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2013-03-05

奇妙な出来事がオランで起こった


フランス語中級

Les curieux événements qui font le sujet de cette chronique se sont produits en 194., à Oran.

( Albert Camus, "La Peste" )


フランスの小説家、アルベール・カミュ ( 1913-1960 ) の『ペスト』 の冒頭です。

    → このブログのカミュに関連する記事


  『ペスト』 新潮文庫版 (以前の表紙画像)


アルジェリアのオランという都市がペストに襲われ、その中でもがき・闘う人々が描かれています。


○ 発音

Les curieux événements
レ キュリウゼヴェヌモン
qui font le sujet
キ フォン ル シュジェ
de cette chronique
ドゥ セットゥ クロニーク
se sont produits
スソン プロデュィ
en 194.,
オン ミルヌフサンキャラントゥポワン
à Oran.
ア オラン

    → 発音例 (ネイティブの発音ではありません!)


○ 語句

curieux : 奇妙な、変な
événement : (男性名詞) 出来事、事件
qui : (関係代名詞)
font : 動詞 faire の直説法現在、三人称複数形
sujet : (男性名詞) 主題、テーマ
chronique : (女性名詞) 年代記, 編年史
produit : 動詞 produire の過去分詞
produire : 生産する、産み出す
se produire : 生じる、起こる
Oran : オラン(架空の街の名)

Albert Camus :
peste : (女性名詞) ペスト


○  直訳

この記録の de cette chronique 主題となる qui font le sujet 奇妙な出来事は Les curieux événements、194x年に en 194. オランで à Oran 起こった se sont produits 。


○  分かち訳

Les curieux événements (奇妙な出来事は)qui font le sujet (←主題となる)de cette chronique (←この記録の)se sont produits (起こった)en 194.(194x年に), à Oran(オランで).


○ 文の骨格

この文の骨格となるのは次の部分です。

Les curieux événements se sont produits en 194..

→ 奇妙な出来事が194x年に起きた。


○ 代名動詞の複合過去形

動詞の部分 se sont produits は se produire の複合過去形になっています。

se produire は代名動詞で、代名動詞の複合過去では、助動詞に être を使います。

さらにここでは se sont produits と、過去分詞 produit に s が付いています。

これは、代名動詞で使われている代名詞(人称代名詞)が、その動詞の直接目的語のときは、複合形(複合過去や大過去など)で過去分詞がその代名詞に性数一致するからです。

se produire の代名詞 se は、動詞 produire の直接目的語です。

* なぜそうなのかはまたの機会に!

なので、複合形になると produire の過去分詞 produit は人称代名詞se に性数一致します。

この文、

Les curieux événements se sont produits en 194..

の場合、se は主語の les curieux événements を受けているので、se は男性複数です。

そこで過去分詞 produit が se に性数一致して produits となります。


○ 関係代名詞 qui

qui font le sujet de cette chronique の qui は関係代名詞です。

関係代名詞の役割は二つあります。

一つは、関係代名詞の直前にある名詞を修飾(説明)すること。

もう一つは、関係代名詞の後に続く部分の主語や目的語となること。つまり関係代名詞はその後に続く語句と一緒になって、[主語+述語]というセットを作ります。

Les curieux événements qui font le sujet de cette chronique se sont produits en 194., à Oran.

この文の場合、qui が関係代名詞で、直前の名詞 les curieux événements を修飾しています。

また、qui は font le sujet de cette chronique の主語になっています。

[ les curieux événements ] <= [ qui font le sujet de cette chronique ]

[ 奇妙な出来事 ] <= [ (それは)この記録の主題となっている ]

なので「この記録の主題となっている奇妙な出来事」みたいになります。


○ faire の活用

動詞 faire (の直説法現在形の、とくに複数形)は独特の活用をしますので、確認しておきましょう。

je fais (ジュ フェ)
tu fais (テュ フェ)
il fait (イル フェ)
nous faisons (ヌ フゾン)
vous faites (ヴ フェットゥ)
ils font (イル フォン)

faisons の発音は「フェゾン」ではなく、「フゾン」なので注意!


○ 訳例

Les curieux événements qui font le sujet de cette chronique se sont produits en 194., à Oran.

この記録のテーマである一連の奇妙な出来事は、194x年にオランで起こった。


○ 関連リンク



2013-02-14

そこで私は本を書くことに

[フランス語初級]

Je me décidai alors à écrire un livre.

(Léon Trotsky, "Ma Vie")

トロツキーの自伝、『わが生涯』のフランス語訳より。

トロツキーは今から 100年前に起きたロシア革命の中心人物の一人です。

トロツキー 18才
トロツキー 18才 (Wikipedia)


○ 発音

Je me décidai
ジュムデシデ
alors
アロール
à écrire
ア エクリール
un livre.
アン リーヴル


○ 語句

décidai : 動詞 décider の単純過去形
décider : 決める
se décider :  決心する
se décider à 不定詞 :  〜する決心をする
alors :  それで(そこで)


○  直訳

Je me décidai alors à écrire un livre.

そこで alors 私は je 本を書くことを à écrire un livre 決心した me décidai 。


○ 分かち訳

Je (私は) me décidai (決心した) alors (そこで) à écrire un livre (本を書くことを) .


○ 単純過去形

単純過去形は、過去の事実や出来事を淡々と・客観的に述べるさいに使われる時制です。

* 単純過去形は話し言葉では使われません。

se décider の場合、以下のように活用します。

je me décidai
tu te décidas
il se décida
nous nous décidâmes (デシダーム)
vous vous décidâtes (デシダート)
ils se décidèrent (デシデール)


この活用パターンは、不定詞の語尾が -er で終わる動詞に共通です。

たとえば donner だと、

je donnai
tu donnas
il donna
nous donnâmes
vous donnâtes
ils donnèrent

となりますね。

活用語尾を取り出すと、

je -ai
tu -as
il -a
nous -âmes
vous -âtes
ils -èrent

です。

-er 以外の動詞はまたちょっと違った形で活用します!


○ 試訳

Je me décidai alors à écrire un livre.

そこで私は本を書くことにした。

○ リンク

フランス語訳
翻訳 (岩波文庫)


2013-02-11

でも大丈夫、簡単に手でこうやって

Pardon, il me semblait que mes cheveux s'étaient dressés sur ma tête; mais, ce n'est rien, car, avec ma main, je suis parvenu facilement à les remettre dans leur première position.

ロートレアモン伯爵 『マルドロールの歌』 の一節。

"Chants de Maldoror" 初版, 1968, Wikipedia より


今日はこの文章の後半を見ていきます。

○ 発音

mais,

ce n'est rien,
スネリャン
car,
カル
avec ma main,
アヴェック ママン
je suis parvenu
ジュスュイ パルヴニュ
facilement
ファシッルモン
à les remettre
アレ ルメートゥル
dans leur première position.
ダン ルール プルミエール ポジシオン


○ 語句

ce n'est rien : なんでもない、たいしたことない
parvenu : 動詞 parvenir の過去分詞
parvenir : 到達する
parvenir à + 不定詞 : やっと〜できる,〜することに成功する
facilement 容易に, 簡単に
remettre 元の場所に置く


○ 逐語訳

しかし mais, なんでもありません ce n'est rien, というのも car, 私の手で avec ma main, それらの最初の位置に dans leur première position 簡単に facilement それらを戻すことが à les remettre 私はできました je suis parvenu (から)。


○ 分かち訳

mais (しかし), ce n'est rien (なんてことありません) , car (だって) , avec ma main (私の手を使って) , je suis parvenu facilement (簡単に〜できました[から]) à les remettre (それらを元に戻すことが) dans leur première position (それらの最初の位置に) .


○ parvenir の複合過去

je suis parvenu の箇所は parvenir の複合過去形です。

複合過去形は、[ avoir または être の直説法現在形]と[動詞の過去分詞]をつなげて作ります。

avoir と être のどちらを使うかは 動詞によって決まっていました。

→ 参考: 「どこに行ってたの?」 (フランス語を学ぶ人)


* être を使うのは、なんらかの「移動」の意味をもった自動詞です。

parvenir は venir などと同様に être を使うことになっています。

なので j'ai parvenu ではなく je suis parvenu になります。


○ je suis parvenu の je は男?それとも女?

je suis parvenu の場合の主語の je が男性か女性かを見分けることはできるのでしょうか。

じつは複合過去(や大過去などの複合形時制)で être を使う場合、過去分詞は主語に性数一致します!

Je suis venu.

なら je は男性、

Je suis venue.

なら je は女性。

主語が nous で全員女性なら、

Nous sommes venues.

となります。

なので、je suis parvenu の je は男性です。


○ 試訳

mais, ce n'est rien, car, avec ma main, je suis parvenu facilement à les remettre dans leur première position.

でも大丈夫、簡単にこうやって手でもとに戻すことができましたから。


○ 関連リンク

→ 「これは失敬、どうも髪の毛が」 (フランス語を学ぶ人)


2013-02-09

これは失敬、どうも髪の毛が


Pardon, il me semblait que mes cheveux s'étaient dressés sur ma tête; mais, ce n'est rien, car, avec ma main, je suis parvenu facilement à les remettre dans leur première position.

( Comte de Lautréamont, "les Chants de Maldoror" )


ロートレアモン伯爵 『マルドロールの歌』 の一節です。

"Chants de Maldoror" 初版, 1968, Wikipedia より


ロートレアモンは 1846年から1870年まで生きた (短命です!)、フランスの詩人です。

今回はこの文章の前半を見ていきましょう。


○ 発音

Pardon,
パルドン
il me semblait
イル ム サンブレ
que mes cheveux
ク メ シュヴ
s'étaient dressés
セテ ドゥレセ
sur ma tête
シュル マ テートゥ

Comte de Lautréamont
コントゥ ドゥ ロトレアモン
Les Chants de Maldoror
レ シャン ドゥ マルドロール


○ 語句

pardon : 失礼、すみません
sembler : 〜のように見える・思われる

il me semble que ... で、「私には...のように見える」という表現。que の後には、主語と述語動詞からなる文が来る。
今回は mes cheveux が主語で、 s'étaient dressés が述語動詞。

cheveu : [男性名詞] 髪の毛。複数形は cheveux と、最後に x がつきます。
dresser : まっすぐ立てる
se dresser : [代名動詞] まっすぐに立つ
tête : [女子名詞] 頭


○ 逐語訳

失敬 pardon 、私の髪が mes cheveux 私の頭上で sur ma tête まっすぐ立っていた s'étaient dressés ように que 私には思われました il me semblait 。


○ 分かち訳

Pardon (失礼), il me semblait (私には思えた) que (...と) mes cheveux (私の髪が) s'étaient dressés (立ち上がっていた) sur ma tête (私の頭の上で);


○ 大過去の用法

文中の semblait は(直説法)半過去ですが、 s'étaient dressés は (直説法) 大過去になっています。

大過去の形は、[ avoir または être の半過去形 ]  + [ 動詞の過去分詞 ] です。

s'étaient dressés の場合は、 être の半過去形と se dresser の過去分詞 dressé との組み合わせになっています。

  * dresser の過去分詞 dressé の最後に -s がついてるのはなんでかな~?


avoir とくっつくか、être とくっつくかは動詞によって決まっています。

複合過去形の場合と同じなので、複合過去形の説明をしたとこを参考にしてください。

さらに、代名動詞の場合はすべて être と結びつくことになっています。

なので、ここで 代名動詞 se dresser は être と結びついています。

大過去の用法ですが、英文法で言うところの「過去完了形」のようなものです。
つまり、或る過去の時点までに起こった出来事をいい表します。

この文の場合、 il me semblait (私には~と思えた) の semblait の半過去形で表されるのが 「或る過去の時点」 で、 「髪の毛が立っていた」 のは、「と思えた semblait 」 その時点よりさらに前 (過去) ということになります。

「私の髪の毛が立っていた」 ことを、それより後になって、「と思えた」 と言っているわけです。

この説明で大丈夫でしょうか...。


○ dressés の最後の s

代名動詞の大過去や複合過去では、その人称代名詞 (se とか) に過去分詞 (dressé とか) が性数一致する場合としない場合があります。

性数一致するかしないかは、代名動詞の作り(構造)によります。

性数一致するのは、代名動詞の代名詞(人称代名詞)が、その動詞の直接目的語(〜を)になっている場合です。

dresser は「〜をまっすぐ立てる」という動詞で、「〜」には直接目的語の名詞(や代名詞が)入ります。

これが se dresser という代名動詞になると、代名動詞の人称代名詞 se は「自分自身」(=主語を指す代名詞)を表すので、

    se dresser
    自分をまっすぐ立てる
         ↓
    まっすぐ立つ

みたいになります。

けっきょく、代名動詞 se dresser の人称代名詞 se は動詞 dresser の直接目的語です!

なので se dresser の場合は、se に dresser の過去分詞は性数一致します。

mes cheveux s'étaient dressés の se は主語の mes cheveux (男性名詞複数)を受けているので、dresser の過去分詞の最後に s が付いています!

説明がくどいっ?


○ 訳例

Pardon, il me semblait que mes cheveux s'étaient dressés sur ma tête;

これは失敬、どうも髪の毛が逆立っていたように見えたので。


○ リンク

→ 原文: Wikisource
→ 翻訳: 集英社文庫ちくま文庫


2013-02-05

上級仏単語: altercation

altercation 口論


altercation

_ 発音

アルテルカシォン

_ 品詞

女性名詞

* -tion で終わる名詞は女性名詞。

_ 意味

口論、けんか


2013-02-03

少しは黙ったらどうなんだ

フランス語初級


Vous ne voulez pas vous taire?

( Zola, "L'Assommoir")

ゾラの 『居酒屋』 から。 朝帰りした夫ランティエにうるさく詰め寄るジェルヴェーズに、ランティエが発した一言。


○発音

疑問文なので上がり調子に読みましょう。

Vous ne voulez pas
ヴヌ ヴレパ
vous taire?
ヴ テール


○ 語句

se taire [代名動詞] 黙る

vouloir の直説法現在形の活用を確認しておきましょう。綴りをよく見て特徴を覚えよう。

je veux ジュヴ
tu veux チュヴ
il veut イルヴ
nous voulons ヌヴロン
vous voulez ヴヴレ
ils veulent イルヴッル


○ 逐語訳

あなたは vous 黙ることを se taire 欲しない ne voulez pas のか ?


○ 分かち訳

Vous ne voulez pas あなたは欲しない
vous taire 黙ることを
? のか?


○ 疑問文の作り方

フランス語で疑問文を作るには三つのやり方があります。

その一つが、肯定文(疑問文じゃない普通の文)の語順のまま、最後に(ピリオドの代わりに)クエスチョンマークを付けるやり方です。


* フランス語では「ピリオド」を「プワン ( point ) 」、「 クエスチョンマーク 」を「プワン ダンテロガシオン ( point d'interrogation ) 」と言います。


このやり方だと、

Vous ne voulez pas vous taire.
あなたは黙ることを欲しない。

という文(肯定文)を疑問文にすると、

Vous ne voulez pas vous taire?

となります。簡単です!


○ 試訳

少しは黙ったらどうなんだ。



2013-02-02

どこに行ってたの?



フランス語初級

Où es-tu allé? où as-tu passé la nuit?

( Zola, "L'Assommoir")

物語の冒頭で、朝帰りした夫のランティエを、ジェルヴェーズが問い詰めようとする場面です。


○発音

Où es-tu allé?
ウ エチュ アレ

où as-tu passé la nuit?
ウ アチュ パセ ラ ニュイ


○語句

où どこに、どこで
allé 動詞 aller の過去分詞
passé 動詞 passer の過去分詞
passer (時間を)過ごす
nuit [女性名詞] 夜


○逐語訳

どこに où あなたは tu 行った es allé の ?
どこで où あなたは tu 夜を la nuit 過ごした passé の ?


○試訳

Où es-tu allé? où as-tu passé la nuit?

どこに行ってたの? どこで夜を明かしたの?


○ 疑問文の作り方

この二つの文は両方とも「疑問文」です。疑問文は、「〜です」ではなく、「〜ですか」という文です。

*「〜です」のほうは 「肯定文」(こうていぶん)などといいます。

フランス語で疑問文を作るには三つのやり方があります。

そのうちの一つが、主語と動詞の倒置(並び順をひっくり返すこと)です。

この場合だと

tu es alllé
tu as passé

という肯定文の語順がそれぞれ

es-tu allé
as-tu passé

となります。倒置された動詞と主語(の代名詞)はハイフン( - )でつなぎます。


○ 複合過去

過去の出来事を言い表すための過去形の形はいくつかあります。

たとえば、半過去、複合過去、単純過去などです。

単純過去は単純な出来事を、複合過去は錯綜した出来事を言い表す、なんてことはありません。

今回の文では複合過去が使われています。

複合過去は最も普通に過去の出来事を、「〜した」と言い表すときに使います。

複合過去は、avoir か être の現在形(直説法現在形)の後に動詞の過去分詞を付けて作ります。

たとえば、

tu vas (おまえは行く)
tu passes (おまえは過ごす)

はそれぞれ、

tu es alllé (おまえは行った)
tu as passé (おまえは過ごした)

となります。

avoir と être の使い分けはきちんと決まっていて、ほとんどの動詞は avoir を使います。

être を使うのは、主に次のような動詞です。(カッコ内は過去分詞)

aller ( allé )
venir ( venu )
partir ( parti )
arriver  ( arrivé )
naître ( né )
mourir ( mort )
monter ( monté )
descendre ( descendu )
sortir ( sorti )
entrer ( entré )
tomber ( tombé)
rester ( resté )
devenir ( devenu )

これらはすべて自動詞(目的語を取らない動詞)で、どの動詞にも「移動」の意味が含まれています。

大学一年のときのフランス語の授業でこれらの動詞を暗記するための呪文を教えてもらいました。

おうらいはっちゃくせいししょうこうしゅつにゅうらくりゅうじょう

これはさきほどの動詞の意味を漢字一字で表して並べて、それを音読みしたものです。

往来発着生死昇降出入落留成

行く(往く)aller ( allé )
来る venir ( venu )
出発する partir ( parti )
着く arriver  ( arrivé )
生まれる naître ( né )
死ぬ mourir ( mort )
登る, 昇る monter ( monté )
降りる descendre ( descendu )
出る sortir ( sorti )
入る entrer ( entré )
落ちる tomber ( tombé)
留まる rester ( resté )
成る devenir ( devenu )

覚えやすい!! 



2013-01-26

犬に棒を見せると(ライプニッツ)

フランス語中級

Par exemple : quand on montre le bâton aux chiens, ils se souviennent de la douleur qu'il leur a causée et crient et fuient.

(Leibniz, "Monadologie")




○ 発音

Par exemple パレグザーンプル:
quand on montre カントン モントゥル
le bâton aux chiens ルバトン オ シァン,
ils se souviennent イル ス スヴィエンヌ
de la douleur ドゥ ラ ドゥルール
qu'il leur a causée キル レール ア コゼ
et crient エ クリ
et fuient エ フュイ

Leibniz ライブニッツ
Monadologie モナドロジ


○ 語句

par exemple : たとえば
quand : ここでは接続詞で「〜するとき」
montre : 動詞 montrer の直説法現在、三人称単数形。主語は on 。
montrer : 見せる
bâton : [男性名詞] 棒、杖
aux : 前置詞 à と 定冠詞 les の縮約形
chien : [男性名詞] 犬
souviennent : 動詞 souvenir の直説法現在、三人称複数形。主語は ils (= les chiens)
se souvenir de ... : ...を思い出す、を覚えている
douleur : [女性名詞]  痛み、苦痛
leur : [人称代名詞] 彼らに、それらに(三人称複数)。ここでは「その犬たちに」
causer : …の原因となる,…を引き起こす
crier : 叫ぶ、わめく
fuir : 逃げる
Leibniz : ライプニッツ、1646-1716、ドイツの哲学者
Monadologie : フランス語で書かれた、ライプニッツの著作。日本語では 『単子論』 などと訳されている
monade : [女性名詞] (哲学用語) モナド、単子


○ 逐語訳

たとえば par exemple、人が on 棒を le bâton 犬に aux chiens 見せる montre 時 quand、犬どもは ils その棒が彼らに il leur 引き起こした a causée 痛みを de la douleur 思い出す se souviennent 、そして叫び et crient そして逃げる et fuient 。


○ 文の骨格

この文の作りの一番中心となる部分は、

ils se souviennent de la douleur

です。 「彼らは痛みを思い出す」となります。
ここに quand on montre le bâton が加わって、

quand on montre le bâton
ils se souviennent de la douleur

だと、「人が棒を見せるとき、 彼らは痛みを思い出す 」となります。

文法用語では、ils se souviennent de la douleur を主節、quand on montre le bâton を「従属節」といいます。

さらに「彼ら」は「痛みを思い出す」だけでなく、

quand on montre le bâton
ils  se souviennent de la douleur
  et crient
  et fuient

「叫んだり」「逃げたり」します。

ここまでで、

「人が棒を見せると
 彼らは痛みを思い出し
 そして叫び
 そして逃げる」

となります。

これでこの文の骨格となる作りを確認できました。


○ 説明の追加

まだこの文にはいろいろくっついています。

まず le bâton の後の aux chiens ですが、これは「棒を見せる」相手、対象です。

quand on montre le bâton aux chiens

「人が犬どもに棒を見せるとき」

つぎに、la douleur qu'il leur a causée を見てみます。

qu'il leur a causée は (関係代名詞節で)、 la douleur を修飾しています。

「それ(棒)が彼らに(犬どもに)引き起こした」→「痛み」となります。

a causée は 「 avoir の現在形(直説法現在形) + 動詞の過去分詞」 の組み合わせなので、「複合過去」 というやつになります。

これで、

quand on montre le bâton aux chiens,
ils se souviennent de la douleur qu'il leur a causée
et crient et fuient.

「 人が犬たちに棒を見せるとき
  彼らは、その棒が彼らに引き起こした痛みを思い出し
  叫んで逃げる」

となります。


○ 過去分詞の性数一致

さきほどの la douleur を修飾している qu'il leur a causée で使われている過去分詞 causée は 語末に -e がついていますが、これはなぜでしょうか。

これには、こんな規則がありました。

☆ 複合過去や大過去などで、動詞の目的語(直接目的語)が、過去分詞より前 (左) にあると、過去分詞はその目的語に性数一致する

というやつです。

授業や参考書で学んだのを覚えていますか? 私は大学1年のとき初めてこのことを学んだはずなんですが、まったくその時の記憶はありません!

この箇所 (la douleur qu'il leur a causée) の場合は、動詞 causer (~を引き起こす) の目的語は、a causée より前(左)にある、関係代名詞の que です。

そして、この que はその前(左)にある la douleur という女性名詞単数形を指しています。

けっきょく、複合過去になっている動詞 causer の目的語(直接目的語) が過去分詞 causé より前(左)にあるので、その目的語 ( que => la douleur ) の性数(ここでは女性名詞単数) に合わせて、過去分詞 causé が causée となっています。


○ 翻訳例

「たとえば、イヌに棒を見せたら、イヌはそれがかつて引き起こした苦痛を思いだして、吠えて走り去る。」
( 「単子論(モナドロジー)」 (Robert Latta, 山形浩生 訳) より。英語版からの翻訳です。26番目の文に載っています。)

この英語版原文:

For instance, when a stick is shown to dogs, they remember the pain it has caused them, and howl and run away.
 (Robert Latta 訳, "THE MONADOLOGY")


○ 補足

_ se souvenir の直説法現在形の活用
je me souviens
tu te souviens
il se souvient
nous nous souvenons
vous vous souvenez
ils se souviennent


○ リンク

→ 『モナドロジー・形而上学叙説』 (中公クラシックス):
フランス語原文 (UQAC)



2013-01-19

彼はジェルヴェーズの顔を

フランス語初級

Et il regardait le visage de Gervaise, rougi par les larmes.

( Zola, "L'Assommoir")






悲しまないで


フランス語初級

Ne vous désolez pas, madame Lantier.

( Zola, "L'Assommoir" )


[発音]

Ne vous désolez pas
ヌ ヴ デゾレ パ

madame Lantier.
マダム ランティエ


[語句]

Ne vous désolez pas : 代名動詞 se désoler の vous に対する命令形の否定文

se désoler : 悲しむ, 嘆く

désoler : 悲しませる, 困らせる

madame Lantier : ランティエ夫人 (ここでは呼びかけ)


[日本語訳]

ランティエさん、そう嘆かないで。


2013-01-12

この瘴気からずっと遠くへ

Envole-toi bien loin de ces miasmes morbides

[ フランス語初級 ]

ボードレールの詩集 『悪の華』 ( "Les Fleurs du Mal" )に入っている「上昇」 ( Elévation )という詩より。


[ 発音 ]

Les Fleurs du Mal
レ フルール デュ マル

élévation
エレヴァシォン

Envole-toi
オンヴォル トワ

bien loin
ビャン ロワン

de ces miasmes morbides
ドゥ セ ミアスム モルビィドゥ


[ 語句 ]

élévation : [女性名詞] 上昇

Envole-toi : s'envoler の tu に対する命令形

s'envoler : 飛び立つ, 飛び去る

loin : [副詞] 遠くへ(に), はるかに。 bien loin の bien は loin の強調。

loin de : …から遠くへ(に)

miasme : [男性名詞] (腐敗物から出る)ガス, 臭気; 瘴気()

morbide : 病的な, 不健全な


[ 訳 ]

Envole-toi  飛び立て

bien loin ずっと遠くへ

de ces miasmes morbides この病的な瘴気から

「飛び立て、病に満ちたこの瘴気からずっと遠くへ。」


[ 関連記事 ]

→ 「愚かさと過ちと罪と吝嗇が(1)」 (2012/2/29)
→ 「愚かさと過ちと罪と吝嗇が(2)」 (2012/3/04)


2012-07-01

上級仏単語: désinvolte

désinvolte 

【発音】
désinvolte 
デザインヴォルトゥ

【品詞】
形容詞


【意味】
無遠慮な, なれなれしい, ずうずうしい

2012-06-26

上級仏単語: contumace

【発音】
contumace
コンチュマス


【品詞】
女性名詞


【意味】
被告が法廷に欠席すること、法定への出頭拒否。


【用例】
par contumace
欠席裁判で



2012-06-17

あの人の不思議な優雅さに

(フランス語中級)


Ses délicatesses mystérieuses m'avaient séduite.

[Arthur Rimbaud, "Une saison en enfer", 1873]

ランボーの『地獄の一季節』からです。

『地獄の一季節』 については以前の記事を見てください。


【発音】

Ses délicatesses
セ デリカテッス

mystérieuses
ミステリゥーズ

m'avaient séduite.
マヴェ セデュイット

音声 (ネイティブではありません)


【語句】

délicatesse : (女性名詞) 繊細さ、優雅さ、細心さ [英語: delicacy]

mystérieuse : 形容詞 mystérieux (ミステリゥ) の女性形。

* 語尾が -x で終わる形容詞の女性形は、その -x が -se になりましたね。 たとえば heureux (ウル) が heureuse (ウルーズ) になったように。

mystérieux : (形容詞) 神秘的な、不思議な、謎の

séduit (セデュィ) : 動詞 séduire (セデュィール) の過去分詞

séduire : (動詞) 誘惑する、魅惑する

m'avaient séduite : séduire の大過去。「私を惑わした。」

* 大過去形は avoirまたはêtreの半過去形 のあとに動詞の過去分詞がついた形でした。

* 過去分詞 séduit の語尾に -e がついているのに注意。発音は[セデュィット]。


【訳】

Ses délicatesses mystérieuses m'avaient séduite.

_ 彼の神秘的な繊細さが私を魅惑したのです。

_ あの人が持っている不思議な優雅さに私は惑わされてしまったのです。


【文法解説】

●なぜ大過去を使ってるのか

なぜ m'avaient séduite と大過去形になっているかというと、大過去形の意味(用法)は「或る過去の時点までに完了している過去」 みたいな感じでした。物語とかで、何か出来事が語られていて、その出来事より前のことを表現したいときとかです。

この文の場合も、語りの中心になっている「過去」がこの文の前後に表現されているはずです。 「あの人のせいで私は堕落してしまった(← 中心となる過去のできごと)。というのもあの人の不思議な優雅な仕草にこころ引かれてしまったから( ← 「堕落」してしまった理由となるできごと ← 「堕落」した過去より以前のこと )」 みたいなかんじで。

できれば、翻訳か原文を読んで確かめてみてください。


● séduit になぜ -e がついているか

ここでは séduire の過去分詞である séduit に -e がついて séduite となっています。

これはなぜでしょうか?

「複合過去形や大過去形で、過去分詞の直接目的語が、その過去分詞より前(左)にあるときは、その過去分詞はその直接目的語に性数一致する」、みたいな規則を思い出してくれましたか?

この文で m'avaient séduite の m' (me) は、過去分詞 séduit の直接目的語です。

(直接目的語の「直接」は 前置詞とかがつかないでそのまんま(直接に)動詞の目的語になってる、みたいないみです。)

「私を(me)」 「誘惑した」 わけです。

そして、この場合、誘惑された「私(me)」 は、女性です。

なぜ、女性だとわかるのか。

それは、過去分詞の séduit に -e がついて séduite となっているからです。

というのも、「複合過去形や大過去形で、過去分詞の直接目的語が、その過去分詞より前(左)にあるときは、その過去分詞はその直接目的語に性数一致する」 からです。

この説明でわかりますか?

もっとわかりやすい説明を考えだしたら( あるいはどこかで見つけたら ) お知らせしますので、きょうはここまででお願いします。


【関連投稿】

→ 「海の風が俺の胸を」 (2012/2/5)
→ 「地獄の道連れの告白を聞こう」 (2011/11/21)


2012-04-29

綴り字記号つきの文字の入力

パソコンでフランス語を入力するときに 「綴り字記号 (アクサン) 」 つきの文字は、日本語キーボードからは直接打つことができません。

Ça va? の ç とか、étranger の é とか。


キーボードの設定をフランス語配列のキーボードに変更すれば可能ですが、その場合、日本語が入力できなくなるので、日本語とフランス語混じりの文章を書くときは不便です。

( ほかにも数年前までは 「文字コード」の制約もあって、一つの文書に日本語とフランス語を同時に記述するのは困難でした。 )


たとえば、マイクロソフトのワープロソフト Word だと、ショートカットキーを使ってアクサンつき文字を入力することができます。

たとえば、[ Ctrl ] + [ , ] のあとで c を打つと ç が入力されます。



他の文字については Word のヘルプにも書いてあるはずですが、ヘルプのどこにあるか見つけづらいので、「ワード フランス語 アクサン」 などで Webを検索すると見つかると思います。

いま検索してみたら、たとえば 「 アクサンの入力方法(wordやexcelの場合):フランス語会話の勉強法 」 というページにわかりやすく表で載っていました。


私は普段の文章書きには Word ではなくテキストエディターを使っています。

テキストエディターは Word (ワープロ) のように文字を大きくしたり色をつけたり、図や表を入れたりということがいっさいできません。

純粋に文字 (テキスト) だけを編集するソフトです。 そのぶん動作が軽快です。

私が知っている範囲だと、 EmEditor というテキストエディターは、日本語入力中でも、 Word と同じショートカットキーで綴り字記号つきの文字を入力することができます。




便利! なのですが、私はパソコンを使い始めたときから秀丸エディターというのを使っていて、秀丸エディターはこの方法でも綴り字記号つき文字を入力できません...。


(EmEdotorからコピーして貼り付けてみた。)


なので、一時的に秀丸エディターから EmEditor に常用エディターを変更してみたこともありました。

機能的にはEmEditorで十分(すぎるほど)なのですが、体というか指先に染みこんだ秀丸エディターの操作感を忘れられずに秀丸に戻りました。


どうすればいいのか。

しばらく綴り字記号つきの文字を入力する場合は、EmEditorを別途たちあげて、EmEditorでショートカットキーを使って ç や é や à を入力して、それをコピーして秀丸に貼り付けていました。

それから、気がついて、フランス語を入力するファイルの先頭に、よく使うアクサンつきの文字を入力しておいて、そのつどそこからコピーするようにしました。

こんな感じです。




でも、これでもまだ不便です。

もっといい方法はないのか?...


(続く...)


2012-04-15

彼女は立ち上がって、コーヒーが残っているかを


(フランス語中級)

Elle se leva pour aller voir s'il restait du café.

[ Zola, "L'Assommoir" ]

エミール・ゾラの 『居酒屋』 の一節(第7章)。


【発音】

Elle se leva
エル ス ルヴァ

pour aller voir .
プール アレ ヴォワール

s'il restait du café
シィル レステ デュ カフェ


今回はフランス語の音声をつけてみました...。
ネイティブの発音ではありませんよ...。

音声  [ SoundCloud ]


【語句】

_ leva : lever の直説法単純過去

_ se lever : 「起き上がる、立ち上がる」

_ aller voir : 「見に行く」

_ si : ここでは「~かどうか」

_ restait : rester (「留まる、~の状態でいる」) の直説法半過去形

_ il reste ~ : 「~が残っている」 。 この場合、il はいわゆる「非人称」の主語。

_ du café : ここでは du は部分冠詞。


【説明】

●単純過去形

Elle se leva で、「彼女は立ち上がった、彼女は起き上がった」ですが、「“立ち” 上がった」のか「“起き” 上がった」 のかどちらがいいかは状況(文脈)によります。

ここでは、「彼女」が椅子かなんかに座っていて、そこから「立ち上がった」ことにします。

leva の時制は単純過去形です。

引用文はエミール・ゾラの『居酒屋』という小説からですが、小説などでは 「だれだれは~した、それから~して、~した」みたいに、順番に何かが起こったり、だれかが何かを次々にしたりする様子が描かれます。

そういう場合に単純過去形が使われることが多いです。日常会話では単純過去形は使われません。

日本語でいえば「単純過去」はちょっと「古文」みたいな感じがするのかもしれません。


●pourの意味

つぎに Elle se leva pour aller voir ですが、前置詞 pour は「目的」を表すので、pour aller voir で 「見に行くために」となり、「彼女は~を見に行くために立ち上がった」 となります。

ですが、pour には「結果」の意味もあるので、「彼女は立ち上がって~を見に行った」でもいいですね。

どちらにするかはやはり状況(文脈)の自然さで選びましょう。


●siの意味

s'il restait du café で 「コーヒーが残っているかどうか(を)」。

ここでの si は 「~かどうか」です。また、il は 「非人称」になります。


●半過去形

rester が単純過去ではなくて、半過去形になっているのは、「コーヒーが残っている」というのは順番に起こったりしたりするような動きではなく、そのときの「状態」「状況」だからです。

そうした過去の「状況」「状態」「背景」を表す時制は、単純過去ではなく、複合過去でもなく、半過去になります。


【訳】

Elle se leva pour aller voir s'il restait du café.
彼女は立ち上がって、コーヒーが残っているか見に行った。


【補足】

* lever の直説法単純過去の活用

je levai
ジュ ルヴェ
tu levas
テュ ルヴァ
il leva
イル ルヴァ
nous levâmes
ヌ ルヴァーム
vous levâtes
ヴ ルヴァートゥ
ils levèrent
イル ルヴェール


【関連記事】


原文
* このページ内を検索すると該当する文章が見つかります。



フランス語入門005:「きみはそれが嫌いだ。」


例文: Tu détestes ça.


○発音

tu [テュ]: u の発音は唇を恥ずかしいくらい思い切り突きだして[イ]!

déteste [デテストゥ]: 語末の -es は発音しません

ça [サ]



○意味

tu : 「君は、あなたは」

détestes : 「が嫌いだ」

ça : 「それ、これ、あれ」

Te détestes ça. : 「きみはそれが嫌いだ。」


○解説

「私はそれが嫌いだ。」は、 Je déteste ça. (ジュ デテゥストゥ サ) でした。

「きみはそれが嫌いだ。」 になると、 Je が Tu に代わります。

それから変わったところはどこでしょう?

そうです、Je 「私は」 のときの déteste 「が嫌いだ」 が、Tu 「きみは」 になると détestes と、最後に -s がついています。

そうです。 「私はきみを愛している。」 が Je t'aime. で、「きみは私を愛してる。」が Tu m'aimes. だったのと同じです。

aime, aimes や déteste, détestes を「動詞」といいます。

Je や Tu はその動詞に対する「主語」ですね。

つまり、動詞の形は主語によって変わるということになります。

これを「動詞の活用」といったりします。

どのくらい「変わる」のか? それはまだ秘密です...。

とりあえず、

je → aime、déteste
tu → aimes, détestes

というふうに、

je → -e
tu → -es

というパターンがあることになります。




2012-04-14

上級仏単語: crapuleusement

crapuleusement


【発音】

crapuleusement
クラピュルーズモン


【品詞】

副詞


【意味】

卑劣に、下劣に


2012-03-25

ナンビクワラの人たちは(2)

(フランス語中級)

Les Nambikwara se réveillent avec le jour, raniment le feu, se réchauffent tant bien que mal du froid de la nuit, puis se nourrissent légèrement des reliefs de la veille.

[ Claude Lévi-Strauss, "Tristes tropiques", 1955 ]

前回の続き。きょうはこの文章の後半部分、puis se nourrissent ... からです。


【発音】

puis se nourrissent 
ピュイ ス ヌリッス

légèrement 
レジェールモン

des reliefs de la veille. 
デ ルリィエフ ドゥ ラ ヴェイユ


【語句】

puis : (副詞) 次に、それから

nourrissent < nourrir。
* ここの se nourrissent の主語は文頭の Les Nambikwara ですね。

nourrir (ヌリール) : 食べ物を与える
* se nourrir de ~ で、 「を食べる、摂取する」。
* 名詞は nourriture (ヌリチュール/女性名詞) で 「栄養, 食べ物」などのいみ。
* 活用は finir, choisir などと同じ。
* nourrir の直説法現在形の活用の実際は 「愚かさと過ちと罪と吝嗇が(2)」 を見てください。
*choisir の直説法現在形の活用は 「ああ、俺は苦しいんだ。」 で確認しています。


légèrement : (副詞) 軽く、少しばかり 
* 形容詞は léger (レジェ) で 「軽い」。

des : (ここでは) 前置詞 de + 定冠詞 les。
* des が文中に現れたら、「不定冠詞複数形のdes」 か、「前置詞 de + 定冠詞複数形のles」 かのどちらかです。
* ここの de は se nourrissent につながります。

relief : (男性名詞)[複数形で] 食事の残り物

veille : (女性名詞)前日
* 「昨日」は hier


【分かち訳】

puis se nourrissent
それから(…を)食べる

légèrement 
軽く

des reliefs de la veille. 
前日の残り物を(食べる)


【全体の訳】

Les Nambikwara se réveillent avec le jour, raniment le feu, se réchauffent tant bien que mal du froid de la nuit, puis se nourrissent légèrement des reliefs de la veille.

ナンビクワラの人たちは日の出とともに起きて、残り火をかき立て、夜のあいだに冷えた体をなんとか暖める。そして、前日の残り物で軽い食事をする。


上級仏単語: hilare


【発音】
hilare
イラール

【品詞】
形容詞

【意味】
陽気な、上機嫌の


2012-03-13

ナンビクワラの人たちは(1)


Les Nambikwara se réveillent avec le jour, raniment le feu, se réchauffent tant bien que mal du froid de la nuit, puis se nourrissent légèrement des reliefs de la veille.

[ Claude Lévi-Strauss, "Tristes tropiques", 1955 ]


クロード・レヴィ=ストロースの 『悲しき熱帯』 より。
きょうは、この文章の前半を見てみます。


【発音】

Les Nambikwara se réveillent
レ ナンビクワラ ス レヴェイユ

avec le jour, 
アヴェク ル ジュール

raniment le feu,
ラニーム ル フゥ

se réchauffent tant bien que mal
ス レショッフ タン ビヤン ク マル

du froid de la nuit,
デュ フロワ ドゥ ラ ニュイ


【語句】

◇ Les Nambikwara se réveillent
レ ナンビクワラ ス レヴェイユ

Nambikwara : 「ナンビクワラ族」。ブラジルのアマゾン奥地に住む人々。
les Nambikwara : 「ナンビクワラ族の人たち」 
se réveiller (ス レヴェイェ): (代名動詞)[眠りから]目覚める

→ 「ナンビクワラの人たちは目覚める」


◇ avec le jour,
アヴェク ル ジュール

jour : (男性名詞) 一日、日中、陽の光
se réveiller avec le jour : 日の光とともに目覚める

→ 「陽の光とともに」


◇ raniment le feu,

ranimer : 生気をかきたてる、活気づける
feu : (男性名詞) 火、暖炉、こんろ
ranimer le feu : 火をかきたてる

→ 「火をかきたてる」


◇ se réchauffent tant bien que mal

réchauffer : 温め直す
se réchauffer : (代名動詞) 体を暖める
tant bien que mal : どうにかこうにか、やっと、なんとか

→ 「どうにかこうにか体を暖める」


◇ du froid de la nuit,

froid : (男性名詞) 寒さ、冷たさ。 (形容詞) 寒い、冷たい。
nuit : (女性名詞) 夜

* du froid の de は、ここでは「寒さから(体を暖める)」の「から」。

→ 「夜の寒さから」


◇ Claude Lévi-Strauss : クロード・レヴィ=ストロース、1908-2009。フランスの人類学者。

◇ Tristes tropiques

triste : (形容詞) 悲しい
tropique : (男性名詞) 回帰線。[複数形で] 熱帯地方
Tristes tropiques : 「悲しき熱帯」。 レヴィ=ストロースの初期の作品。


【意味】

Les Nambikwara se réveillent avec le jour,
ナンビクワラの人たちは日の光とともに目覚め

raniment le feu,
火をかきたて

se réchauffent tant bien que mal
なんとか体を暖める

du froid de la nuit
夜の寒さから


【訳】

ナンビクワラの人たちは、日の出とともに起きて、残り火をかきたて、夜の冷えからなんとか体を暖める。


【補足】

* ranimer は re + animer から。re は「再び」、animer は「活気づける」。

* réchauffer も re + chauffer から。 chauffer は「温める、暖める」。

* se réveiller や se réchauffer は、いわゆる「代名動詞」。

* réveiller の直説法現在形の活用を確認してみましょう。aimer や parler などとおなじ 「第一群規則活用動詞」ですね。

je réveille (ジュ レヴェイユ)
tu réveilles (テュ レヴェイユ)
il réveille (イル レヴェイユ)
nous réveillons (ヌ レヴェイヨン)
vous réveillez (ヴ レヴェイェ)
ils réveillent (イル レヴェイユ)



* レヴィ=ストロースは、なんと100歳すぎまで生きてました!

* レヴィ=ストロースという姓は、ジーパンのリーバイ・ストラウス(Levi Strauss) と(ほぼ) 同じ綴り。 橋爪大三郎さんの 『はじめての構造主義』(講談社現代新書) にこのネタが載っていたような記憶があります。

→ 追記(2012/3/25): 本棚の本を調べてみました。 『はじめての構造主義』の冒頭に出てました。

「そんなことを考えながら、ある日ぶらぶら、渋谷の道玄坂を歩いていきますと ― なんと、私の知らぬまに、はやばやとでっかい広告の看板まで出ているではないか。 『 LEVI STRAUSS 』 こりゃ不思議だ。どうしてこんなところに、レヴィ=ストロースの広告が出ているんだろ。そうか、ボクの知らないうちに、世の中は意外に進んでいるのかもしれないな。」 ( 『はじめての構造主義』 講談社現代新書、1988、12ページより )



上級仏単語: racaille


【発音】
racaille
ラカーユ

【品詞】
女性名詞

【意味】
(集合的に)下層民、社会の屑、ごろつき、ろくでなし


2012-03-09

上級仏単語: éparpiller


【発音】
éparpiller
エパルピィエ

【品詞】
動詞

【意味】
散らす、散乱させる


2012-03-05

上級仏単語: chahuter


【発音】
chahuter
シャユテ

【品詞】
動詞

【意味】
大騒ぎする; をやじる


2012-03-04

愚かさと過ちと罪と吝嗇が(2)


[フランス語中級]

La sottise, l'erreur, le péché, la lésine,
Occupent nos esprits et travaillent nos corps,
Et nous alimentons nos aimables remords,
Comme les mendiants nourrissent leur vermine.
[Baudelaire, "Les Fleurs du mal", 1861]

ボードレールというフランスの詩人の『悪の華(はな)』という詩集の冒頭 Au lecteur の書き出し。 前回の続きです。

今回は後半の2行を見てみます。


【発音】

Et nous alimentons
エ ヌザリモントン

nos aimables remords,
ノゼマーブル レモール

Comme les mendiants nourrissent
コム レ モンディアン ヌリッス

leur vermine.
レール ヴェルミヌ


【語句】

alimenter (アリモンテ) : (動詞) に食べ物を与える、を養う
aimable : (形容詞) 愛想がいい、感じがいい
remords : (男性名詞) [単数形でも -s がつく] 悔恨、良心の呵責
comme : (接続詞) ~と(同じ)ように
mendiant : (名詞) 乞食。女性は mendiante (マンディアント)。
nourrir (ヌリール) : (動詞) に食べ物を与える、を養う
leur : (所有形容詞) 彼らの~、それらの~。 
vermine : (女性名詞) [ノミ・シラミなどの] 害虫。


【意味】

Et nous alimentons
そして私たちは養っている

nos aimables remords,
私たちの愛すべき悔恨を

Comme les mendiants nourrissent
乞食どもが栄養を与えているように

leur vermine.
彼らのノミ・シラミに。


【訳】

そしてわれらは自らの愛すべき悔恨たちを養っている、
ちょうど乞食どもが自分のノミ・シラミを育てるように。


【補足】

* vermine (害虫) は「集合名詞」 なので単数形で使われています。ですので、一匹だけしかいないというわけじゃありません。

* comme のあとは [主語+動詞] のセットが来ています。 主語は les mendiants、動詞は nourrissent です。

* nourrir は choisir、réussir、finir などと同じ活用です。 いわゆる 「第2群規則動詞」 です。 choisir の直説法現在形の活用は 「ああ、俺は苦しいんだ。」 を見てください。

(nourrir の直説法現在形の活用)

je nourris (ジュ ヌリ)
tu nourris (テュ ヌリ)
il nourrit (イル ヌリ)
nous nourrissons (ヌ ヌリソン)
vous nourrissez (ヴ ヌリセ)
ils nourrissent (イル ヌリッス)


【関連情報】

* 前半の解説 「愚かさと過ちと罪と吝嗇が(1)」 をご覧ください。

(読み上げ)
MP3ファイル ( 約2.7MB / Litterature audio.com

* MP3ファイル(音声)ファイルへの直接のリンクですので、クリックするとたいていはそのまま再生されます。
* ファイルを保存する場合は、リンクを右クリックしてファイルを保存するメニューを選んでください。
* 約2分56秒のファイルです。該当箇所は冒頭1秒あたりです。
* Au Lecteur をふくむ 『悪の華』 のMP3ファイルは、BAUDELAIRE, Charles – Les Fleurs du mal (Litterature audio.com) にあります。



どこへ行くの?

[フランス語初級]

Jan, où vas-tu?

[ Alphonse Daudet, "L'Arlésienne", 1866 ]

ゴッホ 「アルルの女」 / Van Gogh - L'Arlésienne
(ゴッホ 「アルルの女」 / Van Gogh - L'Arlésienne [Wikipediaより])


【発音】

Jan, où vas-tu?
ジャン ウ ヴァチュ

Alphonse Daudet
アルフォンス ドーデ

L'Arlésienne
ラルレズィエンヌ


【語句】

Jan : 人名
où : (疑問副詞) どこへ、どこに、どこで
vas : 動詞 aller の直説法現在二人称単数形、つまり tu に対する形

Alphonse Daudet : アルフォンス・ドーデ、1840-1897、フランスの小説家
Arlésienne (アルレズィエンヌ) : Arlésien (アルレズィアン)「アルルの人」 の女性形。「アルルの女性」。アルル( Arles ) はフランス南部の町。

L'Arlésienne : ドーデの短編。 Lettres De Mon Moulin (レットゥル ドゥ モン ムーラン / 風車小屋だより) という短編小説集 (1869) に入っています。 この作品は戯曲化され、そのときにジョルジュ・ビゼー (1838-1875) が作曲を担当しました。


【文法】

* aller の直説法現在形の活用を確認しておきましょう。

je vais (ジュ ヴェ)
tu vas (テュ ヴァ)
il va (イル ヴァ)
nous allons (ヌザロン)
vous allez (ヴザレ)
ils vont (イルヴォン)


【意味】

「ジャン、どこへ行くの?」


【関連情報】

(翻訳)
→ 『アルルの女』 ( 桜田佐 訳 / 岩波文庫 )

(原文)
→ L'Arlésienne (Wikisource)

(読み上げ)
MP3フィアル ( 約9.7MB / Litterature audio.com

* MP3ファイル(音声)ファイルへの直接のリンクですので、クリックするとたいていはそのまま再生されます。

* ファイルを保存する場合は、リンクを右クリックしてファイルを保存するメニューを選んでください。

* 約10分38秒のファイルですが、該当箇所は 9分1秒あたりです。

* L'Arlésienne をふくむ 『風車小屋だより』 の各短編のMP3ファイルは、Lettres De Mon Moulin (Litterature audio.com) にあります。


(音楽)
→ 「アルルの女」 (ビゼー 作 / ウィキペディア)


2012-03-02

その状況は長く続いた

[フランス語初級]

Cette situation se prolongea.
[Benjamin Constant, "Adolphe" ]

【発音】
Cette situation se prolongea.
セット シチュアシオン ス プロロンジャ


Benjamin Constant
バンジャマン コンスタン

Adolphe
アドルフ (「フ」は f (エフ)の「フ」と同じ発音)


【語句】
cette : 指示形容詞 ce (この、あの、その)の女性形。次の situation が女性名詞なので。
situation : (女性名詞) 状況、情勢
prolonger [プロロンジェ] : (動詞) を延ばす、延長する
se prolonger : (代名動詞) 延長される、長引く

Benjamin Constant : 1767-1830。フランスの思想家、政治家、小説家
Adolphe : コンスタンの小説、1816年


【文法】
* prolongea は 直説法単純過去形になっています。

* prolonger という動詞は manger と同じ活用をする。

確認してみましょう。

[prolonger の直説法単純過去形の活用]
je prolongeai [プロロンジェ]
tu prolongeas [プロロンジャ]
il prolongea [プロロンジャ]
nous prolongeâmes [プロロンジャーム]
vous prolongeâtes  [プロロンジャート]
ils prolongèrent [プロロンジェール]


[manger の直説法単純過去形の活用]
je mangeai [モンジェ]
tu mangeas [モンジャ]
il mangea [モンジャ]
nous mangeâmes [モンジャーム]
vous mangeâtes [モンジャート]
ils mangèrent [モンジェール]

【訳】
「この状況は長引いた。」

【関連情報】
(翻訳)
→ 『アドルフ』  (新庄嘉章 訳 / 新潮文庫)
→ 『アドルフ』 (大塚幸男 訳 / 岩波文庫)

(原文)
原文(目次) (Wikisource)
当該箇所の原文の前後 (Wikisource)

(映画)
→ 「 イザベル・アジャーニの惑い (2002) ADOLPHE



2012-02-29

愚かさと過ちと罪と吝嗇が(1)

[フランス語中級]

La sottise, l'erreur, le péché, la lésine,
Occupent nos esprits et travaillent nos corps,
Et nous alimentons nos aimables remords,
Comme les mendiants nourrissent leur vermine.
[Baudelaire, "Les Fleurs du mal", 1861]

ボードレールというフランスの詩人の『悪の華(はな)』という詩集の冒頭 Au lecteur 「読者へ」 の出だしです。

今回は前半の2行を見てみます。

【発音】

La sottise, l'erreur, le péché, la lésine,
ラ ソティーズ レルール ル ペシェ ラ レズィーヌ

Occupent nos esprits et travaillent nos corps,
オキュプ ノゼスプリ エ トラヴァーユ ノ コール

Baudelaire, "Les Fleurs du mal"
ボドレール レ フレール デュ マル

Au lecteur
オ レクトゥール

【語句】

sottise [ソティーズ] (女性名詞) 愚かさ
erreur [エルール] (女性名詞) 過ち、誤り
péché [ペシェ] (男性名詞) (宗教上の)罪 
lésine [レズィーヌ] (女性名詞) 吝嗇(りんしょく)

occuper [オキュペ] (動詞) を占領する、を占める
esprit [エスプリ] (男性名詞) 精神、心
travailler [トゥラヴァイエ] (自動詞) 働く、(他動詞) に働きかける、を悩ませる・苦しめる
corps [コール] (男性名詞) 体、身体、肉体 * 単数でも最後に -s がつきます。

Charles Baudelaire [シャルル ボドレール] 1821-1867。フランスの詩人、批評家。
fleur [フルール] (女性名詞) 花
mal [マル] (男性名詞) 悪、痛み
lecteur : (男性名詞) 読者

【文の構成】

*  「La sottise, l'erreur, le péché, la lésine,」がこの文の主語、述語動詞は occupent と travaillent 。主語が三人称複数なのでそれに合わせて occuper が occupent に、travailler が travaillent になっています。

La sottise, l'erreur, le péché, la lésine,
愚かさと過ちと罪と吝嗇が

Occupent nos esprits
私たちの精神を占め

et travaillent nos corps,
そして私たちの肉体を悩ませる。

【和訳】

_ 愚かさ、過ち、罪、吝嗇が私たちの精神を占領し、私たちの肉体に働きかける。
_ 愚かさと過ちと罪と吝嗇が、われらの心を占拠しわれらの身体を苦しめる。

【関連情報】

(翻訳)
→ 「読者へ」 (壺齋閑話)
→ 「読者へ」 (ボードレール研究サイト)
→ 『悪の華』  (安藤元雄 訳 / 集英社文庫)
→ 『悪の華』 (鈴木信太郎 訳 / 岩波文庫)

(原文)
→ Les Fleurs du mal/1857/Au lecteur (Wikisource)

【豆知識】

芥川龍之介という明治時代の小説家が 「人生は一行のボオドレエルにも若かない。」 と言っています。 ( 「若かない」 は 「しかない」 と読みます。)

或阿呆の一生』 という作品の冒頭です。



上級仏単語: écureuil

【発音】
écureuil
エキュルーユ

【品詞】
男性名詞

【意味】
りす


2012-02-28

上級仏単語: intrinsèque


【発音】
intrinsèque
アントランセーク

【品詞】
形容詞

【意味】
内在的な、固有の、本質的な


2012-02-19

私は苦しんだ。

[フランス語初級]

J'ai souffert.
( Georges Bataille, "L'Impossible", Ed. de Minuit, 1981, p.66 )


【発音】

J'ai
ジェ
souffert.
スフェール

Georges Bataille
ジョルジュ バターュ
L'Impossible
ランポッシーブル

Ed. de Minuit
エディション ドゥ ミニュィ
(Ed. は Edition の略)


【語句】

souffert : 動詞 souffrir の過去分詞。
souffrir : 「苦しむ」。

Georges Bataille : 1897-1962。フランスの作家・思想家。
impossilbe : 形容詞。「不可能な、無理な」。
* impossible から im- を取ると possible (ポッシブル)となり、いみは 「可能な、ありうる」 となります。

édition : 女性名詞 ( -tion で終わる名詞は女性名詞)。「出版、出版社」。
minuit : 男性名詞。「夜12時、真夜中」。
Edition de Minuit : フランスの出版社の名前。


【文法】

● < ai souffert > は、「avoirの直説法現在形 + 動詞の過去分詞」、つまり 「複合過去形」 になっています。

● < l'impossible > は形容詞に定冠詞 le がついた形です。形容詞に定冠詞がつくと 「~なもの」というかんじの名詞になります。< l'impossible > だと「不可能なもの」っていうかんじです。 < le beau >  だと 「美しいもの」。


【訳】

「私は苦しんだのだ。」
(ジョルジュ・バタイユ 『不可能なもの』)

【関連投稿】

・ 「ああ、俺は苦しいんだ。」 (2012/2/19)


【翻訳】

→ 『不可能なもの』 (生田耕作 訳 / 二見書房)



ああ、俺は苦しいんだ。

[フランス語初級]

Ah ! je souffre, je crie. Je souffre vraiment.

(Arthur Rimbaud, "Une saison en enfer", 1873)


【発音】

Ah !

je souffre,
ジュ スーフル
je crie.
ジュ クリ
Je souffre vraiment.
ジュ スーフル ヴレモン

【語句】

ah : ああ (感嘆の表現)
souffre : souffrir の直説法現在形・一人称単数。
souffrir : [スフリール] (動詞) 苦しむ
crie : crier より。
crier : 叫ぶ、泣きわめく (英語の cry)。
vraiment : (副詞) 本当に。形容詞は vrai (本当の、本物の)。

【訳】

Ah ! je souffre, je crie. Je souffre vraiment.

ああ、私は苦しい、私は叫ぶ。私は本当に苦しいです。
ああ苦しい、叫びます。ほんとに苦しいんです。

【解説】

souffrir は語末が -ir で終わっているけれど、choisir や réussir、finir などのいわゆる 「第2群規則動詞」 とは活用が違います。

souffrir と同じ活用する動詞にはほかに ouvrir、couvrir、découvrir、offrir  などがあります。

[choisir の直説法現在形の活用]
je choisis
ジュ ショワズィ
tu chosis
テュ ショワズィ
il choisit
イル ショワズィ
nous choisissons
ヌ ショワズィソン
vous choisissez
ヴ ショワズィセ
ils choisissent
イル ショワズィッス

[souffrir の直説法現在形の活用]
je souffre
ジュ スーフル
tu souffres
テュ スーフル
il souffre
イル スーフル
nous souffrons
ヌ スフロン
vous souffrez
ヴ スフレ
ils souffrent
イル スーフル


【関連記事】

* Arthur Rimbaud, "Une saison en enfer" については以下を参照

・ 海の風が俺の胸を [フランス語初級] (2012/02/05)
・ 地獄の道連れの告白を聞こう [フランス語中級] (2011/11/21)



2012-02-18

上級仏単語: pesticide


【発音】
pesticide
ペスティシィッド

【品詞】
男性名詞

【意味】
殺虫剤

【語源】
pest- は英語で「害虫」という意味があり、 -cide は「殺すもの・こと・人」という意味。

たとえば、 suicide [スュイシッド] は 「自殺」(男性名詞) です。
sui- には「自分の」という意味があるようです。


2012-02-10

上級仏単語: arborer

【発音】
arborer
アルボレ

【品詞】
動詞

【意味】
(旗)を掲げる
これ見よがしに身につける


2012-02-06

上級仏単語: échantillon

échantillon  


【発音】
échantillon  
エシャンティヨン
Forvoで確認


【品詞】
男性名詞


【意味】
(商品の)見本

(統計の)サンプル, 標本

2012-02-05

海の風が俺の胸を

[フランス語初級]

L'air marin brûlera mes poumons.

(Arthur Rimbaud, "Une saison en enfer", 1873)

【発音】

L'air marin brûlera mes poumons.
レール マラン ブリュルラ メ プモン

L'air : レール
marin : マラン
brûlera : ブリュルラ
mes poumons : メ プモン

Arthur Rimbaud : アルチュール・ランボー
Une saison en enfer : ユヌ セゾン オナンフェール

【語句】

air : [男性名詞] 空気、風
marin : [形容詞] 海の
brûlera : 動詞 brûler の直説法単純未来形
brûler : 燃やす、焼く
poumon : [男性名詞] 肺

【解説】

* poumon が複数形なのは肺が二つだから。

【訳】

L'air marin brûlera mes poumons.

「海の空気が私の肺を焼くでしょう。」
「海の風にぼくの胸は焼かれることだろう。」
「海の風が俺の胸を焼くだろう。」

(アルチュール・ランボー 『地獄の季節』)

→ 翻訳書1 (小林秀雄 訳)
→ 翻訳書2 (篠沢秀夫 訳)

【関連投稿】

→ 「地獄の道連れの告白を聞こう」 (2011/11/21)



2012-01-30

上級仏単語: promulgation

promulgation


【発音】

promulgation
プロミュルガシオン


【品詞】
女性名詞


【意味】
発布, 公布



2012-01-21

新しい批評と呼ばれているものは


[フランス語中級]

Ce qu'on appelle « nouvelle critique » ne date pas d'aujourd'hui.

[ Roland Barthes, "Critique et vérité" ]

【発音】

Ce qu'on appelle
スコンナペッル

« nouvelle critique »
ヌーベル クリティーク

ne date pas
ヌダットパ

d'aujourd'hui
ドジュルデュイ

Roland Barthes
ロラン バルトゥ

Critique et vérité
クリティーク エ ヴェリテ

【語句】

_ Ce qu'on : ce que の最後の e が、次に on という母音で始まる語が来ているので、取れて ce qu' と on がくっついた。

_ ce que : ce que のあとに主語と動詞が来ると、「~するところのもの」 という意味になる。

_ appelle : 動詞 appeler (アプレ)「呼ぶ」が onに合わせて活用したもの。直説法現在形。

_ on appelle ~ : 「人が(…を)~と呼ぶ」

_ Ce qu'on apelle : 「人が~と呼ぶもの」、「人に~と呼ばれるもの」

_ nouvelle : 形容詞 nouveau (ヌーヴォー)「新しい」の女性形。この形容詞に修飾される、次の名詞 ciritique が女性名詞なので女性形 nouvelle になっている。

_ critique : 女性名詞。「批評」

_ nouvelle critique : 「新しい批評」、「新批評」。それまでの文学批評にたいして、ロラン・バルトなどが行った、それまでにないやり方の批評が当時こう呼ばれた。

_ Ce qu'on appelle « nouvelle critique » : 「人が『新批評』と呼ぶもの」、「『新批評』と呼ばれているもの」。ここまでが、この次に来る動詞 date の主語の部分(主部)になっている。

_ date : 動詞 dater の直説法現在形の活用。主語(主部)は Ce qu'on appelle « nouvelle critique »。

_ dater : (de から, に) 「始まる、遡る」

_ aujourd'hui : 「今日(きょう)」、「本日」。「今日(こんにち)」、「今」。

_ ne date pas d'aujourd'hui : 「今日に始まるのではない」、「今に始まったわけじゃない」

_ Roland Barthes : ロラン・バルト。フランスの批評家。1915-1980。

_ vérité : 女性名詞。「真実、真理、事実」。

_ Critique et vérité : 『批評と真実』。ロラン・バルトの1966年の作品。

【試訳】


Ce qu'on appelle « nouvelle critique » ne date pas d'aujourd'hui.

_ 人が「新しい批評」と呼んでいるものは、今日に始まったのではない。
_ 現在「新批評」と呼ばれているものは、べつに最近になって始まったわけではない。


【翻訳】

→ 『批評と真実』( 保苅瑞穂 訳 / みすず書房 )


2012-01-06

上級仏単語: saugrenu

saugrenu


【発音】
saugrenu
ソグルニュ


【品詞】
形容詞


【意味】
突飛な、風変わりな

2011-12-29

一つの概念を検討してみたい

フランス語中級

Je me propose d'analyser avec vous une idée, claire en apparence, mais qui prête aux plus dangereux malentendus.

[ Renan, "Qu'est-ce qu'une nation ?" ]

【発音】

Je me propose
ジュ ム プロポーズ

d'analyser avec vous
ダナリゼ アヴェク ヴ

une idée,
ユニデ

claire en apparence,
クレール オナパランス

mais qui prête
メ キ プレートゥ

aux plus dangereux malentendus.
オ プリュ ダンジュル マランタンデュ

Renan
ルナン

Qu'est-ce qu'une nation ?
ケス キュン ナシオン

【語句】

proposer : 提案する, 申し出る
se proposer de + 不定詞 : ~するつもりだ
analyser : 分析する, 検討する

_ je me propose d'analyser ... : 私は...を検討するつもりだ

idée : [女性名詞] 考え、概念、観念
claire : 明るい、明解な
apparence : [女性名詞] 概観、見た目
en apparence : うわべは、見かけは


_ Je me propose d'analyser avec vous une idée, claire en apparence
見た目は明解な、或る一つの考えを、あなた方といっしょに検討するつもりです

qui : ここでは関係代名詞
qui prête aux plus dangereux malentendus : une idée を修飾する関係代名詞節。

prêter à : ~の事態を招く, ~の要因となる
dangereux : 危険な、恐るべき
malentendu : [男性名詞] 誤解

aux : 前置詞 à と定冠詞 les の縮約

les plus dangereux ... : [定冠詞 + plus + 形容詞] で最上級
_ les plus dangereux malentendus
もっとも恐るべき(危険な)誤解

_ une idée qui prête aux plus dangereux malentendus
もっとも有害な誤解を招く観念

Renan : Ernest Renan、フランスの思想家、1823-1892。

qu'est-ce que : 何(疑問)
nation : [女性名詞] 国民、国家

【直訳】

Je me propose d'analyser avec vous une idée, claire en apparence, mais qui prête aux plus dangereux malentendus.

私はあなたがたと共に、或る概念 ― 見かけははっきりしているが、最も恐るべき誤解を招く概念 ― を検討してみるつもりです。

【構文】

この文の骨格だけを取り出すと、

Je me propose d'analyser une idée, claire en apparence, mais qui prête aux malentendus.
(私は、一見明解だが誤解を招きやすい或る概念を検討してみようと思う。)

みたいなかんじになります。

つまり、claire en apparence と、qui prête aux plus dangereux malentendus との両者が、mais という接続詞で並んでいて、両方ともに une idée という名詞を説明している(修飾)ことになります。

【試訳】

私はこれからみなさんと一緒に、或る一つの観念を検討してみたいと思います。それは、一見したところは明確な観念なのですが、同時に、最も恐るべき誤解を招きやすい観念なのです。

【翻訳】

→ 『国民とは何か』 (インスクリプト)



ジェルヴェーズはランティエを待っていた。

フランス語中級

Gervaise avait attendu Lantier jusqu'à deux heures du matin.

[ Zola, "L'Assommoir" ]

【発音】

Gervaise avait attendu Lantier
ジェルヴェーズ アヴェタタンデュ ランティエ

jusqu'à
ジュスカ

deux heures
ドゥゼール

du matin.
デュ マタン

Zola
ゾラ

L'Assommoir
ラソモワール

【語句】

Gervaise : ジェルヴェーズ(女性の名前)
avait : 動詞 avoir の半過去
attendu : 動詞 attendre(待つ)の過去分詞
avait attendu : 動詞 attendre の大過去
Lantier : ランティエ(男性の名前)
jusqu'à : ~まで(時間や場所について)
deux : 2
heure : [女性名詞] (時刻の)時
du : 前置詞 de と定冠詞 le の縮約形
matin : [男性名詞] 朝
Zola : Émile Zola (エミール・ゾラ)。フランスの作家。1840 - 1902。
assommoir : [男性名詞] 屠殺(とさつ)用の斧。[古い言い方](安酒を飲ませる)居酒屋
L'Assommoir : ゾラの作品。『居酒屋』。

【文法】
大過去の形: [ avoir または être の半過去形 + 動詞の過去分詞 ]
大過去の意味: 或る過去の時点までに(あるいは、その時点より前に)起こった出来事を表す。

【活用】
attendre の大過去の活用

j'avais attendu [ジャヴェザタンデュ]
tu avais attendu [テュアヴェザタンデュ]
il avait attendu [イラヴェタタンデュ]
nous avions attendu [ヌザヴィオンザタンデュ]
vouz aviez attendu [ヴザヴィエザタンデュ]
ils avaient attendu [イルザヴェタタンデュ]


【直訳】
Gervaise avait attendu Lantier
ジェルヴェーズはランティエを待っていた

jusqu'à deux heures du matin
朝の2時まで

【訳】
ジェルヴェーズは朝2時になるまでランティエを待っていたのだった。

【注】
「待っていた」は大過去で表現されているので、「或る過去の時点」がこの文章の前後に示されているはず。この文章は、小説『居酒屋』の文頭の文なので読んで確かめてみてください。

【翻訳】
→ 『居酒屋』 (新潮文庫)


2011-12-28

上級仏単語: nanti

nanti

【発音】
nanti
ナンティ

【品詞】
形容詞

【意味】
裕福な, (nanti de ~) ~を持っている


2011-12-27

夢は二つ目の人生だ。

[フランス語初級]

Le Rêve est une seconde vie.

[ Nerval, "Aurélia"]

【発音】


Le Rêve
ル レーヴ

est une seconde vie.
エチュヌ スゴンド ヴィ

* est une は、いつもは発音しない est [エ] の最後の t と、次の une [ユヌ] とをつなげて読もう。
* いわゆる 「リエゾン ( liaison )」 というやつです。

Le Rêve est une seconde vie.
ル レーヴ エチュヌ スゴンド ヴィ

Nerval
ネルヴァル

Aurélia
オーレリア

【語句】

rêve : [男性名詞] 夢。ここでは Rêve と大文字で始まっているのは、「夢」 を固有名詞化あるいは擬人化しているからだろうか。

second : 第2の、二番目の。発音は[スゴン]なので注意。女性形は最後に e がついて seconde で発音は[スゴーンドゥ]。

vie : [女性名詞] 人生、命、生活。

Nerval : Gérard de Nerval [ジェラール・ドゥ・ネルヴァル]、1808-1855、フランスの作家。

Aurélia : 女性の名前


【訳】

夢は第二の人生だ。



2011-12-24

料理にケチをつけていた

[フランス語初級]

Arnoux se plaignait de la cuisine.

[ Flaubert , "L'Education Sentimentale" ]


【発音】

Arnoux se plaignait
アルヌー ス プレニェ

de la cuisine
ドゥ ラ キュイズィヌ

Flaubert
フロベール

L'Education Sentimentale
レデュカシォン ソンティモンタール


【語句】

Arnoux : アルヌー (人名)

plaignait : plaindre の半過去形、三人称単数形

plaindre : [動詞] に同情する, を哀れむ

se plaindre de : について文句を言う, 不平を言う

cuisine : [女性名詞] 料理, 台所, 調理場

Flaubert : Gustave Flaubert。 ギュスターヴ・フロベール。フランスの作家。1821-1880。

éducation : [女性名詞] 教育

sentimental : [形容詞] 感情の, 感傷的な


【活用】
se plaindre の直説法半過去形の活用

je me plaignais  (ジュ ム プレニェ)
tu te plaignait  (テュ トゥ プレニェ)
il se plaignait  (イル ス プレニェ)
nous nous plaignions  (ヌ ヌ プレニョン)
vous vous plaigniez  (ヴ ヴ プレニィエ)
ils se plaignaient  (イル ス プレニェ)


【直訳】
アルヌーは料理に文句を言っていた。
(フロベール 『感情教育』)


【訳】
アルヌーは料理にケチばかりつけていた。


【翻訳】

『感情教育 (上)』 (岩波文庫)
『感情教育 (上)』 (河出文庫)



上級仏単語: tergiversation

tergiversation

【発音】
テルジヴェルザシオン

【品詞】
女性名詞
(-tion で終わる名詞は女性名詞になります。)

【意味】
躊躇 (ちゅうちょ), 言い逃れ

2011-12-13

上級仏単語: relaxe


relaxe

【発音】
[ルラックス]
 → FORVOで発音を確認

【品詞】
女性名詞

【意味】
釈放, 放免


2011-12-02

上級仏単語: rémunérer

rémunérer

【発音】
[レミュネレ]
 → FORVOで発音を確認


【品詞】
動詞

【意味】
報酬を支払う


2011-11-26

上級仏単語: atout

atout

【発音】
[アトゥ]
 → FORVOで発音を確認


【品詞】
男性名詞

【意味】
(トランプの)切り札


2011-11-22

上級仏単語: corroborer

corroborer


【発音】
 [コロボレ]
 → FORVOで音を確認

【品詞】
動詞

【意味】
確証を与える, 裏付ける


【類語】
confirmer [コンフィルメ]

2011-11-21

地獄の道連れの告白を聞こう


[フランス語初級]

Écoutons la confession d'un compagnon d'enfer.

(Arthur Rimbaud, "Une saison en enfer", 1873)


【発音】

Écoutons la confession d'un compagnon d'enfer. : 
エクトン ラ コンフェッシオン ダン コンパニョン ダンフェール

Écoutons : エクトン
la : ラ
confession : コンフェッシオン
d'un : ダン
compagnon : コンパニョン
d'enfer : ダンフェール

Arthur Rimbaud : アルチュール・ランボー
Une saison en enfer : ユヌ セゾン オナンフェール


【語句】

Écoutons : 動詞 étouter (耳を傾ける) の直説法現在一人称複数形。ここでは主語がないので命令形。一人称複数形の命令は「~しよう」(英語: Let's ~)
confession : [女性名詞] (-sionで終わるのは女性名詞) 「告白」
compagnon : [男性名詞] 仲間, 連れ合い (女性は compagne [コンパーニュ])
enfer : [男性名詞] 地獄

saison : [女性名詞] 季節
en : [前置詞] (どこどこ)で・に


【逐語訳】

Écoutons la confession : 告白を聞こう
d'un compagnon d'enfer. : 地獄の連れ合いの
Une saison en enfer : 地獄での一季節


【試訳】

「地獄の道連れの告白を聞いてみよう。」
(アルチュール・ランボー 『地獄の季節』)


翻訳書1 (小林秀雄 訳)
翻訳書2 (篠沢秀夫 訳)



2011-11-20

上級仏単語: flageller

flageller

【発音】
 [フラジュレ]

【品詞】
動詞

【意味】
鞭で打つ

2011-11-12

上級仏単語: déliquescence

déliquescence

【発音】
[デリケサンス]
発音の確認 (FORVO)

【意味】
[化学用語]潮解(性); (社会の)衰退


2011-10-30

上級仏単語: fustiger

【発音】

[フュスティジェ]

発音の確認 (FORVO)

【意味】

鞭で打つ, 棒で叩く, 激しく非難する

上級仏単語: séquestration

séquestration

【発音】

[セケストラシィオン]

【意味】

監禁, 幽閉

2011-09-24

上級仏単語: divulguer

divulguer 暴露する
【今日の単語】

divulguer


【発音】

[ディヴュルゲ]

発音の確認 (FORVO)


【意味】

(秘密を)漏らす, 暴露する


2011-09-19

神はモノだとでもいうのか

[フランス語中級]


Dieu serait-il une chose?
(Jean-Luc Nancy, "Des lieux divins", 1987)

【発音】
Dieu serait-il une chose?
ディウ スレティル ユヌ ショーズ

*最後は上がり調子で読みましょう。

Jean-Luc Nancy
ジャン リュック ナンシー

Des lieux divins
デ リゥ ディヴァン


【単語】
Dieu [ディウ] [男性名詞] 神
serait [スレ] être の条件法。主語が三人称単数 ( il や elle など) のときの形。
chose [ショーズ] [女性名詞] 物、事柄
lieux [リゥ] lieu の複数形
lieu [リゥ][男性名詞] 場所
divin [ディヴァン] 神の

【文法】
● être の条件法の活用の確認

je serais [ジュ スレ]
tu serais [テュ スレ]
il serait [イル スレ]
nous serions [ヌ スリオン]
vous seriez [ヴ スリエ]
ils seraient [イル スレ]


● 条件法の用法

条件法の用法の一つは、断定して言うのを避けて和らげて言ったり、人から聞いたことだとして言ったり、することです。

Dieu est une chose. [ディウ エチュヌ ショーズ] 

だと、est は条件法ではなく直説法で、「神は(ある種の)モノである。」 と断定して言っています。

これが、

Dieu serait une chose. [ディウ スレチュヌ ショーズ] 

となると、「神はモノなのでしょう。」 「神はモノだということです。」 みたいな感じになります。

【直訳】

Dieu serait-il une chose?
「神はモノなのだろうか。」

"Des lieux divins"
『神の場所ども』

【試訳】

「神は事物の一種だとでもいうのだろうか。」

【翻訳】
『神的な様々の場』 (松籟社) 



パトリスの愉快なフランス語基本表現ビデオ

フランス語初心者におすすめ!

NHK のフランス語講座にも出演している、ちょっと “うるさい” パトリス・ルロワ さんの Webサイト 「 Rond Point 」。

ここで連載?されていたフランス語の基本フレーズを “大げさ” なジェスチャーで学べるビデオがとても良いです。

その名も 「 ジェスチャーで覚えるフランス語表現 」 ( Quelques gestes et expressions de base... )。

パトリスさんがこれでもかというくらいフレーズを大仰に繰り返してくれるので、いやでもその表現がシチュエーションとともに身につきます。



全部で70表現ほどあります。

2011-09-15

巷のフランス語: プチ・クレイシュ

勤務先の近くの複合施設の看板に 「プチ・クレイシュ」 というのを見つけました。

うまく写真が撮れませんでしたが、こんなのです。



調べてみると、プチ・クレイシュというのは、東京都の認証保育園の名称のようです。

「プチ」 は petit (小さな) ですが、「クレイシュ」 は何でしょうか。

「保育園」 とかでしょうか。

「クレイシュ」 は crèche で、「託児所」 という意味になります。 (女性名詞)

発音は [クレイシュ] というより [クレーシュ] みたいに途中に [イ] は入らない感じです。

crèche の古い意味は 「まぐさ桶」 (家畜の餌となる草を入れる桶) です。

そこから、キリストが生まれたときに入れられていたまぐさ桶という意味も持っています。 その場合は、la Crèche と大文字で書き始めます。

クリスマスが近づくとキリスト誕生の様子を模型で作って飾ったりしますが、これが la Crèche です。

Google の画像検索で 「la Crèche」 を検索してみるとその画像がいくつも見つかります。(託児所の画像もあります。)

ということで、「プチ・クレイシュ」 は、「ちっちゃな託児所」 という感じでしょうか。

が、しかし、crèche は女性名詞です。女性名詞を修飾する形容詞 (今回の場合は petit ) は
語の終に e がつきます。

なので、文法的に正しくは petite crèche (プティットゥ クレーシュ) ということになりそうです。

2011-08-21

2011-08-16

今日、母さんが死んだ。


[フランス語初級]

Aujourd'hui, maman est morte.

(Albert Camus, "L'étranger", 1942)

アルベール・カミュ 『異邦人』 の冒頭です。

  Albert Camus (1913-1960)


【発音】

Aujourd'hui,
オジュルデュイ

maman est morte.
ママン エ モルトゥ

Albert Camus
アルベール カミュ

L'étranger
レトゥランジェ


【語句】

aujourd'hui : [副詞] 今日, 本日
maman : かあさん(自分の母親を呼ぶときに使われる。英語の mama )
est : il, elle (三人称単数)が主語のときの être の現在形の活用(直説法三人称単数現在)
morte : mourir (死ぬ) の過去分詞 mort [モール] の女性形。
est morte : mourir の複合過去。

* être を使う複合過去では、過去分詞(この場合 mort )は、主語に性数一致する。この文の場合、主語が maman で女性名詞なので mort は morte となる。

* 複合過去は avoir または être と動詞の過去分の組み合わせで作る。ほとんどの動詞は avoir を使うが、venir, monter, mourir など一部の自動詞は être を使う。

étranger : [形容詞] 外国の, 外国人の, 関係のない, 無縁の ; [名詞] 外国人, よそ者

* étranger は 「エトランゼ」 という日本語で使われている。 検索してみたら、日本のロックバンド(?) スピッツ(SPITZ )にも 「エトランゼ」 という曲がありました。


【直訳】

今日、お母さんが死にました。


【試訳】

今日、母さんが死んだ。


【補足】

アルベール・カミュは、タレントのセイン・カミュの母親の父の弟です。


【翻訳】

→ 『異邦人』 (窪田啓作 訳 / 新潮文庫)




2011-07-06

上級仏単語: contumace

contumace

[コンチュマッス]

(女性名詞) (刑事被告人が法廷に)欠席すること

例文:

L'ex-président tunisien Ben Ali est à nouveau jugé par contumace.


レクス プレズィダン チュニズィアン ベン アリ エタヌボ ジュジェ パル コンチュマッス。


ex- : 「元の」「前の」
à nouveau : 改めて, 新たに
juger : 裁く
par contumace : 欠席裁判で


「チュニジアの前大統領ベン・アリは欠席裁判で新たに裁かれた。」



見つめれば見つめるほど

[フランス語中級]

Plus il la contemplait, plus il sentait entre elle et lui se creuser des abîmes.

[ Flaubert , "L'Education Sentimentale" ]

【発音】

Plus il la contemplait, 
プリュ イル ラ コンタンプレ

plus il sentait 
プリュ イル サンテ

entre elle et lui 
アントゥル エル エ リュイ

se creuser des abîmes.
ス クルゼ デ ザビーム

【語句】

● Plus il la contemplait, 

plus ..., plus ~ : ...すればするほど~だ。
contemplait : contempler の半過去・三人称単数形
三人称単数: 「私」(一人称)と「あなた」(二人称)以外で、単数形
contempler : 熟視する, 見つめる

「彼が彼女を見つめれば見つめるほど」

● plus il sentait 

sentait : sentir  の半過去・三人称単数形
sentir : 感じる

「彼は感じていた」

● entre elle et lui

entre A et B : AとBの間に

「彼女と彼との間に」

●se creuser des abîmes

creuser うがつ, 掘る
se creuser 掘られる, 溝などができる
abîme [男性名詞] 溝, 深淵

「溝がうがたれるのを」

● il sentait se creuser des abîmes

sentir + 目的語 + 不定詞 : ~が…するのを感じる
ここでは目的語は des abîmes、不定詞が se creuser。

「彼は溝ができていくのを感じていた」

【逐語訳】

Plus il la contemplait, plus il sentait entre elle et lui se creuser des abîmes.

彼が彼女を見つめれば見つめるほど、彼は彼女と彼との間に溝ができていくのを感じていた。

【試訳】

彼女のことをじっと見つめれば見つめるほど、彼女と自分との間に大きな溝ができていくのを感じてしまうのだった。

2011-06-18

上級仏単語: charnier

charnier

[シャルニェ]

(男性名詞) 死体置場, 死体の山

2011-05-11

もう一匹の鮭が

Et ne craignez-vous pas qu'un saumon de plus ne fasse chavirer votre bateau ?

( Victor Hugo: "Notre Dame de Paris" より)

[フランス語上級]

19世紀フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの『ノートルダム・ドゥ・パリ』から。


【発音】

Et ne craignez-vous pas

エ ヌ クレニェヴ パ

qu'un saumon de plus

カン ソモン ドゥ プリュス

ne fasse chavirer

ヌ ファス シャヴィレ

votre bateau ?

ヴォートゥル バトぉ


【語句】

craignez : craindre (恐れる:クランドゥル) の直説法現在形。 vous に対応した形。

ne craignez-vous pas que ... : あなたは...ということを恐れないのか、...ということが恐くないのか。(craindre que ... の、...の箇所は接続法を使うことになっています。)

saumon : (男性名詞) サーモン、鮭

de plus : さらに...だけ

un saumon de plus : さらに一匹のサーモンが (fasse chavirer の主語)

fasse : faire の接続法現在。 il などの三人称単数形の主語に対応した形。

chavirer : 転覆させる、ひっくり返す

faire + 不定詞(動詞の原形) : 「~させる」という “使役” の意味になります。

fasse chavirer votre bateau : あなたの船を転覆させる

ne fasse chavirer ... の 「ne」 : この ne は “虚辞のne” といって、とくに否定の意味はもっていません。特定の表現のときに形式的につけます。この場合は 「craindre que ...」となっていますが、craindre のあとの que の中では否定じゃなくても ne をつけることになっています(つけない場合もあります)。


【直訳】

Et / ne craignez-vous pas / qu'un saumon de plus / ne fasse chavirer votre bateau ?

そして / あなたは恐れないのか / さらに一匹の鮭が / あなたの船を転覆させることを ?

【試訳】

それにあなたは怖くはないのですか。あと一匹鮭が多ければあなたの船が転覆してしまうかもしれないのですよ。

『ノートルダム・ド・パリ』の翻訳は岩波文庫版などがありますが...、長く、そして読みにくい!

オススメはこれ!