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2015-11-27

上級仏単語: confisquer

上級フランス語単語です。



今回は、

    confisquer

    コンフィスケ

という動詞で、意味は、

    押収する、没収する

とか、

    独り占めする

とかです。



2015-11-25

脅された (?) チャーリー・シーン

Les personnes qui faisaient chanter Charlie Sheen ont-elles décidé de se venger ? 




アメリカの俳優チャーリー・シーンが病歴をばらすと脅されていたとのこと。

フランスの週刊誌 Public の記事 ( 2015/11/23 ) からです。


発音:

    Les personnes qui faisaient chanter Charlie Sheen

    レ ペルソンヌ キ フゼ シャンテ シャルリ― シーン

    ont-elles décidé de se venger ?

    オンテル デシデ ドゥ ス ヴァンジェ



この文の、

    qui faisaient chanter Charlie Sheen

の箇所は、〈関係代名詞節〉 で、Les personnes を修飾しています。

    Les personnes ... ont-elles décidé de se venger ?
             ↑
            qui faisaient chanter Charlie Sheen


なので、この関係代名詞節を取っ払った文、

    Les personnes ont-elles décidé de se venger ?

の意味から見ていきましょう。

    ※ 関係代名詞節は、先行詞を修飾している(だけな)ので、その部分を取っ払っても文の構成には影響しません。 なので、文が長くて意味を取りづらかったら、関係代名詞説をはずして考えましょう。


Les personnes の personne は 「人」 (女性名詞)で、これが主語です。

続いて ont-elles となっているので、主語の名詞の代名詞 (les pesonnes => elles) と動詞 ont (<= avoir) を倒置した疑問文になっています。

主語と動詞が倒置された疑問文が分かりづらかったら、疑問形じゃない元の文 (平叙文) にしてみましょう。

すると、

    Les personnes ont décidé de se venger.

となって、ont décidé で複合過去になっていることがわかります。

    Les personnes ont décidé

    人たちは決めた、決心した

という感じです。


décider という動詞は、〈 décider de + 不定詞 〉 で、

    ~することに決める、~する決心をする

ですので、

    Les personnes ont décidé de se venger.

    人たちは se venger する決心をした、se venger することに決めた

です。

se venger の venger は

    ~の復讐をする、~の仕返しをする

という動詞で、 se venger と代名動詞になると、たんに、

    復讐する、仕返しする

となります。

    Les personnes ont décidé de se venger.

   人たちは仕返しをすることに決めた

となりますが、もともと疑問文でしたので、

    Les personnes ont-elles décidé de se venger ?

    人たちは仕返しすることに決めたのか?

です。


さて、この 「人たち」 les personnes はどういう人たちなのでしょう?

それが、

    qui faisaient chanter Charlie Sheen

です。

qui が関係代名詞で、直前の les personnes が 〈先行詞〉 (関係代名詞節が修飾する名詞) です。

qui は、関係代名詞節中で主語になります。

faisaient が動詞です。 これは faire の直説法半過去形ですね。


半過去形の活用を確認しておきましょう。

半過去形の活用語幹は、直説法現在形のnous つまり一人称複数形の活用の語幹と同じになります。

faire の直説法現在形は、

    je fais  (ジュ フェ)
    tu fais  (テュ フェ)
    il fait    (イル フェ)
    nous faisons  (ヌ フゾン)
    vous faites    (ヴ フェット)
    ils font          (イル フォン)

でした。

ですので、この、

    nous faisons

から -ons を取って、半過去形の活用語幹は

   fais-

となります。

そして、半過去形の活用語尾は、

    je -ais
    tu -ais
    il  -ait
    nous -ions
    vous -iez
    ils     -aient

なので、faire の直説法半過去形の活用は、

    je faisais    (ジュ フゼ)
    tu faisais    (テュ フゼ)
    il faisait      (イル フゼ)
    nous faisions   (ヌ フズィオン)
    vous faisiez     (ヴ フズィエ)
    ils faisaient     (イル フゼ)

になります。


さて、

    qui faisaent

というふうに faire が三人称複数形 (主語が ils とかのとき) の形になっているのは、qui の先行詞 ( qui が修飾している名詞 ) が les personnes と三人称複数だからです。


では、

    qui faisaient chanter Charlie Sheen

の、faisaient chanter の箇所はどう解すればいいのでしょう。

〈 faire + 不定詞 〉 で 「~させる」 という 〈 使役 〉 の用法がありましたので、

    Les personnes qui faisaient chanter

で、

   チャーリー・シーンに歌わせていた人たち

なんでしょうか。

「チャーリー・シーンに歌わせる」 ...。

...。

そういえば警察かヤクザの隠語っぽいので 「ウタウ」 とかいうのがあったような。

ググってみます。

ありました。

「歌う」 は警察(ヤクザではなく)の隠語で、

    自白する

という意味があります!


では、

   チャーリー・シーンに歌わせていた人たち

は、

   チャーリー・シーンに自白させていた人たち

なのか。

脅されていたチャーリー・シーンがなぜ自白するのか...。


ちょっと待って、フランス語を考えるのに日本語の「歌う」という意味のバリエーションを考えていました。


ちゃんとフランス語の辞書 (仏和辞典とかフツフツ辞典とか) で調べましょう。

調べると...、.ありました!

     faire chanter

で、

    ゆする、脅迫する、脅す

などととあります。


オンラインのフツフツ辞典 (仏仏辞典)、Larousse のサイトで調べてみたら、

    Faire chanter quelqu'un, exercer sur lui un chantage.

    だれかを faire chanter する : その人に chantage (ゆすり・脅し) を発揮する (exercer) すること

とありました!


長かったですが、

    Les personnes qui faisaient chanter Charlie Sheen ont décidé de se venger.

だと、

    チャーリー・シーンを脅していた人たちは復讐することに決めた。

で、元の文の疑問文にすると、

    Les personnes qui faisaient chanter Charlie Sheen ont-elles décidé de se venger ?

    チャーリー・シーンを脅していた人たちは復讐することに決めのだろうか。

となります。


ここで言う 「復讐」 とは、チャーリー・シーンが自分の病気を告げずにその人たちと性行為を (コンドームなしで) したことにたいする 「復讐」 のことだと思われます。


2015-11-23

空は澄み、月は輝く 7

Et toi, dors-tu ? Es-tu à ta fenêtre ? 

フロベール (Flaubert) のルイーズ・コレ宛の手紙、第7回目です。


(手紙の相手: ルイーズ・コレ)

ここまでは、

    Le ciel est pur ; la lune brille. J'entends des marins chanter qui lèvent l'ancre pour partir avec le flot qui va venir. Pas de nuages, pas de vent. La rivière est blanche sous la lune, noire dans l'ombre. Les papillons se jouent autour de mes bougies, et l'odeur de la nuit m'arrive par mes fenêtres ouvertes. 

    空は澄みわたり、月が輝いています。 やって来る潮に乗って出航しようと、水夫たちが錨を上げながら歌っているのが聞こえてきます。 雲もなく、風もありません。 川は月の下で白く、影の中では黒々としています。 蝶たちがろうそくのまわりで戯れ、夜の香りが開いた窓を通して私のところまでやって来ます。

という感じでした。


今日は、その続きの、

    Et toi, dors-tu ? Es-tu à ta fenêtre ? 

    エ トワ ドールチュ エチュ ア ラ フネートゥル

です。

Et toi は、手紙の相手に呼びかけています。

dors は dormir 「眠る」 の直説法現在形、tu に対する形です(二人称単数)。 

fenêtre は女性名詞で 「窓」。


以上から、

    Et toi, dors-tu ? Es-tu à ta fenêtre ? 

   そして君、君は眠っているの。 (それとも) 窓辺にいるの?

ということになります。



ビデオ教材の紹介: アリスとアントワーヌ

YouTube などでちょっと検索するとたくさんフランス語のビデオ教材が視聴できます。

きょうは、展開が面白く、会話もわかりやすいもの (フランス語字幕付き) を紹介します。


  ※ Méthode de français avec transcriptions - Video 1


22分ほどあります。

フランス語教材のDVDからの抜粋のようです。

仕事を探すアリスとアントワーヌが出会って、いっしょに暮らすことになって...、みたいな物語です。

初級後半から中級の人にお勧めします。



2015-11-22

ニュースの仏単語: perquisition

パリで起こったテロに関連して、家宅捜索などが行われています。

非常事態宣言中なので捜査令状がなくても家宅捜索が可能なようです。




この 「家宅捜索」 はフランス語で、

    perquisition

    ペルキズィシオン

といいます。

-tion で終わっているので女性名詞です。


2015-11-20

ソニー: ベータマックスのカセット終了

Sony enterre définitivement les cassettes Betamax

    ※ Le Monde.fr、 2015.11.11 の記事から





昔はテレビ番組を録画するのに 「ビデオテープ」 というものを使っていました。

ビデオテープのカセットには種類があって、ソニー陣営の 「ベータマックス」 と、パナソニック陣営の 「VHS」 が覇権を争って、ソニー側が負けたかんじに...。

ベータマックスのほうがコンパクトで画質もいいのに、とか当時はいろいろ議論し合ったものです。

そしてソニーは2002年にはベータマックス対応のビデオ機器の生産を終えていたらしいのですが、ビデオカセットテープのほうも来年の春に生産を終えるということです。

40年の歴史でした。 


で、

    Sony enterre définitivement les cassettes Betamax

    ソニ アンテール デフィニティヴマン レ カセット ベタマックス

ですが、

enterre は動詞 enterrer で、「埋葬する、葬儀を行う、埋める、葬り去る」。

enterrer の en- は 「~の中に/へ」 という意味を持つ接頭辞で、 terre は 「地球、地面、土」 (女性名詞) とかですので、 「土の中へ」 という意味になりますね。


définitivement は 形容詞 définitif (決定的な、最終の) の女性形 définitive に接尾語の -ment がついてできている副詞で、意味は 「決定的に、最終的に」 です。

    ※ 「〈 形容詞の女性形 +-ment 〉 => 副詞 」については、「 おぉ! なんと甘美なことか! 02 」 でちょっと触れています。


訳すと、

    Sony enterre définitivement les cassettes Betamax

    ソニーはベータマックスカセットを最終的に葬り去る

        ↓

    ソニー、ベータカセットを最終的に埋葬

という感じでしょうか。


2015-11-18

空は澄み、月は輝く 6

Les papillons se jouent autour de mes bougies, et l'odeur de la nuit m'arrive par mes fenêtres ouvertes. 


フロベール (Flaubert) の手紙、第6回目です。

    → 1回目2回目3回目4回目5回目

(手紙の相手: ルイーズ・コレ)

Les papillons se jouent

レ パピヨン ス ジュ

autour de mes bougies

オトゥール ドゥ メ ブジ

et l'odeur de la nuit m'arrive

エ ロドゥール ドゥ ラ ニュイ マリーヴ

par mes fenêtres ouvertes.

パル メ フネートゥル ウヴェルト


papillon は 「蝶 (チョウ)、蛾 (ガ)」 (男性名詞)。

    ※ こちら ↓ は胸に蝶の刺青のある囚人の脱獄の物語。

        

    ( スティーブ・マックイーン と ダスティン・ホフマン が出てます。 )

    ※ それから、「パピヨン」 という犬種がありますが、あれは耳の形が蝶みたいだから 「パピヨン」 って呼ぶらしいです。


で、話は戻って、そのパピヨンたち (les papillons) が何をしているかというと、

    Les papillons se jouent

jouer は英語の play とほぼ同じで、「遊ぶ、(スポーツなどを)する、(楽器を)演奏する」 などの意味があります。

se jouer は代名動詞で、ここでは、

    戯れる (たわむれる)、遊ぶ

という感じです。

    autour de mes bougies

の、bougie は 「ろうそく」 (女性名詞) なので、

    私のろうそくの周りで

    ( autour de ~ は、「~のまわりで(を)」 )

となり、

    Les papillons se jouent autour de mes bougies

までで、

    蝶たちが私のろうそくのまわりで戯れている

となります。


つづいて、後半の文です。

    et l'odeur de la nuit m'arrive par mes fenêtres ouvertes

odeur は 「匂い、香り」 (女性名詞) なので、

    et l'odeur de la nuit m'arrive

までで、

    そして夜の香りが私にやって来る

です。

続く、

    par mes fenêtres ouvertes

の、ouvert は 「開いた、開いている」 という形容詞で、-e がついているのは、修飾している fenêtre が女性名詞だから。

    空いた窓を通って

です。 ( 前置詞 par はここでは 〈~を通って、~から〉 という感じでしょう。)

なので、

    et l'odeur de la nuit m'arrive par mes fenêtres ouvertes

で、

    そして、夜の香りが開いた窓から私にやって来る

となります。


    Les papillons se jouent autour de mes bougies, et l'odeur de la nuit m'arrive par mes fenêtres ouvertes.

では、

    蝶たちが私のろうそくのまわりで戯れ、そして夜の香りが開いた窓を通して私にやって来る。

です。

    ※ この訳だと、ろうそくが何本もあることとか、窓が複数だとかということが訳されてないです...。



2015-11-17

ニュースの仏単語: état d'urgence

パリがイスラム国による襲撃を受けた後、フランスのオランド大統領が 「 非常事態 」 を宣言しました。

この、

    非常事態

は、

    état d'urgence

    エタ デュルジャンス

といいます。

état d'urgence  非常事態


    état

は、男性名詞で 「状態、状況」 。

    urgence

は、女性名詞で 「緊急」 といういみです。


直訳すると、

    緊急状態

という感じでしょうか。


では、フランスで 「非常事態」 が宣言されると具体的にはどういうことになるのか。

ネットで調べても詳しいことがなかなかわかりませんでした...。


2015-11-16

沢田研二: 世界の果てから

MON AMOUR JE VIENS DU BOUT DU MONDE



この人 ↑ は、沢田研二、愛称 ジュリー という人です。

最近知ったのですが、かつてフランスでレコードをリリースしていました!

なかりヒットしたらしいです。

日本でも全盛期のころ、1975年です。


タイトルは、

    MON AMOUR JE VIENS DU BOUT DU MONDE

    モナムール ジュ ヴィェン デュ ブ デュ モンド




最初の mon amour の amour は 「愛」 の他に 「愛する人」 という意味もあるので、「私の愛する人」 ということになりますが、この場合は呼びかけです。

訳せば、

    ぼくの愛する人よ

ですが、呼びかけなので、

    ねぇ

とか、

    あなた

とか、

    お前

とかのほうがよいかもしれません。


je viens の viens は動詞 venir の直説法現在形なので、

    私は来る、私は来ている

du bout の bout は男性名詞で 「端、終わり、果て」 で、

    le bout du monde

だと、

    世界の果て

ですね。

    ※ du monde の du は 〈 前置詞 de + 定冠詞 le 〉 の縮約形です。


では、du bout du monde の最初の du は何かというとやっぱり

    〈 前置詞 de + 定冠詞 le 〉 の縮約形

ですが、この場合の de の意味は 「~の」 ではなく、

    ~から

と取るのがよいです。

つまり、

    je viens du bout du monde

で、

    私は世界の果てから来ている

です。


ですので、

    Mon amour, je viens du bout du monde.

    ねぇ、ぼくは世界の果てから来たんだよ

という感じでしょうか。



2015-11-10

空は澄み、月は輝く 5

La rivière est blanche sous la lune, noire dans l'ombre. 


フロベール (Flaubert) の手紙、第5回目です。

    → 1回目2回目3回目4回目

(手紙の相手: ルイーズ・コレ)


おおまかな発音を確認:

    La rivière est blanche sous la lune,

    ラ リヴィエール エ ブランシュ ス ラ リュヌ

    noire dans l'ombre.

    ヌワール ダン ロンブル


この文の構成は、

    A est B, C.

    AはBであり、Cだ

という比較的単純なものです。


単語の意味がわかればなんとかなりそうです。

ラブレターなので、フロベールといえど複雑な構文や難解な単語は使っていません!


単語の意味を確認しましょう。

    rivière : 川。女性名詞。
    blanche : 形容詞 blanc の女性形。
    sous : 前置詞。〜の下で。
    lune : 月。女性名詞。
    noir : 形容詞。黒い。
    ombre : 影、陰、暗闇。女性名詞。

となります。

では、直訳で分かち訳してみましょう。

    La rivière est blanche / sous la lune, / noire / dans l'ombre.

    川は白い  /  月の下で、 /  黒い  /  影の中で

となり、

まとめると、

    川は月の下では白く、影の中では黒い

という感じです。


ここまでのまとめ。

Le ciel est pur ; la lune brille. J'entends des marins chanter qui lèvent l'ancre pour partir avec le flot qui va venir. Pas de nuages, pas de vent. La rivière est blanche sous la lune, noire dans l'ombre. 

空は澄み渡り、月は輝いている。 やって来る潮に乗って出発しようと、錨を引き上げる水夫たちの歌声が聞こえる。 雲もなく、風もない。 川は月の下では白く、影の中では黒い。


きれいな文なので暗唱しましょう!



2015-11-09

上級仏単語: svelte


今日の上級仏単語は、

    svelte

    スヴェルト

です。

品詞は形容詞で、意味は、

    すらりとした、ほっそりした

です。

痩せるための化粧品の名前に 「スヴェルト」 がついているのがいくつかあるみたいですね。


テニス:試合中にコーヒーを注文

Masters 1000 de Paris - Stan Wawrinka commande un café en plein match

パリで開催された、テニスのワールドツアー マスターズ1000 の準々決勝。 スタニスラス・ワウリンカが試合中にコーヒーを注文してちょっと話題になったみたいです。


↓ この YAHOO FRANCE! SPORT のページで、コーヒーを飲んでいるワウリンカの様子を見ることができます。

 YAHOO! FRANCE SPORT


記事の見出しを見てみます。

発音は、だいたい、

    Masters 1000 de Paris

    マスターズ ミル ドゥ パリ

    Stan Wawrinka commande un café en plein match

    スタン ワウリンカ コモンド アン カフェ オン プラン マッチ

です。

最初の、

    Masters 1000 de Paris

はそのまま、

   パリのマスターズ1000で

です。


次の、

    Stan Wawrinka commande un café en plein match

の、commande は動詞 commander の直説法現在形。

意味は、「注文する」 です。

    ※ ほかに 「指揮する、命令する」 などの意味があります。

en plein match の match は 「試合」 (男性名詞)、もともとのフランス語の単語ではなく、英語から輸入された語です。

plein は形容詞で 「いっぱいの、満ちた」 という意味ですが、

    en plein + 名詞

で、「~の真っ最中に(で)」 「~の真ん中に(で)」 といった表現になります。

ですので、 en plein match で 「試合の真っ最中に」 です。


そうすると、

    Stan Wawrinka commande un café en plein match

で、

    スタン・ワウリンカが試合の真っ最中にコーヒーを注文する

ということになります。

「注文した」 と過去形ではなく、「注文する」 という現在形になっているのは、記事の見出しでよく使われる現在形の用法です。


これを日本のスポーツ新聞の見出しっぽく訳すと、

    パリのマスターズ1000の試合中にワウリンカがコーヒーを注文!

というかんじでしょうか。


2015-11-08

あらゆるものの始まりに 2

Il était donc avec Dieu au commencement. Dieu a fait toutes choses par lui ; rien n'a été fait sans lui ;

(フランス語中級)

※ 10世紀のラテン語版 「ヨハネ伝」 冒頭 ( fr.wikipedia より


キリスト教の聖典である 『新約聖書』 の 「ヨハネ伝」 冒頭を見ています。

きょうはその2回目。

    → 1回目


1回目の内容は、

    Au commencement de toutes choses, la Parole existait déjà ; celui qui est la Parole était avec Dieu, et il était Dieu

    あらゆるものの始まりに、み言葉がすでにあった。 み言葉である人は神とともにあった。その者は神であった。

というかんじでした。


次に来ているのは、

    Il était donc avec Dieu au commencement.

    イレテ ドンク アヴェク ディウ オ コモンスモン

という文です。

この文の主語の Il は、直前の文の il était Dieu の il と同じでしょうから、「その者」(=み言葉である人、神とともにいた人、神であった人) としておきます。

文法とかでとくに困難はなさそうです。

訳してみると、

    Il était donc avec Dieu au commencement

   その者はそれゆえ、始まりにおいて神とともにいた

となります。

表現の繰り返しが多いですね。


次の文は、

    Dieu a fait toutes choses par lui ;

    ディウ ア フェ トゥット ショーズ パル リュイ

    神は / 作った / あらゆるものを / その者を通して

    神はその者を通してあらゆるものを作った

というかんじです。


その次の文、

    rien n'a été fait sans lui ;

    リィヤン ナ エテ フェ サン リュイ

の a été fait は、受動態が複合過去形になっています。

a été で、〈 avoir + êtreの過去分詞 〉 なので複合過去形。

été fait で 〈 être + 過去分詞 〉 なので受動態、です。

ですので、a été fait で 「作られた」 となります。


全体では、

    rien n'a été fait sans lui ;

    何ものも / 作られなかった / そのものなしでは

なので、

    その者を通してでなければ何ものも作られなかった

となります。


ここまでをまとめると、

    Il était donc avec Dieu au commencement. Dieu a fait toutes choses par lui ; rien n'a été fait sans lui ;

    その者は、それゆえ始まりに神とともにいた。 神はあらゆるものをその者を通して作った。 そのものを通してでなければ何ものも作られなかった。


この部分は日本語訳聖書では、

    この言は初めに神と共にあった。 すべてのものは、これによってできた。できたもののうち、一つとしてこれによらないものはなかった。 (「口語訳」)

    この言は、初めに神と共にあった。 万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。

となっています。




空は澄み、月は輝く 4

Pas de nuages, pas de vent.

19世紀の作家フロベール (Flaubert) の手紙、第4回目です。

    → 1回目2回目3回目

(手紙の宛先のルイーズ・コレ)


ここまでは、

    Le ciel est pur ; la lune brille. J'entends des marins chanter qui lèvent l'ancre pour partir avec le flot qui va venir. 

で、そこにきょうは、

    Pas de nuages, pas de vent.

    パ ド ニュアージュ パ ド ヴォン

と続きます。


nuage は 「雲」 、vent は 「風」 ですね。 (いずれも男性名詞)

では、pas de ... は何でしょうか。

pas といえば、否定の ne ... pas で使う pas の他に、名詞で 「歩(ほ)、歩み」 という意味の pas があります (男性名詞)。

ここではどちらなのかというと、この pas de ... は、

    Il n'y a pas de nuages.

    Il n'y a pas de vent.

の pas 以降だけが残ったものなのです。

なので、意味としては、

    雲もなく、月もない

という感じです。


pas de の de は何かというと、

    動詞の目的語につく不定冠詞・部分冠詞は、否定文では de になる

みたいな規則がありました。

いま、

    Il n'y a pas de nuages.

    Il n'y a pas de vent.

という否定文を肯定文にしてみると、

    Il y a des nuages.

    Il y a du vent.

となり、数えられる名詞の nuage の複数形には不定冠詞の複数形の des が、数えられない名詞の vent には部分冠詞の du がついています。

両者ともに、動詞 a (= avoir) の目的語になっていて、この動詞 a が否定されているので、

    des => de
    du   => de 

となっています。


ここまでの意味を確認しておきましょう。

Le ciel est pur ; la lune brille. J'entends des marins chanter qui lèvent l'ancre pour partir avec le flot qui va venir. Pas de nuages, pas de vent.

空は澄み渡り、月は輝いている。 やって来る潮に乗って出発しようと、錨を引き上げる水夫たちの歌声が聞こえる。雲もなく、風もない。


2015-11-04

上級仏単語: grelotter

昨日天気が良かったので公園で一人でお昼を食べたのですが、日があたっているところは日差しが強くて暑すぎて、日陰に入ったら気温が低くて寒すぎ...。

grelotter がたがた震える


寒かったり、暑かったり、怖かったりして 「がたがた震える」 のが、

    grelotter

    グルロテ

    がたがた震える

です。


2015-11-01

空は澄み、月は輝く 3

J'entends des marins chanter qui lèvent l'ancre pour partir avec le flot qui va venir. 

(→ Gustave Flaubert : Lettres à Louise Colet )

 (ルイーズ・コレ)

ギュスターヴ・フロベールが、恋人のルイーズ・コレに宛てたラブレター、3回目。

    → 空は澄み、月は輝く 1
    → 空は澄み、月は輝く 2


2回目は、

    J'entends des marins chanter qui lèvent l'ancre

    錨を引き上げている水夫たちが歌っているのが聞こえる

    水夫たちが歌いながら錨を引き上げているのが聞こえてくる

まででした。

あとには、

    pour partir avec le flot qui va venir

と続いています。


paritir は 「出発する」。

pour は前置詞で 「目的」 を表すことができるので、

    pour partir

で、

    出発する目的で

    出発しようと(して)

というかんじです。

水夫たちは、船の引き上げて出発しようとしているのでしょう。

つぎの、

    avec le flot

の flot は 「上げ潮、海流、川の流れ」 なので、

   潮とともに、潮に乗って (出発しようと)

しているわけです。


最後の、

   qui va venir

ですが、この文の前半にあった qui lèvent の qui と同じく、主格(=主語になる)の関係代名詞です。

 va venir の va は aller で、〈 aller + 不定詞 〉 で、「近い未来」 を表すのでしたから、

    le flot qui va venir

で、

    これからやって来る上げ潮

となります。

ですので、

    pour partir avec le flot qui va venir

で、

    これからやって来る上げ潮とともに出発するために

    やって来る潮に乗って出発しようと

となるので、文全体では、

    J'entends des marins chanter qui lèvent l'ancre pour partir avec le flot qui va venir.

    やって来る潮に乗って出航しようと、水夫たちが錨を上げながら歌っているのが聞こえる

        ↓

    歌いながら錨を上げている水夫たちの声が聞こえて来ます。上げ潮に乗って出航しようというのでしょう。

というかんじです。