グローバルメニュー

2016-12-25

無原罪の宿り

Immaculée Conception


きょうはクリスマスです。

クリスマスは、フランス語では、

    Noël

    ノエル

です (男性名詞) 。

サンタクロースは、

    Père Noël

ですね。


クリスマスはキリストの生誕を祝う日。

キリストのお母さんは、マリア。

マリアは、英語では Mary (メアリー)、フランス語では、

    Marie

    マリ

です。


そのマリがキリストを妊娠 (懐胎) したことを、

    Immaculée Conception

    イマキュレ コンセプション

といいます。

    → Forvo で Immaculée Conception の発音を確認





Immaculée Conception の conception が、

    妊娠、受胎

という意味です (女性名詞)。

ほかに conception には、

    着想、構想、観念

などの意味もあります。

心に抱いたものが 「観念」で、 肉体に抱くと 「妊娠」 ということなのでしょう。


前半の immaculé が形容詞で、

    汚れのない、無垢な、純潔な

という意味になります。

    ciel immaculé

は、

    雲一つない空

っていう感じです。


けっきょく、

    Immaculée Conception

は、

    純潔な妊娠

ということですが、一般には、

    無原罪の宿り

などと訳されています。


これは、いわゆる処女のまま妊娠したということではなく、

無原罪の御宿りの教義は、「マリアはイエスを宿した時に原罪が潔められた」という意味ではなく、「マリアはその存在の最初(母アンナの胎内に宿った時)から原罪を免れていた」とするものである。 (→ ウィキペディア
ということらしいです。


ちょっとむずかしい...。


immaculé という語ですが、辞書を見ると

    macule

という単語が、

    (太陽の)黒点

    インクの汚れ

などと出ています (女性名詞)。

im- は否定的な意味になる接頭辞なので、immaculé は、

   汚れのない

という意味になるのですね。


2016-12-11

ロボットに課税したい

Benoît Hamon veut taxer les robots pour financer un revenu universel.

L'express の 12/8 の記事の見出しです。


Benoît Hamon veut taxer les robots pour financer un revenu universel.



    Benoît Hamon veut taxer les robots 

    ブノワ アモン ヴ タクセ レ ロボ

    pour financer un revenu universel.

    プール フィナンセ アン ルヴニュ ユニヴェルセル


Benoît Hamon (ブノワ・アモン) はフランスの社会党の政治家で、前の教育大臣。

現在の大統領フランソワ・オランド (François Hollande、 社会党) が次期大統領選への出馬を断念しましたが、その社会党から立候補を表明しているうちの一人です。


taxer は 「課税する」 です。

何に課税するかというと、 les robots、 つまり 「ロボット」 に課税したい、と言っています。

    Benoît Hamon veut taxer les robots 

    ブノワ・アモンはロボットに課税したい


「ロボット」 と言っても人間型ロボットではなく、工場などで使われている産業用ロボットで、それらのロボットが人間の単純労働を奪って (担って) 生産性を上げているのでそこに課税しよう、ということみたいです。


で、その徴収した分の税金は何に使うか、というと、

    pour financer un revenu universel.

「pour + 不定詞(動詞の原形)」 で 〈目的〉 を表します。 つまり  「~するために」。 

financer は 「出資する」 「資金を提供する」 です。


出資先は revenu universel です。

revenu は 「収入、所得」 (男性名詞)、 universel は形容詞で 「普遍的な」 とか 「全体の」 ですが、

    suffrage universel  (スュフラージュ ユニヴェルセル) 

だと、

    普通選挙

になります。 ( suffrage は 「投票、選挙 (男性名詞)」 。 ) 

つまり、この場合の universel は 「すべての人に適用される」 といういみです。

で、この revenu universel は英語で basic income (ベーシック インカム) と言われている  「最低限所得保障」 のことになります。


ですので、

    Benoît Hamon veut taxer les robots pour financer un revenu universel.

    ブノワ・アモンはロボットに課税したい / 最低限所得保障に出資するために

となるので、

    ブノワ・アモンはロボットに課税して、最低限所得保障制度の財源にしようと考えている

という感じになります。


2016-12-08

カストロには信仰心があったのか

Castro avait-il la foi?

11月25日に亡くなった、革命家でキューバの元最高指導者、フィデル・カストロについての L'Express の記事からです。


フィデル・カストロ: 神とマルクスとのあいだに

Fidel Castro, entre Dieu et Marx - L'Express


この記事のタイトルは、

    Fidel Castro, entre Dieu et Marx

    フィデル カストロ アントル ディウ エ マルクス

となっていて、

    entre A et B

は、

    AとBの間に(で)

という表現なので、

    フィデル・カストロ、神とマルクスの間で

という感じになります。


マルクスは19世紀のイギリスで活動した、経済学者で思想家。

ロシアの前のソ連という国とか、現在の中国とか、各国の共産党や社会主義政党とかの思想の元になっている 「共産主義」 という思想の元になっている人です。


カストロも共産主義者でした。

なぜここで、マルクスと神が並んでいるかというと、共産主義では 「神」 というか宗教の 「信仰」 を基本的に認めない、とみなされているからです。

マルクスは 「宗教は民衆のアヘンだ」 と言っています。(『ヘーゲル法哲学批判序説』)
そして、カストロはほんとうに信仰(キリスト教の)を持っていなかったのか、というのがこの記事のテーマになっています。


この記事の本文中に、

    Castro avait-il la foi?

    カストロ アヴェティル ラ フワ?

という小見出しがあります。

    foi

は、女性名詞で 「信仰」 という意味があります。

avait は avoir の直説法半過去形で、それが疑問文として倒置されています。


肯定文で書いてみると、

    Castro avait la foi.

    カストロは信仰心を持っていた。

        ↓

    カストロには信仰心があった。

となります。


「文の主語が je とか il とか elle とかのいわゆる人称代名詞ではない場合は、主語と動詞をひっくり返して (倒置させて) 疑問文を作るとき、 その主語の人称代名詞を使って倒置させる」 のでした。

    → 同じパターンの倒置疑問文を扱った記事


なので、

    Castro avait la foi.

は、

    Castro avait-il la foi?

となります


意味は、

    カストロには信仰心があったのか。

です。


2016-12-05

上級仏単語: usurper

上級仏単語は、ふだんは目にしないけど新聞のサイトとかでたまに目にする言葉、を集めています。

今日は、

    usurper

    ユズュルペ

    → Forvoで発音を確認

です。


usurper 横取りする



意味は、

    横取りする、簒奪(さんだつ)する、不当に手に入れる

です。


ちなみに、「簒奪する」 の 「簒」 は、

 

と書くみたいです。

2016-11-29

上級仏単語: hormis

本日の上級仏単語は、

    hormis

    オルミ

        → Forvoで発音を確認

        ※ この h は 「無音の h 」 です。

です。

hormis を除いて

品詞は、

    前置詞

で、

意味は、

   ~を除いて、 ~以外は

です。

同じ意味で、

    sauf   ソフ

や、

    excepté

    エクセプテ

という前置詞もありますが、 hormis は 「文語」 で使われる表現です。


2016-11-28

ヘーゲルの論理学の始まり

La Logique hégélienne part d'une identification de la pensée et de la chose pensée.





Jean Hippolyte (ジャン・イポリット) というフランスの哲学者(1907-1968)の "Logique et existence" (『論理と実存』) という著作の序文冒頭の一文。

    → "Logique et Existence" (Amazon.fr)


発音:

    La Logique hégélienne part d'une identification

    ラ ロジーク エゲリエンヌ パール デュニダンティフィカシオン

    de la pensée et de la chose pensée.

    ドゥ ラ パンセ エ ドゥ ラ ショーズ パンセ


意味:

    La Logique hégélienne

    ヘーゲルの論理学は


logique は 「論理」 「論理学」、女性名詞。

    ※ ここでは大文字で Logique となってます。 なぜかな?


ヘーゲル (Hegel) というのはドイツの有名な哲学者 (1770-1831)。

hégélien は 「ヘーゲルの」 という意味の形容詞。 hégélienne はその女性形。


    part d'une identification

    同一視から出発する


partir de ~ で、「~から始まる、発する」。

identification は 「同一視」 「混同」


何と何を同一視(混同) するのかというと、

    part d'une identification de la pensée et de la chose pensée.

となっているので la pensée と la chose pensée との同一視です。

pensée は 「考え」 「思考」 「思索」 で、女性名詞。

後半の chose pensée のほうの pensée は、名詞ではなくて、動詞 penser の過去分詞 pensé の女性形ですね。 chose (物) という女性名詞を修飾しています。

なので、 chose pensée で、 「思考された物」。


全体で、

    La Logique hégélienne part d'une identification de la pensée et de la chose pensée.

    ヘーゲルの論理学は、思考と思考された物との同一視から始まる。

となります


意訳して、

    思考と思考されるモノとが同じ一つのものであるとみなすこと。ここからヘーゲルの論理学は始まる。

としてみました。


2016-11-25

上級仏単語: cossu

今日の上級仏単語です。

cossu 裕福な


今日の単語は、

    cossu

    コスュ

です。

    ※ Forvo で発音を確認


品詞は形容詞。


意味は、

    裕福な、豪華な

です。


2016-11-23

上級仏単語: ringard

今日の上級仏単語です。

ringard 落ち目の


単語: ringard

発音: ランガール

    → Forvo で発音を確認

品詞: 名詞

意味: 落ち目の, 時代後れの


2016-11-21

上級仏単語: présomptueux

présomptueux  傲慢な


本日の上級仏単語 : présomptueux

発音: プレゾンプチュウ ( → Forvo で発音を確認

品詞: 形容詞

意味: うぬぼれた、 思い上がった、傲慢な


我消費ス故ニ我有リ

Je dépense, donc je suis.


17世紀のフランスの哲学者デカルト (Descartes) の有名なことばに、

    Je pense, donc je suis.

    ジュ パンス ドンク ジュ スィ

というのがあります。

デカルトの肖像画 
(デカルトの肖像画  ※ fr.wikipedia.org より)


donc は 「それゆえ、したがって」。

後半の je suis の suis ( être ) の意味は、この場合は、

    ~である

ではなくて、

    在る、居る、存在する

のほうです。


ですので、

    Je pense, donc je suis.

は、

    我思う、故に我有り。

などと訳されています。

仏和辞典でも donc の項目にこれが例文として出ていたりします。


そして今回のお題の

    Je dépense, donc je suis.

    ジュ デパンス ドンク ジュ スィ

という表現ですが、人から 「これは誰の言葉なの」 と聞かれて、初めて聞く表現だったので、ちょっとググってみたのですが、たくさんいろんなところで使われていますね。

とくにだれが言い出した言葉というわけではなく、デカルトの表現をもじって、最近いろいろ使われるようになった表現みたいです (あまり確信なし)。


意味は、 dépense が

   dépenser : 消費する

という動詞なので、

    私は消費する、だから私は存在している。

    我消費ス故ニ我有リ

などとなります。


この消費社会においては、消費することが人の存在意義になっている、とか、そういう感じでしょうか。


2016-11-15

上級仏単語: nauséabond

上級仏単語です。


nauséabond  吐き気をもよおさせる


単語: nauséabond

発音: ノゼアボン

    → Forvo で確認

品詞: 形容詞

意味: 吐き気をもよおさせる、不愉快な、胸の悪くなる


※ この単語の前半部分の 「ノゼ」 は、名詞の nausée (ノゼ) 「吐き気」 と同じですね。


ロボットは快楽を感じるか

Les robots jouissent-ils ? Cette question conduit à s'interroger sur la nature et la fonction du plaisir chez l'humain...
フランスのニュース雑誌 Le Point (ルポワン) のWebサイトの 11月14日の 「Sex machine」 というタイトルの記事のリード文からです。


Le Point, "Sex machine"

発音は、

    Les robots jouissent-ils ?

    レロボ ジュイッスティル

    Cette question conduit à s'interroger

    セット ケスチオン コンデュイ ア サンテロジェ

    sur la nature et la fonction

    スュル ラ ナチュール エ ラ フォンクシオン

    du plaisir chez l'humain

    デュ プレズィール シェ リュマン

というようなかんじです。


最初の

    Les robots jouissent-ils ?

の robot は 「ロボット」 のこと (男性名詞)。 発音は 「ロボ」 です。

動詞の jouissent の不定詞は jouir で、活用は finir と同じ。

意味は、

    楽しむ

ですが、ここでは記事のタイトルに Sex machine とあるので、

    性的な快感を得る

というほうの意味にとりましょう。

すると、

    ロボットは性的な快感を得るのか。

という意味になります。


二文目は、

    Cette question conduit à

と始まっています。

主語は、 Cette question 「この問は」 。

動詞 conduit は不定詞は conduire で、

    運転する

という意味ですが、他に、

    導く、連れていく、 (…するよう)仕向ける

などの意味があります。

この場合は、前置詞 à のあとに不定詞 s'interroger があるので、

    この問いは、…するよう仕向ける

という感じでしょう。

s'interroger の interroger は

    尋ねる、質問する

ですが、se がついて代名動詞になると、

   自問する、疑問を抱く

となります。


そして、何について自問するかの 「について」 が次の sur という前置詞に当たります。

ここまでで、

    Cette question conduit à s'interroger sur ...

    この問は…について自問するように仕向ける

という感じです。

そして疑問(自問)の対象となるのは、

    ... s'interroger sur la nature et la fonction du plaisir chez l'humain

の sur の後の、 la nature et la fonction du plaisir chez l'humain の部分です。

つまり、

    人間における快楽の性質と機能

です。


二文目の全体で、

    Cette question conduit à s'interroger sur la nature et la fonction du plaisir chez l'humain

    この問は、人間における快楽の性質と機能について自問するように仕向ける

となります。


全体では、

    Les robots jouissent-ils ? Cette question conduit à s'interroger sur la nature et la fonction du plaisir chez l'humain...

    ロボットは性的な快楽を感じることができるのか。 こう問うことは、人間における快楽というものの持つ性格と、その役割について考えることである。

という感じでしょうか。



2016-10-08

上級仏単語: détracteur

上級仏単語です。

ニュースにたまに出てくるような単語を扱っています。

今日は、

    détracteur

    デトラクトゥール

です。

détracteur 誹謗者・中傷者



意味は、

    誹謗者、中傷者

です。

    ※ 誹謗は 「ひぼう」 と読みます。


この単語の動詞形は、

    détracter

    デトラクテ

ですが、動詞のほうは日常的にはあまり使われないようです。


2016-10-06

上級仏単語: sobriquet

上級仏単語です。

sobriquet  あだ名、ニックネーム、仮名


今日は、

    sobriquet

    ソブリケ

です。

品詞は、名詞(男性名詞)、

意味は、

    あだ名、ニックネーム、仮名

です。


2016-09-11

ニュースの仏単語: allégeance

ニュースに出てくる単語です。

allégeance (国家への)忠誠


今日は、

    allégeance

    アレジャンス

です。

    ※ 語尾が -ance で終わる単語は女性名詞になります。


意味は、

    (国家への)忠誠

で、 たとえば、

    allégeance à Daech

だと、

    ダエーシュへの忠誠

となります。

Daech は何かと言うと、

    État islamique

    エタ イスラミーク

つまり 「イスラム国」 、の別の呼び名です。

    ※ アラビア語の頭文字から来ているらしい。

Daech の発音はいつもの Forvo で確認できます。

    → Daech のフランス語の発音



2016-08-04

ヒラリーは嫌われている、が...

Hillary Clinton est détestée, mais moins que Donald Trump


アメリカ大統領選が盛り上がって (?) います。

今回はフランスのニュース誌 「エクスプレス」 の記事の見出しからです。

    ※ Etats-Unis: Hillary Clinton est détestée, mais moins que Donald Trump - L'Express (2016/8/1)


 Hillary Clinton est détestée, mais moins que Donald Trump


発音はだいたい

    Hillary Clinton est détestée, mais moins que Donald Trump

    イラリ クリントン エ デテステ メ ムワン ク ドナルド トランプ

みたいな感じ。


この文の主語は、Hilary Clinton。

動詞は est détestée で、 〈 être + 動詞過去分詞 > なので、受動態です。

détester は 「嫌う」 という意味なので、

    Hillary Clinton est détestée

で、

    ヒラリー・クリントンは嫌われている

です。

détester の過去分詞 détesté の末尾に e がついているのは、主語の Hillary Clinton が女性だからですね。


続いて、

    mais moins que Donald Trump

の、moins que .... は比較の表現で 「…より少なく」 となるので、

    しかし、ドナルド・トランプよりは少なく

となります。


全体だと、

    Hillary Clinton est détestée, mais moins que Donald Trump

    ヒラリー・クリントンは嫌われているが、ドナルド・トランプほどではない

という感じです。



2016-08-03

上級仏単語: carcasse

今日は、

    carcasse

という単語です。

発音は、

    カルカッス

品詞は、女性名詞、

意味は、

    (動物の)骸骨 [がいこつ]

です。

(動物の)骸骨


※ 人間の骸骨は、

    squelette

    スクレット

で、こちらは男性名詞です。


2016-07-20

上級仏単語: intempestif

上級のフランス語単語です。

intempestif  場に相応しくない


今日は、

    intempestif

   アンタンペスティフ

です。

品詞は形容詞、

意味は、

    その場にふさわしくない、場ちがいの、時宜 (時宜) をえない

です。


2016-07-19

サルコジ: フランスは子供たちが殺されるのを黙っておけない

La France ne peut pas laisser ses enfants se faire assassiner.

前フランス大統領で次期大統領選に出馬すると見られているニコラ・サルコジ氏 (Nicolas Sarkozy) の7月17日付けツイッターの投稿 (→) から。

サルコジ氏のツイッター


おおまかな発音は、

    La France ne peut pas laisser

    ラ フランス ヌ プ パ レセ

    ses enfants se faire assassiner.

    セザンファン ス フェール アサスィネ

です。


さいしょは、

    La France ne peut pas laisser

    フランスは laisser できない

で、laisser は 「残す」 「預ける」「置き忘れる」 「別れる」 とかのいろいろな意味がありますが、今回は続きを見ると、

    La France ne peut pas laisser ses enfants se faire assassiner.

となっていて、

    laisser 名詞 + 不定詞

という語順になっています。

こういう語順のときは、

    …に (自由に) ~させておく、させてやる

となるのでした。

で、「…」の部分は、 ses enfants なので、

    その(フランスの)子どもたちに

となります。

で、フランスの子どもたちに何をさせておいてやるかというと、

    se faire assassiner

となっています。

assassiner は何かというと 「殺す」 です。

でも、フランスの子供たちに 「殺させておいてやる」 わけではもちろんなくて、

    se faire 不定詞

で、「~される、~してもらう」 という構文になります。


なので、

    se faire assassiner

は、「殺される」 です。

そうすると、

    laisser ses enfants se faire assassiner

で、

    その子どもたちを殺されるがままにしておく

となります。


全体では、

    La France ne peut pas laisser ses enfants se faire assassiner.

   フランスは自分の子どもたちが殺されるがままにしておくわけにはいかない。

という感じです。


2016-07-18

上級仏単語; invectives

上級仏単語

invectives 罵倒

今日は、

    invectives

    アンヴェクティーヴ

です。

最後に -s がついていますが、名詞の複数形の s です。

女性名詞で、普通は複数で使われます。

意味は、

    罵倒、ののしり

です!


2016-07-15

上級仏単語: obésité

今日の単語は、

    obésité

です。

obésité  肥満

発音は、

    オベズィテ

で、意味は、

    肥満

なので品詞は名詞、そして

    女性名詞

です。


2016-07-11

ハバナ葉巻

Dieu est un fumeur de havanes / Tu n'es qu'un fumeur de gitanes


"Dieu est un fumeur de Havanes" という曲からです。

それぞれ曲の出だしと、二節目の最初の部分です。

この曲は Serge Gainsbourg (セルジュ・ゲンズブール) というフランスの大歌手の曲です。


発音はこちらの YouTubeで聞いて確認してみてください。



Catherine Deneuve (カトリーヌ・ドゥヌーヴ) というこれまた大女優と、妖しくデュエット。


発音をいちおうカタカナで確認、

    Dieu est un fumeur de havanes

    ディウ エタン フュムール ドゥ アヴァヌ

    Tu n'es qu'un fumeur de gitanes

    テュ ネ カン フュムール ドゥ ジタヌ

となります。


    ※ 歌詞全部は、 Paroles Serge Gainsbourg Dieu Fumeur De Havanes (feat Catherine Deneuve) lyrics - musique en parole などにあります。


単語を見ていくと、

Dieu は 「神」、fumeur は動詞 fumer (たばこを吸う)の名詞で 「たばこを吸う人」 「喫煙者」。

havane は発音は 「アヴァヌ」 ですが直前の前置詞の de とくっついて d'havane となってない (エリジョン [母音字省略] していない) ので、havane の h は 「有音の h」 です。

La Havane (ラ アヴァヌ) でキューバの首都ハバナのことになります。

小文字で havane だと、ハバナ産の葉巻のことです。

ハバナ産の葉巻は有名でちょっと高級品という感じです。

吉田茂もチェ・ゲバラもケネディも吸っていた (らしい) です。


すると、

    Dieu est un fumeur de havanes

で、

    神はハバナ葉巻の喫煙者です

        ↓

    神はハバナの葉巻を吸っている

という感じか。

神様なので高級な葉巻を吸っているんでしょうか。


それにたいして、

    Tu n'es qu'un fumeur de gitanes

の gitane はフランスの普通の巻きたばこで、安くてきつい味の庶民派です。

gitane はもともとは 「(スペインの)ジプシーの女」 のことで、たばのジタンのパッケージは青色をバックにおそらくフラメンコを踊っている女のシルエットで、とてもおしゃれでかっこいいです。

    → ジタンのパッケージ画像


日本語の Wikipedia によると、ジタンを吸っているのは、 これを歌っているセルジュ・ゲンスブール、俳優のジャン・レノ、ジョン・レノンにルパン三世と紅の豚(!) ...。

ne ... que ~ は、「~しか…ない」 という限定の表現なので、

    Tu n'es qu'un fumeur de gitanes

は、

    あなたはジタンの喫煙者でしかない

         ↓

    あんたはジタンを吸ってるだけの男

という感じか。 訳しすぎかな。


2016-07-06

上級仏単語: intérimaire

上級仏単語です。
intérimaire  代理の

今日は、

    intérimaire

    アンテリメール

です。

    → Forvo で発音を聞く


意味は、

    代理の、臨時の

です。

ですので品詞は形容詞です。



2016-07-05

曲線の極小の部分は...

Un élément très petit d'une courbe est presque une ligne droite. 


先日、駅で電車を待っているときに、隣で同じ電車を待っている人が下げていたバッグに書いてあった文です。

写メするのは失礼なので、紙にメモしておいて、ネットで調べると、

Henri Bergson (アンリ・ベルクソン) の "L'évolution créatrice" (レヴォリュシォン クレアトリィス / 創造的進化) という本の中の一節であることがわかりました。


発音:

    Un élément très petit d'une courbe 

    アネレモン トゥレ プティ デュン クルブ

    est presque une ligne droite

    エ プレスク ユヌ リーニュ ドロワット


単語の確認:

élément は 「要素」、courbe は 「曲線」、

presque は 「ほどんど」 (副詞)、ligne は 「線」、 

droite は形容詞 droit (ドロワ) の女性形で意味は 「まっすぐな」 です。


訳してみます。

    Un élément très petit d'une courbe 

    曲線のとても小さな要素は

    est presque une ligne droite. 

    ほとんど直線です

となるので、

    曲線の極小部分を取り出せば、それはほぼ直線といっていい。

という感じでしょうか。


※ ググッていたら、同じ文の解説が 「北鎌フランス語講座」 の 「比較の表現」 のページに見つかりました。 ぜひそちらもご覧ください。

    → 比較の表現の文法解説 - 北鎌フランス語講座 - 読解編


ベルクソンは、20世紀前半のフランスの有名な哲学者です。

Henri Bergson (1859-1941) ※ Wikipediaより

翻訳もたくさん出ています。

たとえば、『創造的進化』は、ちくま学芸文庫版 や 岩波文庫版 があります。

   
(2022.03.08 更新)

2016-07-04

ローマは女性に導かれるのか

La ville de Rome va-t-elle être dirigée par une femme?

今年(2016年) 6月19日のローマ市長選挙で、37歳の女性候補ビルジニア・ラッジ氏が当選しました。

そのときの l'express の記事からです。


La ville de Rome va-t-elle être dirigée par une femme?


記事のタイトルは、

    Italie: Virginia Raggi, du mouvement de Beppe Grillo, à l'assaut de Rome

    イタリ ヴィルジニア ラッジ デュ ムヴマン ドゥ ベップ グリヨ ア ラソ ド ロム

です。


ビルジニア・ラッジは、「五つ星運動」 という党の候補で、市議会議員・弁護士。

Beppe Grillo (ベッペ・グリッロ : コメディアン) はこの運動の創始者の一人です。

assaut は 「襲撃」 (男性名詞) なので、このタイトルは、

    イタリア: ベッペ・グリッロの政治運動の候補、ビルジニア・ラッジがローマを急襲

という感じでしょうか。


本文中に、

    La ville de Rome va-t-elle être dirigée par une femme?

    ラ ヴィル ドゥ ロム ヴァテル エートゥル ディリジェ パル ユヌ ファム

という文があります。

この文を、分解して意味を見ると、

    La ville de Rome va-t-elle être dirigée par une femme?

    ローマの町は / 導かれることになるのか / 一人の女性によって

となります。


文の構成をわかりやすくするために、この疑問文を肯定文にしてみると、

    La ville de Rome va être dirigée par une femme.

となります。

va être は 〈 aller + 不定詞 〉 なのでいわゆる  〈近接未来〉 (近い未来) です。

また、être dirigée は受動態。

diriger は 「指導する、導く」 という意味の動詞です。

受動態で、être の後の過去分詞は、主語に整数一致するので、diriger の過去分詞 dirigé に e がついています。

(主語の ville が女性名詞なので)。

意味は、

    ローマの町は、女性によって導かれるだろう

となります。


※ 原文

    Italie: Virginia Raggi, du mouvement de Beppe Grillo, à l'assaut de Rome - L'Express
    ( http://www.lexpress.fr/actualite/monde/europe/municipales-en-italie-le-parti-populiste-de-beppe-grillo-favori-a-rome_1803804.html




2016-06-30

上級仏単語: éclabousser

上級仏単語です。


éclabousser はねかける


今日の単語:  éclabousser

発音: エクラブセ   (→ Forvoで確認

品詞: 動詞

意味: (泥・水などを)~にはねかける、~を巻き添えにする



2016-06-20

ニュースの仏単語: inondation

inondation 洪水

少しまえにフランスでセーヌ川が氾濫しました。

今日の単語は、

    inondation

    イノンダシォン

最後が -tion で終わっているので女性名詞。

意味は、

    洪水、氾濫

です。


→  発音の確認は Forvo で


2016-06-17

上級仏単語: mot-dièse

mot-dièse ハッシュタグ








今日の上級仏単語は、

    mot-dièse

    モ ディエーズ

です。

mot は、男性名詞で、「語・単語」 です。

そして、dièse は何かというと、音楽の記号の

     シャープ (嬰えい記号)

のことです (男性名詞)。


つまり mot-dièse は、twitter などの

    ハッシュタグ (hashtag)

です。



2016-06-09

上級仏単語: relent

上級仏単語です。

きょうの単語は、

    relent

    ルラン

です。

relent 悪臭



男性名詞で、意味は、

    悪臭

です。

つまり、香りではなく、いやな感じの匂いのことです。







2016-05-18

iPhoneでフランス語を入力

iPhone や iPod touch でフランス語のアクサンを入力するには。

最近、iPod touch でフランス語を入力するときにアクサンの入力方法がわからなかったので調べました。

キーボードを英語キーボードにして、アクサンをつけたい文字を長押しすると、アクサン付きのリストが表示されるのでそれを選ぶ、だけです!

iPod touch のキーボードでアクセント付きのアルファベットを入力


以下のページが詳しいです。

    >> フランス情報 役立つ情報 iPhone・ iPad・iPod touch のフランス語入力方法 | フランス情報サイトならフランスネット (http://www.france-jp.net/02info/02etc/ios.html



ついでに。

間違えた操作をしてしまって元に戻したいときは?

→ iPhoneを振ります。

これも最近まで知りませんでした....。



2016-04-21

巷のフランス語: 医者に行くよりパン屋に行ったほうがいい

Il vaut mieux aller au boulanger qu'au médecin.


先日、電車を待っているときに隣の人の持っているバッグにフランス語が書いてありました。



    Il vaut mieux aller au boulanger qu'au médecin.

    イル ヴォ ミウ アレ オ ブランジェ コ メドゥサン

と書いてあります。

〈 il vaut mieux + 不定詞 ... que ~〉 は、 「~より ... したほうがよい」 という表現です。

    ※ vaut の不定詞は valoir です。

aller au boulanger は 「パン屋に行く」。

médecin は「医者」 です。

なので、

    Il vaut mieux aller au boulanger qu'au médecin.

    医者に行くよりパン屋に行くほうがいい。

となります。


何を言いたいのか?

じつはこれはフランスの諺 (ことわざ) になります。

「がまんして病気になるより、パンを買いに行け」 、つまり、「健康のためにはバランスの取れた生活をしなさい」、みたいな意味 (なはず) です!


2016-04-17

上級仏単語: NDLR

今日は、

    NDLR

という語句、というか略語です。

これは、

    note de la rédaction

の頭文字をとったものです。

note は 「注釈」 (女性名詞)、 rédaction は 「編集(部)」 (女性名詞)。

なので、NDLR は

    編集部注

となります。

NDLRという略記は、引用文やインタビューの発言の中に編集者(編集部)が入れた注 (注釈) につけたりします。



2016-04-14

PD はホモセクシャルを侮蔑する言い方ではない (?)

Les prud'hommes de Paris estiment que "PD" n'est pas une insulte homophobe


フランスのニュースサイト、l'express の記事の見出しからです (4/7付)。


Les prud'hommes de Paris estiment que "PD" n'est pas une insulte homophobe

 ※ Les prud'hommes de Paris estiment que "PD" n'est pas une insulte homophobe - L'Express


発音は、

    Les prud'hommes de Paris estiment

    レ プリュドム ドゥ パリ エスティム

    que "PD" n'est pas une insulte homophobe

    ク ペデ ネ パズュナンスュルト ホモフォーブ

という感じ。


最初に出てくる、 prud'homme ってなんでしょう。

仏和辞典を見ると、たとえば、『ロワイヤル仏和辞典』 には、

    (労使間の紛争を調停する)労働委員

と出ています (男性名詞)。


そうすると、 estiment は動詞 estimer (評価する ・ 判断する) ですから、

    Les prud'hommes de Paris estiment que ...

で、

    パリの労働委員は ... と判断する ・ 評価する

となります。

この que ... のところには 〈主語+動詞〉 のセットが来るでしょうから、見てみると、

    "PD" n'est pas une insulte homophobe

となっているので、 "PD" が 〈主語〉 で、est が 〈動詞〉 です。


PD ってなんでしょうか。

PD は、

    pédé

    ペデ

のことです。

PD と pédé とは発音が同じです。


そして pédé は、

    pédéraste

    ペデラスト

の略で、

    男色家、ホモ

です (男性名詞)。


そうすると、 insulte は 「侮辱」、 homophobe は 「同性愛者嫌い」 という形容詞なので、

    "PD" n'est pas une insulte homophobe

は、

    PD は同性愛者を嫌った侮蔑ではない

        ↓

    PDという言い方は、同性愛者を侮辱するものではない

という感じになります。


全体では、

    Les prud'hommes de Paris estiment que "PD" n'est pas une insulte homophobe

    パリの労働委員は、PD という言い方は同性愛者を侮辱するものではないと判断

となります。 (見出しっぽく訳してみました。)


記事によると、

    パリの美容室の店員が上司に PDという言い方をされて解雇された。 その店員が労働委員会に訴えた。 労働委員会は、美容室では同性愛者を雇うことが多いので、そのコンテクストにおいては PD という言い方が必ずしも同性愛者を侮蔑するものとはならない、という判断を下した

というようなことらしいです。



2016-04-13

上級仏単語: remords

上級仏単語、今日の単語は、

    remords

    ルモール

です。
後悔


いろんな外国語の言葉の発音を、現地の人の発音で確認できる便利な Forvo で発音を聞いてみましょう。

    → remords (Forvo)


remords の意味は、

    後悔、悔恨(かいこん)、良心の呵責(かしゃく)

です!


2016-04-12

上級仏単語: périple

周遊

きょうの上級仏単語は、

    périple

    ペリープル

です。

périple は、男性名詞で、意味は、

    周遊, 大航海

などです。



2016-04-11

良識はこの世でもっとも公平に分配されている (3)

Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée ; car chacun pense en être si bien pourvu, que ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose n’ont point coutume d’en désirer plus qu’ils en ont.

(René Descartes, "Discours de la méthode", 1637)

デカルトの 『方法序説』 第一章冒頭の3回目です。

    → 1回目: 良識はこの世でもっとも公平に分配されている (1)
    → 2回目: 良識はこの世でもっとも公平に分配されている (2)

前回までで、

    Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée ; car chacun pense en être si bien pourvu, que ...

    良識はこの世で最も良く分配されている。 というのも、だれもがそれをじゅうぶん持っていると思っているので、その結果 ... だからだ

という感じでした。


さて、その続きのうち、

    que ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose

までを見てみたいと思います。

発音は、

    que ceux même qui sont les plus difficiles

    ク ス メーム キ ソン レ プリュ ディフィスィル

    à contenter en toute autre chose

    ア コンタンテ アン トゥット オートル ショーズ

となります。


さいしょの que ですが、これは前回やった、

    si bien ... que ~

    とても ... なのでその結果~だ

の que (接続詞) で、この que のあとには、〈主語 + 動詞〉 がセットされることになります。

ですので、その主語と動詞を見つけようと思って読んでいきます。

と、最初に ceux même qui sont ... となっているので、

    ceux = 〈主語 + 動詞〉 の主語

    sont = 〈主語 + 動詞〉 の動詞

なのか、と思ってはいけません。


sont の前には qui があります。

これは関係代名詞の qui ですね。

関係代名詞の部分 (関係代名詞節) は、直前の名詞 (この場合は ceux ) を修飾します。

sont の主語は qui です。

ですので、sont は先ほどの que の後の 〈主語 + 動詞〉 の 〈動詞〉 の役割はできません。


では、〈主語 + 動詞〉 の 〈動詞〉 はどこにあるのか。

もう少し読んでいくと、

    que ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose n’ont point coutume ...

となっていて、n'ont point に動詞 avoir があります。

なので、

    ceux même [ qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose ] n’ont point coutume

と考えて、que の後の 〈主語 + 動詞〉 の 〈主語〉 は ceux、 〈動詞〉 は ont ではないかと予想をつけます。


それはそうとして、qui 以下の部分 (関係代名詞節) の意味を考えておきましょう。

    qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose

qui は主語になる関係代名詞 (主格の関係代名詞) で、それに対応する動詞が sont です。

qui 以下が修飾している語は、ceux です。

ceux は代名詞 celui の男性複数形です。

代名詞なので、ふつうは前に出た名詞を受けます。

で、ceux より前の部分で、男性の複数名詞がないか探してみると、

    Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée ; car chacun pense en être si bien pourvu, que ceux qui sont les plus difficiles ...

...ない、ですね。 複数名詞は。


この ceux ですが、後ろに関係代名詞 (qui や que) が続くときは

    ~な人々

という意味になることがあります。


今回の場合は、

    ceux ... qui sont les plus difficiles à contenter ...

となっています。

〈 difficile à 不定詞 〉 で 「~するのがむずかしい」 です。

ここでは、les plus difficiles なので比較の最上級です。

ですので、

    ~するのがもっともむずかしい人々

になります。

で、「~する」 の部分は contenter 「満足させる」 なので、

    満足させるのがもっともむずかしい人々

です。

    ※ contenter は 「満足させる」 です。 「満足する」 ではありません。


さらに、

    ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose

の、en toute autre chose ですが、

    en toute autre chose

    すべての他の事柄において

となるので、

    ほかのあらゆる事柄においては満足させるのがもっともむずかしい人々

となりますが、最後に、

    ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose

の même が残っています。

même は、名詞の前に来る時は

    同じ

といういみで、

名詞(代名詞)の後ろにくるときは、

    ~でさえ

とか、

    まさにその~

とかになります。


ここでは、代名詞 ceux の後ろに来ているので、

    ~でさえ

といういみにとっておきましょう。

    ※ あとで修正するかもしれません。

すると、

    ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose

    ほかのあらゆる事柄においては満足させるのがもっともむずかしい人々でさえ

となります。

この、「ほかのあらゆる事柄においては満足させるのがもっともむずかしい人々でさえ」 が、 n'ont point の主語 (主部) になります。


まとめ、

    Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée ; car chacun pense en être si bien pourvu, que ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose ...

    良識はこの世で最も良く分配されている。 というのも、だれもがそれをじゅうぶん持っていると思っているので、その結果、ほかのあらゆる事柄においては満足させるのがもっともむずかしい人々でさえ ... だからだ。



 Discours de la méthode

2016-04-03

上級仏単語: remédier

上級仏単語: remédier


発音は、「ルメディエ」。

意味は、

    remédier à ~



    ~を改善する、直す

です。


この動詞 remédier の名詞形は、

    remède

    ルメード

で、

    薬(くすり)、解決策

などの意味があります (男性名詞)。

    ※ 英語の remedy (レメディ) がだいたい同じいみの単語です。


2016-04-02

上級仏単語: sine qua non

今日の上級仏単語は、

    sine qua non

    スィネ クア ノン

です。


qua はフランス語的な発音だと 「カ」 ですが、ここでは 「クワ」 です。

また、最後の non は鼻母音の「ノン」 ではなく、最後の 「ン」 もちゃんと発音する 「ノン」 です。

なんでこんな発音かというと、この表現はもともとラテン語 (昔のローマ人たちの言葉) だから、ラテン語風に発音するのです。


そして、意味は、

    必要不可欠の、必須の

となります。

なので、全体で形容詞的に使われます。

たとえば、

    condition sine qua non

で、

    必要不可欠な条件、必須条件

です。


形容詞的に使われますが、関係する名詞と性数一致して変化したりしません。

さっきの例の場合、condition は女性名詞ですが、だからといって

    × condition sine qua none

みたいに e がついたりしません。


2016-03-30

良識はこの世でもっとも公平に分配されている (2)

Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée ; car chacun pense en être si bien pourvu, que ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose n’ont point coutume d’en désirer plus qu’ils en ont.

(René Descartes, "Discours de la méthode", 1637)


デカルトの 『方法序説』 第一章冒頭の2回目です。

    → 一回目: 良識はこの世でもっとも公平に分配されている (1)


最初の文、

    Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée ;

は、

    良識はこの世で最も良く分配されている

っていうような感じでした。


続く文は、一文が長いです。

    car chacun pense en être si bien pourvu, que ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose n’ont point coutume d’en désirer plus qu’ils en ont.


今日やれそうな部分の発音は、

    car chacun pense en être si bien pourvu,

    カル シャカン パンス アン エートル スィ ビヤン プルヴュ

です。

まず car は、

    というのも、実際~だから

と、前の文の内容の説明や理由を言うときに使う語 (接続詞) ですね。

    ※ 英語だと for になります。


つづく、chacun pense は、chacun が 「おのおの、めいめい、各自」  とか 「だれでも」 という代名詞で、pense の主語なので、

    car chacun pense

で、

    というのも、だれもが...と考えているからだ

という感じです。


そして、動詞 pense の後に en という語が来ていますが、 penser のあとに前置詞 en が来るパターンは見たことないと思います。

いま手元にある 『クラウン仏和辞典』(手元のはけっこう古い版) と 『ロワイヤル仏和中辞典』 を見ても載っていません。

そこで、この en は代名詞あるいは副詞の en なのかな、それとも 〈 penser + 前置詞 en 〉 っていう表現が、もっと調べればほんとはあるのかも、とか思いながら次を見てみましょう。

    car chacun pense en être ...

というように動詞 être の不定詞 (原形) が来ています。

なぜ?

penser の後には動詞の不定詞が来たりするの? それとも 〈 en + 不定詞 〉みたいな表現があったっけ?


またここで辞書を見ると、

    penser + 不定詞

という項目があります!

意味は、

    ~と思う、~するつもりだ

などです。


なので、(とりあえず en を取って)、

    chacun pense être ...

とすると、

    だれもが ... であると思っている

みたいになるはずです。


つづきは、

    car chacun pense en être si bien pourvu

 なんですが、si bien は修飾(副詞表現) っぽいからちょっとはずしてみて ( en もなしにして)

    car chacun pense ... être ... pourvu

とすると、pourvu は形容詞で、〈 pourvu de ... 〉 で、

    ~を備えた、~を持っている

となるので、

    というのも、だれもが(~を)持っていると思っているからだ  

となります。

    ※ もともと pouvu は動詞 pourvoir (与える、備え付ける) の過去分詞です。


でここで、さっき無視しちゃった en ですが、代名詞 en には、

    de + 前出名詞

の代わりになる用法がありました。

つまり、この場合の 〈 de + 前出名詞 〉 の de は、さっきの、

    pourvu de ...     ~を備えている、~を持っている

の de ... の代わりなんじゃないか!

そうだとすると、

    car chacun pense en être ... pourvu,

で、

    だれもがそれを持っていると思っているからだ

となります。


そして、さっき無視した si bien をもどすと、

    car chacun pense en être si bien pourvu,

となりますが、ここで思い出すと、

    si bien que ~

という表現を習いました。

    (とても ... なので)その結果 ~ だ

です。

今回は、

    car chacun pense en être si bien pourvu, que ...

というふうに、 si bien のあとに形容詞 pourvu が来ていて、その後にヴィルギュル [ , ] があって、その後に que があります。

なので、 〈 si bien que ... 〉 じゃないのかな。

でもこの文を書いたデカルトという人は17世紀の人なので、古い言い方だとそういうのもありなのかも、と思ってとりあえず、

    car chacun pense en être si bien pourvu, que ...

    というのも、だれもがそれをとても持っていると思っているので、その結果 ... だからだ

としておきますが、「とても持っている」 は変なので、

    というのも、だれもがそれをじゅうぶん持っていると思っているので、その結果 ... だからだ

としましょう。


最後に、「それをじゅうぶんもっている」 の 「それ」 とは?


あとまでちゃんと読まないと決められないけど、

    良識はこの世で最も良く分配されている。 というのも、だれもがそれをじゅうぶん持っていると思っているので、その結果 ... だからだ

となるので、「それ」 は 「良識」 ということでよいでしょう。



 Discours de la méthode

 ※ Discours de la méthode 初版のタイトルページ (Wikipedia より)



上級仏単語: frugal

本日の上級仏単語です。

frugal 質素な

単語: frugal

発音: フリュガァル

品詞: 形容詞

意味: 質素な、つましい、粗食に甘んじる


2016-03-29

良識はこの世でもっとも公平に分配されている (1)

Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée ; car chacun pense en être si bien pourvu, que ceux même qui sont les plus difficiles à contenter en toute autre chose n’ont point coutume d’en désirer plus qu’ils en ont.

(René Descartes, "Discours de la méthode", 1637)

ルネ・デカルト (René Descartes) という、17世紀フランスのむちゃくちゃ有名な科学者・思想家の、これまた有名な 『方法序説』 (Discours de la méthode) という本の第一章の冒頭です。

 Discours de la méthode

 ※ Discours de la méthode 初版のタイトルページ (Wikipedia より)


長いので、今日は最初の一文を見てみます。

Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée


発音は、

    Le bon sens est la chose du monde

    ル ボン サンス エ ラ ショーズ デュ モンド

    la mieux partagée

    ラ ミウ パルタジェ

です。


この文の主語は、

    le bon sens

です。

sens にはざっくり言っても

   感覚、意味、方向

などのいろんな意味があります。

どの意味かはこの文の後ろを見てみないと決められないかもしれません。

が、辞書をもうちょっと見てみると、bon sens が項目になっていて、

    良識,分別、公正な判断力、常識

などとあります。

ですので、この文の主語の le bons sens はいちおう、

    良識

と訳しておきましょう。


さて、その良識がどうなのかというと、

    Le bon sens est la chose du monde ...

「良識は世界の事物だ」 と言っているようです。


「世界の事物」 って...?

「良識」 だけじゃなく、「愛」 でも、「帽子」 でも、なんでも 「世界の事物」 じゃん?

それから、chose になぜ定冠詞 la がついてるの?

不定冠詞で、

    Le bon sens est une chose du monde ...

としちゃだめなの?


と、疑問がたくさんわくので、続きを見てみましょう。

    Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée

となっています。


partagée は、動詞 partager の過去分詞です。

partager は、

    分ける、分割する、分配する

とか、

    共有する、ともにする

とかです。

まあ、「分ける」 ということは 「共有する」 ことでもあります。


その過去分詞ですから、

    分けられた、分配された、共有された

みたいな感じです。


で、この partagée は女性形 (さいごに e がついている) なので、女性名詞 (の単数形) を修飾しているはずです。

すると、「分けられ、分配され、共有され」 ているのは、直前の

    le monde

ではなくて、それより前 (左) にある、

    la chose

だということになります。

つまり、

    la chose ... partagée

    分配されている...事物

です。


では、partagée についている、la mieux は何でしょうか。

mieux は、そうです、副詞 bien の比較級・最上級です。

ここでは、定冠詞 (la) があるので、比較級ではなく最上級です。

なので、

    la chose ... la mieux partagée

    もっともよく分配されている...事物

となります。

そして、いま省略してた du monde ですが、そのまま訳すと、

    la chose du monde la mieux partagée

    もっともよく分配されている、世界の事物

となって、意味がわからないこともないですが、やっぱりへんです。

monde を辞書で見てみましょう。

....。

おおっ、やっぱりありました。

    du monde

という項目が用意されていて、意味は、

    この世で

となっていますが、用法として

    最上級の強調

と書いてあります。


ですので、

    la chose du monde la mieux partagée

    この世でもっともよく分配されている事物

とするとすっきりします。

ふつうは、du monde が一番後ろにきて、

    la chose la mieux partagée du monde 

となると思いますが、この文は500年近く前なので...。

あるいは、口調上の問題なのか...。


とにかく、全体では、

    Le bon sens est la chose du monde la mieux partagée

    良識はこの世でもっとも良く分配されている事物である

        ↓

    良識はこの世で最も公平に分け与えられたものである

という感じです。


あと、la chose が une chose じゃないのは、最上級で修飾された名詞にはふつう定冠詞がつくからです。

定冠詞の用法のポイントは 「特定する」 っていうことですが、最上級がつくということは 「一番~」 ということで、「一番」 なんだから言葉のうえでは一つしかないことになります。

つまり、「一つに特定される」 っていうことになるので、定冠詞を使うということでしょう。

    ※ 英語の場合も最上級で修飾された名詞には the を使いますね。


あと、けっかとして la chose ... la mieux partagée っていうふうに定冠詞が二個ついちゃいます。 

なれないと変ですね。


 原文

フランス語原文は、

    Discours de la méthode (éd. Cousin)/Première partie - Wikisource

などにあります。


 翻訳

『方法序説』 の翻訳はいくつかありますが、ここでは、岩波文庫版 を紹介します。