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2014-03-04

あの娘はぼくの両目のまぶたに立っている




Elle est debout sur mes paupières

[ Paul Éluard, "L'amoureuse" ]



(フランス語初級 )

20世紀前半の詩人、ポール・エリュアールの "L'amoureuse" (ラムルーズ / 愛する女[ひと])という詩の冒頭の一節です。

発音は、

    Elle est debout  エレ ドゥブ

    sur mes paupières  シュル メ ポピエール

というかんじです。


debout は 「立った状態で、立って」 という副詞 です。

ですので、 Elle est debout で、「彼女は立っている」 です。


この 「彼女 Elle 」 は、この詩のタイトルの L'amoureuse でしょう。

amoureuse は amoureux の女性形です。

amoureux は 「恋をしている」 という形容詞ですが、名詞として使われると 「恋人」 となります。

この詩のタイトルは L'amoureuse なので女性です。

なのでタイトルを 「ぼくの恋人」 とするとどうでしょうか。訳し過ぎかな。


さて、Elle est debout の後に sur mes paupières と続きます。

sur は 「~の上に、~に接して」 のいみの前置詞。

mes は所有形容詞 mon (私の) の複数形。

   ※ 所有形容詞については 「不幸が俺の神だった」 で少し書いています。


paupière は 「まぶた」 (女性名詞)。

sur mes paupières と paupière が複数形になっているので 「ぼくの(両)まぶたの上に」 という感じ。


そうすると、

    Elle est debout sur mes paupières.

    彼女はぼくの両まぶたの上に立っている。

となりますが、どんなイメージなんでしょう。


両目を閉じてゆっくり考えてみましょう。


原文は 「Eluard, Elle est debout sur mes paupières」 などで検索すると見つかります。

翻訳は書店では手に入らないと思うので、図書館へ行きましょう。