※ RFI (Radio France Internationale) はフランス政府運営のラジオ国際放送。
このニュースのタイトルは、
France: la «loi sur la burqa», cinq ans après
フランス ラ ロワ シュル ビュルカ サンカン アプレ
で、「フランス: 『 ブルカ禁止法 』 の5年後」 というかんじです。
フランスでは5年前の2010年10月、公共の場で頭をすっぽり覆うものを着用することを禁止する法律が成立しました。
一般には 「ブルカ禁止法」 と呼ばれていますが、この法律はとくにブルカを禁止しているわけではなく、たとえばフルフェイスのヘルメットなども同様に対象になるようです。
おおまかな発音は、
Il est interdit, en France,
イレ アンテルディ アン フランス
d'évoluer dans un espace public
デヴォリュエ ダンザンネスパ―ス ピュブリーク
avec le visage dissimulé.
アヴェク ル ヴィザージュ ディシィミュレ
です。
最初の、
Il est interdit, en France,
est interdit
で、[ être + 過去分詞 ] の形になっていますから、受動態ということになります。
つまり、
それは、フランスでは、禁止されている
といういみです。
en France の前後に virgule 「 , 」 (ヴィルギュル) がありますので、この en France は付加的に挿入されているかんじです。
ついで、
d'évoluer dans un espace public
の évoluer は、
進化する、発展する、展開する
などのいみの動詞です。
つぎに出てくる、espace public は、
公共の空間 (場所)
なので、
d'évoluer dans un espace public
で、
公共の場所で進化する(発展する、展開する) すること
となりますが、これではちょっと意味がわかりません。
なので、もう少し先を見てみましょう。
続いて、
avec le visage dissimulé.
ですが、visage は 「顔」で、dissimulé.は動詞 dissimuler 「隠す」 の過去分詞です。
ですので avec le visage dissimulé で、
隠された顔で
みたいになりそうですが、なんか変ですね。
こういうときは、
avec A B
で、「 A を B の状態で 」 と考えます。
※ 受験とかで英文法やった人は、with の 「付帯状況」 とかいうやつです。
たとえば、Don't speak with your mouth full. で、
「 口をいっぱいにしたまましゃべるな 」 となる、みたいな。
「 口をいっぱいにしたまましゃべるな 」 となる、みたいな。
そうすると avec le visage dissimulé は、
顔を隠して、顔を隠したままで
となります。
全体では、とりあえず、
Il est interdit, en France, d'évoluer dans un espace public avec le visage dissimulé.
それは禁じられている / フランスで / 公共の場所で進化すること / 顔を隠したまま
となりますが、évoluer を 「 進化する、発展する 」 などと訳すのはいみが合わないので、もうちょっと辞書を見ると、
(人が) 動き廻る
というのがあります。 これだと、
それは禁じられている / フランスで / 公共の場所で動きまわること / 顔を隠したまま
となって 「 顔を隠したまま (つまりブルカとかかぶったまま) 公共の場所を歩くこと」 となるのでよいですね。
最後に、Il est interdit の Il を 「それは」 としている件については、
Il est ~ de 不定詞 ...
※ 「不定詞」 は動詞の変化していない形、つまり原形のこと。
で、
「 ... するのは ~ だ 」
という構文がありました。
これを適用すると、
フランスでは、顔を隠したまま公共の場所を動き回るは禁止されている。
となります。
◇ 復習
では、以下の分かち訳を見て、もとのフランス文にもどしてみましょう。
(それは)禁じられている / フランスで / 公共の場所で動きまわること(は) / 顔を隠したまま
正解は、
Il est interdit, en France, d'évoluer dans un espace public avec le visage dissimulé.
です。