女性の名前)
avait : 動詞 avoir の半過去
attendu : 動詞 attendre(待つ)の過去分詞
avait attendu : 動詞 attendre の大過去
Lantier : ランティエ(男性の名前)
jusqu'à : ~まで(時間や場所について)
deux : 2
heure : [女性名詞] (時刻の)時
du : 前置詞 de と定冠詞 le の縮約形
matin : [男性名詞] 朝
Zola : Émile Zola (エミール・ゾラ)。フランスの作家。1840 - 1902。
assommoir : [男性名詞] 屠殺(とさつ)用の斧。[古い言い方](安酒を飲ませる)居酒屋
L'Assommoir : ゾラの作品。『居酒屋』。

【文法】
大過去の形: [ avoir または être の半過去形 + 動詞の過去分詞 ]
大過去の意味: 或る過去の時点までに(あるいは、その時点より前に)起こった出来事を表す。

【活用】
attendre の大過去の活用

j'avais attendu [ジャヴェザタンデュ]
tu avais attendu [テュアヴェザタンデュ]
il avait attendu [イラヴェタタンデュ]
nous avions attendu [ヌザヴィオンザタンデュ]
vouz aviez attendu [ヴザヴィエザタンデュ]
ils avaient attendu [イルザヴェタタンデュ]


【直訳】
Gervaise avait attendu Lantier
ジェルヴェーズはランティエを待っていた

jusqu'à deux heures du matin
朝の2時まで

【訳】
ジェルヴェーズは朝2時になるまでランティエを待っていたのだった。

【注】
「待っていた」は大過去で表現されているので、「或る過去の時点」がこの文章の前後に示されているはず。この文章は、小説『居酒屋』の文頭の文なので読んで確かめてみてください。

【翻訳】
→ 『居酒屋』 (新潮文庫)


2011-12-28

上級仏単語: nanti

nanti

【発音】
nanti
ナンティ

【品詞】
形容詞

【意味】
裕福な, (nanti de ~) ~を持っている


2011-12-27

夢は二つ目の人生だ。

[フランス語初級]

Le Rêve est une seconde vie.

[ Nerval, "Aurélia"]

【発音】


Le Rêve
ル レーヴ

est une seconde vie.
エチュヌ スゴンド ヴィ

* est une は、いつもは発音しない est [エ] の最後の t と、次の une [ユヌ] とをつなげて読もう。
* いわゆる 「リエゾン ( liaison )」 というやつです。

Le Rêve est une seconde vie.
ル レーヴ エチュヌ スゴンド ヴィ

Nerval
ネルヴァル

Aurélia
オーレリア

【語句】

rêve : [男性名詞] 夢。ここでは Rêve と大文字で始まっているのは、「夢」 を固有名詞化あるいは擬人化しているからだろうか。

second : 第2の、二番目の。発音は[スゴン]なので注意。女性形は最後に e がついて seconde で発音は[スゴーンドゥ]。

vie : [女性名詞] 人生、命、生活。

Nerval : Gérard de Nerval [ジェラール・ドゥ・ネルヴァル]、1808-1855、フランスの作家。

Aurélia : 女性の名前


【訳】

夢は第二の人生だ。



2011-12-24

料理にケチをつけていた

[フランス語初級]

Arnoux se plaignait de la cuisine.

[ Flaubert , "L'Education Sentimentale" ]


【発音】

Arnoux se plaignait
アルヌー ス プレニェ

de la cuisine
ドゥ ラ キュイズィヌ

Flaubert
フロベール

L'Education Sentimentale
レデュカシォン ソンティモンタール


【語句】

Arnoux : アルヌー (人名)

plaignait : plaindre の半過去形、三人称単数形

plaindre : [動詞] に同情する, を哀れむ

se plaindre de : について文句を言う, 不平を言う

cuisine : [女性名詞] 料理, 台所, 調理場

Flaubert : Gustave Flaubert。 ギュスターヴ・フロベール。フランスの作家。1821-1880。

éducation : [女性名詞] 教育

sentimental : [形容詞] 感情の, 感傷的な


【活用】
se plaindre の直説法半過去形の活用

je me plaignais  (ジュ ム プレニェ)
tu te plaignait  (テュ トゥ プレニェ)
il se plaignait  (イル ス プレニェ)
nous nous plaignions  (ヌ ヌ プレニョン)
vous vous plaigniez  (ヴ ヴ プレニィエ)
ils se plaignaient  (イル ス プレニェ)


【直訳】
アルヌーは料理に文句を言っていた。
(フロベール 『感情教育』)


【訳】
アルヌーは料理にケチばかりつけていた。


【翻訳】

『感情教育 (上)』 (岩波文庫)
『感情教育 (上)』 (河出文庫)



上級仏単語: tergiversation

tergiversation

【発音】
テルジヴェルザシオン

【品詞】
女性名詞
(-tion で終わる名詞は女性名詞になります。)

【意味】
躊躇 (ちゅうちょ), 言い逃れ

2011-12-13

上級仏単語: relaxe


relaxe

【発音】
[ルラックス]
 → FORVOで発音を確認

【品詞】
女性名詞

【意味】
釈放, 放免


2011-12-02

上級仏単語: rémunérer

rémunérer

【発音】
[レミュネレ]
 → FORVOで発音を確認


【品詞】
動詞

【意味】
報酬を支払う


2011-11-26

上級仏単語: atout

atout

【発音】
[アトゥ]
 → FORVOで発音を確認


【品詞】
男性名詞

【意味】
(トランプの)切り札


2011-11-22

上級仏単語: corroborer

corroborer


【発音】
 [コロボレ]
 → FORVOで音を確認

【品詞】
動詞

【意味】
確証を与える, 裏付ける


【類語】
confirmer [コンフィルメ]

2011-11-21

地獄の道連れの告白を聞こう


[フランス語初級]

Écoutons la confession d'un compagnon d'enfer.

(Arthur Rimbaud, "Une saison en enfer", 1873)


【発音】

Écoutons la confession d'un compagnon d'enfer. : 
エクトン ラ コンフェッシオン ダン コンパニョン ダンフェール

Écoutons : エクトン
la : ラ
confession : コンフェッシオン
d'un : ダン
compagnon : コンパニョン
d'enfer : ダンフェール

Arthur Rimbaud : アルチュール・ランボー
Une saison en enfer : ユヌ セゾン オナンフェール


【語句】

Écoutons : 動詞 étouter (耳を傾ける) の直説法現在一人称複数形。ここでは主語がないので命令形。一人称複数形の命令は「~しよう」(英語: Let's ~)
confession : [女性名詞] (-sionで終わるのは女性名詞) 「告白」
compagnon : [男性名詞] 仲間, 連れ合い (女性は compagne [コンパーニュ])
enfer : [男性名詞] 地獄

saison : [女性名詞] 季節
en : [前置詞] (どこどこ)で・に


【逐語訳】

Écoutons la confession : 告白を聞こう
d'un compagnon d'enfer. : 地獄の連れ合いの
Une saison en enfer : 地獄での一季節


【試訳】

「地獄の道連れの告白を聞いてみよう。」
(アルチュール・ランボー 『地獄の季節』)


翻訳書1 (小林秀雄 訳)
翻訳書2 (篠沢秀夫 訳)



2011-11-20

上級仏単語: flageller

flageller

【発音】
 [フラジュレ]

【品詞】
動詞

【意味】
鞭で打つ

2011-11-12

上級仏単語: déliquescence

déliquescence

【発音】
[デリケサンス]
発音の確認 (FORVO)

【意味】
[化学用語]潮解(性); (社会の)衰退


2011-10-30

上級仏単語: fustiger

【発音】

[フュスティジェ]

発音の確認 (FORVO)

【意味】

鞭で打つ, 棒で叩く, 激しく非難する

上級仏単語: séquestration

séquestration

【発音】

[セケストラシィオン]

【意味】

監禁, 幽閉

2011-09-24

上級仏単語: divulguer

divulguer 暴露する
【今日の単語】

divulguer


【発音】

[ディヴュルゲ]

発音の確認 (FORVO)


【意味】

(秘密を)漏らす, 暴露する


2011-09-19

神はモノだとでもいうのか

[フランス語中級]


Dieu serait-il une chose?
(Jean-Luc Nancy, "Des lieux divins", 1987)

【発音】
Dieu serait-il une chose?
ディウ スレティル ユヌ ショーズ

*最後は上がり調子で読みましょう。

Jean-Luc Nancy
ジャン リュック ナンシー

Des lieux divins
デ リゥ ディヴァン


【単語】
Dieu [ディウ] [男性名詞] 神
serait [スレ] être の条件法。主語が三人称単数 ( il や elle など) のときの形。
chose [ショーズ] [女性名詞] 物、事柄
lieux [リゥ] lieu の複数形
lieu [リゥ][男性名詞] 場所
divin [ディヴァン] 神の

【文法】
● être の条件法の活用の確認

je serais [ジュ スレ]
tu serais [テュ スレ]
il serait [イル スレ]
nous serions [ヌ スリオン]
vous seriez [ヴ スリエ]
ils seraient [イル スレ]


● 条件法の用法

条件法の用法の一つは、断定して言うのを避けて和らげて言ったり、人から聞いたことだとして言ったり、することです。

Dieu est une chose. [ディウ エチュヌ ショーズ] 

だと、est は条件法ではなく直説法で、「神は(ある種の)モノである。」 と断定して言っています。

これが、

Dieu serait une chose. [ディウ スレチュヌ ショーズ] 

となると、「神はモノなのでしょう。」 「神はモノだということです。」 みたいな感じになります。

【直訳】

Dieu serait-il une chose?
「神はモノなのだろうか。」

"Des lieux divins"
『神の場所ども』

【試訳】

「神は事物の一種だとでもいうのだろうか。」

【翻訳】
『神的な様々の場』 (松籟社) 



パトリスの愉快なフランス語基本表現ビデオ

フランス語初心者におすすめ!

NHK のフランス語講座にも出演している、ちょっと “うるさい” パトリス・ルロワ さんの Webサイト 「 Rond Point 」。

ここで連載?されていたフランス語の基本フレーズを “大げさ” なジェスチャーで学べるビデオがとても良いです。

その名も 「 ジェスチャーで覚えるフランス語表現 」 ( Quelques gestes et expressions de base... )。

パトリスさんがこれでもかというくらいフレーズを大仰に繰り返してくれるので、いやでもその表現がシチュエーションとともに身につきます。



全部で70表現ほどあります。

2011-09-15

巷のフランス語: プチ・クレイシュ

勤務先の近くの複合施設の看板に 「プチ・クレイシュ」 というのを見つけました。

うまく写真が撮れませんでしたが、こんなのです。



調べてみると、プチ・クレイシュというのは、東京都の認証保育園の名称のようです。

「プチ」 は petit (小さな) ですが、「クレイシュ」 は何でしょうか。

「保育園」 とかでしょうか。

「クレイシュ」 は crèche で、「託児所」 という意味になります。 (女性名詞)

発音は [クレイシュ] というより [クレーシュ] みたいに途中に [イ] は入らない感じです。

crèche の古い意味は 「まぐさ桶」 (家畜の餌となる草を入れる桶) です。

そこから、キリストが生まれたときに入れられていたまぐさ桶という意味も持っています。 その場合は、la Crèche と大文字で書き始めます。

クリスマスが近づくとキリスト誕生の様子を模型で作って飾ったりしますが、これが la Crèche です。

Google の画像検索で 「la Crèche」 を検索してみるとその画像がいくつも見つかります。(託児所の画像もあります。)

ということで、「プチ・クレイシュ」 は、「ちっちゃな託児所」 という感じでしょうか。

が、しかし、crèche は女性名詞です。女性名詞を修飾する形容詞 (今回の場合は petit ) は
語の終に e がつきます。

なので、文法的に正しくは petite crèche (プティットゥ クレーシュ) ということになりそうです。

2011-08-21

2011-08-16

今日、母さんが死んだ。


[フランス語初級]

Aujourd'hui, maman est morte.

(Albert Camus, "L'étranger", 1942)

アルベール・カミュ 『異邦人』 の冒頭です。

  Albert Camus (1913-1960)


【発音】

Aujourd'hui,
オジュルデュイ

maman est morte.
ママン エ モルトゥ

Albert Camus
アルベール カミュ

L'étranger
レトゥランジェ


【語句】

aujourd'hui : [副詞] 今日, 本日
maman : かあさん(自分の母親を呼ぶときに使われる。英語の mama )
est : il, elle (三人称単数)が主語のときの être の現在形の活用(直説法三人称単数現在)
morte : mourir (死ぬ) の過去分詞 mort [モール] の女性形。
est morte : mourir の複合過去。

* être を使う複合過去では、過去分詞(この場合 mort )は、主語に性数一致する。この文の場合、主語が maman で女性名詞なので mort は morte となる。

* 複合過去は avoir または être と動詞の過去分の組み合わせで作る。ほとんどの動詞は avoir を使うが、venir, monter, mourir など一部の自動詞は être を使う。

étranger : [形容詞] 外国の, 外国人の, 関係のない, 無縁の ; [名詞] 外国人, よそ者

* étranger は 「エトランゼ」 という日本語で使われている。 検索してみたら、日本のロックバンド(?) スピッツ(SPITZ )にも 「エトランゼ」 という曲がありました。


【直訳】

今日、お母さんが死にました。


【試訳】

今日、母さんが死んだ。


【補足】

アルベール・カミュは、タレントのセイン・カミュの母親の父の弟です。


【翻訳】

→ 『異邦人』 (窪田啓作 訳 / 新潮文庫)




2011-07-06

上級仏単語: contumace

contumace

[コンチュマッス]

(女性名詞) (刑事被告人が法廷に)欠席すること

例文:

L'ex-président tunisien Ben Ali est à nouveau jugé par contumace.


レクス プレズィダン チュニズィアン ベン アリ エタヌボ ジュジェ パル コンチュマッス。


ex- : 「元の」「前の」
à nouveau : 改めて, 新たに
juger : 裁く
par contumace : 欠席裁判で


「チュニジアの前大統領ベン・アリは欠席裁判で新たに裁かれた。」



見つめれば見つめるほど

[フランス語中級]

Plus il la contemplait, plus il sentait entre elle et lui se creuser des abîmes.

[ Flaubert , "L'Education Sentimentale" ]

【発音】

Plus il la contemplait, 
プリュ イル ラ コンタンプレ

plus il sentait 
プリュ イル サンテ

entre elle et lui 
アントゥル エル エ リュイ

se creuser des abîmes.
ス クルゼ デ ザビーム

【語句】

● Plus il la contemplait, 

plus ..., plus ~ : ...すればするほど~だ。
contemplait : contempler の半過去・三人称単数形
三人称単数: 「私」(一人称)と「あなた」(二人称)以外で、単数形
contempler : 熟視する, 見つめる

「彼が彼女を見つめれば見つめるほど」

● plus il sentait 

sentait : sentir  の半過去・三人称単数形
sentir : 感じる

「彼は感じていた」

● entre elle et lui

entre A et B : AとBの間に

「彼女と彼との間に」

●se creuser des abîmes

creuser うがつ, 掘る
se creuser 掘られる, 溝などができる
abîme [男性名詞] 溝, 深淵

「溝がうがたれるのを」

● il sentait se creuser des abîmes

sentir + 目的語 + 不定詞 : ~が…するのを感じる
ここでは目的語は des abîmes、不定詞が se creuser。

「彼は溝ができていくのを感じていた」

【逐語訳】

Plus il la contemplait, plus il sentait entre elle et lui se creuser des abîmes.

彼が彼女を見つめれば見つめるほど、彼は彼女と彼との間に溝ができていくのを感じていた。

【試訳】

彼女のことをじっと見つめれば見つめるほど、彼女と自分との間に大きな溝ができていくのを感じてしまうのだった。

2011-06-18

上級仏単語: charnier

charnier

[シャルニェ]

(男性名詞) 死体置場, 死体の山

2011-05-11

もう一匹の鮭が

Et ne craignez-vous pas qu'un saumon de plus ne fasse chavirer votre bateau ?

( Victor Hugo: "Notre Dame de Paris" より)

[フランス語上級]

19世紀フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの『ノートルダム・ドゥ・パリ』から。


【発音】

Et ne craignez-vous pas

エ ヌ クレニェヴ パ

qu'un saumon de plus

カン ソモン ドゥ プリュス

ne fasse chavirer

ヌ ファス シャヴィレ

votre bateau ?

ヴォートゥル バトぉ


【語句】

craignez : craindre (恐れる:クランドゥル) の直説法現在形。 vous に対応した形。

ne craignez-vous pas que ... : あなたは...ということを恐れないのか、...ということが恐くないのか。(craindre que ... の、...の箇所は接続法を使うことになっています。)

saumon : (男性名詞) サーモン、鮭

de plus : さらに...だけ

un saumon de plus : さらに一匹のサーモンが (fasse chavirer の主語)

fasse : faire の接続法現在。 il などの三人称単数形の主語に対応した形。

chavirer : 転覆させる、ひっくり返す

faire + 不定詞(動詞の原形) : 「~させる」という “使役” の意味になります。

fasse chavirer votre bateau : あなたの船を転覆させる

ne fasse chavirer ... の 「ne」 : この ne は “虚辞のne” といって、とくに否定の意味はもっていません。特定の表現のときに形式的につけます。この場合は 「craindre que ...」となっていますが、craindre のあとの que の中では否定じゃなくても ne をつけることになっています(つけない場合もあります)。


【直訳】

Et / ne craignez-vous pas / qu'un saumon de plus / ne fasse chavirer votre bateau ?

そして / あなたは恐れないのか / さらに一匹の鮭が / あなたの船を転覆させることを ?

【試訳】

それにあなたは怖くはないのですか。あと一匹鮭が多ければあなたの船が転覆してしまうかもしれないのですよ。

『ノートルダム・ド・パリ』の翻訳は岩波文庫版などがありますが...、長く、そして読みにくい!

オススメはこれ!










2011-04-14

フランス語のポッドキャスト Podcast français facile

フランス語のポッドキャストですが、フランス語の勉強にとくにおすすめなのは「 Podcast français facile 」。



初級の終わりから中級者の勉強にぴったり。

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上級仏単語: chavirer

chavirer : 転覆する

発音 [シャヴィれ]

例文:
Et ne craignez-vous pas qu'un saumon de plus ne fasse chavirer votre bateau ?

[ Victor Hugo: "Notre Dame de Paris" より]

2011-03-03

上級仏単語:perquisition

perquisition : 家宅捜索
[ペルキズィシオン]

* -tion で終わる名詞は女性名詞。

[クイズ]

家宅捜索

p___________

perquisition

2011-03-02

彼は楽しみたかった

Il voulut s'amuser.

(Flaubert, "L'Education Sentimentale")

フロベール『感情教育』(1869)より。


【発音】
L'Education Sentimentale
レデュカシオン サンチモンタッル

Il voulut s'amuser.
イル ヴリュ サミュゼ


【語句】
éducation : 教育(女性名詞。-tion で終わる名詞は女性名詞です。)
sentimental : 感情の, 感傷的な
voulut : vouloir の単純過去、三人称単数形。
Il voulut... : 「彼は...したかった」
amuser : を楽しませる (「アミューズメントパーク」の「アミューズ」と関係あり)
s'amuser : 楽しむ, 遊ぶ


【直訳】
彼はしたかった / 楽しむことを。


【試訳】
彼は楽しみたかったのだ。


【補足】
ここでの il (彼)は、主人公のフレデリック・モロー。悩み多き青春まっただ中。

【翻訳】
『感情教育 上 (河出文庫 / 893円)



2011-02-28

「misogyne」について

前回の上級仏単語の misogyne [ミゾジーン](「女嫌いの、女性蔑視の」)という単語ですが、この単語の前半の「miso-」には、「~を嫌う」といういみがあるようです。

たとえば misanthrope [ミザントロップ] は「人間嫌い」という意味になります。miso- じゃなくて misa- になってるけど。

この「人間嫌い」は、フランスの17世紀の劇作家モリエール(Molière)の作品名にもなっています(Le Misanthrope)。

モリエールについては1978年の映画「モリエール」を見ると手っ取り早く知れるかも。

misanthrope は「人間嫌い」なので、この単語の後半の「anthrope」は「人間」といういみになります。

人間の祖先(?)で、ピテカントロプス(pithécanthrope)というのがいますが、pithéc- が「猿」なので、pithécanthrope とは「猿人間」ということか。

で、最初の misogyne 「女嫌いの」ですが、miso- が「~嫌いの」なので、「-gyne」は「女」ということになりますね。

調べてみると、たとえば gynécologie [ジネコロジー] という単語があり、「婦人科学」といういみです。

こういうのを調べていくと面白いけどきりがないですねー。

2011-02-15

上級仏単語: misogyne

misogyne : 女嫌いの(人), 女性蔑視の(人)


[クイズ]

女嫌いの

m___g___


misogyne