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2014-04-21

おぉ! なんと甘美なことか! 04

On doit laisser pousser ses ongles pendant quinze jours. Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure, et, avec les yeux très ouverts, de faire semblant de passer suavement la main sur son front, en inclinant en arrière ses beaux cheveux!

"Chants de Maldoror" 初版, 1968, Wikipedia より


さて、 avec les yeux très ouverts の続きは、ヴィルギュル(virgule / カンマ)の後に

    de faire semblant de passer suavement la main sur son front

と続きます。


日本語でヴィルギュルやカンマ( , )に相当するのは読点( 、)でしょうか。

    ※ 「読点」は「どくてん」じゃなく「とうてん」と読みましょう。

日本語の読点の用法や使い方はあいまいで、あってもなくてもいいじゃん、とか、人によって使い方は違いますよね、みたいな感じになりがちですが、英語やフランス語のヴィルギュル(カンマ)にはけっこうはっきりした意味(役割)があります。


今の場合、 avec les yeux très ouverts の前後にヴィルギュルがあるのはなぜでしょう。

じつは、ここにヴィルギュルがあることで、ここで挟まれている箇所が、 et が並べている (並置している) 対象じゃないよという印(しるし)になっています。

言いかえると、 ヴィルギュルで挟まれている avec les yeux très ouverts を省いてみると、

Comme il est doux
    d'arracher brutalement de son lit ...
        et
    de faire semblant de passer ...

となって、 et が並べているのは[de + 不定詞]の d'arracher ... と de faire ... とであることが見えやすくなります。


では、

    de faire semblant de passer suavement la main sur son front

の中身を見ていきましょう。


発音は、

    de faire semblant

    ドゥ フェール ソンブラン

    de passer suavement la main

   ドゥ パセ シュアーヴモン ラマン

    sur son front

    シュル ソン フロン

です。


faire は基本単語中の基本単語中ですが、その後に続く samblant とは何か。

かたち的には動詞 sembler (意味は「〜のように見える」など)の現在分詞っぽい(最後が -ant になっているので)です。

そうすると

    faire + 現在分詞

という形式の表現があるのでしょうか。

辞書で faire を調べてみましょう。

...。

faire は基本動詞なので辞書の記述が長いですが、全部の記述に目を通しても「 faire + 現在分詞 」みたいな用法は見当たりません。

別の辞書ではどうでしょうか。

...。

やっぱりそのような表現はありませんでした。


では今度は semblant を辞書で見てみましょう。

semblant は男性名詞で「外観」「見せかけ」という意味が載っています。

sembler という動詞が「〜のようにみえる」という意味なので関連がありますね。

さらに辞書を見ると、

    faire semblant de 名詞/不定詞

という項目があり、

    〜の(〜する)ふりをする

となっています。


そうすると

    de faire semblant de passer suavement la main sur son front

は、

    「passer suavement la main sur son front」 するふりをする

ということになります。


passer は、目的語がないと「通過する」「移動する」、目的語があると「〜を通り過ぎる」「〜を移動させる」みたいな意味になります。

目的語は動詞の動作の対象になる言葉で、品詞は必ず名詞です。

たいていは目的語は動詞のすぐあとに来ます。

いまの場合、

    passer suavement la main sur son front

で passer の後の suavement は目的語ではありません。

suavement は副詞です。

副詞は目的語にはなりません。


なぜ suavement が名詞じゃなくて副詞だと思う(わかる)かと言うと、

    1. 辞書を見るとそう出ている、あるいはこの単語をすでに知っていた

    2. -ment で終わる単語には副詞が多い(名詞のときもある)

    3. 名詞にはたいてい冠詞や冠詞の仲間がくっ着いているが suavement には冠詞類が着いてない

    4. 副詞の基本的な役割は動詞を修飾することだが、その場合、副詞は動詞の直後に来ることが多い

などの点が挙げられます。


じっさいに辞書を引いてみます。

いま電車内でスマートフォンでこの記事を書いているのですが、このスマホには仏和辞典はちょっと版の古い電子版のクラウン仏和辞典とプチロワイヤル仏和辞典が入っています。

そのどちらにも suavement という見出しはなく、suave ならあります。

suave は形容詞で、意味は 両方の辞書とも 「心地よい」「甘美な」と出ています。

形容詞に -ment をつけて副詞になるのはよくあるパターンなので、suavement は形容詞 suave が副詞になったものと考えてよいでしょう。


そうすると意味は、suave が 「心地よい」「甘美な」なので、動詞を修飾するっぽくすれば、

    心地よく
    甘美に

などとなるでしょう。


さらに確かめるため、スマホに入れてある仏々辞典を見てみます。

"Dictionnaire de Français Larousse" という辞書です。

以下のように載っていました。

    suavement
    adverbe
    Littéraire. D'une façon suave.


adverbe(アドヴェルブ)は副詞のことです。

ad- には「追加」「添える」みたいな意味があり、verbe は「動詞」なので、abverbe は「動詞に(意味を)添えるもの」という感じでしょうか。


ついで、 Littéraire. とありますが辞書の画面ではこの部分は色が変えてあり、単語の意味ではなく、この単語が使用される場面が 「文学的」 な場面、つまり日常語ではなく ”文学的” な文章で使われるということらしいです。

たしかにいま見ている On doit laisser pousser ... で始まる文章は、ロートレアモンという人の散文詩というものなので、「文学的」 だと言えるでしょう。


そして、suavement の意味は、

     D'une façon suave.

    デュン ファソン シュアーヴ

「d'une façon + 形容詞」 は「~な仕方で」 といった表現なので、「シュアーヴな仕方で」、つまり、「心地よい仕方で」 「甘美な仕方で」 ということです。

        passer suavement la main sur son front

la main は「手」 という名詞なので、この la main が passer の目的語です。

passer は目的語があるときは「〜を通り過ぎる」「〜を移動させる」などの意味になるので、ここでは

    passer la main

で

    手を移動させる

といった意味でしょう。


la main の後には sur son front と続きます。

front は son があるので男性名詞だとわかります。(front が女性名詞だったら sa front となるはず。)

front は英語ではフロント、つまり「前の部分」のことですが、フランス語でも「建物の正面」とか「額(ひたい)、おでこ」とかになります。


ここではとりあえず、son front の son はベッドから引き出された男の子、front はその子の額だと考えましょう。

そうすると、

    passer suavement la main sur son front

は、

    心地よい仕方で手をその子の額にに移動させる

あるいは、

    優しく手をその子の額にあててやる

などととなります。


ですので、

   de faire semblant de passer suavement la main sur son front

は、

    優しく手をその子の額にあててやるふりをする

です。


すると、さきほど骨格を抜き出した、

    Comme il est doux
         d'arracher brutalement de son lit ...
            et
        de faire semblant de passer ...

は、

    なんと甘美なことか
        そのベッドから乱暴に引き剥がし
            そして
        優しく手をその子の額にあててやるふりをする (のは)

となります。


ここまでまとめると

    Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure, et, avec les yeux très ouverts, de faire semblant de passer suavement la main sur son front ...

    また上唇に何も生えてない男の子を乱暴にベッドから引き出し、そして、目をかっと見開いて、優しく手をその子の額に当ててやるふりをするのは、なんと甘美なことだろうか...

です!

2014-04-11

上級仏単語: déboire

déboire

デボワール

多くは複数形で、「失望」 「幻滅」 という意味。


もともとの意味は、飲み物の不快な後味のことらしいです。

déboire の中に boire (飲む) という語が入っています。


2014-03-31

上級仏単語: ingérence

ingérence は、発音 アンジェランス。

女性名詞。

意味は、「不当な干渉, 介入」 などです。


2014-03-27

上級仏単語: austérité

きょうの上級仏単語は、

    austérité

    オステリテ

です。

女性名詞で意味は、

    1. 厳しさ
    2. 簡素

などですが、ニュースなどでよく出てくるのは、

    politique d'austérité

という用語で、

    緊縮財政

などの意味になります。


2014-03-21

上級仏単語: jeûne

jeune (ジュゥヌ) は 「若い」 という形容詞ですが、

今日の上級仏単語は jeûne です。

発音は jeune とだいたい同じですが少し伸ばして 「ジュゥーヌ」 という感じみたいです。

いつもの Forvo でフランス人の発音を聞いてみてください。

どちらも同じユーザー (録音者) の発音を聴くことができるので違いがわかります。
(ありがたい!)

  → jeune

  → jeûne


jeune の意味は 「絶食」、「(宗教上の)断食」、男性名詞です。


2014-03-19

おぉ! なんと甘美なことか! 03

On doit laisser pousser ses ongles pendant quinze jours. Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure, et, avec les yeux très ouverts, de faire semblant de passer suavement la main sur son front, en inclinant en arrière ses beaux cheveux!

"Les Chants de Maldoror" 続き、その3です。

"Chants de Maldoror" 初版, 1968, Wikipedia より


前回は、

    Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant ...
    おぉ! 男の子をベッドから乱暴に引き出すのはなんと気持ち良いことか!

まで。

今回は un enfant の後に qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure と続くところまでやりたいと思います。


とりあえず、だいたいの発音を、
    qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure

    キナリヤン アンコール シュル ラ レーヴル シュペリウール


qui で始まっていますが、qui は「誰が」 など意味のの疑問詞か、関係代名詞かのどちからです。

今回の場合は、 un enfant qui n'a rien ... と続いているので関係代名詞の qui でしょう。


※ なぜ疑問詞の qui じゃなくて関係代名詞の qui と判断するかといえば、疑問詞の場合は文頭に来て、

    Qui me cherche? (私を探しているのはだれ?)

となるか、文中に組み込まれる場合は、
    Je me demande qui me cherche. (私を探しているというのはだれなんだろう。)

みたいになります。

今回は、 qui の前(左)に、qui の先行詞(=関係代名詞節が修飾する名詞)になりそうな un enfant (名詞)があるので、この qui は関係代名詞なんじゃないかと推測するわけです。


さて、関係代名詞の箇所 (=関係代名詞節) はその直前(左)にある名詞(=先行詞) を修飾するのが役割です。

図式化すると、

    un enfant ← qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure

です。

つまり、「qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure」 な 「子供 un enfant 」 です。


関係代名詞の qui は関係代名詞節の中で主語の役割をします。

なので qui のすぐあとに動詞がきて

    qui n'a rien encore ...

となっています。

a は avoir で「持っている」。

ne ... rienで「何も ... ない」。

encore は「まだ」。

なので

    qui n'a rien encore ...

    まだ何も持っていない...

となるので、

    un enfant qui n'a rien encore

で、

    まだ何も持っていない子供

となります。


続いて、
    sur la lèvre supérieure

lèvre は 「くちびる」、女性名詞。

supérieure は supérieur の女性形、いみは 「上の」。

つまり、 la lèvre supérieure で 「上のくちびる」 → 「上唇 (うわくちびる) 」 です。

前置詞 sur は、「(接触して)上に」 なので、

    sur la lèvre supérieure

    上唇(の上のところ)に

となります。

ですので、

    qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure

は、

    上唇にまだ何も持っていない

です。


そうすると、

    un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure
は、

    上唇にまだ何も持っていない子供(男の子)

つまり、

    上唇にまだ何も生えていない男の子

となるでしょう。


まとめると、

    Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure

    おぉ! まだくちびるの上に何も生えていない(くらいの年の)男の子をベッドから乱暴に引き出すのはなんと気持ち良いことか!


2014-03-16

おぉ! なんと甘美なことか! 02

On doit laisser pousser ses ongles pendant quinze jours. Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure, et, avec les yeux très ouverts, de faire semblant de passer suavement la main sur son front, en inclinant en arrière ses beaux cheveux!

ロートレアモン伯爵 (Comte de Lautréamont) の 「マルドロールの歌」 ("les Chants de Maldoror") の続き。

"Chants de Maldoror" 初版, 1968, Wikipedia より


前回は、

    Comme il est doux d'arracher ...

    引っこ抜くのはなんて心地いいんだろう!

    引き離すのはなんと甘美なことだろうか!

まででした。

arracher (引き抜く、引き離す) と言っているのですが、「何を」 引き抜くのでしょうか。

続きを見てみます。


    Comme il est doux d'arracher brutalement ...

brutalement (ブリュタルモン) は、「乱暴に、荒々しく」、あるいは 「不意に」 という副詞。


※ brutalement という形の元になっている形容詞形は brutal (ブリュタル) 「乱暴な」 「不意の」。

このように、形容詞の女性形 (brutal => brutale ) に -ment をつけると副詞になる語句は多いです。


ちょっとだけ例を見てみましょう。

形容詞女性形副詞
strict
ストゥリクトゥ
厳密な
stricte
ストゥリクトゥ
strictement
ストゥリクトゥモン
厳密に
actuel
アクチュエッル
現在の
actuelle
アクチュエッル
actuellement
アクチュエルモン
現在、目下
heureux
ウル
幸せな
heureuse
ウルーズ
heureusement
アクチュエルモン
幸せに


例文に戻ります。 arracher brutalement (乱暴に・不意に引っこ抜く) と言ってますが、まだ「何を」引っこ抜くかが出てきません。

なのでその次を見てみます。

    Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit ,,,


de son lit の発音は、「 ドゥ ソン リ 」。

lit はベッド (男性名詞) ですね。

でも 「ベッドを引っこ抜く」 と言っているわけではありません。

なぜなら son lit (彼の、彼女のベッド) の前に 前置詞の de があるからです。

前置詞のついている名詞は、動詞の直接の目的語 (直接目的語: その動詞の動作が及ぶ対象) にはなりません。

この場合でいえば、arracher の後に前置詞なしで名詞が来れば、その名詞がarracher の目的語になります。


そこで、arracher de son lit の場合の前置詞 de は 「~から」 ととって、「彼(彼女)のベッドから(...を)引き抜く、引き離す、引っぱりだす」 となるでしょう。

じつは辞書を見てみたら、

    arracher 人 de son lit

という表現は項目として載っていました。

意味は、

    ...をベッドから引っぱり出す (ロワイヤル仏和中辞典)

となっています。


では、「何を」 引き抜く・引き離すのか、といえば、すぐ後に un enfant とあるので、

    arracher brutalement de son lit un enfant

    子供をそのベッドから乱暴に引っこ抜く

    子供をそのベッドから不意に引き離す

みたいになります。


enfant は男性・女性とも同じ形の名詞ですが、un enfant と男性の不定冠詞 un がついているので、男子ということになります。

ここまでで、

    On doit laisser pousser ses ongles pendant quinze jours. Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant ...!

    2週間爪を伸ばしておけ。 おぉ!男の子をベットから不意に引っぱり出すのはなんと甘美なことだろうか!

となりますが、まだ意味不明な感じです...。

(続く...)

上級仏単語: révolu

本日の上級フランス語単語は、

révolu

発音は 「レヴォリュ」。

発音を耳で聞きたい方は、いつもの FORVO で。

「(時間が)過ぎ去った、経過した」 という意味の形容詞です。


2014-03-15

おぉ! なんと甘美なことか! 01

Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure, et, avec les yeux très ouverts, de faire semblant de passer suavement la main sur son front, en inclinant en arrière ses beaux cheveux!


- On doit laisser pousser ses ongles pendant quinze jours.

   二週間爪を伸ばしたままにしておかねばならぬ。

これ ↑ は以前扱った、ロートレアモン伯爵 (Comte de Lautréamont) の 「マルドロールの歌」 ("les Chants de Maldoror") からの一節。

"Chants de Maldoror" 初版, 1968, Wikipedia より


きょうはこの続きを見てみましょう。

On doit laisser pousser ses ongles pendant quinze jours. Oh! Comme il est doux d'arracher brutalement de son lit un enfant qui n'a rien encore sur la lèvre supérieure, et, avec les yeux très ouverts, de faire semblant de passer suavement la main sur son front, en inclinant en arrière ses beaux cheveux!

続く一文が長いです...。


_ Oh! [オォ!]

「おっ!」 です。 発音するときに英語っぽく 「おぅっ!」 とならないように、あくまでも口の形は「オ」のままです。


_ Comme [コンム]

comme は、ファッションブランドの COMME des GARÇONS のように、comme の後に名詞が続くときは、「~として」 あるいは 「~のように」 という意味の前置詞です。

また、comme のあとに 「主語+述語」 の形式、つまり “文” がくるときは 「接続詞」 で、いみは、「…が~するとき」 「…が~するので」 など。

この場合は、「 Comme 主語1+述語1, 主語2+述語2 」 という形式になり、 「…1が~1するとき、…2は~2する」、「…1が~1するので、…2は~2する」 などとなります。

つまり、「 Comme 主語1+述語1 」 は「従属節」 になります。

それにたいして、「主語2+述語2」 のほうは「主節」 となります。

例を挙げると、

    Comme il pleut aujourd'hui, je ne sors pas.

    今日は雨なので、外には出ません。

で、Comme il pleut aujourd'hui が従属節、 je ne sors pas が主節になります。


さらに三つ目の comme の用法として、

    Comme 主語+述語...!

の形で、「なんて…は~なんだろう!」 という感嘆文になります。


さて、今回の文の場合、Comme からずっとたどっていくと、最後が ses beaux cheveux! となって文末に 「 ! 」 (Point d'exclamation ポワンデクスクラマシオン) があるので、感嘆文の用法じゃないあかなと予想がつきます。


_ Comme il est doux ...!

  [コム イレドゥ]

doux は 「甘い、心地よい」 などの意味の形容詞。 英語の sweet 。

そうすると、感嘆文だとして 「なんて心地よいのか!」 となります。

ところで il es doux の il が指しているのは何でしょうか?


_ Comme il est doux d'arracher ... !

  [コム イレドゥ ダラシェ]

arracher は「引き抜く、はぎ取る」 とかいう意味の動詞です。

そうすると il est doux d'arracher の il は非人称主語ととれます。


   「引っこ抜くのはなんて心地いいんだろう!」


何を「引き抜く」 と 「心地いい」んでしょうか?

(続く...)

2014-03-13

肉体は悲しい、あぁ! それに本は全部読んでしまった。

[フランス語初級]

La chair est triste, hélas ! et j’ai lu tous les livres.

( Stéphane Mallarmé, "Brise Marine")


マラルメの詩、Brise Marine の二回目。

詩のタイトルの brise (ブリーズ) は 「微風、そよ風」 (女性名詞)。

marine (マリーン) は形容詞 marin (マラン)の女性形。

marin は「海の」。

なので、brise marine で 「海風」。


では、今日の分、まず発音から。

    et j’ai lu tous les livres.

    エ ジェリュ トゥレリーヴル

et はとりあえず 「そして」。

j'ai lu の lu は動詞 lire (リール) 「読む」 の過去分詞ですので、j'ai lu は複合過去形、「私は読んだ、読み終えた」。

tous les livres 、「すべての本を」。

    et j’ai lu tous les livres.

   そして私はすべての本を読んだ。


全体では、

    La chair est triste, hélas ! et j’ai lu tous les livres.

    肉体は悲しい、あぁ! それに本は全部読んでしまった。

あるいは、

    肉体なんてつまらない、ちぇっ! 本にしたってみんな読んじゃったし。

っていう感じでしょうか。



◆ マラルメの詩の翻訳は手に入りにくいようです。

いちおう岩波文庫版 とかがあります。




2014-03-12

上級仏単語: incarner

今日の上級仏単語は incarner (アンカルネ)。


-er で終わっているので動詞です。

* -er で終わっていても動詞じゃないこともあります。


意味は、「体現する、具現する」 です。



2014-03-11

肉は悲し

[フランス語初級]

今日は次の文の前半を見てみましょう。

La chair est triste, hélas ! et j’ai lu tous les livres.

( Stéphane Mallarmé, "Brise Marine")


ステファヌ・マラルメという19世紀の有名な詩人の有名な詩の冒頭の一節です。

とりあえず、だいたいの発音を。

    La chair est triste,

    ラ シェール エ トゥリスト

    hélas !

    エラァス

    et j’ai lu tous les livres.

    エジェリュ トゥレリーヴル


chair は「肉」(女性名詞)[英語だと chair で「椅子」ですが]、triste は形容詞で 「悲しい」なので、

    La chair est triste

は、

    肉は悲しい

となりますが、「肉」が「悲しい」とはどういうことなのか、「悲しい肉」とはどんな肉か?


もう一度 chair を辞書で引くと「肉体」とも出ているので、

    肉体は悲しい

と訳すとさっきよりはなんか分かったような気になります。

「悲しい肉体」というのはありそうです。


さらにもっとよく辞書を見ると、chair の訳語として

    肉欲

と出てました。

    肉欲は悲しい

ならよくわかります。


次の hélas は 「 ああ 」という悲しみ、嘆き、ため息を表す「間投詞」です。

なので、

    La chair est triste, hélas !

までで、

    肉(肉体、肉欲)は悲しい、ああ!

となります。




2014-03-08

この本が明らかにしているのは 5

[フランス語中級]

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde, pour la distribution et la redistribution des colonies, des "zones d'influence" du capital financier, etc.

[ Lénine, Préface de "L'impérialisme, stade suprême du capitalisme" ]

1925年 フランス語版 表紙 (Wikipedia)


「この本が明らかにしているのは 4」 の続き、やっと終わります。

前回はこの文の最後の固まり、 des "zones d'influence" du capital financier, etc の前までやりました。

  Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde, pour la distribution et la redistribution des colonies

  この本が明らかにするのは、1914-1918年の戦争がどちらの陣営から見ても帝国主義戦争であり ( つまり征服と略奪と強奪の戦争であり ) 、世界の分割のための戦争、 植民地の分配と再分配のための戦争だったということである。


ではこの文の最後の、 des "zones d'influence" du capital financier, etc を見ていきましょう。


発音:

    des "zones d'influence"

    デゾーヌ ダンフリュアンス

    du capital financier,

    デュ カピタール フィナンシエ

    etc

    エトセテラ


des "zones d'influence" の des ですが、des には二つの可能性があります。

ひとつは不定冠詞の複数形の des。

もうひとつは、前置詞の de と定冠詞の複数形 les が合体したもの(縮約形)。


des "zones d'influence" の des はどちらでしょうか。

直前に la redistribution des colonies があるので、この des colonies と同じ資格(同格)だと考えてはどうでしょう。

つまり、

    pour la distribution et la redistribution
        des colonies,
        des "zones d'influence" du capital financier, etc.

という関係です。

前回確認したように、 des colonies の des は前置詞 de と定冠詞 les なので、 des "zones d'influence" の des も同じように考えます。


単語の意味を確認しておくと、

    zone  地帯、地域 (女性名詞)
    influence  影響、勢力 (女性名詞)
    capital  資本、財産 (男性名詞)
    financier  財政の、金融の (形容詞)
    etc.  その他、等々


私の持っている古い 『クラウン仏和辞典』 を引いたら influence の項目に、「 zone d'influence des États-Unis 米国の勢力範囲」 というぴったしの用例が載っていました。

ですので、zone d'influence は 「勢力範囲」

capital financier は 「金融資本」 でよいでしょう。 英語だと finance capital (ファイナンス キャピタル) となるようです。

ですので、les "zones d'influence" du capital financier で、「金融資本の 『勢力範囲』」 です。

内容的にいって、この、「金融資本の 『勢力範囲』」 ( "zones d'influence" du capital financier ) は、直前の 「植民地」 ( colonies ) を言い換えている、colonies の説明をしていると考えられます。


そこで、

    pour la distribution et la redistribution
        des colonies,
        des "zones d'influence" du capital financier, etc.

を、

    植民地 ― すなわち金融資本等の「勢力範囲」 ― の分配と再分配のための

と解釈しましょう。


全文を挙げてまとめます。

  Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde, pour la distribution et la redistribution des colonies, des "zones d'influence" du capital financier, etc.

  この書が明らかにするのは、1914-1918年の戦争がどちらの陣営から見ても帝国主義戦争であり ( つまり征服と略奪と強奪の戦争であり ) 、世界の分割のための戦争、 植民地 ― すなわち金融資本等の「勢力範囲」 ― の分配と再分配のための戦争だったということである。


◆ 書名: Lénine, Préface de "L'impérialisme, stade suprême du capitalisme"

ここまで見てきたのは、ロシアの革命家レーニン (1870-1924) の本 『帝国主義論』 のフランス語訳の序文です。

préface (プレファッス) は女性名詞で 「序文、前書き」 です。

impérialisme (アンペリアリスム) は 「帝国主義」。

-isme で終わる名詞は男性名詞で、「~主義」 という意味になります。

たとえば、「マルクス主義」 は marxisme (マルクシスム) です。

stade (スタァッド) は 「段階」、男性名詞。 「競技場」 という意味もあります。

suprême (シュプレーム) は形容詞、「最高の、最後の」。

capitalisme (キャピタリスム) は -isme で終わっているので男性名詞、「資本主義」 ですね。


ですので、この書名 "L'impérialisme, stade suprême du capitalisme" は、

    『資本主義の最終段階としての帝国主義』

みたいな感じです。

stade suprême du capitalisme は直前の L'impérialisme の言い換え (説明、同格) です。

stade には冠詞がついてないですね。

このように、同格に置かれる名詞は冠詞が省かれることがあります。


2014-03-06

上級仏単語: velléité


やる気はあるけど結局やらないみたいなことはよくあります。

「勉強する気はあるんだけどさ...」 みたいなやつ。

そんな中途半場なやる気、実際の行動まではいかない気持ち、「~しようという気持ち」 を表すのが今回の

    velléité

という単語です。

発音は 「ヴェレイテ」、 女性名詞です。


* このブログ(「フランス語を学ぶ人」) も毎日更新する ヴェレイテ はあるのですが...。


2014-03-04

巷のフランス語: プランタン銀座と四季の呼び名

(巷のフランス語 / フランス語初級)

巷(ちまた)のフランス語、港(みなと)のフランス語ではありません。


東京の銀座三丁目に、プランタン銀座というデパートがあります。

 プランタン銀座
※ プランタン銀座 (Wikipediaより)


調べてみると1984年4月の開業です。

私の学生時代まっただ中で、当時はおしゃれの代名詞にもなってたと思います。

おしゃれに憧れてたけど、決しておしゃれじゃなかった(おしゃれになれなかった)学生でした。


このデパートの元になっているのが、フランスのパリにある老舗(しにせ)デパート Printemps (プランタン) です。

printemps は 「春」(男性名詞) なので、デパートの Printemps は 「春屋百貨店」 でしょうか。

printemps の後半の temps は 「時」 という単語ですね。

前半の prin- はもともと 「最初の」 という意味の言葉から来ているらしいです。

ですので、 prin-temps で 「最初の時」。

その年の最初の頃が 「春」 ということでしょう。


ついでに、夏、秋、冬も確認しておきましょう。

夏は?

    été (エテ / 男性名詞)

été は、基本動詞 être の過去分詞と同じ綴りです。


秋。 英語の autumn (オータム) と綴りが似てるけど違うのでややこしい。

    automne (オトンヌ / 男性名詞)

綴りに入っている -m- は発音しません。


そして、冬は?

    hiver (イヴェール / 男性名詞)。

※ h は「無音のh」です。


それぞれ、「春に」 「夏に」 「秋に」 「冬に」 というときは、

    au printemps   (オ プランタン)
 
    en été            (オンネテ)

    en automne     (オンノトンヌ)

    en hiver          (オニヴェール)

でした。


あの娘はぼくの両目のまぶたに立っている




Elle est debout sur mes paupières

[ Paul Éluard, "L'amoureuse" ]



(フランス語初級 )

20世紀前半の詩人、ポール・エリュアールの "L'amoureuse" (ラムルーズ / 愛する女[ひと])という詩の冒頭の一節です。

発音は、

    Elle est debout  エレ ドゥブ

    sur mes paupières  シュル メ ポピエール

というかんじです。


debout は 「立った状態で、立って」 という副詞 です。

ですので、 Elle est debout で、「彼女は立っている」 です。


この 「彼女 Elle 」 は、この詩のタイトルの L'amoureuse でしょう。

amoureuse は amoureux の女性形です。

amoureux は 「恋をしている」 という形容詞ですが、名詞として使われると 「恋人」 となります。

この詩のタイトルは L'amoureuse なので女性です。

なのでタイトルを 「ぼくの恋人」 とするとどうでしょうか。訳し過ぎかな。


さて、Elle est debout の後に sur mes paupières と続きます。

sur は 「~の上に、~に接して」 のいみの前置詞。

mes は所有形容詞 mon (私の) の複数形。

   ※ 所有形容詞については 「不幸が俺の神だった」 で少し書いています。


paupière は 「まぶた」 (女性名詞)。

sur mes paupières と paupière が複数形になっているので 「ぼくの(両)まぶたの上に」 という感じ。


そうすると、

    Elle est debout sur mes paupières.

    彼女はぼくの両まぶたの上に立っている。

となりますが、どんなイメージなんでしょう。


両目を閉じてゆっくり考えてみましょう。


原文は 「Eluard, Elle est debout sur mes paupières」 などで検索すると見つかります。

翻訳は書店では手に入らないと思うので、図書館へ行きましょう。


2014-03-03

上級仏単語: incarcérer

今日の単語: incarcérer

発音は、「アンカルセレ」。

意味は、「投獄する」。


2014-03-02

参考書 『フランス語ライブ教室』

フランス語の参考書は英語みたいにむちゃくちゃたくさんあるわけではないですが、それでもかなりの数が出ています。

今日はじっくり読める読み物としての文法参考書を紹介します。

『 フランス語ライブ教室―「発信」できるフランス文法参考書』 (宇田川博 / 駿河台出版社 / 2,625円) です。

 フランス語ライブ教室


出版されたのは 1996年ですが、フランス語の文法はこの20年間基本的にというか全然変わっていないので内容は古臭くありません。

というより、教室で上質の講義を聞いているような、かんで含めるような解説が新鮮に感じられると思います。


たとえば、疑問文の三つの形式、

   Tu es content?
   Est-ce que tu es content?
   Es-tu content?

を紹介する場合も、たんに三つの形式だけを紹介するのではなく、それらの細かなニュアンスの違いが述べられていたり (本書 63ページ)、

(このブログの前の記事 「それで、きみは満足かね?」 でも、ちょうど疑問文の三つの形式を形式だけで紹介していますが...。)


また、はじめて半過去形を習ったときに、 「半分の過去ってどういうこと?」 と思った人も多いと思いますが(私もその一人です)、半過去の 「半」 ってどういう意味なのかちゃんと書いてあります (本書 222ページ以降)!


この参考書で、じっくり考えながら文法を学びましょう。

まったくのフランス語初心者ではなく、少し文法がわかってきた(わからなくなってきた) 初級終了段階の人におすすめします。

また、中級の方も読めば目からウロコ(が落ちる)です!

私も今でも時々読み返しては「なるほどぉ~」 と関心しています。


彼は彼女が言うことを聞いていない

[フランス語初級]

Il ne l'écoute pas ; ne la voit plus.

[ Mauriac, "Thérèse Desqueyroux" ]


フランソワ・モーリヤックの『テレーズ・デスケルー』 からの引用第二弾です。

→ 一回目


まずは発音の確認をしましょう。

    Il ne                 イルヌ
    l'écoute pas ;     レクトゥパ
    ne la voit plus.   ヌラヴォワ プリュ


écoute は動詞 écouter の、voit は動詞 voir の「直説法現在 三人称単数形」です。

「三人称」 とは何かというと、この世のもののうち「私(たち)」(je, nous)が一人称、私の目の前にいる「あなた(たち)」(tu, vous)が二人称、それ以外が三人称となります。

il (ils) や elle (elles) も三人称です。


さて、最初の Il ne l'écoute pas ですが、 l'écoute の l' は le なのか、la なのか知る必要があります。

答えは次の ne la voit plus で予想できます。

Il ne l'écoute pas ; ne la voit plus. と続いているので、 l'écoute の l' と、la voit の la は同じもの (同じ人称代名詞) だと予想してよいでしょう。

そうすると Il ne l'écoute pas で「彼は彼女の言うことを聞いていない」 となります。


引用箇所の前後を読むとわかりますが、 ここでの「彼女」は主人公のテレーズで、「彼」はテレーズの父親です。 ( → 原文 )


次の ne la voit plus ですが、ne ... plus は「もはや〜ない」という否定の表現なので、

    (彼は)もはや彼女を見ていない

となります。

全体では、

    Il ne l'écoute pas ; ne la voit plus.

    彼は彼女の話を聞いていない、もはや彼女を見てもいない。

とか、

   父はテレーズの話を聞いてはいないし、もう彼女のほうを見てさえいない。

となるでしょう。


◆ écouter と voir の活用

écouter と voir は基本中の基本単語です。

それぞれの現在形 (直説法現在形) の活用を確認しておきましょう。

    j'écoute         ジェクットゥ
    tu écoutes     テュ エクットゥ
    il écoute        イレクットゥ
    nous écoutons    ヌゼクトン
    vous écoutez     ヴゼクテ
    ils écoutent       イルゼクットゥ

    je vois             ジュ ヴォワ
    tu vois            テュ ヴォア
    il voit              イル ヴァア
    nous voyons     ヌヴァイヨン
    vous voyez      ヴヴォィエ
    ils voient         イルヴォワ


2014-03-01

上級仏単語 : rêne

上級仏単語


今日の単語は: rêne  [レーヌ]

品詞は: 女性名詞

意味は: 手綱 (たづな)

です。



2014-02-28

それで、きみは満足かね?

(フランス語初級)


Alors, tu es contente ?

[ Francois Mauriac (1885-1970), "Thérèse Desqueyroux", 1927 ]

20世紀の作家、フランソワ・モーリヤックの『テレーズ・デスケルー』という小説から。

発音ですが、疑問文なので最後を上がり調子に読みましょう。

Alors,
アロール
tu es contente ?
テュ エ コンタントゥ

alorsは「それじゃ、それで」みたいな感じで、会話のきっかけを与えています。

contente は形容詞 content の女性形で (ということは、 主語の tu は女性ですね ) 、意味は 「満足した、うれしい」 などでした。

ですので、

    Tu es contente.

で 「きみは(あなたは) 満足している、うれしい」 となり、今回はこれが疑問形

    Tu es contente ?

なので、「きみは満足かね?」 「うれしいかい?」 となります。

全文の

    Alors, tu es contente ?

だと、「 それで、君は満足なのかね?」 っていう感じでしょうか。


◆  フランス語の疑問形の作り方は大きく分けると三つあって、今回の場合はそのうちの一つ、肯定文(疑問や否定ではない文) の最後に 「 ?」 を付けるというやり方です。

他には、 文頭に Est-ce que (エスク) を付けるやり方、

    Est-ce que tu es contente?

主語と動詞を倒置する方法、

    Es-tu contente?

がありました。


◆ 『テレーズ・デスケルー』 は、 地方の閉じ込められた暮らしの倦怠から、夫を毒殺しようとした女の話。

翻訳は作家 遠藤周作の訳で 『テレーズ・デスケルウ』 (講談社文芸文庫) など。




映画化もされていますが、日本語字幕のものはないようです。

フランス語版の DVD は "Thérèse Desqueyroux" (amazon.fr) で。

フランス語原文は Association @lyon というサイトにあります。


2014-02-27

この本が明らかにしているのは 4

[フランス語中級]

「この本が明らかにしているのは 3」 (レーニンの 『帝国主義論』 序文) の続きです。

(なかなか終わりません...。)


原文:

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde, pour la distribution et la redistribution des colonies, des "zones d'influence" du capital financier, etc.

[ Lénine, Préface de "L'impérialisme, stade suprême du capitalisme" ]

1925年 フランス語版 表紙 (Wikipedia)


前回は、

    Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde, ...

    この書が明らかにしているのは、1914年から1918年の戦争が両陣営ともに帝国主義戦争であり( つまり征服と略奪と強奪の戦争であり )、世界の分割のための戦争だったということである。

までやりました。

今回はこの文の最後の une guerre pour le partage du monde の後に、 pour la distribution et la redistribution des colonies と続く箇所を扱います。


発音は、

    pour la distribution
    プール ラ ディストリビュション

    et la redistribution
    エ ラ ルディストリビュション

    des colonies
    デ コロニ

です。


この pour 以下の箇所は、直前の pour le partage du monde と同じパターン (同格) だと予想できます。


図式化すると、

    la guerre de 1914-1918 a été
        une guerre impérialiste
            ( ... )
        une guerre
            pour le partage du monde,
            pour la distribution et la redistribution des colonies,

という感じでしょうか。


pour la distribution et la redistribution des colonies の、 distribution は 「配分、分配」 で、redistribution は 「再配分、再分配」 です。

* redistribution の re- は 「再」 という意味を持っています。

colonie は 女性名詞で 「植民地」 です。

ですので、 la distribution et la redistribution des colonies で、「植民地の分配と再分配」 となります。


ではさきほどの骨格図に沿って日本語を入れて行きましょう。

    la guerre de 1914-1918 a été
    1914-1918の戦争は...だった
        une guerre impérialiste
        帝国主義戦争
            ( ... )
        une guerre
        戦争
            pour le partage du monde,
            世界の分割のための
            pour la distribution et la redistribution des colonies,
            植民地の分配と再分配のための

これをつなげて訳してみましょう。

    1914-1918の戦争は 帝国主義戦争 であり、世界の分割のための、 植民地の分配と再分配のための戦争だった。


では、省略した箇所も入れて訳しましょう。

    Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde, pour la distribution et la redistribution des colonies,

この本が明らかにするのは、1914-1918年の戦争がどちらの陣営から見ても帝国主義戦争であり ( つまり征服と略奪と強奪の戦争であり ) 、世界の分割のための戦争、 植民地の分配と再分配のための戦争だったということである。


2014-02-26

上級仏単語: patrimoine

今日の単語は、

    patrimoine

    パトゥリモワーヌ

男性名詞。

意味は、

    世襲財産、遺産

です。



2014-02-25

この本が明らかにしているのは 3

[フランス語中級]

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde, pour la distribution et la redistribution des colonies, des "zones d'influence" du capital financier, etc.

[Lénine, Préface de "L'impérialisme, stade suprême du capitalisme" ]

1925年 フランス語版 表紙 (Wikipedia)


レーニンの 『帝国主義論』 序文、 前回、前々回からの続きです。


前回は、

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage) ...

「この書は、1914年から1918年の戦争が、両陣営ともに帝国主義戦争だったこと( すなわち、征服と、略奪と、強奪の戦争だったこと )を明らかにしている。」

というところまででした。


さらに文は続きます。

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde,  ...

丸括弧が閉じた後のカンマの後にまた une guerre ... が出てきました。

こういう場合、最初に出てきた表現の言い換え、言い直し、追加説明などのパターンが考えられます。

丸括弧の部分などを省いて骨格だけ取り出してみると、

    la guerre de 1914-1918 a été
        une guerre impérialiste,
        une guerre pour le partage du monde

となります。

つまり、 une guerre impérialiste (帝国主義戦争)を、 une guerre pour le partage du monde と言い替えていることになります。


発音は、

    une guerre pour le partage du monde
    ユヌゲール プール ル パルタージュ デュ モーンドゥ

partage は定冠詞 le がついていることからもわかるように男性名詞で、意味は「分割」。

すると une guerre pour le partage du monde は「世界の分割のための戦争」となります。

ここでの前置詞 pour は目的を表しています。

pour が「目的」を表していることをはっきりさせるように言うと、 「世界の分割を目的とした戦争」となります。


このかたちで訳すと

    la guerre de 1914-1918 a été
       une guerre impérialiste,
       une guerre pour le partage du monde

    1914年から1918年の戦争は
       帝国主義戦争であり、
       世界の分割のための戦争
    だった

という感じです。


さらに括弧の箇所も入れて骨格図にすると、

    la guerre de 1914-1918 a été
        une guerre impérialiste
             (c'est-à-dire une guerre
                  de conquête,
                  de pillage,
                  de brigandage ),
        une guerre pour le partage du monde


となり、図に対応させて訳すと

    1914年から1918年の戦争は...だった
        帝国主義戦争
           ( つまり戦争
                  征服の
                  略奪の
                  強奪の )
        世界の分割のための戦争


となりますが、これではなんだかよくわからないので、もうちょっと日本語寄りの図にしてみます。

    1914年から1918年の戦争は
        帝国主義戦争であり
           ( つまり
                   征服と
                   略奪と
                   強奪の
               戦争であり )
        世界の分割のための戦争
   だった



では、ここまでの全体を訳して確認しておきましょう。

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde ...

「この書が明らかにしているのは、1914年から1918年の戦争が両陣営ともに帝国主義戦争であり( つまり征服と略奪と強奪の戦争であり )、世界の分割のための戦争だったということである。」


■ リンク
  → 前回の記事 「この本が明らかにしているのは 2」
  → 前々回の記事 「この本が明らかにしているのは 1」


■ 翻訳

前々回は、光文社古典新訳文庫の翻訳を紹介しましたが、今回は岩波文庫版です。

・ 『帝国主義―資本主義の最高の段階としての』








2014-02-23

上級仏単語 : à huis clos

今日の上級仏単語は熟語表現です。

    à huis clos

à huis clos 非公開で

発音は、「 ア ユィ クロ」 。

フランス人による発音は、いつもの FORVO で確認できます。

huis は、同じ 「ユィ」 という発音で一字違いの huit がありますが、こちらは数字の 8ですね。


à huis clos の意味は、「扉を閉めた状態で」 「非公開で」 です。


huis はもともと 「(家の) 戸口 ・ 扉 」 (男性名詞) という意味ですが、単独で使われることはなく、いつも huis clos という形になります。

clos は clore (閉じる)[クロール] という動詞の過去分詞ですので、「閉じた (閉じられた)」 「閉まった」 です。

なので、 huis clos を直訳すれば 「閉じた扉」 になりますが、実際には huis clos だけだと 「傍聴禁止」 という意味で使われます。

それに前置詞 à がついて à huis clos で、 「扉を閉ざして」 「非公開で」 になります。



◆ サルトルの 「出口なし」

昔 ジャン=ポール・サルトル ( Jean-Paul Sartre ) という有名なフランスの文学者・哲学者がいました (1905-1980)。

その人の戯曲に "Huis clos" というのがあります。


翻訳では 「出口なし」 というタイトルになっています。

つまり huis clos を 「接見禁止」 という訳ではなく、もともとの意味の 「閉ざされた扉」 という意味で訳しているわけです。


その戯曲のなかでとても有名になった言葉があります。

    L'enfer, c'est les Autres.

    地獄っていうのは、他人たちのことなんだな。

です。 ちょっとこわいですね。



※ 蛇足ですが、サルトルの生没年を覚える語呂合わせがあります。

    重苦負いつ、行く我。

    (じゅうく[19] おいつ[05]、 いく [19] われ [80])


たしか 『ジョーク哲学史』 ( 加藤尚武 ) という本に載っていたような気がします。

いざというときに役立てましょう!


※  『ジョーク哲学史』 も 「出口なし」 も手に入りにくいようです。 図書館で探してみてください。



2014-02-22

不幸が俺の神だった

[フランス語初級]

Le malheur  a été mon Dieu.

[Arthur Rimbaud, "Une saison en enfer", 1873]


今回もアルチュール・ランボーの『地獄の季節』から。

この文は A = B型のシンプルな文ですね。


とりあえず発音を確認しておきましょう。

    Le malheur    ル マルール
    a été                ア エテ
    mon Dieu.      モンディゥ


では、単語の意味を確認しながら文を見ていきましょう。

malheur は男性名詞(定冠詞の le がついていることからもわかります)で、「不幸、災い」といった意味。

a は動詞 avoir が活用したものですね( avoir の直説法現在、三人称単数形 )。

次の été は「夏」でしょうか。

ではなくて、ここでは動詞 être の過去分詞です。

つまり [ avoir + 過去分詞 ] で複合過去形になっています。

現在形にすると 、 a été が est になるので、

    Le malheur est mon Dieu.

となります。


mon は文法用語でいうと 「所有形容詞」で、「私の」 という意味。

Dieu は「神」です。

直前の所有形容詞の mon は男性名詞の単数形につくときの形( 女性名詞の単数形につくときは ma [マ] )なので、Dieu (神) は男性名詞です。

さきほどの現在形にした文、

    Le malheur est mon Dieu.

は、「不幸は私の神である」 ということになります。


で、もとの文は、

    Le malheur  a été mon Dieu.

という過去形 (複合過去形) の文なので、 意味は、

    不幸は私の神でした。

みたいになりますが、「地獄の季節」 は詩なので、それっぽく訳して、

    不幸は俺の神だった。

でどうでしょう。


◆ 所有形容詞

英語でいうと my, your, his, her, our, their などに該当するのが、 mon, ton, son, notre, votre, leur  などの所有形容詞です。

なぜ 「所有形容詞」 というかといえば、「私の」 とか 「あなたの」 とか、「彼の」 とかの意味なので、つまり、「だれだれの」 ということなので、「所有」 の概念・意味を持っていることと、

「だれだれの」 のあとには、そのだれかの 「もの」 となる名詞が付きます。 名詞を修飾するのは 「形容詞」 なので、 「だれだれの」 を表す mon, ton, son, notre, votre は 「所有」 の意味を持った 「形容詞」 ということになります。


[練習]

* フランス語に直せ。

    「不幸はあいつの(彼の)神だった。」

    → Le malheur  a été son Dieu.


※ ランボーの 「地獄の季節」 の翻訳についての情報は、投稿 「俺は逃げた。」 をご覧ください。

※ 原文は、Wikisource にあります。


屋根裏部屋へと通じる木の階段は

フランス語中級

L'escalier de bois qui menait au grenier était très raide.

(Guillaume Apollinaire, "Les Exploits d'un jeune Don Juan", 1911)
  

「ミラボー橋の下 セーヌは流れる」 で有名な ギョーム・アポリネール の小説から。


この文には動詞が 2個出てきます。

menait と était です。

どちらが文の中心となる動詞(文の骨格を作る動詞)でしょうか。

(両方ともそうだ、という可能性もあります。)

menait は qui の後に続いています。 qui はここでは関係代名詞です。

関係代名詞の箇所(関係代名詞節)は、文全体の中心にはなりません。

なぜならば関係代名詞の箇所(関係代名詞節)は、その直前にある名詞を修飾するための箇所なので (その名詞に従属している立場なので)、 文の骨格にはなれないからです。

したがって関係代名詞の箇所を省いてしまっても、その文は文として成立します。


今回の場合、関係代名詞の箇所(関係代名詞節) は、

    qui menait au grenier

の箇所なので、ここを省いた文にすると、

    L'escalier de bois (....) était très raide.
    レスカリエ ドゥ ボワ (...) エテ トゥレ レッドゥ

になります。


主語の部分(主部)は L'escalier de bois で、

escalier (エスカリェ)は男性名詞で「階段」、bois 男性名詞で「木、材木」。

( bois には「森、林」という意味もありますが、ここではこの意味は適しません。)

ですので L'escalier de bois で「木製の階段」 となります。

de bois の前置詞 de は「材質、素材」を表しています。 「材質が木の階段」「木でできた階段」です。

était は動詞 être の直説法半過去形、意味はここでは 「~だった」。

raide は 「(傾斜の)急な、険しい」

したがって L'escalier de bois (....) était très raide. の意味は、「木の階段はとても急だった。」となります。


では、関係代名詞 の箇所 (関係代名詞節)を復活させて考えましょう。

L'escalier de bois ( qui menait au grenier ) était très raide.

発音は、

    qui menait au grenier

    キムネ オ グルニェ

動詞 menait の不定詞(原形)は mener (ムネ)で、通路や道がどこかに 「つながっている、通じる、至る」ことを表します。

「(どこか)に通じる」 の 「〜に」 の部分は、前置詞の à を使います。

ここでは au grenier へと続きます。

(au は前置詞 à と定冠詞 le が合体したもの。)

grenier は定冠詞 le がついているので男性名詞です。

意味は 「屋根裏部屋」。

menait au grenier で 「屋根裏部屋へと通じていた」 という感じです。


では、「何が」 屋根裏部屋へ通じているのでしょうか。

つまり、動詞 menait の主語は?

それが qui menait ... の関係代名詞 qui になります。

qui は、qui の後に続く動詞の主語であり、同時に関係代名詞の箇所 (関係代名詞節) を直前の名詞に結びつけ、その名詞を修飾する役割をします。

この文の場合は qui が修飾している名詞は(すぐ左の bois )ではなく、 L'escalier になります。

(なぜ bois じゃないかというと意味から考えればそうなると思います。)


なので、

    L'escalier ... qui menait au grenier

で、

    階段 ← 屋根裏部屋に通じた

の関係になるので、訳すと、

    「屋根裏部屋に通じている階段」

となるわけです。


全体では、

    L'escalier de bois qui menait au grenier était très raide.

   屋根裏部屋へと通じる木の階段はとても(勾配が)急だった。

という感じです。


◆ 作品情報

Guillaume Apollinaire (ギョーム・アポリネール / 1880-1918 ) は詩人・小説家。

"Les Exploits d'un jeune Don Juan" (レゼクスプロワ ダン ジュン ドン ジュアン) は彼のポルノチックな小説作品。

exploit は「快挙、偉業」 といった意味で、この場合はさまざまな女性と関係を持ったという意味を含んでいます。

そのまま訳せば 「若いドン・ジュアンの快挙」 でしょうか。

邦訳は  『若きドン・ジュアンの冒険』  や 『若きドン・ジュアンの手柄ばなし』 というタイトルなどで出ていましたが、現在は手に入りにくいようです。

原文は Wikisource のページで手に入ります。



2014-02-20

上級仏単語: dégringolade

今日も上級フランス語単語。

今日は、

    dégringolade

    デグランゴラードゥ

なんか、おかしな雰囲気の単語です。

フランス人による発音を FORVOで確認できます。


意味は、

     転落、墜落、没落、暴落

などで、悪い意味で(急に)落ちていく感じ、転げ落ちる感じです。


2014-02-18

上級仏単語: cohue

本日の上級フランス語単語は、

  cohue

発音は 「コユ」。

意味は、「人混み、雑踏、群衆」 (女性名詞)。

似た単語でより一般的に使われるのが、 foule (フッル / 女性名詞)。

foule の意味も cohue と同じです。 つまり 「人混み」 「雑踏」 「群衆」 とかです。


2014-02-16

俺は逃げた。

[フランス語初級]

Je me suis enfui.

[Arthur Rimbaud, "Une saison en enfer", 1873]


これまでにも数回出てきた、アルチュール・ランボー 『地獄の一季節』 からです。

まずは、だいたいの発音です。

   Je me suis enfui.
   ジュムスュィ ザンフュィ

suis の最後の -s と、次の動詞 enfui の en- をリエゾンさせて  「ザンフュィ」 と読みましょう。

その、me suis enfui の箇所ですが、ここは代名動詞の複合過去形になっています。

me suis enfui の不定詞 (原形) は s'enfuir (サンフュィール) で、「逃げる、逃げ去る」 という意味です。

この s'enfuir という代名動詞から、人称代名詞 se を取り去ると enfuir が残りますが、enfuir 単体で利用されることはありません。

enfuir はいつも代名動詞 s'enfuir としてしか使われません。

こういう代名動詞を 「本質的代名動詞」 と言ったりします。

他には se souvenir (「 [de を] 思い出す 」)なども本質的代名動詞です。

* 代名動詞の分類はふつう、「再帰的」 「相互的」 「受動的」 「本質的」 の四つあります。


さて、代名動詞の複合過去形は助動詞に avoir ではなく être を使います。

なので、

   × Je m'ai enfui. 

ではなく、

   ○ Je me suis enfui.

となります。

さらに、本質的代名動詞の複合過去形の過去分詞 (この場合 enfui ) は、主語に性数一致します。

つまり、主語が複数なら -s が、主語が女性名詞なら -e がつきます。

この文の場合、もし主語の Je が女性なら、

   Je me suis enfuie.

となるわけです。

「彼らは逃げた」 なら、

   Ils sont enfuis. (イルソン タンフュィ)

「彼女たちは逃げた」 なら

   Elles sont enfuies. (エルソン タンフュィ)

ですね。


代名動詞の複合過去形については、「奇妙な出来事がオランで起こった」 という記事でも触れていますので参考にしてください。

他にも、Webで 「フランス語 代名動詞 複合過去」 とかで検索すればいろんな人がたくさん解説してくれています! 


◇ 訳例

Je me suis enfui.

俺は逃げた。


◇ 翻訳

"Une saison en enfer" は、『地獄の季節』 という題名でいくつかの翻訳が出ています。

とくに 小林秀雄という人の訳 (岩波文庫) が有名です。




また、ランボーのフランス語原文の息づかいに忠実に、注釈付きで訳したものとして、( あのクイズダービーの迷回答で有名な ) 篠沢秀夫さんの 『地獄での一季節』 (大修館書店 / 3,675円) があります。

 


上級仏単語: promulguer

フランス語の新聞や批評文などを読むときによく出てくる (と思われる) 単語をチェック!

今日の単語は、

   promulguer

品詞は動詞です。

発音は 「プロミュルゲ」 。

意味は、「(法律を) 発布・公布する」 となります。


2014-02-15

上級仏単語: cumul

今日の上級仏単語は cumul です。

発音は 「キュミュル」、品詞は男性名詞、意味は 「兼任、兼務」 。


この本が明らかにしているのは 2

フランス語中級

レーニンの 『帝国主義論』 序文の続きです。

1925年 フランス語版 表紙 (Wikipedia)


→ 前回の記事 「この本が明らかにしているのは 1」

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde, pour la distribution et la redistribution des colonies, des "zones d'influence" du capital financier, etc.

[ Lénine, Préface de "L'impérialisme, stade suprême du capitalisme" ]


前回は、丸括弧の部分の前までやりました。

・ Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste

・ この書は、1914年から1918年の戦争が、両陣営ともに帝国主義戦争だったことを、明らかにしている。


今回は、une guerre impérialiste のあとの丸括弧で括られた箇所を見てみます。

( c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage )

とりあえずだいたいの発音を確認。

c'est-à-dire
セタディール
une guerre de conquête,
ユヌゲール ドゥ コンケート
de pillage,
ドゥ ピヤージュ
de brigandage
ドゥ ブリガンダージュ

c'est-à-dire は「言いかえれば、すなわち」。

guerre は女性名詞で「戦争」。

une guerre のあとに de に続く表現が同じパターンで三つ続いています。

une guerre
   de conquête,
   de pillage,
   de brigandage

この3パターンはいずれも une guerre (戦争)を修飾していると考えられます。

  conquête は女性名詞で 「征服」。

  pillage は男性名詞で 「略奪」。

  brigandage は女性名詞で 「強盗 、強奪」。

なので、「征服の、略奪の、強奪の戦争」 などとなります。

そうするとここまでで、

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage) ...

「この書は、1914年から1918年の戦争が、両陣営ともに帝国主義戦争だったこと( すなわち、征服と、略奪と、強奪の戦争だったこと )を明らかにしている。」

です。


■ リンク




上級仏単語: lucratif

上級仏単語はフランス語の新聞を読むための単語集(のつもり)です。

今日の単語は、

  lucratif

です。

発音は

  リュクラティ~フ

意味は、

  「金のもうかる、営利の」

で、品詞は形容詞。

ネット上の仏仏辞典で見てみたら、 「お金をもたらす」 もののこと、って出ていました。


2014-02-08

上級仏単語: saccager

雪がすごいです...。

今日の上級仏単語は saccager 。

発音はすなおに [サカジェ]。

最後が -er で終わってるので動詞っぽいですね。

そうです、動詞です。

※ でも、最後が -er でも動詞じゃないのもあります。


意味は 「略奪する、荒らす」 です。


覚え方は、「略奪したやつを探せ~(さがじぇ~)!」 ではどうでしょう...か?

ダメ...?


2014-02-06

心で見ないとちゃんと見えない

On ne voit bien qu'avec le coeur. L'essentiel est invisible pour les yeux.

[ Antoine de Saint-Exupéry, "Le petit prince" ]


今回は、アントワーヌ・ドゥ・サン=テグジュペリの 『ちっちゃな王子』 ( 『星の王子さま』 ) の有名な一節。



   ※ Le Petit Prince de Saint Exupéry


だいたいの発音は、

    On ne voit bien

    オンヌヴォワビャン

    qu'avec le coeur.

    カヴェク ル クール

です。


この最初の文には ne ... que という表現が使われています。

この ne ... que を取り去ると、

    On voit bien avec le coeur.

となります。

意味は、

    On voit bien    人はちゃんと見える

    avec le coeur  心で

となり、「心でもってちゃんと見える」、「心で見ればちゃんと見える」みたいな感じになります。


この場合の前置詞の avec は〈手段〉を表します。つまり「〜を使って」「〜を手段として」といういみです。

avec le coeur で「心を使って」「心を手段として」、です。

voir は「見える、目に入る」(英語の see )ですが、「何が」見えるのか(つまり動詞 voir の目的語)は記述されていません。

    ※ ここでちょっと voir の現在形(直説法現在形)の活用を確認しておきましょう。

      je vois ジュ ヴォワ
      tu voit テュ ヴォワ
      il voit イル ヴォワ
      nous voyons ヌ ヴォワィヨン
      vous voyez ヴ ヴォワィエ
      ils voient イル ヴォワ


さて ne ... que ですが、これは「〜しか...ない」という〈限定〉の表現ですね。

何を 〈限定〉するかというと、que の直後にある語句を限定します。

    On ne voit bien qu'avec le coeur.

この文の場合は、 qu'avec le coeur なので、「心でしか...しない」となるわけです。

    ※ que は次に母音で始まる語がくると 〈エリジオン〉 します。つまり 〈 qu' 〉 という形になって次の語とくっつきます。


まとめると、

    On ne voit bien     人はよく見えない

    qu'avec le coeur.   心を手段としてしか


となって、つまり、この文の意味は、

    人は心でのみちゃんと見える。

    心で見ないとちゃんと見えないんだよ。

という感じです。


◆ リンク


→ 翻訳はいっぱいあります、たとえば 『ちいさな王子 (光文社古典新訳文庫) 』。



2014-01-09

上級仏単語: diffamer


「上級仏単語」 では、おもにフランス語の新聞に “たまに” 出てくる単語を掲載しています。

知っていると知らないとでは、フランス語の新聞を読む効率がぜんぜん違います (たぶん)!


きょうは diffamer です。

発音はそのまま 「ディファメ」 。

意味は、「 ~を中傷する, ~の名誉を傷つける」 です。




2013-12-28

この本が明らかにしているのは 1

フランス語中級

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste (c'est-à-dire une guerre de conquête, de pillage, de brigandage), une guerre pour le partage du monde, pour la distribution et la redistribution des colonies, des "zones d'influence" du capital financier, etc.

[ Lénine, Préface de "L'impérialisme, stade suprême du capitalisme" ]


レーニンという人が書いた『帝国主義論』という本のフランス語訳の序文です。

1925年 フランス語版 表紙 (Wikipedia)


レーニンは20世紀初頭にロシア革命を首謀して、ロシア帝国を崩壊させ、ソ連という国を創った人です。 ソ連は20世紀の終わりに消滅して、今はまたロシアという国になってます。

この文章は最後までピリオド period (フランス語では point [プワンまたはポワン] )が出てこないので、これ全体で一つの文ですね。

ちょっと長いですが文の最初から見ていきたいと思います。

---

Ce livre montre (スリーヴル モーントゥル)の、montre は動詞 montrer の直説法現在形。意味は「見せる」とか「示す」で、英語で言えば show でしょう。

なので、ここまでで 「この本は...を示している」「...ということを明らかにしている」、「この本に書いてあることはこうである」 というような意味になります。

続いて Ce livre montre que ... と続くので、 「この本は que 以下のことを示している」 という文なんだなと予想をつけます。

こういう時の que の後には「主語」と「述語」からなる〈文〉が来るはず。つまり「〜は…である( …する )ことをこの本は示している」というふうになるはず。

と思って続きを見ると que の後は la guerre (ラ ゲール)となっています。


_ Ce livre montre que la guerre ...(スリーヴル モーントゥル ク ラゲール)

guerre は女性名詞で「戦争」。

la guerre のすぐ後には de 1914-1918 とあるので、この戦争は 「1914から1918年にかけての戦争」 、つまり第一次世界大戦のことだとわかります。

ところで 1914 の読み方は、ミルヌフソンカトルズ mille neuf cent quatorze 、つまり 千・九・百・十四で、1918 は、ミルヌフソンディズユィット mille neuf cent dix-huit、つまり 千・九・百・十八 です。

de 1914-1918 の年号の間の 「 - 」 ですが、ここでは à と同じです、つまり、de 1914 à 1918 ということです。

de ~ à … で、「~から…まで」、 英語の from ~ to …  という表現と同じです。

さて、 que の後には「主語」 と 「述語」 が来るのではないかという予想でした。

そうだとすると  la guerre de 1914-1918 が主語で、「1914年から1918年の戦争は....だったということをこの本は明らかにしている」 ということになります。

そういう予想で、la guerre de 1914-1918 の後を見ると、 予想通り述語となる動詞表現 a été が来ています。


_ Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste

a été (ア エテ) ですが、a は 動詞 avoir の直説法現在形、 été は名詞だと 「夏」 という意味ですが、ここでは動詞 être の過去分詞形です。

つまり、[avoirの直説法現在形 + 動詞の過去分詞] のかたちなので、「複合過去」 ということになります。

意味は、être は 「~です、~である」 という意味があるので、それを過去っぽく言えば 「~であった」 です。

la guerre de 1914-1918 a été ... で、「1914年から1918年までの戦争は、...だった」 となります。

では、その戦争は「何」だったのか。

a été のあとに de part et d'autre という表現があります。 これはなんかちょっと 「熟語」 っぽい。

そこで辞書を調べてみると、de part et d'autre には、

どちら側も, 双方とも(に)、互いに

などの意味があります。

発音は「ドゥ パール エ ドートゥル」とふつうに読むのではなく、 part と et をつなげて(=リエゾンさせて) 「ドゥパルテドートゥル」と読んでください。

そうすると、

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre ...

で、

この書籍が示しているのは、1914から1918年にかけての戦争は、どちら側も ... であったということである。

という感じになりそうです。

で、結局、どんなんだったかといと、


_ Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste

une guerre impérialiste (ユヌ ゲール アンペリアリスト)の impérialiste は、「帝国主義の」という形容詞。

名詞形は impérialism (アンペリアリスム)。男性名詞で意味は「帝国主義」。

ですので une guerre impérialiste で 「帝国主義の戦争」「帝国主義的戦争」「帝国主義戦争」などとなります。

さて、これで、

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste

までは、

1914年から1918年の戦争はどちらの側も帝国主義戦争であったことをこの本は明らかにしている。

となります。


が、「 どちらの側も」というのがなんだかまだあいまいです。

もういちど de part et d'autre を、今度は仏仏辞典(つまりフランス語の国語辞典)で調べてみました。

或る仏仏辞典では de part et d'autre を réciproquement と説明しています。

réciproquement (レシプロークモン)は「お互いに」「相互に」です。

ここは戦争の話なので、「 どちら側も 」「お互いに」 というのは、戦争をしている両方の側ということでしょう。

そこでこんな訳文にしてみます。

Ce livre montre que la guerre de 1914-1918 a été de part et d'autre une guerre impérialiste

「この本によって明らかにされるのは、1914年から18年にかけての戦争が両陣営ともに帝国主義による戦争だったことである。」


→ 続き 「 この本が明らかにしているのは 2 」


◆ リンク

_ フランス語訳 (Marxists Internet Archive)
_ 日本語訳 『帝国主義論』  (光文社古典新訳文庫)


2013-12-11

上級仏単語 : pâtir

pâtir

[パティール]

pâtir de ~ で、「~から被害を受ける」、「~で苦しむ」。


私は十五だった

J'avais quinze ans.

[Alain-Fournier, "Le grand Meaulnes"]

(フランス語初級)


もう十分に冬になって、朝は身が引きしまるほど寒く、夜は星がきれいです。

きょうの例文は、アラン・フルニエによる青春文学 『グラン・モーヌ』 から。

語り手が若かりし頃を回想して、「そのときぼくは15才だった」 と言ってるような場面です...。


◆ 発音

J'avais
ジャヴェ

quinze ans.
カーンザン

Alain-Fournier
アラン・フルニェ

Le grand Meaulnes
ル グラン モーヌ


◆ 語句

◇ j'avais は je と avais で、avais は avoir の直説法半過去形。

[avoir の直説法半過去形の活用の確認]

j'avais (ジャヴェ)
tu avais (テュ アヴェ)
il avait (イラヴェ)
nous avions (ヌザヴィオン)
vous aviez (ヴザヴィエ)
ils avaient (イルザヴェ)


[確認]

* カタカナの発音を見て、綴りを書いてみましょう。

ジャヴェ
テュ アヴェ
イラヴェ
ヌザヴィオン
ヴザヴィエ
イルザヴェ

* 何も見ないで avoir の直説法半過去形の活用を書いてみましょう。


◇ quinze (カーンズ) は数字の 15 です。

[数字の11から20までの復習]

11 onze (オーンズ)
12 douze (ドゥーズ)
13 treize (トゥレーズ)
14 qutorze (クァトルズ)
15 quinze (カーンズ)
16 seize (セーズ)
17 dix-sept (ディセットゥ)
18 dix-huit (ディズユィットゥ)
19 dix-neuf (ディズヌフ)
20 vingt (ヴァン)


[確認]

* カタカナの発音を見て、綴りを書こう。

11 オーンズ
12 ドゥーズ
13 トゥレーズ
14 クァトルズ
15 カーンズ
16 セーズ
17 ディセットゥ
18 ディズユィットゥ
19 ディズヌフ
20 ヴァン


[確認]

* 数字を見て綴りを書きましょう。

11
12
13
14
15
16
17
18
19
20


[確認]

* 11から20までの数字を暗唱してください。


◇ ans

an (アン)は、男性名詞で 「年(ねん)、~歳」 。

「私は15歳です」なら、 J'ai quinze ans. (ジェ カーンザン)


◇ Alain-Fournier, "Le grand Meaulnes"

Alain-Fournier は、1886年生まれのフランスの小説家。 第一次世界大戦に従軍して27才で戦死。

Le grand Meaulnes : アラン・フルニエの小説。 grand は「背が高い」。 なので直訳すると「背高ノッポのあのモーヌ」 か。


◆ 意味

J'avais quinze ans.
私は15歳だった。


[練習]

「私は15歳だった。」 をフランス語で書け。


◆ 関連情報

◇翻訳など

『グラン・モーヌ』 (岩波文庫 / 天沢退二郎 訳)
『モーヌの大将』 (大学書林語学文庫)


◇ 原文

Le Grand Meaulnes by Alain-Fournier (Project Gutenberg )


2013-07-20

愛を定義するのはむずかしい

Il est difficile de définir l'amour.

(フランス語初級)

ラ・ロシュフコー という人の "Maximes" (『箴言集』) から。

[ 読み方 ]

Il est difficile
イレ ディフィシィッル
de définir l'amour
ドゥ デフィニール ラムール

La Rochefoucauld
ラ ロシュフコ
Maximes
マクシィム

[ 語句 ]

difficile : 形容詞. 「 難しい、困難な 」
définir : 動詞. 「 明確に示す, 定義する 」
amour : 男性名詞.  「愛, 恋」

l'amour の l' : 定冠詞の “縮約形”. 単数の定冠詞 le , la は、母音で始まる名詞に付くときは、 l' となってその名詞にくっつきます。 この場合は、amour が男性名詞なので、 l'amour の l' は le の縮約形です。

La Rochefoucauld : ラ・ロシュフコー (ラ・ロシュフーコー)、1643-1680. フランスの “モラリスト”。 『箴言集』 にいっぱい詰まった短い箴言が有名です。 Webを検索すると、日本語でも彼の箴言がいろいろ見つかります。

例えば 「 太陽も死も直視できない (Le soleil ni la mort ne se peuvent regarder fixement.) 」 とかです。 かっこいいです。

フランス語の引用集だと  wikiquote にたくさんあります (英訳つき)。

maxime : 男性名詞. 「格言, 教訓」、複数形で「格言集、箴言(しんげん)」.


[ 文の構成 ]

_ Il est ... de 不定詞 ~

( 「不定詞」 は動詞の原形(変化してない形)のことです。 )

[ Il est ... de 不定詞 ~ ] で、「 ~するのは、... だ 」 みたいな感じになります。

この文はいわゆる 非人称構文 です。

以前出てきた例文だと、
Il est bien plus difficile de se juger soi-même que de juger autrui. [ → ]

というのがありました。

今回の場合は、

Il est difficile de définir l'amour.

「愛を定義するのは困難だ」、「愛とは何かを明確に示すことはむずかしい」 という感じになります。

『箴言集』 の翻訳本は、岩波文庫版 などがあります。